昨日、東京・中野区のホールで、東京都知事選に立候補を予定している4氏による公開討論会が開かれた。4氏は、引き続きテレビ朝日「報道ステーション」、TBSテレビ「NEWS23」にも揃って出演し、議論を戦わせた。
討論会の様子は新聞で報道されており、朝日新聞(3月16日付)にも記事が出ている。「五輪巡り主張激突」という見出しからうかがわれるように、2016年の東京五輪開催を最大の争点にしようと主催者は考えていたものらしいが、石原が公務を理由に最初の40分間を欠席したため、序盤の論戦は低調だったと記事は報じている。
朝日新聞の記事は、そのほとんどを東京五輪に関する論戦に割いている。石原が争点にしたいとしている「財政再建」、浅野氏が争点にしたいとしている「情報公開」については軽く触れた程度だし、ましてや石原による都政の私物化については全く触れられていない。石原が記者会見の冒頭で海外出張費問題などを謝罪したことがひとこと書かれているだけだ。
私は地方在住なので、この公開討論会はもちろん見ていない。しかし、司会者がフジテレビの黒岩祐治アナだときいて、おそらく石原寄りの司会をやるのだろうなと思っていた。黒岩は、安倍内閣入りを噂されたこともあるほどの体制寄りの人物だからだ。そして、実際その通りの司会ぶりだったようだ。
続くテレビ朝日の「報道ステーション」は、昨日のブログ記事を書きながら音声だけ聞いていた。TBSの「NEWS23」も、ブログの管理をしながら聞いた。だから論戦に神経を集中させていたわけではないが、テレビ朝日とTBSで受ける印象はかなり違った。一言で言えば、前者はずいぶんと石原寄りで、後者はまずまずフェアな司会だったと思う。
しかし、いずれの論戦を聞いていても不満を感じたのは、この選挙の真の争点はそこではない、ということだ。
私は、この選挙は「石原慎太郎都政」の是非を問う、「石原慎太郎審判選挙」だと考えている。誤解を恐れずにいえば、浅野史郎氏と吉田万三氏の相違など、大した問題ではない。事実、TBSの番組で吉田氏は自らを「もう一人の市民派候補」だと語った。つまり彼は、浅野史郎氏を「市民派候補」として認めているということだ。「浅野氏は石原となんら変わらない」と主張する、吉田氏を推薦している共産党幹部の発言とは、ずいぶんと温度差が大きいことに、本当に驚いた。
黒川氏は、よく指摘されるようにかつての石原の盟友だが、氏の石原批判を聞いて、黒川氏が本気で石原に異を唱えようとしていることだけは理解できた。
浅野氏も、以前出演したテレビ番組で、「(浅野氏の支持者は)私でなくてもよかったんだろうと思う。石原都政にストップをかけてほしいという悲鳴にも似た声が聞こえてきたから出馬を決意した」と語っていた。
つまり、石原以外の3候補者はいずれも、「石原都政との対決」をメインテーマにしているのだ。だから、報道番組を作るテレビ局も、この選挙を「石原慎太郎審判選挙」としてとらえ、候補者同士による討論会も、そのような視点から進行させるべきだったと思う。つまり、誰が一番聞き手の心に訴える石原批判をするか、そして石原がその批判にどう答えるか、これを視聴者に比較させるような番組作りをすべきだったし、私がスタッフだったら、そのようにせよと主張したと思う。
しかし、実際には(吉田氏によると)「市民派同士」に当たる浅野氏と吉田氏の対立を強調しようとするなどの番組の作りが目立った。やっぱり電波媒体は、そして朝日新聞を筆頭とする大新聞も「御用メディア」に成り下がっている、というのが正直な感想だ。
マスメディアが真の争点を隠そうとしているので、当ブログでは改めて次のように指摘したい。
『この東京都知事選は、「石原慎太郎審判選挙」である。人権を踏みにじる発言を連発し、都合の悪い情報を都民に公開せず、都政を自らのファミリーで私物化し、首都圏の住民に毒入りの海産物を食べさせたり、三宅島で死亡事故の起きる可能性の高いバイクレースを行おうとしている石原に、この後さらに4年も都政を託するのかを問う選挙にほかならない。』
これは、政策以前の問題を問う選挙なのだ。
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討論会の様子は新聞で報道されており、朝日新聞(3月16日付)にも記事が出ている。「五輪巡り主張激突」という見出しからうかがわれるように、2016年の東京五輪開催を最大の争点にしようと主催者は考えていたものらしいが、石原が公務を理由に最初の40分間を欠席したため、序盤の論戦は低調だったと記事は報じている。
