きまぐれな日々

本屋でふと見かけた「サイゾー」の2007年1月号の表紙に、『イーホームズ社長告発! <耐震偽装の真犯人>』と赤文字で書かれていたので、この雑誌を買った。「サイゾー」を買ったのは、西山太吉・元毎日新聞記者と岡留安則さんの対談が載った2006年7月号以来である(この対談は、同誌2006年10月号別冊「噂の闘論外伝 岡留安則 vs 12人の論客」に収録されており、それも買った)。

記事は、「サイゾー」編集部の七瀬恭一郎記者から藤田社長へのインタビューの形式をとっている。

ネットでは非常に有名なことだが、耐震偽装強度偽装事件に絡んで国から確認検査機関の指定を取り消された「イーホームズ」の藤田東吾社長は、有罪判決を受けた10月18日に司法記者クラブで会見し、あくまでも責任は改竄が容易にできる国土交通省認定の「構造計算プログラム」の不備にあると主張するとともに、「アパ」グループの耐震偽装問題を告発した。

「アパ」グループの疑惑については、当ブログの記事『週刊ポストが取り上げていた「アパ壷三」の疑惑』でも指摘したように、今年9月29日号の「週刊ポスト」も取り上げていた既報の疑惑であったにもかかわらず、マスメディアは藤田さんの告発を無視した。私は「アパ」グループが金沢から興ったと知った瞬間、マスコミがスルーした理由は想像がついたのだが、確証がないからブログには書かなかった。しかし、さすがに「きっこの日記」は、12月3日付の記事『ツチノコ軍団VSガマガエル軍団』で、はっきり以下のように指摘している。

‥‥そんなワケで、アパグループやタムラ設計や田村水落設計について、藤田社長が1ヶ月半も告発を続けてるのに、マスコミがいっさいスルーしてんのは、こいつらのバックに控えてる森喜朗を頂点とした売国奴ガマガエル軍団に頭が上がんないからだ。そして、その売国奴ガマガエル軍団のイチの子分のアベシンゾーなんかに直訴したって、どうせ門前払いを食らうのは、藤田社長は最初から分かってたワケだ。だけど、藤田社長は、この国がどれほど腐りきってるかってことを全国民に見せるために、あえて自分がピエロになって、総理官邸まで出向いたってワケだ。
(「きっこの日記」 2006年12月3日『ツチノコ軍団VSガマガエル軍団』より)

そう、金沢は森喜朗の地元なのだ。私が昨年3月に金沢を訪れた時、金沢駅前再開発の記念式典が行われていたが、乗り合わせたタクシーの運転手と会話していたら、話題が森喜朗に及んだ。地元の運転手だから森を崇拝していると思いきや、皮肉たっぷりに利権政治家・森喜朗をこき下ろしていたので痛快だった記憶がある。

しかし、森喜朗政権時代、マスメディアは森をさんざんにこき下ろしていたはずだが、それからわずか6年で、マスコミが「森喜朗を頂点とした売国奴ガマガエル軍団」に頭が上がらなくなるとは、「物言えば唇寒し」のとんでもない時代になってしまったものだ。

前振りはこれくらいにして、藤田社長のインタビューから、特に興味深い部分を抜粋、紹介する。

まず、気になる藤田社長の身の危険について。

?身の危険というと、今も誰かに命を狙われているとか!?
藤田 この号が書店に並ぶ頃には、だいぶ落ち着いていると思いますが、ずっと用心してきたのは事実です。
昨年の11月に、事件にからんだ森田設計事務所代表の森田(信秀)さんが謎の自殺を遂げてからというもの、今年2月には、朝日新聞で僕と組んでいたデスクのSさんが急死。しかも、その死因が自転車に乗っているときに倒れて頭を打って死んだというんですよ。普通、大の大人が自転車で転んで死にますか? 何か外部からの圧力があるのではと、僕も怖くなりました。その直後に自殺した姉歯さんの奥さんも含め、僕の周りには、事件にかかわったために命を落としたとしか考えられない人が大勢いるんです。
(「サイゾー」 2007年1月号『マスコミによるさらなる偽装事件』より)

「サイゾー」の記事では「Sさん」となっているが、これはいうまでもなく朝日新聞の斎賀孝治デスクのことである。以前、私が「kojitakenの日記」に、『朝日新聞・斎賀デスクはなぜ死んだか』という記事を公開したところ、記事にアクセスが殺到したことがあった。
「斎賀孝治」でGoogle検索をかけると、斎賀さんへのインタビューの形式をとったasahi.comの記事が筆頭で引っかかるので、これも紹介しておく。是非リンク先を参照いただきたい。

