きまぐれな日々

昨年7月20日付の日経新聞が、昭和天皇がA級戦犯の靖国神社合祀に不快感を抱いていたことを示す富田朝彦元宮内庁長官のメモ(「富田メモ」)の存在をスクープしたが、今度は故徳川義寛元侍従長が歌人の岡野弘彦氏(83)に昭和天皇のA級戦犯合祀に対する懸念を伝えていたとの記事を、共同通信が配信した。
http://www.47news.jp/CN/200708/CN2007080301001047.html

A級合祀「禍根残す」 昭和天皇が懸念

 靖国神社のA級戦犯合祀に対する昭和天皇の考えとして「戦死者の霊を鎮めるという社の性格が変わる」「戦争に関係した国と将来、深い禍根を残すことになる」との懸念を、故徳川義寛元侍従長が歌人の岡野弘彦氏(83)に伝えていたことが3日、分かった。

 昭和天皇がA級戦犯合祀に不快感を示していたことは、富田朝彦元宮内庁長官のメモなどで判明しているが、具体的な理由までは明らかになっていなかった。

 合祀への懸念は、昭和天皇の側近トップだった徳川元侍従長が1986年秋ごろ、昭和時代から皇室の和歌の指導に当たってきた岡野氏に明かした。

 岡野氏によると、徳川元侍従長が昭和天皇の和歌数十首について相談するため、当時岡野氏が教授を務めていた国学院大を訪れた。

 持ち込んだ和歌のうち86年の終戦記念日に合わせて詠んだ「この年のこの日にもまた靖国のみやしろのことにうれひはふかし」という一首が話題になり、岡野氏が「うれひ」の内容を尋ねると、徳川元侍従長がA級戦犯合祀に言及。「お上(昭和天皇)はA級戦犯合祀に反対の考えを持っておられた。理由は2つある」と切り出した。

 その上で「1つは(靖国神社は)国のために戦に臨んで戦死した人々のみ霊を鎮める社であるのにそのご祭神の性格が変わるとお思いになっておられる」と説明。さらに「戦争に関係した国と将来、深い禍根を残すことになるとのお考え」と明言したという。

2007/08/04 02:02 【共同通信】


今朝の「四国新聞」一面トップはこの記事だった。おそらく多くの地方紙でも同じだったと思う。実際の紙面では記事はもう少し詳しくて、岡野氏が昨年末にまとめた昭和天皇の和歌の解説書「四季の歌」の中でこのことに触れているそうだ。また、元侍従長は「こうした『うれひ』をはっきりお歌になさっては差し障りがあるので少し婉曲にしていただいた」と歌の背景を話した、とも書かれている。新聞記事は、さらに中曽根元首相やコイズミの靖国参拝が中国・韓国を刺激し、昭和天皇の懸念が現実のものとなったと指摘している。

新聞記事にもあるように、岡野氏の著書が出版されたのは昨年末だ。それが、この時期に新聞記事になったというのは、昨年の「富田メモ」のスクープ同様、ある種の政治的意図があると考えて間違いないと思う。

実は、この種の報道には、私はちょっと違和感を持っている。それは、戦争責任というなら、もっとも重い責任があるのは昭和天皇その人ではなかったかと思うからだ。昭和天皇のA級戦犯の靖国神社合祀への不快感を示していたと聞くと、「自分のことを棚にあげて」と思ってしまうのが正直なところである。昭和天皇もそれを自覚していたからこそ、ごく内輪の人間にしか真意を漏らさなかったに違いあるまい。

昨年の「富田メモ」スクープの時より、今回の方が記事への違和感がずっと大きいのは、参院選挙で負けたのに責任を赤城大臣らに押しつけ、自らは全く責任をとろうとしない安倍晋三の姿が連想されるからである。戦後、昭和天皇が戦争の責任を取って退位しなかったのは、日本の権力者に無責任体質を蔓延させることを招いてしまったと思う。何度も書くが、「権力の頂点にいる最高司令官」を自称しながら、権力の座に固執する安倍晋三の姿は、醜悪の一語に尽きる。

