きまぐれな日々

このところ、従軍慰安婦問題をめぐる安倍晋三首相の発言が、アメリカのメディアなどから強い批判を浴びているが、ついに安倍や下村博文官房長官らが逆ギレし始めたようだ。

まず、26日の下村発言から。下記は、共同通信配信の記事を掲載した東京新聞記事のURL。
http://www.tokyo-np.co.jp/flash/2007032601000464.html

以下引用する。

「日本軍関与せず」と表明 下村氏、慰安婦問題で

 下村博文官房副長官は26日午後の記者会見で、戦時中の従軍慰安婦問題に関し「日本軍の関与はなかったと私自身は認識している」と表明した。政府は1993年の河野洋平官房長官談話で慰安所の設置や管理、慰安婦の移送について軍の関与を認めており「河野談話を逸脱する発言」として内外の批判を招きそうだ。

 下村氏は25日のラジオ番組でも「日本軍が関与していたわけではない」と指摘していた。

 会見では、このラジオ発言について「個人的な発言だ」とし、政府を代表する立場での発言ではなかったことを強調する一方で「国会でも1997年に平林内閣外政審議室長(当時)が直接、間接的に軍の関与は明らかでなかったと答弁している。それに沿って私が個人的に発言した」などと述べた。
(共同)

(東京新聞 "Chunichi Web Press" 2007年03月26日 18時25分)


続いては、同じサイトから、ワシントン・ポストの批判に対する安倍の反論。
http://www.tokyo-np.co.jp/flash/2007032601000795.html

以下引用する。

「拉致と慰安婦は別問題」 首相、米紙批判に反論

 安倍晋三首相は26日夜、米紙ワシントン・ポストから拉致問題には熱心な一方で従軍慰安婦問題の責任を回避していると批判されたことに対し「全く別の問題だ。拉致問題は現在進行形の問題だ」と反論した。

 首相は「いま従軍慰安婦の問題は、続いているわけではない。拉致問題は、まだ日本人が拉致されたままという状況が続いている」と述べ、拉致問題解決に尽力する必要性を強調した。国会内で記者団の質問に答えた。

 一方、首相は同日の参院予算委員会で、慰安婦問題に関し河野洋平官房長官談話を継承していると繰り返した上で「慰安婦の方々がなめた辛酸に同情し、おわびしている」と述べた。

 共産党の吉川春子氏が「日本政府として公式謝罪をしないのか」とただしたのに対しては「首相として、ここで(答弁などを通じて)おわびしている」と述べるにとどめた。
(共同)

(東京新聞 "Chunichi Web Press" 2007年03月26日 22時18分)


「いま続いている」のでなければ、過去のことはなかったことにしても良いと言わんばかりの安倍の発言は、本当に信じがたい。これで米ワシントン・ポストの記事に反論したつもりになっている安倍の、知能程度のあまりの低さには、開いた口がふさがらない。

さすがに自民党内でも、こんな安倍一派のキ○ガイ極右発言の連発に、穏健派が危機感を持ち始めた。たとえば、谷垣禎一氏は以下のように述べている。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070324ia21.htm

自民のリベラル派、谷垣氏が連携意欲

 自民党の谷垣禎一・前財務相は24日、長崎県佐々町で講演し、「安倍首相は福田派、岸派の流れで、(同派は)右的な主張をしてきた。(丹羽・古賀派と谷垣派の)宏池会の流れは思想的にはリベラルだ。津島派もそうだ。自民党もいろんな考えがあるぞ、と示していかなければ、参院選でやせ細ってしまう」と述べ、谷垣派や丹羽・古賀派、津島派などとの連携に意欲を示した。

(2007年3月24日22時47分 読売新聞)

上記は読売新聞の記事だが、読売は従来安倍寄りの論陣を張ってきて、内閣支持率調査も朝日や毎日と比較して高い数字を弾き出してきた。
しかし、3月の同紙の調査でも安倍内閣の支持率は低下している。そして注目すべきはその冷ややかな報道ぶりだ。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070323it15.htm

安倍内閣の半年「評価せぬ」60%…読売世論調査

 読売新聞社が17、18の両日に実施した全国世論調査(面接方式)で、26日に発足半年を迎える安倍内閣や安倍首相の実績を「評価する」人は「大いに」と「多少は」合わせて36%だった。

 「評価しない」人は「あまり」と「全く」を合わせて60%に上った。

 同じ質問をした2006年12月の調査と比べると、「評価する」は8ポイント減少し、「評価しない」は15ポイント増加した。

 内閣支持率も3月は43・8%と5か月連続で下落しており、首相にとっては、夏の参院選に向けていかに巻き返していくかが課題となる。

 安倍首相や内閣の実績や対応で評価できるもの(複数回答)は、「とくにない」39%が最多だったが、「北朝鮮問題への取り組み」28%、「教育基本法の改正など教育改革への取り組み」「中国との関係」各18%が上位となった。

