きまぐれな日々

やや旧聞に属するが、11月14日付の朝日新聞一面に、同紙が実施した世論調査の結果が出ていた。

それによると、安倍晋三内閣の支持率は53%で、前回(10月)の調査より10%減となっている。

061114_朝日世論調査_tiny

(↑クリックすると画像が拡大します)

「AbEnd」を推進している当ブログにとっては、安倍内閣の支持率低下は悪いニュースではない。しかし、これほどの暴政を行っている安倍内閣の支持率が今なお過半数もあるって本当だろうか?

それに、この世論調査の記事には、以下に示す見逃せない記述がある。

内閣が最重要法案とする教育基本法改正案について「賛成」が42%で、「反対」22%を上回った。
(「朝日新聞」 2006年11月14日付紙面より)

この世論調査結果を信じれば、教育基本法「改正」に賛成の人が、反対の人の倍近くいることになる。

だが本当だろうか。

内閣支持率の世論調査が、メディアによってまちまちであることはよく知られている。朝日新聞の調査は、主要紙の中ではもっとも低い数字を出しているが、インターネットでは安倍の支持率はきわめて低い。自民党総裁選の時も、右寄りの人は麻生太郎、比較的穏健派の人は谷垣禎一を支持する傾向にあり、安倍は人気薄だった。

まあ、インターネットで政治関係のアンケートに答える人というのは、左右を問わず、政治への意識が比較的高い層だろうから、安倍は政治への意識が低い層に人気があるのだろうと考えることができる。

しかし、マスメディアの調査で結果がばらつくというのは、設問のしかたやサンプルの抽出のしかたに問題があると考えなければならないだろう(それにとどまらないインチキ、捏造が行われているという指摘もあるが、検証できないので深入りしないことにする)。

教育基本法に関する調査も同様だ。
今年5月の読売新聞調査では、実に66%が「改正」に賛成という結果がたたき出されているが、その後、立花隆さんをはじめとする言論人が立ち上がったのが功を奏したか、ようやく、教育基本法「改正」への反対論が強まってきた。今回の朝日新聞調査で、「改正」に賛成する意見が42%に下がったことは、ある程度その反映といえるかもしれない。

しかし、それにしても、タウンミーティングでの「やらせ」や、それどころかサクラの質問者に謝礼を払っていた問題が発覚した割には、朝日の世論調査結果には「賛成」が多すぎないだろうか。

そのからくりは、朝日新聞調査の設問を見てみればすぐにわかる。
設問は、下記のようになっている。

安倍内閣が最優先課題とする教育基本法の改正についてうかがいます。愛国心の育成など、教育の目指すべき目標や理念を定めた政府の教育基本法改正案が近く衆議院で可決される見込みです。あなたは政府の教育基本法の改正案に賛成ですか。
06114_朝日世論調査-教育基本法
(↑クリックすると画像が拡大します)
(「朝日新聞」 2006年11月14日付紙面より)

紙面から設問を書き写しているだけでムカムカ腹が立つような表現だ。こんなきき方をされたら、何も知らない人ならついつい「賛成」してしまうではないか。
たとえば、タウンミーティングでのやらせについての質問を設けたあとで、余計な前振りなしで賛否をきいたら、たぶん賛成、反対の比率は逆転するだろう。
そんなのは「誘導尋問」だと言われるかもしれないが、それを言うなら朝日新聞の設問だって露骨に「賛成」へと誘導している。

「政権に批判的」だと思われてきた朝日新聞が、このようにいつの間にか批判精神を失い、政府に協力的な新聞に成り下がっているのは、まことに憂慮すべきことである。

そもそも、これは11月11日、12日に実施され、14日の紙面に載った調査結果である。安倍が「だまし討ち」のような形で、与党単独で「改正」案の衆院通過をさせる前のことだ。それなのに、設問中に「愛国心の育成など、教育の目指すべき目標や理念を定めた政府の教育基本法改正案が近く衆議院で可決される見込みです」などといけしゃあしゃあと書いている。つまり、朝日新聞は最初から改正案の衆院可決を支持していたも同然ということだ。

ここまでくると、政策に容認的を通り越して、「御用新聞」というしかないではないか。

朝日新聞は、一面で「いじめられている君へ」「いじめている君へ」というタイトルの、さまざまな分野の識者が書いたコラムを掲載している。
コラム自体は、それぞれ立派な内容だ。だが、この時期にこういうコラムを一面に掲載すること自体、「安倍内閣の教育改革」を後押しするアナウンス効果が生じるのではないか。