これまであまり安倍を批判してこなかった右派週刊誌も、あまりの安倍のていたらくに怒りを爆発させ、たとえば「週刊文春」(8月9日号)は、「バカ社長」ではダメだ、安倍自民37議席は「天罰」だ、などと書いて、石破茂や舛添要一の発言を引きながら安倍を罵倒している。

文春は、例の安倍の恥書「美しい国へ」の出版元なのだが、出版後1年経って人気の暴落した安倍の恥書などもはや誰も買わない。「金の切れ目が縁の切れ目」というワケで、もともと清和会(町村派)より野中広務に近いとされていた「週刊文春」がようやく本音全開で記事を書き始めたのだろう。

その一方で、いまだに安倍を擁護し続けているのが産経新聞と読売新聞である。一部に、日経新聞と読売新聞が軸となって自民党を参院選での惨敗に追い込んだという評論があるが、読売新聞の論説を見る限り、私には信じがたい言説だ。現に読売新聞は、安倍の「続投」を評価する人が44%もいる、などという明らかに捏造された世論調査結果を発表している。

読売新聞のドン・渡邉恒雄(ナベツネ)は元首相・中曽根康弘の盟友であり、憲法改定を生涯の悲願とする中曽根は、安倍に改憲の夢を託している。中曽根との友情がある以上、いかにナベツネが総理大臣の靖国神社参拝に反対であろうが、読売新聞は安倍を支持し続けるのである。ナベツネは、内部に矛盾を抱えていても平気な人間なのだろうと私は考えている。独裁者とはそういうものだ。

だが、読売新聞にはプロ野球で失敗した前例がある。以前にも書いたように、3年前の球界再編騒動の際、読売新聞はプロ野球労組のストを批判する社説を3日連続で掲載して、世論と真っ向から対立したが、こうした言論の結果、読売ジャイアンツは急速に人気を失い、視聴率の取れない「巨人戦中継」はゴールデンタイムの地上波番組から姿を消しつつある。

読売に応援された安倍政権も、ジャイアンツと同じ末路をたどるだろう。


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 今後、私のブログで使用する用語です。
「ゴミ売り新聞」=内容がごみだから。
「3K新聞」=「臭い、汚い、けがらわしい」から。実際には、「いかがわしい」も含めたいのですが。

2007.08.04 14:26 URL | 眠り猫 #2eH89A.o [ 編集 ]

 AbEndフォーラムでご活躍のゴンベイさんからご意見を頂戴し、さらに毒のある用語にしました。
「3Kei新聞」、「臭い、汚い、けがらわしい」に、「えげつない、いかがわしい」が追加されました。
 これがはずれていないのが事実として怖いです。

2007.08.04 22:02 URL | 眠り猫 #2eH89A.o [ 編集 ]

江川紹子ジャーナル

2007年08月04日

安倍首相の強気を支えているものは…

http://www.egawashoko.com/c006/000227.html

《すべては、”岸真理教”の信仰に支えられた言動だと考えると分かりやすい。》

2007.08.05 03:11 URL | ゴンベイ@AbEndフォーラムさん #eBcs6aYE [ 編集 ]

江川紹子さんが安倍をカルト認定したなら、もう一人のオウム真理教評論家の「有田芳生」センセイはどういう反応でしょうか?

2007.08.05 03:23 URL | ゴンベイ@AbEndフォーラムさん #eBcs6aYE [ 編集 ]

佐藤卓己,八月十五日の神話-タカマサのきまぐれ時評
http://tactac.blog.drecom.jp/archive/229
>おびコピーにおどっている「「八月ジャーナリズム」の総決算!」という、モンクは、正直いたかった。

2007.08.25 19:51 URL | ゴンベイ #eBcs6aYE [ 編集 ]













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1 :BaaaaaaaaQφ ★:2012/05/01(火) 22:08:55.51 ID:???0 「今月で94歳になるが、あの世へ行ったら、先輩から『まだ改正できていないのか。何をぐずぐずしているんだ』と怒られそうだ」。中曽根康弘元首相は1...

2012.05.02 00:03 | 何これニュース【2ちゃんねる-ニュー速+のまとめ】