きまぐれな日々

一昨日のエントリで、コイズミの郵政総選挙の時の悪夢のような思い出を書いたが、このエントリに多数のコメントをいただいた。
また、昨日はブログの更新をお休みしたのだが、累計アクセス数が90万件を超えた「カナダde日本語」から紹介いただいたおかげで、ブログを更新した一昨日よりも200件以上もアクセスが増えた。

コメントくださった皆さま及び弊ブログを紹介してくださった美爾依さんには厚くお礼を申し上げる。

今回は、そのコメントの中からいくつか紹介しつつ進めたい。

まず、当ブログではおなじみの奈央さんのコメントから。

私たちが小泉マジックにはまったのは、ナチスドイツのヒトラーにはまったドイツ国民と同じ共通したものがあったからではないでしょうか?
人は単純明快を好み、また優越感をくすぐられるような心地よい言葉や考えに目を奪われると、苦言がある多様的な考えは軽視されるか無視されることになります。
そしてその心地よいひとつの考え方に執着するようになります。
それしか考えなくなるといえばよいでしょうか?
多様性がなくなるということは、知らないうちに自然におこります。
そして、ものごとを様々な角度で見られなくなります。
そしてひとつのことにとらわれ窮屈になります。
日本はそんな国に今なろうとしています。
心地よい言葉ほど害意がある、警戒をと思います。
これが、私がゴー宣や小泉政権から得た教訓です。
本当に心地よい言葉を彼らは使いましたから。
気をつけたいと思います。
(奈央さんのコメント)

いつも感心するのだが、奈央さんのコメントは問題の本質をよく突いている。
私がこのコメントを読んで思い出したのは、投票日当日、2005年9月11日付の朝日新聞の社説だ。
「朝日新聞は死んだ」と思わせたこの社説については、昨年7月12日付のエントリでも紹介したが、朝日新聞は「小泉首相はこれまで見たこともない型の指導者だ。……単純だが響きのいいフレーズの繰り返しは、音楽のように、聴く人の気分を高揚させる」と、コイズミを称揚した。
前のエントリで書いた事情によって、私は二日酔いの朦朧とした頭でこれを読んだ。コイズミに対する皮肉としか私には読めなかったのだが、しかし朝日の社説からは、自民党なんかに投票しないで野党に投票しろというメッセージも読み取れなかった。ということは、字面通りコイズミを称揚した社説ということになるのだろう。朝日新聞に限らず、コイズミの「心地よいメッセージ」に潜む危険性に警鐘を鳴らしたマスメディアは皆無だった。

続いて、花美月さんのコメントから。

ニュースで見たのですが、京都のある田舎にある高専の郵便局のATMが取り壊されました。学生たちはただ、呆然とそれを見ていました。
交通の便もない学校の寮に住む彼らは、今後、遠くの郵便局まで、歩いてお金をおろしに行かなければならなくなりました。雪が降ったときは大変です。こんなことは序章でしょう・・・

小泉さんの性格のように非道で冷たい政治になってしまいましたね。

もう少し多くの人が、もしこんなことが起こりえるかもしれないという想像力があったなら、ここまで自民に票を与えなくてもすんだのに。
(花美月さんのコメントより)

さらに、ひとみさんのコメントより。ひとみさんからは2通のコメントをいただいたが、こちらで編集させていただいた。

郵政民営化では、怖い思いをしました。あの選挙の時、駅前で、一人でプラカードを持って立っていたのですが(小泉さんと反対の立場で)、突然、高校生が数人で私を取り囲んだのです。そして、口々に「郵政民営化」を叫ぶのです。普段は、しらーっとしている高校生が、です。その時、マスコミの怖さのようなものを感じ、一人ひとり、知らせていくしかないな、と痛切に感じました。
駅前、本当は、たくさんで立ちたかったのですが、集合時間に誰も来なかった、というだけです。一人で立つ、というのは、怖い、というより、たくさんの方が目立ちますからね。
でも、なかなか一緒に立ってくれる人を増やしきらないんです。でも、何とかしなければ、という思いだけはあるんです。
アメリカがイラクに攻撃を仕掛ける前か直後か忘れましたが、米国のすることが許せなくて毎朝駅前に立ったんです。何十日立ったでしょうかねー。あるとき、「一人で立ってどうするね。自己満足やろも」と言われて、立つのを止めたのです。
仲間を拡げきらない無力さを感じ、それでも拡げなければ、という思いは、最近の情勢をみると、痛切に感じます。
(ひとみさんのコメントより)

