きまぐれな日々

4月の東京都知事選に向けた野党側の候補者選びが難航しているという。

民主党は、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏に出馬を打診したものの断られ、現在は浅野史郎・前宮城県知事にアタックしているのだという。2月11日のテレビ朝日「サンデー・プロジェクト」では、権力のタイコモチ司会者・田原総一朗が「菅直人を立てるべきだ」と主張していたが、私はこれには大反対だ。菅直人が都政に転身してしまうと、民主党内のネオコン馬鹿議員どもが、ますます増長するだろう。菅氏には、あくまで国政でがんばってほしいものだと思う。

田原は、菅氏が都知事選に立候補する方が、彼が支持するコイズミ一派にとって好都合だから、民主党をそのようにけしかけているのだろう。あわよくば菅氏が落選したらあざ笑ってやろうとも思っているに違いない。そもそも、11日のサンプロで、野党各党から人を呼ぶ時、なぜ民主党から前原だったのか。前原は、いまや党内の「抵抗勢力」と化して、民主党の党勢を弱めようとしている「獅子身中の虫」にしか、私には見えない。小沢代表ともかなり距離のあるこの人物を出演させているだけでも、サンプロのひどい偏向ぶりがうかがわれようというものだ。

そのサンプロで、田原は石原慎太郎をゲストに呼んで、熱烈に応援していた。コイズミ政権成立以来、田原の与党への偏向ぶりはますますひどくなっており、老害の一語に尽きる。こういう偏向マスコミのプロパガンダが激しくなってきたので、そろそろ当ブログでも石原を叩いておかないと、都知事選に間に合わなくなると思い、石原叩きに参戦することにした。

しかし、正直言って石原慎太郎というのは、私にとって相性が悪いというか、批判を書きづらい相手なのである。

私がインターネットで批判の対象にしてきた人物は、ブログを始めてからはもっぱら安倍晋三だが、それ以前の、97年以来の掲示板投稿者時代は、ナベツネ、森喜朗、小泉純一郎(コイズミ)が主なターゲットだった。このうち、ナベツネは別格で、敵である彼自身の著書を、金を払って買ってまでも読み、徹底的な批判の対象にしたものだ。また、森喜朗、コイズミ、安倍晋三と続く、岸信介の流れをくむ売国政治家たちは、ナベツネのような「筋の通った敵」とは違って、「筋の通らない敵」として、やはり叩かせてもらった。

ところが、石原慎太郎については、やはりナベツネや売国三総理同様、心の底から大嫌いであるにもかかわらず、いざ批判しようとしても、なかなか文章が出てこない。どこか、「敵としてさえも認めたくない」というか、こんな人物を対象に文章を書くこと自体が空しい気がして、書いていても全然気分が乗らないのだ。現にこの記事も、前のエントリと通し番号が逆になっていることからもわかるように、なかなか完成させることができなかった。

私は3, 4年前、掲示板で石原慎太郎を叩くためにネタを仕入れておく目的もあって、斎藤貴男『空虚な小皇帝−「石原慎太郎」という問題』(岩波書店、2003年)と、佐野眞一『てっぺん野郎−本人も知らなかった石原慎太郎』(講談社、2003年)の2冊を読んだ。

後者は、当時話題になっていた東京都の浜渦副知事の問題を詳しく書いていたので、浜渦批判の題材としても使わせてもらった記憶があるが、正直言ってこの2冊の内容は、今ほとんど思い出せない。食い入るように読んで、その後も折に触れて計4度も通読した魚住昭『渡邉恒雄 メディアと権力』(講談社、1999年)とは大違いなのである。

これは、決して、ライターの力量のせいではない。「てっぺん野郎」の著者、佐野眞一さんの書いたダイエー創業者・中内功の評伝『カリスマ−中内功とダイエーの「戦後」』(日経BP社、1998年)は、たいへん印象に残っている本だからである。著者の佐野さん自身は、「カリスマ」が新潮文庫入りした際、新潮社発行の「波」(2001年6月号)に寄せた小文に、『「戦後」という巨大な時空間を仮託して語るに足る日本人は、誰がいるだろうか。管見では、石原慎太郎とダイエーの中内功の二人しかいない』と書かれている(下記URL参照)。
http://www.shinchosha.co.jp/shinkan/nami/shoseki/131632.html