悪質な情報操作を、朝日新聞までもが行っていると言わざるを得ない。

さらに呆れた事実がある。

内閣府とタウンミーティング運営を委託した広告会社との契約に、「その他協力者」という名目で謝礼金5千円が予算化されていることを暴露した社民党の保坂展人議員のブログ「保坂展人のどこどこ日記」の2006年11月16日付記事の一部を、以下に引用、紹介する。

04年11月27日に開かれた「教育改革タウンミーティング イン 大分」を点検してみよう。朝日広告社から内閣府大臣官房会計課長に届けられたのは10,669,761円の請求書だった。さっそく明細を見てみた。驚くのは、動員されたスタッフの数とその金額である。

[開催当日の動員関係]

1、空港(又は駅)での閣僚送迎など (単価12,000円)×6人 72,000円
2、会場における送迎など (単価120,00円)×14人 168,000円
3、各出席閣僚の個別担当 (単価12,000円)×3人 36,000円
4、閣僚控室の連絡要員 (単価12,000円)×3人 36,000円
5、出席閣僚・随行者ケータリング (単価12,000円)×4人 48,000円
6、一般参加者・マスコミ・関係者
受付・配布資料封入 (単価20,000円)×12人 240,000円
7、クローク (単価12,000円)× 5人 60,000円
8、場内整理事務補助 (単価20,000円)×27人 540,000円
9、会場発言マイク係 (単価12,000円)×12人 144,000円
10 警備員 (単価20,000円)×17人 340,000円
11、コーディネーター (単価50,000円)× 1人 50,000円
12、手話通訳者 (単価20,000円)× 3人 60,000円

な、なんと計算してみて驚きだが、総計107人で総額1,722,000となった。これが、募集人員300人のイベントに釣り合う人数だろうか。

(「保坂展人のどこどこ日記」 2006年11月16日より)

人数も驚きだが、ナナナナナント!「朝日広告社」だって?
これって、朝日新聞社の関連企業じゃん!

こんなザマでは、朝日新聞に良識ある報道を期待するのは難しそうだ。

#今回の記事を書くにあたり、非戦さんから多くの情報をいただきました。ここに感謝します。


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小泉-安倍に続く政権がどのようなものであるのか、その実態がよくわかりますね。ぜひともここらで、安部にガツンといきたいものです。そのための一番手である、今日投票の沖縄知事選が気になります。県選挙管理委員会によると、午後2時現在の投票率は27・95%で、前回同時刻を0・29ポイント上回っているとのこと。残り数時間、投票率が上がり浮動票が動けば、糸数さん有利の流れ。どんどん上がれ、と祈るのみです。

2006.11.19 17:50 URL | y.-Danura #- [ 編集 ]

kojitaken様、こんばんわ!
沖縄の選挙がハッキリするまで起きてます。
私も不思議なことが有ります。
自民党の支持率が35~40%。
民主党が20%前後。
でも、選挙での獲得数はメチャ違わない。
言われている政党支持率では民主党はいつまでたっても政権執れないってことになる。

ほんまにいい加減なんだから!

2006.11.19 21:11 URL | とらちゃん #- [ 編集 ]

やはり、朝日新聞と関係してたんですね。
なんか、こういうことがわかっちゃうと、本当に日本のメディアは何も信用できませんね。結局、朝日新聞も裏で、政府と癒着してたんじゃないですか。

2006.11.20 00:15 URL | 美爾依 #- [ 編集 ]

かつて、日中戦争へと至る過程で、朝日新聞などのメディアが政権・軍に対する批判精神を失っていきました。これは直接弾圧されたと言うより、そういう空気が醸成されていったからだと考えてます。

現在のメディアが再び批判精神を失いつつある状況を見て暗澹たる思いがします

2006.11.20 02:07 URL | scopedog #p3ZWCO.Q [ 編集 ]

沖縄選で糸数さんが健闘しましたが、やぶれました。朝日は、『基地と知事選』という題名の記事を2日間にわたって選挙期間中書きました。これがひどくて、「糸数さんになったら、、国からのお金が出ない」、「糸数さんが当選したら、政府が困るのではなく、沖縄県民が困る」といかにも糸数さんに投票するな、という書き方でした。
教育基本法改正に反対する識者の意見特集も、衆議院本会議で可決されてから、出しました。札幌の中学生が安倍首相に「本当に私たちのことを考えてくれていますが?」とFAXし、彼女たちに脅迫状が届いたニュースも載せていなかったと思います。それくらい、朝日は、おかしい。政府に反対することは、封じ込めている感じです。
それでいて、『週刊朝日』の広告の見出しには、『ちょいモテ中川昭一 本誌が独占』
(林真理子)、『封殺するな 核武装論』(石破 茂)の最大級の文字が躍っているので、右翼の週刊誌か!と驚きました