 評価できないもの(同)は、〈1〉閣僚などの不祥事や失言への対応(54%)〈2〉事務所費など政治資金問題への対応(38%)〈3〉郵政造反議員の復党問題への対応(32%)――などの順だった。

 首相の印象では、「指導力を発揮していない」(78%)など指導力の面で否定的評価が目立った。

 一方、安倍首相に「期待している」かを聞いたところ、「どちらかといえば」を合わせて54%に上り、「期待していない」の計45%を上回った。期待率は内閣支持率より高く、就任半年ということもあり、首相への期待感はなお高いようだ。

 【調査方法】▽調査日=3月17、18日▽対象者=全国の有権者3000人(250地点、層化2段無作為抽出法)▽実施方法=個別訪問面接聴取法 ▽有効回収数=1,741人(回収率58.0%)▽回答者内訳=男49%、女51%▽20歳代11%、30歳代16%、40歳代16%、50歳代20%、60歳代21%、70歳以上16%▽大都市(東京23区と政令指定都市)22%、中核都市(人口30万人以上の市)18%、中都市(人口10万人以上の市)25%、小都市(人口10万人未満の市)23%、町村12%

(2007年3月23日23時34分 読売新聞)

ところどころに安倍をフォローする表現はあるものの、『安倍内閣の半年「評価せぬ」60%』という見出しに象徴されるように、記事のトーンはいたって冷ややかだ。

とにかく、安倍の失言によってアメリカの信頼を失いつつあることが、安倍内閣の土台を危うくしている。保守系論壇誌にも動揺が見られる。たとえば、ついこの間まで「親米右派」路線一本槍だった「正論」は、最新号(4月号)あたりでは、中国とアメリカを同時に敵に回すような、国粋主義的なスタンスに変化しつつある。

安倍のブレーンの一人に、「アングロサクソンの言う通りにやっておけば、日本は安全だ」などとほざいている岡崎久彦という男がいるが、彼に従軍慰安婦に関する安倍発言についてコメントを求めたいものだ。

今日の記事の最後は、「エロ拓」「山タフ」という異名を持つ山崎拓・自民党前副総裁が、朝日新聞の3月9日付記事「丁々発止」で語った内容を一部紹介したい。

「戦後は遠くなりにけりで、戦争忌避、平和主義といった観念が薄れ、『軍事力を背景としない外交は迫力に欠ける』といった考えの人が多くなった。それと、正しい戦争史観がないから、このごろの議論を聞いていて、極端に言えば大東亜戦争聖戦説という妖怪がさまよっている感じがします」
(聞き手)例えば。
「従軍慰安婦問題をめぐる河野官房長官談話の見直しとか、南京大虐殺は実際はなかったとか、ほとんど信じられないことを真顔でおっしゃる方がいる。それに非常に影響を受けた政治家がいる。力の信奉者にとっては受け入れられやすい議論なんですね」

(朝日新聞 2007年3月9日付 「丁々発止」より。聞き手は山田厚史・同紙編集委員)

ことわっておくが、山崎拓は「国防族」で、かつて「タカ派」といわれた政治家である。それが、山崎自身のスタンスは全く変わっていないのに、周囲が急激に右傾化したものだから、相対的に「ハト派」になってしまった。

今の安倍政権は、あの山拓にたしなめられるほどに偏向した、いまだかつてない異常な極右内閣なのである。こんな内閣が国際的な信認を得られると思ったら大間違いである。

われわれ日本人は、もっと真剣にこの内閣の異常性と向き合う必要があると私は考える。


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どこの国にも極右思想を持つ人はいるのですが、それが国の重要なポストに就いた上、自らの政治的無能を棚に上げて、逆切れとしか思えないお粗末な発言を繰り返している。こんな異常な政権、一刻も早く滅んでほしいです。

2007.03.27 22:40 URL | vannsonn #- [ 編集 ]

こんにちわ。
朝から自分のブログにアクセスできずにあせっています。
よろしかったら、次の所にも私のサイトがありますで、見ていただけますか。
http://tommaru.blogsome.com/

2007.03.28 10:13 URL | とむ丸 #- [ 編集 ]

復旧しました。お騒がせしました。
m(_ _)m

2007.03.28 13:18 URL | とむ丸 #- [ 編集 ]

中道の軸が右にずれまくっている日本ですね。山拓がむしろ左にずれていると感じさせる日本ーーー
救いようない極右政権です。

国民は良心を持ちたいものですが、非常識と無礼が国策になってしまった日本で、良心さえも危うくなっています。

2007.03.28 13:59 URL | 非戦 #tRWV4pAU [ 編集 ]













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