きまぐれな日々

安倍晋三内閣に次々とスキャンダルが噴出している。今度は、佐田玄一郎行革相の政治資金疑惑が飛び出した。来年から日記が有料化されるため、私を含む大部分の読者にとって今後は読む機会がなくなる勝谷誠彦が、この件を日記に取り上げているので、惜別の意味を込めて以下に紹介する。

ただの政治資金報告書の記載の問題ではなくこの話は相当スジが悪い。報道されることがわかった時点で官邸はパニックになったという。復党問題や道路特定財源それに本間税調会長の進退などでいずれも時間をかけすぎて求心力をなくしている官邸は今回はとにもかくにもトカゲの尻尾切りに動いたようだ。安倍さんべったりの産経新聞だけが今朝の朝刊一面で<佐田行革相、辞任へ>
http//www.sankei.co.jp/seiji/seikyoku/061227/skk061227000.htm
と新聞辞令をぶち上げていることで明らかである(笑)。もっとも記者会見を見る限り本人は異様なほど危機感が薄い。「地元に調べさせている」と言っておきながら秘書は「指示がない」と困惑しているようだし。
http://www.chunichi.co.jp/00/gnm/20061227/lcl_____gnm_____000.shtml
それにしても国家老の秘書が「聞いた覚えがない」という政治団体を使って動かした7000万円という巨額な金は何なのか。官邸が狼狽したのはこの金が明らかな「裏金」だと把握したからのようだ。だとすれば何に使われたのか。考えられるのは闇社会に何かの「処理」を頼むなどした謝礼金だ。言うまでもなく佐田行革相は佐田建設の会長だった佐田武夫氏の御曹司である。土建屋が「地元対策費」の名目で配る金を通じて闇社会と接触があるのはご存じの通り。ましてや今回明らかになった政治団体は佐田建設の関係者が東京での支援活動のために作ったとも言われている。どういう筋への「挨拶料」だったのか資金の行き先がきわめて興味深い。ここは民主党の攻め所だろうしもし反社会的な団体や人物に流れていることが判明すれば安倍内閣はもうもつまい。佐田議員は比例区だが本来は群馬一区。尾身幸次財務相とコスタリカ方式で棲み分けている。ひとつの小選挙区から大臣が二人出ているというのも異様でいかに論功行賞を優先させたかがわかる。尾身財務相も沖縄科技大を巡って疑惑あり。
http://www.janjan.jp/government/0612/0612065956/1.php
素晴らしい内閣だ。
「勝谷誠彦の××な日々。」 2006年12月27日より)

発足からわずか3か月。条件付きとはいえ、安倍内閣は、ウヨの勝谷にまで「もうもつまい」と言われてしまった。結局、佐田は辞任を表明した

先ほど「安倍晋三TBP」にTBされた「カナダde日本語」の最新記事「安倍晋三ピンチ!のニュースいろいろ」が、「どこかで安倍内閣を崩壊させようという得体の知れない大きな圧力がかかっているのではないだろうか」と指摘しているが、私も同意見だ。

前に、『毎日新聞の報道?「改正教育基本法」は改憲へのステップ』と題した記事で、毎日新聞が、安倍政権内で、小泉シンパの経済右派が、安倍の政治思想的な右派政策偏重を快く思わず、巻き返しに出ていることを暗示する記事を掲載したことを紹介したが、それに加えて、新自由主義的経済政策を好まない、従来保守の経済政策を支持する勢力の巻き返しも強烈であるようだ。

国家主義的な政治思想的右派と、新自由主義の経済右派の「幸せな結婚」(反安倍のわれわれにとっては「不幸な結婚」)をもくろんでいたはずの安倍内閣は、こうして巨大与党内部や官僚たちから、強烈な揺さぶりをかけられているように思える。

来年4月に行われる統一地方選の結果によっては、参院選を待たず安倍首相の退陣ということも考えられるのだ。とりわけ、安倍と負けず劣らず危険な体質を持つ石原慎太郎が三選を狙っている東京都知事選は、重要な選挙だ。「安倍晋三トラックバック・ピープル(TBP)」の管理人でもある「カナダde日本語」の美爾依さんが、石原慎太郎打倒の記事の「安倍晋三TBP」へのTBも受けつけると表明されたが、都知事選の結果が安倍政権の帰趨に大きく影響を与えることを考えると、妥当な判断だと思う。