2006.11.20 07:10 URL | 非戦 #tRWV4pAU [ 編集 ]

y.-Danuraさん、
とらちゃん、
美爾依さん、
scopedogさん、
非戦さん

コメントありがとうございます。まとめての返事で失礼します。

なんだかんだいって、朝日新聞がコケたときが民主主義が死ぬ時だと思います。インターネットの時代だなどといっても、マスメディアの力はまだまだ大きいし、朝日は、いわゆる「リベラル」層にもっとも影響力の強い新聞ですからね。

私が子供の頃、父の書棚に「重要紙面に見る朝日新聞の九十年」という、大事件が起きた時の新聞の縮刷版を集めた本があって、朝日新聞が戦時中いかに変節していったかがまざまざと記録されていました。
これは、朝日新聞社自らが発行した本で、もちろん、戦時中の過ちを繰り返すまいという意図も込められているのでしょう。それが、また同じ過ちを繰り返そうとしているとは、人類とはなかなか簡単には進歩しない生きものであるようです。

でも、ブログで騒ぎ続けて、「戦争のできる国づくり」を目指す安倍政権への反対の声をあげ、朝日新聞にも、権力へのチェック機能を取り戻してくれと訴えていけば、今ならまだ間に合うと信じます。
諦めずに訴え続けていきたいものです。

2006.11.20 07:29 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]

Kojitakenさん、

すみません。最初のコメントが送付されなかったと思ってもう一度送ってしまいました。一つ前のコメントを削除して下さいませんか?

非戦さんのコメントを読んで本当にあきれました。メディアが選挙情報をこんなふうに操作するなんて。これは、あまりにも民主主義をばかにしたやり方であり、沖縄知事選はもう一度やり直すべきです。

2006.11.20 07:35 URL | 美爾依 #- [ 編集 ]

沖縄知事選は残念でした。それでも野党が協力できたことは素晴らしいと思っていたのですが、民主党の一部に「負けて良かった」と言う声があるとの報道はちょっと残念です。「共産党と協力して勝っても国民の支持が得られない」と言う理由らしいですが、本当なら残念です。最近はメディアも信用できないので、野党を分裂させるためのデマかもしれませんが、この調子で野党が協力すれば、自民党にいつか鉄槌を食らわせることができると思うのですが。

2006.11.20 14:46 URL | ブタオ #- [ 編集 ]

ブタオさん、
民主党の中には「糸数さんは、共産党と同じ考えだから、、、」と糸数さんを非難した議員がいたそうですから、民主党内に「負けてよかった」という議員がいたのは、本当でしょう。
でも、そんなことを言って足を引っ張っていたら、いつまでたっても、AbEndできませんよ、と言いたいです。
それと、デマも多かったらしいですね。デマを流布する人の品性を疑います。

保坂議員が、HPの中で、

「、、、昨日の段階では、出口調査で糸数けい子さんが3%~7%リードしていたという情報もあり、僅差の勝利の瞬間を待ち望んでもいた。ただ、ひとつ懸念点は、全有権者数(104万7678人)の10%を超えた空前の期日前投票11万606票の行方だった」と書いています。

しかも、そのほとんどが、与党票だったそうですよ。不思議でしょ。ですから、当日は、糸数さんが圧倒的に多かったということでしょう。

2006.11.20 15:36 URL | 非戦 #tRWV4pAU [ 編集 ]

kojitakenさん、みなさん!
朝日がまだ、リベラルだった頃のことや結果的に戦争を推し進めてしまったことを反省していたのを、私たちは知っているので、なんとか、今の状態から、本来のジャーナリズムの役割を果たしてほしい!と切望しているのですよね。
私も、メールでたびたび抗議するとともに、たまにですがほめたりもします。
前は、マニュアルの文面を使ってでも、
「意見をたまわりました。関係部署に意見をまわします」のような返信メールがきました。でも今は、まったくなし。読者の意見を聞く、という姿勢は見られません。それでは自滅の道をたどることになると思いますが、それでも、良心派の人が新聞社の中で生き残って、その新聞が廃刊せず、本来の権力の監視役として機能してくれないと困ります。そうなるように、よい記事を書いた記者を応援したいですね。
今なら、政権を批判することも、新聞社に声を届けることもできます。それをしなければ、すべて承認したんでしょ、というふうに取られてもしかたがありません。
無関心は、最大の敵です。
でも、無関心の人に、どうやって、関心をもってもらったらいいか、、、?これが最大の問題ですね。

