きまぐれな日々

ほんの1か月前、安倍晋三内閣の支持率が上昇し、安倍首相や保守系メディアが浮かれていたのが嘘のようだ。年金が再び争点になり、これに松岡利勝前農水相の「自殺」も重なって、世論は再び大きく動こうとしている。

世論調査は、現時点では有権者の参議院選挙への関心の高さを示しており、もしきたる参院選で投票率が高くなると、故石川真澄(元朝日新聞編集委員)が指摘した「亥年現象」、すなわち、統一地方選挙と参議院選挙が重なる年は、地方選が終わって気が緩んだ運動員が参院選では不活発になるために投票率が下がるという現象が、初めて生じないことになる。おそらく、国政選挙においても大きなターニングポイントになる。

私が物心ついて以降、もっとも大きなターニングポイントになったと思われる国政選挙は、1977年の参議院選挙だった。

その少し前から、社会の保守化が始まっていたが、それが選挙結果として初めて現れたのがこの77年参院選ではなかったかと思う。与野党逆転をかけて争われたこの選挙では、自民党から分かれた新自由クラブ(前年の衆院選で躍進していた)や、社会党から分かれた社会市民連合のほか、革新自由連合や女性党などが候補者を立て、にぎやかな選挙になったが、結局自民党が与野党逆転を阻止した。時の福田赳夫内閣下で右傾化政策が進められ、有事立法が話題となり、79年(大平内閣時代)には元号法が制定された。現在、安倍晋三が進めようとしている改憲路線は、もちろん安倍の祖父・岸信介の遺志を継いだものだが、それを70年代に準備したのが福田赳夫だった。

福田赳夫は1978年の自民党総裁選で大平正芳に思わぬ敗北を喫し、以降22年間、岸信介?福田赳夫の派閥は政権から遠ざかった。この間の右派政権としては中曽根康弘内閣(1982?87年)がネオリベ・ネオコン路線に立ち、バブル経済の原因を作ったが、中曽根は巧みに「左」も取り込み、1986年の衆参同日選では自民党の空前の圧勝をもたらした。この時が自民党再興期の頂点だったと思う。

86年同日選の結果、衆議院で300議席を超えた自民党政権だが、中曽根は、語るべきものを持った最後の首相だった。石川真澄が指摘したように、「中曽根以前」と「竹下以降」で首相の質が変わった。竹下以降の首相には語るべきものを持っていない。これも石川が指摘するように、唯一語るべきものを持っていたかもしれないのが小沢一郎で、90年代には新自由主義の旗頭だった。しかし小沢は首相になることはなかった。

小泉純一郎(郵政民営化)や安倍晋三(改憲)は、語るべきものを持っているのではなく、情念に突き動かされている政治家だと思う。森喜朗もそうだろう。この3人は、国を誤らせた政治家というしかない。

それでも、変化を嫌う国民は、自民党に政権の座を与え続けた。現状に不満があるのに、「他に適当な人がいないから」と言って、コイズミや安倍晋三を支持する人たちが多いのには驚く。森やコイズミや安倍晋三ほど首相に不適格な人間は珍しく、彼らにさえ務まるのなら総理大臣なんて誰にでもできる、と私などは思っていた。

しかし、森やコイズミはともかく、安倍晋三にはさすがに首相は無理だった。年金問題が国民の不安を招いても、政敵の菅直人に責任を転嫁する宣伝で乗り切ろうとしたり、果てには明らかに首相の責任で閣僚から自殺者を出しても、国民が忘れるに任そうとする無責任な態度には、おそらく多くの国民があきれ果てているだろう。

それに加えて、変化を嫌う国民は、安倍の企てる「戦後レジームからの脱却」に警戒感を抱くようになったと思う。世論調査で憲法改正支持派が減っており、特に「九条改変」について顕著なのは、その表れだろう。

民主党の小沢一郎は、新自由主義を捨て、いまや社民側に歩み寄ろうとしているように見える。私見では、小沢は潮の流れを読むのに長けた政治家だ。ただ、周囲の政治家の多くには小沢のような眼力はないので、民主党は内部に大きなひずみを抱えた状態になっている。参院選に民主党が勝った場合でも、民主党分裂の動きは収まるどころかかえって拡大するかもしれない。おそらく、参院選後の政界再編は避けられないと思うのである。


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kojitaken様、はじめまして。
ご指摘されている様に、政界再編の可能性を考えて、今度の参院選では民主党の改憲派と護憲派の候補者をしっかりと見極めなければならないと思います。
「反戦な家づくり」の明月さんのアンケートに改憲反対の意思表明をされた護憲候補者を我々は必ず当選させなければなりません。

2007.06.12 08:33 URL | ZGP #- [ 編集 ]

「新自由主義には反対だ。」
小沢一郎は私にきっぱりと言いました。

2007.06.12 10:21 URL | 岩・保守本流 #- [ 編集 ]

 今の政治を判りにくくさせているのは、やはり民主党が内包する、タカ派からハト派までの雑多な集団であることでしょう。
 改憲については、鳩山幹事長が積極的ですが、菅氏は黙ったままです。、横路氏は明確に護憲を打ち出しています。
 その意味では、参院選をきっかけに、政界再編が進むのも良いでしょう。
 しかし、護憲は重要な政治的イシューですが、格差是正や、コイズミが進めた、行き過ぎたネオリベの是正に取り組まないと、日本は、完全に貧しい国の仲間入りです。蓄えたり生産した富はアメリカに自動的に吸い上げられるシステムにコイズミはしてしまいました。やはり護憲と生活回復。この2点を実現できる政党に政権を取ってほしいです。

2007.06.12 11:33 URL | 眠り猫 #2eH89A.o [ 編集 ]

太字の文斜体の文色付きの文字打ち消しの文打ち消しの文打ち消しの文正しい小沢感、を久し振りに見れて、ほっこりしてます。
参院選がんばろう!

2007.06.12 22:43 URL | あべこべ #- [ 編集 ]

左寄りの連中は、共産主義思想が根底にあると考えています。この方々の主張は平和を主張しクリーンなイメージを出していますが、共産主義思想のの根底は「革命は銃口から生まれる」と言ったのスローガンがあり、不気味でなりません。

自分達の意に適わぬモノは、暴力で従わせるのが素性でしょう ?
「平和憲法」などと言って、口が寒くないのでしょうか ?

中共や旧ソ連、北朝鮮で革命の元、何千万人殺しましたか ?「彼らと関係ない」と言うかも知れませんが、無学な水飲み百姓には同じに見えてしまいます。

父はあるド田舎で、左寄りの連中に乗せられ、この連中に言葉巧みに財産を全て巻上げら、不運にも事故で若くして他界してしまった。

貧乏のどん底にあった我が家では、教材も十分に買えず、父親が居なければ、苦情は来ないだろう言う計算が働いていた日教組の教員による、にいじめ対象の(現在にもつながる)実験台にされてしまった。

これをどの様に解釈するか、皆さんの自由だが嘘は一切ない。

サヨクの目的は、国を混乱させ、自分達の主権を復帰する事。

そのためには、大半はスマイル政策で、少しでも自分達に有利になれば、暴力も辞さない。これが実態。

2007.06.26 00:38 URL | 亡霊より。 #en9qG856 [ 編集 ]













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