さて、今日の記事の後半では、前にもご紹介したkechackさんのブログ「Munchener Brucke」の優れた記事『「おててつないで仲良くゴール」にみる90年代のネオリベと民族派の蜜月が終わり、無産右派が胎動する可能性』を紹介する。「はてな」で大活躍されているkechackさんの記事は、簡潔で、かつ要点を押さえられているので、いつも感心している。政治ブログを運営するからには、このくらいレベルの高い記事を書きたいものだといつも念じているが、残念ながら私の力では到底及ばない。

以下にkechackさんの記事の全文を紹介する。

 「おててつないで仲良くゴール」の話をご存知であろうか、実にくだらない話ではあるのだが、実に象徴的な話である。小学校の運動会の徒競走で順位をつけるのを止め、最後は仲良く手をつないでゴールするという話だ。実は今になってどこの小学校で行われていたのか全く情報もなく、「自分の小学校はそうだった」という体験談も聞かない一種の都市伝説であったとも言われているのだが、90年代は保守派の日教組攻撃、サヨク批判のネタとして頻繁に聞かれたネタだ。未だにこのネタを使っているブロガーもいるぐらいだ。このネタを知りたい人は↓のエントリーを読んで欲しい。

http://d.hatena.ne.jp/debyu-bo/20060928/1159407413
http://d.hatena.ne.jp/opemu/20060929/1159524762

 90年代前半はネオリベが新鮮な輝きを持っていた時代で、「悪平等」「自己責任」等の言葉が飛び交い、保守派と呼ばれる人たちがこぞってネオリベに傾斜し、保守論壇はネオリベ一色になった。ソ連の崩壊から間もなかったことから「平等」という価値観を攻撃するのは好都合な時期でもあった。

 そもそも政府は小さい方がいいということ自体が伝統であるアメリカで保守派がネオリベラリズムを標榜するのは自然なことであったのだが、日本の民族派の人々にも日本の伝統的価値観と共通価値観がどこにあるのかよく解らないネオリベをなぜかすんなり受け入れられていった。保守という立場を標榜する以上は、高額所得者や企業優位の政治を是認するのが当然で、低額所得者や弱者に優しい態度はサヨク的だと保守の間では蔑まれた。

 どうもおかしいぞという空気が生まれてきたのが小泉政権末期であろうか。ネオリベ的政治の中で生まれた成功者、ホリエモンや村上世彰が余りにも下品で、むしろ日本の伝統を破壊する存在であると、特に古い保守派の人が思うようになってきた。それでも若い右派の間ではネオリベ支持が続いていた。

 最近は更に風向きが変わった感じがする。安倍政権の企業優位、高額所得者優位の政策に対し、普段タカ派的発言や特ア批判をしているブロガーの多くが反発している(注1)のである。さすがに自ら不利になる政策を賛美する義理はないのであろう。「若い保守は依然としてネオリベ支持」という構造ではどうもなさそうだ。

 10年経って、ようやく反平等が保守のセオリーであるような変な呪縛から開放されてきたようだが、日本にもそろそろ無産右派(注2)が勢力を持つ可能性が出てきた。欧州では移民労働者受入問題から、労働者の方が排他的。国粋的になり、むしろ高額所得者の方がリベラルという傾向を見せている。北欧などでは高福祉と移民排斥という政策が同居した北欧型右翼政党というのが勢力を増しつつある。日本でも低所得者重視と民族主義が同居したイデオロギーが右傾化した若者や急激な負担増に苦しむ高齢者を中心に受け入れられる余地がある。ただこのイデオロギーは国家社会主義に通じる危険思想に転じる可能性があり、要注意である。

 無産右派の危険性については、また次の機会に。

(注1) 対中外交問題でネットウヨの間で反財界感受が高まっていたという土壌もある。
(注2) 日本には戦前は存在した。その一部は戦後民社党右派として生き残り、西村眞悟などはその系譜である。

「Munchener Brucke」 2006年12月21日『「おててつないで仲良くゴール」にみる90年代のネオリベと民族派の蜜月が終わり、無産右派が胎動する可能性』

これは、現在安倍内閣の支持率が下がり、政権内部にも軋みが生じ始めていることを説明する、実に良い記事だと思う。記事の後半に、無産右派の台頭や国家社会主義につながる恐れが指摘されているが、これは無論、ヒトラーのナチス・ドイツのような政権が生まれる可能性を警告しているものである。

「安倍晋三TBP」にTBされる記事についても、単に安倍をやみくもに批判するばかりではなく、このように歴史に学び、他国にも目を向けながら日本の今後を警告する、立体感を持った記事が、もっともっと書かれなければならないと思う。見習いたいものだ。


