最近では、記事の公開からずいぶん経った頃に古い記事へのトラックバックやコメントをいただくことも多くなった。当ブログのアクセス数は、1日あたりせいぜい千数百件だが、最近はリピーターの方の訪問が増えており、そういう方はたいてい最新エントリの記事を読まれたら、他のブログに移動されていることと思う。私自身も、そういう行動パターンをとっている。
だから、古い記事へのコメントやトラックバックは、人の目には触れにくい。しかし、それらの中には、是非とも多くの人に読んでもらいたい文章が含まれていることがある。
たとえば、昨年8月9日付の記事 『国民が戦争を知っていた頃』に、公開後4ヶ月が経った昨年12月18日に、奈央さんからコメントをいただいた。
このコメントを埋もれさせてはいけない、と思ったので、翌12月19日付で 『なおも続くコメント特集?中国における日本軍』で、新たなエントリを起こして取り上げたところ、奈央さんご自身から追加のコメントを何件もお寄せいただいたばかりか、他の方からもコメントをいただいて記事を充実させることができ、感謝の気持ちでいっぱいになったものだった。
この記事の公開から、2か月近くが経過しようとしているが、今回再び、このコメント特集にさらなるコメントをお寄せいただいたので、ここに紹介したい。
コメントを下さったのは、菜花さんと仰る方である。以下菜花さんのコメントを引用する。
kojitaken さん、初めまして。よろしくお願いします。「非戦・ブログ・中国」で検索していてこちらの記事を拝読致しました。
私の父は、戦前に中国に渡り、その後戦争が始まったため、そのまま日中戦争に参加しました。私の場合父から直接話を繰り返し聞いたのですが、奈央さんと同じような話を、父の口から聞いております。
父の話からすると殺されたのはやはり軍人ではなく、民間人だったのだと思います。中国人や朝鮮人の人達に自分で大きな穴を掘らせ、その後その人達の手を後ろ手に縛り、目隠しをして並んで座らせ、命を請う人達や 既に腹を据えて静かに座る人達を、上官の命令で次々に日本刀で首を刎ね、その後その穴の中に残った胴体を日本兵が蹴り入れ埋めていったという話でした。
父自身は手を下した事はなかったと言いましたが、それがどこまで本当かは定かではありません。
その他にも当時の日本軍の沢山の残虐行為を聞いております。ですから、私は今現在の状況がとても危ない状況にあるように思えてなりません。また同じような事を、日本が起こそうとしているのではないかと。
TBを一つさせて頂きました。ご判断下さい。
(菜花さんのコメント)
ここに書かれているように、菜花さんはご自身もブログを開設されており、その記事を弊ブログにTBいただいた。
「こころの一人旅」? 『日本軍が 中国にしてきた事』(URLは下記)
http://blog.goo.ne.jp/kamifuusen_2006/e/f428efed167e19d83f98a55cc8088f04
菜花さんのコメントやTBしていただいたブログの内容は、弊ブログの過去の記事 『国民が戦争を知っていた頃』で紹介した遠藤周作氏の小説や加藤紘一氏の支持者の言葉、それに、『なおも続くコメント特集?中国における日本軍』で紹介した奈央さんや眠り猫さんのコメントと符合する。
すなわち、中国において日本軍が「残虐行為」を働いたであろうことは、疑問の余地がほとんどない、と私は考える。
これは、決して自虐史観などではない。中国人と日本人が逆の立場だったら、同じようなことをやられたのではなかろうかとも思う。
こうした残虐行為は、戦争のなせるわざだろう。もちろん、だからといって殺した側の戦争犯罪が免責されるわけではないが、菜花さんがご自身のブログのコメント欄で書かれているように、上官に「殺せ」との命令を受けた兵士は、それに背くと自分自身の命が危ない状況に追い込まれていたのだろうと私も想像する。
だから、『問題は その決定をし、命令を下す側の方にあると思う』という菜花さんのご意見には、私も同意するし、「美しい国」などという空疎なキャッチフレーズで、日本を軍国主義国家に導こうとした安倍晋三は、まさにその側の人間であって、仮に今後、安倍の好戦的な政策のせいで、多くの人命が無為に失われてしまう事態が生じても、この男は何も感じないであろうと、私は確信している。
このような人物が首相になり、この国はいったいどうなるのだろうと夜も眠れない思いだったが、国民はこの男を支持せず、政権の終わりも近いとささやかれている現状は、日本にもまだ辛うじて民主主義の灯が残っているとの一縷の望みを感じさせるものだった。
