きまぐれな日々

周知のように、参議院選挙の比例区は、「非拘束名簿式比例代表制」である。

だが、どのような経緯でこの「非拘束名簿式」が導入されたかを覚えておられる方は、意外と少ないようだ。

1980年までは、候補者を選ぶ「全国区」だったが、1983年に「拘束名簿式比例代表制」に改められ、それが1998年まで続いた。

しかし、1998年の参院選で大敗した自民党は、2000年当時の森内閣のあまりの不人気に頭を抱えていた。同党は、このままでは2001年の参院選で与野党の議席が逆転してしまうと危機感を募らせ、2000年秋に自民・公明・保守の与党三党の賛成多数で「非拘束名簿式」に改めてしまったのである。

当然、野党はこれに反発した。たとえば、社民党は2000年10月13日付で、下記のような党声明を出している。
http://www5a.biglobe.ne.jp/~sdpkitaq/hikousoku.htm


党声明(党中央)

2000年10月13日 社会民主党

 昨日の参考人質疑でも「時期尚早」、「唐突」、「異常事態」との懸念の声が大勢を占めていたにもかかわらず、本日、自公保3党は、参議院選挙制度に関する特別委員会で、非拘束名簿式の導入と議員定数の削減のための公職選挙法の一部を改正する法律案の「採択」を強行した。与党が選挙制度を自らに都合良く変更するため、国民の意見も聞かずに、与党が法案を一方的に出して、与党だけで審議して、与党だけで決めてしまうのは、議会民主主義の否定であり、戦後の選挙制度史において特筆されるべき暴挙である。

 参議院の選挙制度については、本年2月25日の各派代表者会議において「当面現行制度を維持する」ことで各党が合意していた。しかし、久世公尭・前金融再生委員長の大型ヤミ献金問題をきっかけに、与党は制度問題に疑惑をすり替え、一方的に非拘束名簿式の導入を打ち出した。しかも、非拘束名簿式自体が民意に適うものであるどころか、票の横流しによって有権者の民意を踏みにじる制度である。

 非拘束名簿式の導入は、「残酷区」・「銭酷区」といわれた旧全国区を再現するだけでなく、政党と国民との絆・結びつきを深めるという比例代表制導入で期待された理念をも否定することになる。政党自らの存在価値自体を問われかねないものにする制度改悪であり、まさに時計の針をはるか昔に戻してしまうことにほかならない。

 KSD中小企業経営者福祉事業団との関係で明るみに出た村上参議院自民党議員会長の疑惑や、久世問題にみられるように、今回の暴挙は、票と順位を金で売買する自民党の金権体質を覆い隠し、ますます政治と金との癒着を厚くさせるものである。正常化のための努力を一切拒否し、一瀉千里に採決まで持ち込んだ自公保3党の無謀な暴走をこれ以上続けさせてはならない。こうした暴走を一つ一つ許すことが日本の民主主義をますます危うくさせる。社会民主党は、自公保3党に対する、主権者である国民のみなさんの厳しい審判を期待する。


私は、この社民党の意見は正論であり、比例区は「拘束名簿式比例代表制」に戻すべきだと考えている。

2000年当時、自民党は女子マラソン指導者の小出義雄氏に声をかけるなど、さっそく「非拘束名簿式」を悪用しようとした。なぜ、シドニー五輪で優勝した高橋尚子選手に声をかけなかったかというと、高橋選手は当時被選挙権を持つ年齢に達していなかったためだろう。

結局、自民党はコイズミの異常人気によって、01年の参院選では、選挙制度のいかんにかかわらない圧勝を収めたのだが、それでも大仁田の当選など、今思い出しても苦々しい気分になる。

もちろん、制度が導入された以上は、野党も有名人で票を集めようとした。民主党は大橋巨泉、社民党は田島陽子を候補に立て、それぞれ当選した上、他の候補に票を横流しした。しかし、両氏とも任期途中で議員辞職してしまい、制度の弊害を浮き彫りにする結果になった。自民党の大仁田も、さすがに二期目に立候補する厚かましさは持ち合わせていなかったのである。

基本的に、選挙区は候補者個人に、比例区は政党に投票するというのが選挙制度の理念に沿った投票行動だろう。6月21日付の当ブログ記事 「『AbEnd』のための参院選投票パターン」 では、比例区で民主党に投票する場合は、ネオコン候補を排除するために候補者名での投票を推奨したが、これはあくまで例外であり、基本的には比例区は政党本位で投票することを推奨したい。民主党議員の篩い分けは、今後政界再編成とともに進んでいくと思う。

参議院選挙のあといずれ行われる衆議院総選挙で自公政権が倒れたあかつきには、参議院の比例区は「拘束名簿式比例代表制」に戻してほしいものである。


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