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きまぐれな日々

参議院選挙で民主党が大勝した一方、共産党、社民党、9条ネット、新党日本などの「護憲勢力」は党勢を伸ばすことができなかった。

新党日本については、当ブログは自民党の補完勢力であるとして、参院選では投票しないよう呼びかけたが、自民党とくっつきたい人たちは選挙戦の最中に出て行ったし、かつてブログで安倍晋三や石原慎太郎を利する記事を何度も書いた有田芳生は落選した。選挙中盤には田中康夫も議席を得られないのではないかと見られていたが、選挙戦中でのテレビ討論で、田中の主張に、他の野党四党(民主、共産、社民、国民新)の出演者を上回る説得力があったことから印象度がアップし、それが議席の獲得につながったものと思う。

しかし、社民党、9条ネット、新党日本の3党が合流するくらいでないと、「護憲」の声を広めていくことはできないと思う。社民党が2議席しか確保できなかったのは、9条ネットや新党日本に票が流れた影響もあるだろう。

上記3党と共産党の違いは、共産党は他党と連立を組むつもりが最初からないことで、一方社民党は、「民主党に影響力を行使しうる」ことをウリにしていると、福島瑞穂党首が言っていた。しかし議席を減らしたのでは元も子もない。

現在はなかなか主張が浸透しない社民党だが、同党の辻元清美議員に私は注目している。辻元議員は、旧来保守や改憲派とも連携の道を探っているのだ。

以前、「週刊金曜日」で辻元氏が「良質な保守」を評価する文章を発表したことを紹介したが(『参院選の争点は 「アベシンゾー」 だ』)、民主党の枝野幸男議員から「知的に論戦できるハト派の論客」という評価を得ている辻元議員は、ナント自民党の世襲議員にして「軍事ヲタク」の石破茂あたりまで巻き込んで「立憲同盟」を作ろうとしているのだという(「SIGHT」第32号『リベラルに世界を読む』掲載の枝野幸男インタビューより)。枝野議員は改憲派で「ネオコン」と評されることもあるが、安倍晋三が立憲主義を解していないことを厳しく批判しているし、国会でキヤノンの偽装請負を舌鋒鋭く追及したことは記憶に新しい。枝野氏に「ネオコン」とレッテルを貼って安倍晋三らと同列に論じるのは間違っていると私は思う。その枝野氏によると、石破氏は「タカ派だけど、リアリスト」なのだそうだ。

石破氏というと、参院選の敗北にもかかわらず政権の座にしがみつこうとしている安倍晋三を厳しく批判していることが、ニュースをにぎわせている。その石破氏が、イデオロギーの違いを超えて枝野氏や辻元氏らと提携しようとしているというのは、どこかわくわくさせられる話だ。

このところよく思うのだが、いくら護憲の主張が正しくとも、現実に戦争を止める力がなければ何の意味もない。もし安倍ら愚かな為政者が戦争を招いてしまったとしても、知恵を絞れば戦争を止められたかもしれなかったのにそれを行わなかった人たちにも、重い戦争責任が生じると私は考えている。

その意味で、改憲派や軍事ヲタクの「タカ派」とまで、共闘できるところは共闘しようと模索している辻元氏の試みは注目に値する。辻元氏および社民党の今後に注視したい。

何より大切なことは、とらわれない心で、複眼的にものごとを考えることだ。どんな運動でも、型にはまってしまった時から衰退が始まる。


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 面白いですね。
 でも、国民への説明が難しいですね。国会での会派なら出来るけど、新しい党になるには組織が無いと。
 でも、どうなるかと言う、不安と期待が無い混ぜになった気分はあって、不安と嫌悪しか感じない安倍よりはましかと。
 TB通らないので、簡単に書きますが笑い話。日経記者の分析で、今日、株価が300円以上の暴落をした理由は、「安倍敗北は織り込み済みだったが、続投するとは思っていなかった。このため、今後の政局ひいては経済の先行きが不安定になるという心理で株が売られた」だそうです。続投すると株が下落するとは、文字通り、安倍の「株が下がりました」。

2007.08.01 20:27 URL | 眠り猫 #2eH89A.o [ 編集 ]

新党日本も広義の護憲勢力にすると得票率では1,8パーセントほど伸ばしています

2007.08.01 20:49 URL | きりん321 #- [ 編集 ]

>いくら護憲の主張が正しくとも、現実に戦争を止める力がなければ何の意味もない。もし安倍ら愚かな為政者が戦争を招いてしまったとしても、知恵を絞れば戦争を止められたかもしれなかったのにそれを行わなかった人たちにも、重い戦争責任が生じると私は考えている。