しかし、それにもかかわらず、同じ佐野さんの本でも、「カリスマ」はとても印象に残っているのに、「てっぺん野郎」は全然本の内容を覚えていない。同様に、斎藤貴男さんが漫画原作者の梶原一騎について書いた『梶原一騎伝』(新潮文庫、2001年)はとても印象に残ったのに、「空虚な小皇帝」は全然その内容を覚えていない。

これは、石原慎太郎という男が、中内功や梶原一騎と比較して、著しく魅力を欠く男であるからにほかならないと私は考えている。

おそらく、仮に魚住昭さんが石原慎太郎の評伝を書いたとしても、他の魚住本とは全然違って、読んだあとしばらくしたら内容を忘れてしまう本になってしまうだろうと、私は想像している。ようするに、評伝の対象としている人物にあまりにも魅力がないから、評伝が印象的なものになりようがないのである。その意味で、斎藤貴男さんの石原本のタイトルが「空虚な小皇帝」となっているのは象徴的だ。

石原慎太郎というのは、どこまでも「空虚」な男なのだ。安倍晋三も同じように空虚だといえばそうかもしれないが、安倍の場合は戯画化しやすいアホっぷりに満ちあふれているため、まだ悪口を書く楽しさがある(笑)。しかし、石原にはそれさえもない。ただ単に、憎たらしいだけでみごとなまでに中身の空っぽな人物なのだ。

しかし、そうはいっても、こんな人物が東京都知事選に三選されるのは、東京都民ではない私にとっても容認できない事態である。東京都知事は、国政にも無視できない影響を与えるからである。そこで今後、さらに具体的な事例にもとづいて、石原を叩くキャンペーンを行いたいと考えている。


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 そういえばそうですねぇ。
 石原は、防衛庁長官時代に、弟の見舞いに行くのに海上自衛隊の水上飛行艇を私用に使ったとか、最近の公費無駄遣い事件とか、やることが子供っぽくてセコイんですよね。
 中央政界にいたときは、中川一郎が自殺した後、派閥の長に据えられたのに、全く何も出来ずに派閥は瓦解したという指導力の無さもありますし。
 一番似合うのは、「小悪党」と言う言葉でしょうが、そのくせ尊大でわがまま(これも小悪党の典型)。
 批判しようにも何もしていないから、批判が難しい。よくわかります。
 改憲などの話とのあわせ技で批判しても都知事選には影響ないでしょうしねぇ。
 困った奴です。

2007.02.15 09:19 URL | 眠り猫 #2eH89A.o [ 編集 ]

ばばあ発言など許せない発言の多い石原ですが、彼は税金を使って大企業の有力者を豪華接待してきましたからね。きっと3選するだけの得票を集めちゃうかもしれませんね。あとは、東京人(笑)の良識にまかせるしかないでしょう。

2007.02.16 16:03 URL | 美爾依 #- [ 編集 ]

眠り猫さん、美爾依さん
コメントありがとうございます。

石原に関して私が一番許しがたいと思っているのは、ベトナム戦争当時、ベトナムを訪れたやつが、平然とベトナム人を殺そうとして、沖縄出身の写真ジャーナリスト、石川文洋氏に制止されたという一件です。

人の命さえ何とも思わないやつが「ババア発言」をするのは、必然だと思います。

今回は、石原三選阻止の空気はそれなりにあるから、うまく世論を盛り上げる方向に持っていければ、石原三選の阻止は十分可能だと私は考えています。

2007.02.17 05:21 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]

石原慎太郎についてですが。
大塚英志の書いたものはけっこうおもしろいですよ。
「サブカルチャー反戦論」
「サブカルチャー文学論」
「戦後民主主義のリハビリテーション」
などで石原に触れていました。
石原はブンガク系統だから、当人そのものの印象が弱いのは仕方がないのかもしれないです。

2007.02.18 14:27 URL | nessko #aIcUnOeo [ 編集 ]













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