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スキャンダルが覆い隠せなくなったアベ政権の崩壊はもう近いと、私も思います。裏で、暗黒勢力がうごめいていることでしょう。
アベ政権がつぶれるだけではなく、そういう体質を持った自民党が倒れなければ、トップが替わっただけでは、全体主義、国家主義になってしまった日本を民主主義の国に変えることはできません。今の与党はイエスマンばかりです。国民が、自民党プラス公明党による政治を拒否しなければ、もとのもくあみだと思います。アベ崩壊から政府与党の崩壊へのつながることを切望します。もう政府与党を支持していては、この日本は終わりだ、という危機感をどれだけの国民が持って、それを投票行動に結び付けられるか、日本の今後のゆくえを決定するでしょう。
戦争や増税は嫌だけど、なんとなく自民党に投票するわ、なんていう人がいるということが問題ですものね。

2006.12.28 13:03 URL | 非戦 #tRWV4pAU [ 編集 ]

kojikitakenさん、お久しぶりです。
毎日のように安部内閣は閣僚のスキャンダルにまみれていますね。
テレビを見るたび次は誰がスキャンダルまみれになるのかな?なんて思います。
安倍については、あの改悪された教育基本法を見れば、人柄もわかるけれど、就任後すぐこんなに相次ぐスキャンダルにまみれる首相なんてと呆れるばかりです。
安倍内閣は宇野内閣と同じように短期で終わりそうな感じがしますね。
一応、政界では次の総理を探しているのではないでしょうか?
そうでないといいけれど。

2006.12.28 15:43 URL | 奈央 #R4THhfKU [ 編集 ]

明治以降の戦前期も、資本主義的(資本家的)合理性による国家主義と、「封建的イエの一体感」を奉ずる精神的国家主義が、反発しあいつつ馴れ合いながら、この国を支配してきたように思う。国民は、前者に反発を感じる時は後者に、後者にうっとおしさを感じる時は前者に吸い寄せられながら、常に「国家」の網の中を泳がされてきたという印象がある。
 貧しさと孤独の心が自閉に陥った時は、温かさの家の擬態としての「国家のイエ」に、容易に寄り添うこともあるのではないか。それへの処方箋は「一人ひとりの自立」には違いないのだが。「それは持てる者の意識だ―」。この種の"貧者の感情”を包めるだけのものが生まれればと思う。

2006.12.28 23:19 URL | 朝空 #- [ 編集 ]

http://blog.so-net.ne.jp/furuido/2006-04-10

メッセージありがとうございました。
辺見庸も同年代ということから気になる存在です。↑の短文は辺見庸が闘病中と知って咄嗟に書いたもの。。。

2006.12.29 01:13 URL | 古井戸 #Odn1FXQk [ 編集 ]

非戦さん、奈央さん、コメントどうもありがとうございます。
奈央さんが宇野政権を引き合いに出されましたが、宇野内閣はわずか69日で潰れたので、安倍は宇野内閣よりは長く持ちました。
宇野氏が総理就任早々辞任に追い込まれたのは、「サンデー毎日」に女性スキャンダルを暴かれたのがきっかけですが、安倍にも、4年前に「サンデー毎日」に暴かれた核保有・使用容認発言が政権に暗い影を落としています。ともに、発行部数の少ない「サンデー毎日」が絡んでいるのが面白いです。
でも、確かに現在は宇野内閣の潰れた1989年当時に似ていると思います。あの時、リクルート事件という巨大疑獄事件もさることながら、消費税問題で自民党は短期間に支持を大きく落としました。現在も、安倍内閣は山ほどスキャンダルを抱える一方、「上げ潮政策」といえば聞こえは良いけれど、大企業の経営者だけ優遇して、働く者からは増税するという政策が不信を招いて、支持率を大きく下げています。
来年は、再び「山が動く」年にしたいものだと思います。

2006.12.31 12:11 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]

朝空さん、コメントありがとうございます。
「一人ひとりの自立」が「持てる者の意識」だという「貧者の感情」を包めるだけのものを生み出す必要がある、確かに鋭いご指摘です。
ゆくゆくはテーマにしなければならないと思います。

2006.12.31 12:14 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]

古井戸さん、
コメントありがとうございます。こちらでははじめまして。
ネット検索をしていたら、弊ブログにTBしていただいたばかりの方のブログに行き着くとはと驚きました。しかも最近傾倒し始めている辺見庸の名前を拝見して、なお驚いた次第です。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

2006.12.31 12:17 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]













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2006.12.27 21:40 | 反戦老年委員会