地震に弱いビル 次々見つかる 建物の書類にうそ 耐震基準を下回る
(asahi.com 2005年12月21日更新)

さて、マスメディア批判大好きの当ブログとしては、藤田さんがマスメディアを批判した箇所をスルーするわけにはいかない。以下紹介する。

?しかし、藤田社長のせっかくの告発も、マスコミからはほとんど無視されているようですが……。
藤田 日本のマスメディアは、しょせんヒモつきですからね。広告をバンバン出しているマンション業界や不動産会社には、どこも頭が上がらないのです。インターネットでこれだけ騒がれ、海外でも外国特派員協会での会見の様子を報じたメディアがあるというのに、僕に対する取材禁止命令が出ている社もあるというのですから、腰抜けとしか言いようがありません。05年、事件が発生して間もない頃、『NEWS23』(TBS)のディレクターから、僕がきっこさんと連携して耐震偽装問題を告発していることについて「なんてことをしたんだ。せっかくうちでは藤田さんをいいイメージで取り上げてきたのに、あんな裏も取らないブラックジャーナリズムとつながったことで、これからはみんなが藤田さんをブラック(な存在)と見なしますよ」と言われたことがあります。でも僕から言わせれば、彼らマスメディアがブラックであって、自由にもの申すネット系メディアこそが21世紀のホワイトジャーナリズムだと思いますね。
?TBSに、そんな失礼なことを言われたんですか!?
藤田 まあ、テレビはどこもいい加減だとよくわかりました。昨年12月に、好きなことを話させてくれるというので『報道ステーション』(テレ朝)に出演することになったんですが、放送直前になってディレクターから、「こういう形でやることになりましたから」と紙を渡されたんです。それは小嶋さんとの対立をあおるような構成で、僕にこういうことをしゃべってほしいという台本のようなものまで書かれていました。もちろん、その場で出演はキャンセル、あんなショーのような番組なら、こちらから願い下げです。
(「サイゾー」 2007年1月号『マスコミによるさらなる偽装事件』より)

これを読んで、TBSやテレビ朝日の厚顔無恥に私が激怒したことはいうまでもない(笑)。「NEWS23」や「報道ステーション」がブラックジャーナリズム以外のなにものでもないことは、よーく理解できた。藤田社長が名前を挙げていないNHKやフジ、日本テレビは最初から御用ジャーナリズムだと誰もが知っているが、TBSやテレビ朝日もNHK以下と何ら変わりないのだ。

「サイゾー」のインタビューの最後で、藤田社長は、近いうちに「イーホームズ」の確認検査機関の指定取り消しは憲法違反であり無効であるとして、国を訴える準備を進めていると明言している。

当ブログでも、藤田社長を応援していきたいと思う。
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2006.12.22 07:45 | 耐震偽装問題 | トラックバック(-) | コメント(3) | このエントリーを含むはてなブックマーク

日刊ゲンダイで12月17日、朝日の敏腕記者が自殺したという記事を読みました。、なんだか恐ろしいことが、政界やマスコミに起こっているのはないか、という不安な気持ちになります。耐震偽装を追っていた朝日の記者も、2月に事故死した?という話はkojitakenさんが、ここでも今回もとりあげていらっしゃいますし。
真実を追究しようとする記者は、命がけでやらなければならないのかしら。会社が守ってくれないということなのか。ファシズムへの道は、一番最初にメディアが死ぬというから。生の報道番組で、意見を言うのに、台本があってやる前から方向性が決まっているなんで、やらせでしょう。こんなことやっているから、メディアが死んだ、と言わなければならなくなってしまうのです。

2006.12.23 09:38 URL | 非戦 #tRWV4pAU [ 編集 ]

>非戦さん、皆さん、こんにちは。

今日はお祝いのヒですね。
でも、ちょっと暗いです。
『書くこと』をあらためて考えたら・・。
文字なんて発明されない方がよかったんかなあ、と不意にオソワレまして。

ではでは。

2006.12.23 17:02 URL | 建つ三介 #CRE.7pXc [ 編集 ]

前にも書きましたけど、前の大戦の時は、朝日新聞の死が新聞ジャーナリズムの死でした。
今回もそうならないよう願うばかりですが、残念ながら紙面を見る限り、朝日新聞は既に死んでますね。毎日新聞も死にかかってるけど、もともと他紙より部数の少ない毎日は、思い切った路線転換をすれば、日本の救世主の一翼を担えると思ってるんですけどね。

23日は祝日だし24日はクリスマスイブだけど、私にとっては単なる土日です。もっと自由な時間がたくさんほしい。やりたいことは山ほどあるのに、と歯ぎしりしながら書いています。

2006.12.24 21:34 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]













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