私も全く同感です。
今回、比例区では天木さんに入れましたが、死票となる可能性について確かkojitakenさんがご指摘されていたと思いますが、死票になる可能性が高いことに苛立ちを覚えました。自分の生きている時代に、おめおめとなすすべもなく戦争への道を進むことにでもなれば、同時代を生きるものとしての責任は重いです。

しかし、現実に小選挙区・比例代表制という選挙制度の下で、護憲政党勢力の拡大は困難を極めます。

戦争国家への道を回避する現実的な方向性を探る必要がありますね。どうしたらいいんだろう。

2007.08.01 23:57 URL | ossann #XN01D24I [ 編集 ]

石破さんは論理的で冷静な議論が出来る人でもあるんですよね。国益と言う観点から核武装議論を一蹴、また徴兵制に関しても2年やそこらで交替するようなアマチュアの集団では戦力にならないと否定するなど、現実的な観点から防衛を語れる人だと思いました。最新軍事力を与えたらついつい使ってみたくなる人 (私もそのひとりかも) とは一線を画す人材だと思います。
辻元さんも、そう言う人と共同戦線の企画を出せるような人なら、旧来の「何でも反対」野党と一線を画す人材といえるでしょう。

2007.08.02 00:50 URL | yoshihiroueda #JalddpaA [ 編集 ]

2コメです。
 右派だから戦争を望んでいるとは限りません。好戦的なのは、論理性の無い、レイシズムに堕した誤った民族主義の右翼だけ。低脳のネット右翼らがこれに当たります。
 安倍も同類ですが、彼らはネオコンとして、軍需で利権を漁るという目的があり、政治的思想で右派をしているのではないのです。売女・小池は、その安倍らに媚びているだけ。
 左派にも民族主義的に軍事独立を唱えるものもいます。
 民族主義、経済思想、政治思想、感情、直接的な利益の有無など、異なったファクターをそれぞれが選択して取り込んでいるために、一概に右派、左派でくくれるものではないです。
 ネット右翼は自らを愛国者と名乗り、左派を非国民と言いますが、これは戦前・戦中のレッテル貼りを盲目的に使っているだけで(それだけ時代遅れでバカと言うこと)、彼らの言うとおりにしたら、それこそまず経済破綻が起こり、中国から核ミサイルが飛んできて、日本民族絶滅です。亡国の輩とは奴らのことなり。
 違う意見のものと交流し、相互に理解できる部分を探すのは有益なこと。それができないネットウヨと交流する気は無いですが。

2007.08.02 05:58 URL | 眠り猫 #2eH89A.o [ 編集 ]

>共産党、社民党、9条ネット、新党日本などの「護憲勢力」の主張が正しくとも、現実に戦争を止める力がなければ何の意味もない。

確かにそのとおりですが、

>改憲派や軍事ヲタクの「タカ派」とまで、共闘できるところは共闘しようと模索している辻元氏の試み(=石破氏が、イデオロギーの違いを超えて枝野氏や辻元氏らと提携しようとしている)というのは、どこかわくわくさせられる
選挙の閉塞感を打破しようという点では注目に値するかもしれませんが、そうなると、「護憲」の中身が問題です。現実追随になっていくような気がします。これでは戦前の三反主義と同じにならないでしょうか?確かに今日戦前の社会ファシズム論の誤りを繰り返してはならないと思います。
でも9条の会の活動は議会外の活動としては教訓的で、議会では少数でも議会外で多数であれば局面を打開できます。選挙における共闘は政権構想が一致しなければ難しいでしょう。安保や大企業への課税問題、憲法問題など不一致点が多すぎます。消費税や公務員問題も然りです。一致点を絞らせず不一致点を拡大させるメディアの分断戦略を見落としてはならないと思います。
でも運動は多様で多面的です。反ファシズム統一戦線や抗日民族統一戦線、抗米救国闘争、民族解放統一戦線など、一致点をどこに見出して運動を展開するか、それが問題です。その点憲法第9条の改悪阻止の一転で統一戦線を構築できるか?石破・枝野氏が憲法第9条遵守の立場に立てるかどうか、辻元議員も同様です。ミイラ取りがミイラにならなければと思うのはダメでしょうか?戦前の皇道派と統制派の「対立」、民政党と政友会の「対立」、戦後の自民と社会の「対立」の教訓を思い起こす時でしょう。自民VS民主がどこまで貫かれるか、それは国民の要求実現にとってどういう「対立」が好ましいかということに尽きます。

2007.08.02 20:43 URL | コミュニスト #- [ 編集 ]













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