きまぐれな日々

告示前から論戦が白熱してきている東京都知事選だが、思い出すと4年前(2003年)の都知事選は石原の圧勝だった。

しかし、4年前は都知事選そのものより、石原が国政に復帰して首相を目指すかどうかが注目されていたように思う。前年の2002年、株価の暴落などもあってコイズミの内閣支持率はかなり低下し、石原総理待望論なども聞かれる状況だったからだ。

私はコイズミも大嫌いだが、コイズミと石原を比較すると石原の方がもっと嫌いである。コイズミは、いくらなんでも「ババァ発言」や身体障害者の人格を否定するような発言まではしないからだ。人気とりのためとはいえ、ハンセン病訴訟で国が敗訴したあと、控訴を断念したりもした。タカ派度からいっても、石原はコイズミより過激な「極右」だ。だから、石原が首相になるくらいならコイズミが続けていた方がまだマシだと思ったものだ。

あの頃、報道を見ていてコイズミと石原の間にずいぶん緊張した駆け引きがあったような印象を持っていたが、喧嘩の才能ではコイズミの方がはるかに上で、石原は結局国政に復帰する目はないと判断して、都知事選再選への出馬を決めたのだろうと思っている。つまり、4年前の都知事再選は、石原にとっては「デモシカ都知事」(都知事にでもなるか、都知事にしかなれない)だった。それで、1期目と比較して2期目の石原都政は、著しく緊張を欠くものとなり、それが「新銀行東京」の失敗などの失政や、ファミリーによる都政の私物化などにつながったのだろう。

最近、石原慎太郎、小泉純一郎、安倍晋三という、私にとって憎んでも憎みきれない3人の比較を考えることが多い。もちろん3人とも嫌ってやまないが、私の場合一番嫌いなのは安倍晋三で、次いで石原、コイズミの順だ。しかし、敵として一番手強いのはコイズミで、次いで石原、安倍晋三の順番になる。安倍晋三は、問題が起きた時、なんでわざわざそんな反応をして自滅するのかと思うほど馬鹿げたリアクションを示すことが多く、危機管理能力がゼロだ。最近、支持率が下げ止まっているなどといわれるが、それは週刊誌やブログなどによる安倍批判の言論が、東京都知事選に出馬する石原慎太郎を批判することにかなり割かれているせいもあろうかと思う。4月の統一地方選で予想される自民党の敗北のあと、安倍批判の言論は再び強まり、安倍内閣の支持率は再び下降していき、安倍内閣はレーム・ダック化すると私は予想している。

安倍と比較すると、さすがに石原は数段手強い相手だ。一昨日の「報道ステーション」(テレビ朝日)と「NEWS23」(TBSテレビ)に続き、今朝の「ウェークアップ! ぷらす」(読売テレビ=日本テレビ系)でも都知事選に出馬予定の4人が討論した。討論の初めの方で、浅野史郎氏と吉田万三氏が揃って石原の「新銀行東京」の失敗を、「石原の思いつきでやった政策だ、素人がやったのだから大赤字は当然の結果だ、トップダウンの施策の弊害が出た」などと鋭く追及する場面があり、石原はたじたじとなっていたが、司会者・辛坊治郎の石原寄りの進行にも助けられて、次第に石原の弁舌がなめらかになっていった。その内容は空疎そのものだったが、石原の語り口に魅入られる都民もいるのかもしれない。石原のポピュリストとしての才能は、かなり衰えてはきたが、まだまだ警戒しなければならないというのが私の感想だ。

そして、ポピュリストというとなんといっても抜群の才能を持っていたのがコイズミだった。もちろん、その才能は日本を悪くする方向に作用してしまったのであり、都知事選が終わったあとの参院選までの時期に、コイズミが自民党の危機を救うべくしゃしゃり出てきて、安倍の後見人気取りで振る舞い始める可能性もなきにしもあらずかと思う。

一昨年、国民を魅了したコイズミのポピュリズム。これを克服せずして日本を立て直すことはできないと私は思う。コイズミになびき、安易な「わかりやすさ」の誘惑に身を委ねる誘惑を、われわれ日本国民は断ち切らなければならない。

そのためには、コイズミよりは才能の劣るもう一人のポピュリスト・石原慎太郎の甘言に惑わされてはならない。石原さえ倒せないようでは、コイズミのポピュリズムを克服することなどできはしないと思う。


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>最近、支持率が下げ止まっているのは週刊誌やブログなどによる安倍批判の言論が、東京都知事選に出馬する石原慎太郎批判が多くなってきたのは、どうしてでしょうか?

石原都知事の都民無視の福祉削減政治・憲法無視政治・私物化政治とそれを応援してきた自民・公明・民主・市民ネットの姿勢を共産党が情報公開で暴露してきたことと、都議会で追及してきたことが最大の要因では?

>討論の初めの方で、浅野史郎氏と吉田万三氏が揃って石原の「新銀行東京」の失敗を、「石原の思いつきでやった政策だ、素人がやったのだから大赤字は当然の結果だ、トップダウンの施策の弊害が出た」などと鋭く追及する場面があり、石原はたじたじとなっていた

石原VS浅野って言う人もいるけど、石原・浅野VS吉田って構図もあるんじゃないの?吉田さん、結構論戦頑張っているんじゃない?

メディアはこのように、4人の政策論争を連日やったら、都知事戦は面白くなる!視聴率も上がるだろうし、投票率もアップするんじゃない?

でも石原VS浅野=二大政党制の都知事選挙版として位置づけ、選挙戦報道をしていきたいメディアが、どこまで4人の政策論争を放映するか、民主主義が試されるなぁ~!

これって憲法改悪手続き法案強行採決にいたる自公民の動きを応援したメディアが証明しているし、憲法改悪法案国民投票の時に、この手法が使われるだろう。それを許してはならないと思うが!そういう視点で、公平民主の政策論争をどう実現させるか、その現局面をどう評価する?

2007.03.18 01:48 URL | コミュニスト #- [ 編集 ]













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目くそ鼻くそ
 朝、新聞受けから新聞を取りだして最初に目にする活字は、一面の上半分か下半分だ。

2007.03.17 11:37 | 反戦老年委員会

改良主義ではなく革命的候補を 何故吉田候補ではなく浅野候補を支持するのか。
 先ず今回の記事の題名は非常に分かりにくいと思われるだろう。先日の「ノーパサラン

2007.03.21 01:56 | アッテンボローの雑記帳