ひとみさんが書かれている高校生の行動は、集団心理によるものだろう。一人一人では弱い者たちが、アジテーターに煽動されて集団になることによって、あたかも自我が強化されたような錯覚に陥って、少数者を攻撃する。ヒトラーやコイズミのような独裁者に陶酔することの怖さがここにある。

数々のコメントをいただいて、あらためて「コイズミとは何か」と考えごとをしていたところ、たまたま栗本慎一郎さんが書いた「純個人的小泉純一郎論」(イプシロン出版企画、2006年)という本を見つけた。これは、慶応大学でコイズミの同級生だった栗本さんが書いた本で、ナント、企画・構成が宮崎学さんである。なぜ「ナント」かというと、「年末年始に読んだ本」のシリーズで、宮崎さんが書いたある本を取り上げようと思っており、それをもうすぐ読み終えるところだったからだ。

それはともかく、これはなかなか面白い本である。「コイズミカイカク」を「中間層を崩壊させて、一部富裕層にその富を集めさせて、日本経済を分断して表面の好調を演出する」に過ぎないと喝破したのを皮切りに、コイズミの頭の中は空っぽ、「ワンフレーズ・ポリティクス」は、意識してやっているというより、長い言葉をしゃべれないだけ、靖国には本来何も関心がなく、ウケを狙って参拝していただけ、コイズミが姉・信子と近親相姦しているという噂を立てている自民党の政治家がいる、コイズミはあまりにもバカだから「国際資金資本」にいいように操られている、などと書きたい放題だ。

次期政権(注:この本が書かれたのは昨年の自民党総裁選の直前)は短命に終わるだろう、福田はそれを見越して降りたのだ、次期政権のあとはコイズミが復帰する可能性がある、福田康夫と加藤紘一の動向が注目される、小沢一郎がそれに絡む可能性がある、などとしている。

栗本はこう予言している。

彼は、再登板に向けて妄想を膨らませているはずだ。もし、退陣後に小泉政権が再び復活するような事態になるとしたら、そのときこそ日本が本当に沈没することになるだろう。格差はもっと拡大させられ、負け組の死体はすべて勝ち組が生きのびるいかだの部材として利用されるのだ。それが小泉支持者の将来の姿である。
(栗本慎一郎 『純個人的小泉純一郎論』=イプシロン出版企画、2006年=より)

栗本さんのこの本には、陰謀論による推論も多く、どこまで信用できるか不明なところもあるが、コイズミが市場原理主義を日本に徹底させた最大の戦犯であり、こと経済政策に関しては、安倍晋三はコイズミを継承しているに過ぎないことは私も指摘しておきたい。もちろん、安倍を「the End!」にしなければならないのは当然だが、そのあとにコイズミなんかを復活させては絶対にならないのである。

最後に、非常に印象的な「復活!三輪のレッドアラート!」の管理人・三輪耀山さんのコメントを紹介して、記事を締めくくらせていただく。

そう、政治は所詮暴力であり、民主主義とは暴力に抗う事に唯一無二の真髄があるのだと、そう私も信じてます。

民の手にある政治は暴力を民に振るわない。
そう願う事、そうさせる事に我々の存在意義がある。

私は常からそう思っていますよ。

迂遠であろうと王道を行く為に、私は無条件の平和友好も、無条件の憎悪と闘争も全て否定する。
とりわけ、屈従は論外だと思っておりますよ。

まあ、結局私もプロレタリアート独裁に反対しているだけで、そんな国が隣にあり、日本を常に狙っている事に憂慮しているだけで、結局中道なのだなと・・・。
思う事しばしですね。

今の日本は資本家独裁に向かいつつある。
それは阻止しなければ。
それは選民、賎民の民主主義であり、小さく儚い民を虐げて、金持ちの民が主としてのさばろうとする、独裁主義なのだとね。

結局、人が戦う為の武器とは、汚されない心なのだなと。
最近とみに私は思います。
(三輪耀山さんのコメント)


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こんばんわ!
TB何度しても通いませんのでコメントにします。ライブドアの馬鹿・・・・・
AbEndフォーラム入りました。ヨロシク!

