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きまぐれな日々

安倍晋三が「教育改革」を政策の「目玉」にしようとしていることはよく知られている。

これは、ひとことで言うと、復古的な国家主義イデオロギーに染め上げられた人間を作り上げるために教育を改変しようとする政策であって、日本最大のネオコン団体「日本会議」が中心となって立案しようとしているものだ。

だが、国家主義的な政治思想を重視したい、安倍晋三に近い人たちの行き方は、それよりも新自由主義的な経済政策を重視したいと思っているコイズミに近い人たちにあまり快く思われておらず、教育再生会議の議論は、必ずしも安倍やその取り巻きが狙うようにはスムーズに行っていないようだ。
このことについては、昨年12月16日付エントリ『毎日新聞の報道?改正教育基本法は「改憲へのステップ」』でも指摘した。

ところで、安倍内閣の教育再生担当の首相補佐官・山谷えり子は、「ウィークエンダー」という、素晴らしく教育的な番組のレポーターを務めていたことがある。かつては、「Wikipedia」で「山谷えり子」を調べると、下記のような記述があった(当ブログ 2006年12月2日付記事『天皇をも恐れない? 安倍晋三の取り巻きたち』より)。

都立駒場高校?聖心女子大学文学部心理学科を卒業、出版社に入社、のち渡米。帰国後は日本テレビ「テレビ3面記事 ウィークエンダー」のレポーター、 1985年3月サンケイリビング新聞の編集長(奥様編集長)、政府広報番組のキャスターなどを経験する。

山谷に関するWikipediaは、昨年12月に調べた時と比較すると、ずいぶん書き換わっているのが面白い。当時の「テレビ3面記事 ウィークエンダー」は、現在では「テレビ番組」に置き換えられているし、山谷が、米田建三という、昭和天皇を「臆病者」と罵倒した男を「よねけん兄さん」と慕っていて、今年の参院選で応援することを表明したという記述もあったのだが、これもきれいさっぱり消え去っている。だから、昨年12月2日の記事のリンク先からはもはやたどれない。転記しておいたのは正解だった(笑)。何より、Google検索で「山谷えり子 ウィークエンダー」で検索しても、わずか19件しか引っかからないのである(そのうちの1件は当ブログである)。

なお、当ブログは昨年12月25日、参議院法制局からアクセスを受けた。当時の「kojitakenの日記」に記録している通りである。
「kojitakenの日記」にも書いたが、当ブログは、記事の内容には十分な自信を持っていることはいうまでもない。

話をクルリンパと戻すと(笑)、担当の首相補佐官がいったい何をやっているのか意味不明な「教育再生会議」に大した成果があげられるはずもなく、「日本会議」がもくろんだ国家主義イデオロギーに凝り固まった国家の下僕を作るための方針を作るまでにも至らず、再生会議の第1次報告案は、新聞の社説で半ば馬鹿にされている。

私は朝日と毎日の社説にしか目を通していないが、いつものように生ぬるい朝日新聞の社説(2007年1月20日付)には、「報告案は期待はずれだ」というタイトルがついている。問題点が議論になるレベルにも達していないのだろう。安倍やその取り巻きは、昔イギリスでサッチャーが行った教育「カイカク」(イギリスでは失敗だったとされている)の真似をしたカイカクの具体案を盛り込みたいのではないかと憶測するのだが、どうやらそこまで行っていないようだ。

朝日よりはだいぶ骨のある毎日新聞の社説(2007年1月20日付)は、より皮肉たっぷりの表現を用いているが、やはり批判の対象さえ現れてこないので呆れているような記事だった。要するに、報告案は、あまりにショボ過ぎて批判の対象にもならないということなのだろう。

しょせん、ボンボン総理と「ウィークエンダー」のレポーターあがりの補佐官のコンビでは、この程度が関の山だろうと思う今日この頃だ(笑)。


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人物の属性については、ゴシップ的な興味はそそられますが、それはそれとして、いずれにしても人望と尊敬を集めるような素養はないということですね。

それと、「Wikipedia」やネット上の発言まで、自主規制という名の言論統制下に置かれているということに感じ入りました。
なんとまあ、という感じです。

2007.01.20 17:22 URL | つくい #gGiHTux6 [ 編集 ]

「壺」のやっしゃんです(^^)

教育再生会議の報告案はあまりにも内容がアホすぎるので
安倍の支持率低下にはいいネタになるんじゃないかと思います
kojitakenさんは参議院法制局からアクセスを受けてたんでね
知らなかったんでちょっと笑えました

あと自分とこは朝日やめて毎日にしろって言ってんのに今だに
朝日ですよ(^^;)

2007.01.20 19:39 URL | 美しい壺日記のやっしゃんです #- [ 編集 ]

つくいさん、
コメントありがとうございます。
実はこの記事は最初、この間読んだ加藤秀一著「ジェンダー入門」(朝日新聞社)中に記載のあったバックラッシュ批判と絡めて書こうと思っていたのですが、山谷えり子という人物のあまりの低劣さにあほらしくなって、このような記事にしてしまいました。
一部では、山谷えり子自ら「Wikipedia」の書き換えや、Googleで検索される情報の隠蔽工作を行っているという説もささやかれています。

2007.01.21 09:03 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]

やっしゃんさん、
コメントありがとうございます。
関連記事を「kojitakenの日記」にも書きました。
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20070121/1169331816

「日本会議」も、安倍や山谷の無能には呆れているのではないかと思う今日この頃です(笑)。

2007.01.21 09:06 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]

こんばんは。^^
山谷えり子って、父上も著名なかたでしたよね。詳しくは判らないけど、父上の影響ってあるんでしょうか。

2007.01.21 20:32 URL | ココロ #mQop/nM. [ 編集 ]

ココロさん、
コメントありがとうございます。
山谷えり子の父は、故山谷親平で、産経新聞の有名記者にしてラジオ(ニッポン放送)のパーソナリティだったと思います。影響は当然あるでしょうね。
ラジオというと、首都圏ではTBS、文化放送、ニッポン放送の3波が主力ですが、文化放送とニッポン放送は、ともにフジサンケイグループの一員です。
一方、関西では朝日放送、毎日放送、ラジオ大阪の3波が主力で、特に朝日放送と毎日放送がデッドヒートを演じています。
私は関西の出身で、高校時代にはよく深夜放送を聴いたものですが、毎日放送と朝日放送がそのほとんどで、ラジオ大阪は「釣瓶・新野のぬかるみの世界」を聴くくらいでした。
当時、フジサンケイグループの洗礼を受けなくて本当に良かったと思います。当時の関西の若者は、首都圏の人たちと比べて恵まれていたのだと思います(笑)。

2007.01.21 20:44 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]

なるほどね~そんなに関東と関西で違っているなんてビックル‥あいや、ビックリです。ところで、そのデッドヒートはどんな方法で競えるんですかね。ラジオの聴視率って何で調べてるのかしら。

2007.01.21 21:08 URL | ココロ #mQop/nM. [ 編集 ]

ココロさん、
私も詳しくはないんだけど、Wikipediaのリンクをあげておきます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%81%B4%E5%8F%96%E7%8E%87

よく毎日放送ラジオを聴いていたら、聴取率の話題が出てきてたように記憶しています。毎日放送は、普段は二番手ですが、たまに朝日放送を抜いて一位になることがあったと思います。

ちなみに、私が高校生の頃は、朝日放送は優等生的な長男で、毎日放送はちょっとやんちゃな次男坊というイメージを持っていました。

2007.01.21 21:15 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]













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