2006.11.20 15:56 URL | 非戦 #tRWV4pAU [ 編集 ]

ブタオさん、非戦さん
糸数さんが負けて良かったと言っていた民主党議員がいたかどうかは知りませんが、今日の勝谷の日記はまさにそんなことを書いています。
民主党右派やその支持者には糸数さんを支持しない人が結構いたんじゃないかと思いますね。
それから、最近は出口調査の結果と実際の結果が合わず、出口調査結果より与党の得票が多くなることがほとんどですね。
あと、朝日新聞に限らず、現役で中心になっている記者たちは意志が弱くて、流されやすい上、打たれ弱いという印象を持っています。それより上の世代(たとえば魚住昭さんの世代)にはしっかりした人が多いのに。
安倍晋三に恫喝されて、それに反発するどこかやすやすと屈してしまうなんて、ジャーナリズムの恥だと思わなきゃ。

2006.11.20 21:00 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]

期日前投票のほとんどが与党票、というのはあり得ないでしょう。統計的に見ても疑問が多いですね。どうも今の政権になって、何でもあり、といった感じがしますね。与党とか野党とか関係なく、この政権は良くありません。

2006.11.21 15:05 URL | ブタオ #- [ 編集 ]

ブタオさん、やっぱりおかしいでしょ。ほかのブログでも、話題になっているようです。
それから、私は、コイズミが首相になったころから、顔も見たくない面々がテレビに出るので、とくにニュースは見ないのですがあるHPで、今回の教育基本法改正を強行採決した日のNHKニュースは1番が拉致問題で、採決が、3番目のニュースだったそうです。しかもほかの時間のニュースでは、強行採決のニュースはまったくなし。NHKが放送命令を先取りしてやっているのか、政府から指令があったのか、知らないけど、おかしい、と書いていました。NHKがそんなふうになっているのですか。そういえば、きのうのワイドショーも拉致をやっていたわ。政府は、国民に知られたくないときは、必ず、北朝鮮がらみのニュースを出してきますね。これが沖縄選の前だったので、絶対、選挙に影響をあたえた、とそのHPの人は書いています。もうこの国は、某国とどこが違うのでしょう。

2006.11.21 17:49 URL | 非戦 #tRWV4pAU [ 編集 ]

おっしゃるとおり妙な感じですね。ただここにきて少し安倍批判もテレビで言われてきてるようですから、メディアの良識に期待したいですね。ブログも以前より社会に対して影響力がぐんと増してきてるような気もします。(耐震偽装問題では反省すべき点も出たようですが)ブログで取り上げれば社会が注目することもおおいにありますね。ただ、この期日前投票の話は糸数陣営では問題視してないんでしょうか?この点はちょっと気になります。(ネットのニュースでもあまり取り上げていないようでしたので)「ほとんど与党票」明確な数字が知りたいものです。

2006.11.22 16:53 URL | ブタオ #- [ 編集 ]

左翼思想が濃い新聞だと思っていた朝日が・・・まさか・・・。

いつの間に右翼になったのでしょうか?

2006.11.23 01:12 URL | 通りすがりの政治ヲタ #- [ 編集 ]

ブタオさん、非戦さん、通りすがりの政治ヲタさん
コメントありがとうございます。
期日前投票のカウントに不正があったのではないかという噂については、私は何かを述べるだけの材料は持っていません(さすがにそこまで手が回りません)。スパイラルドラゴンさん(「らくちんランプ」)や美爾依さん(「カナダde日本語」)のところでこの件を取り上げています。

しかし、NHKや朝日新聞をはじめとする主要マスメディアが、安倍「極右」政権の翼賛に走っていることは、疑う余地がないと思います。
昨年の総選挙の時も、朝日の社説は先頭に立って小泉の「刺客」戦術を堂々と支持し、投票日には恥ずかしげもなく小泉のカリスマ性を絶賛するなど、小泉を翼賛していました。そして、選挙終了後、何食わぬ顔をして小泉に批判的な記事を書いたりしてアリバイを作っていたので、私は激怒しました。そういう記事は選挙期間中に書けってね。
安倍政権に対しても、見出しなどでいかにも批判的なふうを装いながら、よく見ると世論調査で政府に有利な答えを導くような設問をするなど、朝日の「反政権」はポーズにすぎなくなっています。

2006.11.23 10:46 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]













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