2007.01.11 19:45 URL | とらちゃん #- [ 編集 ]

こんにちは。カナダde日本語さんから来ました。

今の住民票は違うところなのですが、
昔、都知事にと、青島さんに1票入れた馬鹿です。
なんかやってくれそうって、結局何も変わらなかったと思いますが、
テレビ露出度って。。。と思います。

花美月さんのコメントのATM取り壊しは疑問を感じます。
米国みたいにパーソナルチェックがあるわけじゃなし、4ドル程度の買い物でも使えるカード社会でもないし。。。
日本はまだまだ、現金社会なのに。。。

ひとみさん、すごい事態になったのですね。
テレビが良い事ばかり伝えていたのかな?
実は、民営化の利点は今でもよく解ってないけれど、
あの選挙の時には入れてないので自民圧勝に唖然でした。

では。

2007.01.11 21:40 URL | jittan #ziTXqYR2 [ 編集 ]

 小林よしのりという漫画家(?)については、昔『東大一直線』という漫画が少年誌に掲載されていた頃、絵が下手くそなのと情感がまるで感じられないのとで、読まずに飛ばしていた記憶しかない。「売れた」という『ゴーマニズム宣言』も、読んでいない。
 一つ気になるのは、一時エイズ問題に関わっていたという彼が、ある事をきっかけにそれから離れたという点だ。(何かで読んだ記憶があるだけで事実関係は知らない。)彼は確か、正義ばかりを主張する人々に嫌気がさしたと言う意味のことを言っていたと聞く。
 そうならば、かつて社会党の浅沼稲次郎を刺殺した右翼の少年(17歳)と、よく似た心理ではないかという印象だ。彼も、戦後声高に正義を主張し出した者達に反感を感じたと言っていたように思う。
 小林やこの右翼少年が正しいとは、露ほども思わない。ただ、彼らをこの種の心理にさせたものがあるとするならば、それは付き止めておいた方がいいと思う。それは不可欠だとも思う。一人ひとりの内面に通じる事柄だとも感じている。民主主義が「数」ならば、それを得るための不可避の一要件とも思う。

2007.01.12 10:13 URL | 朝空 #N/K9pUKc [ 編集 ]

高校生が郵政反対派の人間を駅前でからんだというのは恐ろしいことですね。日本もブッソウになりましたね。今まで政治は高年層の関心事で若者は無頓着だと思っていましたから。まるで10代のSSのやり方さながらです。

そういえば、私もメキシコシティーに旅行に行ったとき、ちょうどアメリカがイラク戦争を始めたときで、私のアメリカ人の友達は地元の学生にからまれてました。あんな大きなデモ行進に遭遇したのは初めてでした。しかも彼らはチェ・ゲバラの写真を掲げて、ブッシュ批判を叫んでました。町中デモだらけで旅行どころではなかったです。友達は、「オレはブッシュが嫌いだ」と言って、なんとか彼らから逃れることができました。しかし、私はアジア人なので、アメリカ人とは見られなかったため、からまれませんでしたが。

また911テロのあとも、私の大学の近くでイスラム教徒らしき学生が襲撃されて騒ぎになりました。なんでも犯人たちは被害者が髭をはやしていたから襲ったのだといいます。

また大統領選のときも、民主党支持者と共和党支持者の若者がお互いの陣地に乗り込んで集会を妨害して喧嘩になったりと、とても節操に欠いた活動が目立ちました。若者がここまで政治に熱くなるというのは健全なのでしょうか。そんな集団心理とは実に怖いものです。

2007.01.13 00:28 URL | ヘルメス #- [ 編集 ]













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適切と不適切の間
♪男と女の 間には深くて暗い 川がある♪~

2007.01.12 08:15 | 酔語酔吟 夢がたり

落日ブッシュの新政策
.昨年の中間選挙で、民主党に敗北したブッシュ政権。

2007.01.12 18:47 | 酔語酔吟 夢がたり