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きまぐれな日々

古新聞を整理していたら、昨年12月18日付の毎日新聞に、「表現の自由 高まる危機感」と題された、1ページをまるまる使った特集記事が掲載されていたのを見つけた。

これは、昨年12月に相次いで行われた、言論の自由に関する2つのシンポジウムから、主要な参加者6人の発言の要旨を収録したものだ。

発言が紹介されているのは、半藤一利(作家)、溝口敦(フリーライター)、牧太郎(毎日新聞特別編集委員)、加藤紘一(元自民党幹事長)、岡留安則(「噂の真相」編集長=04年休刊)、鈴木邦男(右翼団体「一水会」顧問)の6氏(敬称略)である。

この中から、加藤紘一氏の発言を紹介したい。

 靖国神社にはA級戦犯が合祀されているので、近隣諸国だけでなく米国との関係までもいずれはおかしくなると指摘したり、日中関係は良好でなければならないと言い続けると、どうして実家に火をつけられるのか。中曽根康弘元首相が左派の扱いをされるような時代の空気の変わりをつくったのは何なのかを議論しなければならない。
 ところが、世の中が何となく話しにくくなり、変な方向に行っているのは事実だ。小泉純一郎首相や安倍晋三官房長官がどうしてすぐに反応を示さなかったのかは分からない。ただ、石原慎太郎・東京都知事が03年に田中均・外務審議官(当時)の自宅に爆発物が仕掛けられた事件で「当たり前の話だ」と言ったことは記憶にとどめておくべきだ。
 民主主義的体制を倒そうという言論であってもそれが言論である限り、守り抜かれなければならない。私はイラク戦争や自衛隊のイラク派遣に反対した。私自身が左派かどうかは別にして、日本社会に「左翼がテロに遣うのは仕方ない」という意識があるのではないか。そうでないと(社会の反応が鈍いということへの)説明がつかない。
 近隣諸国と闘うナショナリズムは、国をまとめる能力があるため、古今東西の政治家が使ってきた禁じ手だ。外国から「日本は右傾化することはないのか」と聞かれると、かつては笑っていたが、最近はちょっと気をつけなければならない、と言わなければならないようになった。権力を乱用してはならないという品格ある保守が今の権力者には求められている。

(「毎日新聞」 2006年12月18日付 『表現の自由 高まる危機感』より 加藤紘一氏の発言)

つまり、コイズミやアベシンゾーは、テロを黙認するとんでもない政治家だが、石原慎太郎はそれにとどまらず、テロを積極的に擁護する政治家だということだ。

こんなやつを都知事選で三選させたら、日本は、先進国の間ではもっとも民度の低い首都を持つ国だということが証明されてしまうだろう。


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 こんにちは。

 「敵・味方」思考。大きな言い方をすれば、「二項対立」と言うのは、人類が古来持ってきた、普遍的でありながら他方で多くの問題を持つ思考方法です。

 たとえば、自民党政権時代、「対案が出せないなら、こちらの案が通る」と言う姿勢でしたが、それはきちんとした対案が出ないというだけで、自民党の案が「正しい」と言うことにはならないという、論理的誤謬であります。

 しかし、人間は、この「二項対立」になじみやすい(わかりやすいので、馬鹿でもなんとなくわかるから)ので、ブッシュの戦争で、イスラム教 対 キリスト教、と言う、「文明の衝突」じみた扇動に乗った人々がいかに多かったか、そして今でも多いかと言う事です。

 植草真理教では、「悪徳ペンタゴン」がすべての悪の元凶で、それに反対する自らこそが正義であり、真実を述べているという、学者(だった)とは、とても思えないロジックで、信者を間違った道に進ませています。

 現実とは、多数の事柄と、それに対する多数の相対的評価が複雑に絡み合い、個々の問題ごとに、対応は異なることもあるでしょう。
 他方、中国の古典にある「法、三法のみ。(殺す無かれ、傷つける無かれ、盗む無かれ)」と言うようなものは、人間の基本的な倫理の根底にあるものであり、今回の北朝鮮の砲撃自体は、徹底的に非難されてしかるべきです。しかい、だからと言って、北朝鮮を爆撃しろとわめく、右翼どもは、「敵、味方」思考に陥ったまま、それにすら気づかない愚か者です。
 そのような対応を取らず、どのように北朝鮮や中国と付き合っていくかが、今後の課題でしょう。
 その意味で、朝鮮学校・教科書無償化の停止、と言うのは、ポピュリズムに走っただけの愚かな行為でしょう。

2007.02.18 17:21 URL | ジャッカル #2eH89A.o [ 編集 ]













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