朝日新聞の記事は、そのほとんどを東京五輪に関する論戦に割いている。石原が争点にしたいとしている「財政再建」、浅野氏が争点にしたいとしている「情報公開」については軽く触れた程度だし、ましてや石原による都政の私物化については全く触れられていない。石原が記者会見の冒頭で海外出張費問題などを謝罪したことがひとこと書かれているだけだ。
私は地方在住なので、この公開討論会はもちろん見ていない。しかし、司会者がフジテレビの黒岩祐治アナだときいて、おそらく石原寄りの司会をやるのだろうなと思っていた。黒岩は、安倍内閣入りを噂されたこともあるほどの体制寄りの人物だからだ。そして、実際その通りの司会ぶりだったようだ。
続くテレビ朝日の「報道ステーション」は、昨日のブログ記事を書きながら音声だけ聞いていた。TBSの「NEWS23」も、ブログの管理をしながら聞いた。だから論戦に神経を集中させていたわけではないが、テレビ朝日とTBSで受ける印象はかなり違った。一言で言えば、前者はずいぶんと石原寄りで、後者はまずまずフェアな司会だったと思う。
しかし、いずれの論戦を聞いていても不満を感じたのは、この選挙の真の争点はそこではない、ということだ。
私は、この選挙は「石原慎太郎都政」の是非を問う、「石原慎太郎審判選挙」だと考えている。誤解を恐れずにいえば、浅野史郎氏と吉田万三氏の相違など、大した問題ではない。事実、TBSの番組で吉田氏は自らを「もう一人の市民派候補」だと語った。つまり彼は、浅野史郎氏を「市民派候補」として認めているということだ。「浅野氏は石原となんら変わらない」と主張する、吉田氏を推薦している共産党幹部の発言とは、ずいぶんと温度差が大きいことに、本当に驚いた。
黒川氏は、よく指摘されるようにかつての石原の盟友だが、氏の石原批判を聞いて、黒川氏が本気で石原に異を唱えようとしていることだけは理解できた。
浅野氏も、以前出演したテレビ番組で、「(浅野氏の支持者は)私でなくてもよかったんだろうと思う。石原都政にストップをかけてほしいという悲鳴にも似た声が聞こえてきたから出馬を決意した」と語っていた。
つまり、石原以外の3候補者はいずれも、「石原都政との対決」をメインテーマにしているのだ。だから、報道番組を作るテレビ局も、この選挙を「石原慎太郎審判選挙」としてとらえ、候補者同士による討論会も、そのような視点から進行させるべきだったと思う。つまり、誰が一番聞き手の心に訴える石原批判をするか、そして石原がその批判にどう答えるか、これを視聴者に比較させるような番組作りをすべきだったし、私がスタッフだったら、そのようにせよと主張したと思う。
しかし、実際には(吉田氏によると)「市民派同士」に当たる浅野氏と吉田氏の対立を強調しようとするなどの番組の作りが目立った。やっぱり電波媒体は、そして朝日新聞を筆頭とする大新聞も「御用メディア」に成り下がっている、というのが正直な感想だ。
マスメディアが真の争点を隠そうとしているので、当ブログでは改めて次のように指摘したい。
『この東京都知事選は、「石原慎太郎審判選挙」である。人権を踏みにじる発言を連発し、都合の悪い情報を都民に公開せず、都政を自らのファミリーで私物化し、首都圏の住民に毒入りの海産物を食べさせたり、三宅島で死亡事故の起きる可能性の高いバイクレースを行おうとしている石原に、この後さらに4年も都政を託するのかを問う選挙にほかならない。』
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- 東京都知事選は「石原慎太郎審判選挙」だ! (2007/03/16)
- 「週刊現代」の浅野史郎さんインタビューより (2007/03/13)
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私も今回の都知事選は、政策以前の問題を問う選挙だと思います。
それにしても、石原が先日の討論会に遅刻した理由は、明らかに「私用=自分の選挙事務所で記者会見を行っていた」だったのに、遅れて討論会のひな壇に着席した際、開口一番「公務」だと平然と嘘をついた石原だけは、絶対に許せません。
2007.03.17 06:31 URL | スパイラルドラゴン #- [ 編集 ]
『この東京都知事選は、「石原慎太郎審判選挙」である。』、『「政策以前の問題を問う選挙だと思います。』は同感です。
石原慎太郎に投票しようとしている多くの無党派の人々を石原に投票させないための論理は【自由主義か全体主義か?】というキャッチフレーズです。その論理は以下でご覧ください。
http://www.telshop.co.jp/company/senkyo.html
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