このまま安倍政権を一気に終息させたいものだと、強く念じる。
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kojitaken 様
おはようございます。
思いがけず、私のコメントを記事にして頂き、また、ブログの紹介までして頂き、有難うございました。
この頃「自虐史観」という言葉をよく耳にするようになりましたが、日本が他国に被害を及ぼした事実や、それに伴う靖国問題にしても、「事実を知らない」そして「知ろうとしない」という事が大きいと私は考えています。私達国民自身も、そして今の政治を担っている人達も。
日中戦争では虐殺の他にも、掠奪・強姦・慰安婦 の事も聞いております。
日本は、広島・長崎に原爆が投下され、あたかも被害国のように思いがちですが、被害を受けたのは、日本が戦争を起こした事によって被害を受けた国の人達。そして国内でも原爆や空爆で亡くなっていった市民の人達や、戦争に駆り出され心ならずも若くして死なざるを得なかった人達、その家族、そして戦地で殺人を余儀なくされてきた人達だと思うのですが……。
日本という国は、日中戦争・太平洋戦争においては、あくまで加害国だと私は思うのですがどうでしょうか?
2007.02.11 08:12 URL | 菜花 #PRrBhtWM [ 編集 ]
kojitakenさん、菜花さん、
>日本という国は、日中戦争・太平洋戦争においては、あくまで加害国だ
と私も思います。
日本で、戦争の加害責任を認めない人たちが、政権につけるというのは、世界的に見ても異常なことではないでしょうか。
日本が加害国だということを認めたうえで、広島・長崎で原爆にあわれた人たちや沖縄の人たちは、やはり、被害者です。
彼らは、日本の指導者たちが、早く戦争をやめなかったことによる被害者だと思います。
そして、アメリカは、広島、長崎で最大の大量破壊兵器を市民たちに無差別に使用したことは、反省すべきです。何の反省もないから、戦後、世界中で核所有の競争が始まったのでしょう。
アベ政権の崩壊とともに、今の国家主義的傾向も葬り去りたいものですね。
2007.02.11 12:43 URL | 非戦 #tRWV4pAU [ 編集 ]
非戦 様
初めまして。よろしくお願いします。
>彼らは、日本の指導者たちが、早く戦争をやめなかったことによる被害者だと思います。
私もその通りだと思います。
そして、非戦さんの言われるように、「日本が加害国だということを認めたうえで」初めて、私は過去に自国がして来た事を「反省」出来るのだと思うのです。
自分で「認め」、その上で「本当に反省」しない限り、今のアメリカと同じように、戦争をいつか繰り返すばかりだと思うのです。
その自国の戦争責任を「認められない」のが日本という国の特徴か体質か日本社会の未成熟さか……。
何なのでしょうか?
2007.02.11 18:11 URL | 菜花 #- [ 編集 ]
Kojikitakenさん、お久しぶりです。
最近、哲学者であるハンナ・アーレントさんの生涯についての本を読みました。
彼女の言葉に、怖いこと、おぞましいことは早く忘れたいという気持ちが働くという言葉がありました。
彼女は、ドイツ系ユダヤ人でしたが、幸いにもユダヤ人狩りから逃れることができアメリカへ亡命することができました。
私は彼女の言葉が、今、過去を見ようとしない日本の心理をついてるような気がしてなりません。
アーレントさんは、戦後、全体主義に対する警戒やユダヤ人を収容所に集め絶滅させようとしたドイツ人たちの行動や心理を分析しています。
彼女はドイツ人である彼らが収容所で機械的にユダヤ人たちを殺していったのは何故かと疑問を持ち歴史やその時の時代背景のことまで言及しています。
今の日本は、たぶんアーレントさんから見れば、たぶん戦前のドイツとよく似ているなと思うかもしれません。
2007.02.17 20:08 URL | 奈央 #gub9sUUA [ 編集 ]
支那事変とは
http://godslounge.seesaa.net/article/22906978.html
2007.02.18 22:20 URL | 武悪堂 #fmxtedD2 [ 編集 ]
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