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きまぐれな日々

以前筒井康隆について書きましたが、筒井の前には星新一を読んでいました。

星作品の中で一番最初に知ったのは、ショート・ショートの「おーい、でてこーい」です。星の最初期、1950年代末頃の作品だと思います。
ショート・ショートのあらすじを書くのは野暮だし、手元に原作を持っていないので記憶があやふやなのですが、これを書かないとあとの文章が続かないので、ちょっとだけ書いてみます。
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ある日、深い穴が見つかった。どこまで深いかわからないほど深く、「おーい、でてこーい」と呼びかけても何の反応もない。
人々は穴の中にゴミを捨てはじめたが、穴が埋まる気配は全くない。
工場の廃棄物など、あらゆるものを捨て、町は繁栄したが...
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私はこの作品を、小学生の頃に初めて読んで衝撃を受けました。

学校の教科書にもよく載っていたそうで(残念ながら私は遭遇しませんでしたが)、昔、灘中学校の入試問題にもなったそうです。

その入試問題の設問は、「これからどういう事が予想されるか○○○字以内で書きなさい」というものだそうですが(伝聞形ばかりなのはネットから得た情報だからです、すみません)、私は最近、「先送り」という言葉に集約される、過去十数年の日本の政治・経済の施策は、まさに穴になんでも放り込んできたものであり、そろそろ空から「おーい、でてこーい」という声が聞こえる頃なのではないか、という気がしてなりません。

バブル崩壊以降の失政ばかりでなく、国民が小泉政権を盲目的に支持してしまったことが失敗だったことも、これから誰の目にも明らかになってくるでしょう。

村上ファンドの正体も、今後暴かれるのかなあ。彼は、もしかしたら灘中の入試で「おーい、でてこーい」の問題に模範解答を出した受験生だったのかもしれませんね。
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2006.05.27 08:52 | 文学・小説 | トラックバック(-) | コメント(-) | このエントリーを含むはてなブックマーク