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きまぐれな日々

 先週は多忙のため更新できなかった。前回の更新から2週間経った今日は、取り上げるべき事柄が山積していてとてもではないが書き切れないが、2つの件について書く。最初が前回も取り上げた安倍晋三の改憲構想、次が天皇退位に関する件。本当は衆院法務委員会で可決された「共謀罪」法案や、安倍晋三が明白な口利きを行った加計学園(今治の岡山理科大獣医学部新設)についても書きたいのだが、記事に収まり切りそうもないので割愛した。

 まず、安倍晋三が憲法記念日にブチ上げた「自衛隊を9条に追記する」改憲構想について、各社の世論調査が行われたが、朝日を除いてすべて安倍の構想に賛成する意見が多数を占めた。朝日の調査でも賛否が拮抗し、それまでの「9条改憲に関しては反対論が圧倒的多数」という状態は、安倍が「鶴の一声」を発しただけで賛否が瞬時に逆転または拮抗する事態になってしまった。

 ただ、他社より遅れて世論調査を実施した毎日新聞が昨日(21日)発表した世論調査では、朝日同様拮抗してはいるものの9条改憲反対が賛成を上回った。そればかりではなく、4月、つまり安倍が読売に改憲構想をブチ上げる前の調査と比較しても、9条改憲の賛否の比率はほとんど変わらないという結果が報じられた(下記URL)。
https://mainichi.jp/articles/20170522/k00/00m/010/090000c

 この世論調査の記事を以下に引用する。

毎日新聞調査
20年改憲「急ぐ必要ない」59%

 毎日新聞は20、21両日、全国世論調査を実施した。憲法9条の1項、2項をそのままにして、自衛隊の存在を明記するという安倍晋三首相の憲法改正案については、「反対」31%、「賛成」28%と回答が分かれた。「わからない」も32%あった。首相は改正憲法の2020年施行を目指す考えを表明したが、それに向けて改憲の議論を「急ぐ必要はない」は59%に上り、「急ぐべきだ」の26%を大きく上回った。内閣支持率は4月の前回調査から5ポイント減の46%、不支持率は5ポイント増の35%だった。支持率が5割を切ったのは昨年11月調査以来。

内閣支持率46%に下落

 9条を改正すべきだと「思わない」は49%で、4月調査から3ポイント増えた。「思う」も3ポイント増で33%。5月3日の首相の改憲提案前後で大きな変化はない。

 9条改正派には、戦力不保持を定めた2項を見直すべきだという主張もある。ただ、今回の調査では、改正すべきだと思う層の69%が自衛隊明記に賛成した。

 首相は国会の憲法審査会に議論を委ねる姿勢を示してきたが、その途中で、自民党総裁として自ら具体案に言及した。こうした首相の議論の進め方が「問題だ」は48%で、「問題はない」の31%より多かった。内閣支持層は「問題はない」が51%、不支持層は「問題だ」が84%と対照的な結果になった。

 新たな財源が必要な高等教育の無償化について、憲法を改正して義務づけることに「賛成」は50%、「反対」は35%。教育無償化は法律で対応可能という指摘があるが、改憲による「義務づけ」への期待は現時点では高い。

 18年12月までに実施される次期衆院選で改憲を主な争点にするかどうかに関しては、「争点にする必要はない」が46%、「争点にすべきだ」は37%だった。【吉永康朗】

調査の方法

 5月20、21日の2日間、コンピューターで無作為に数字を組み合わせて作った電話番号に、調査員が電話をかけるRDS法で調査した。東京電力福島第1原発事故で帰還困難区域などに指定されている市町村の電話番号は除いた。18歳以上のいる1634世帯から、1044人の回答を得た。回答率は64%。

毎日新聞 2017年5月21日 20時48分(最終更新 5月21日 20時48分)


 これは、ちょっと不思議な世論調査結果だ。なぜかといえば、「自衛隊の存在を明記するという安倍晋三首相の憲法改正案については、『反対』31%」なのに、「9条を改正すべきだと『思わない』は49%」というのだから。これは、前者の質問に対して「『わからない』も32%あった」というところがポイントだ。

 私は、「9条を改正すべきだと思わない」のだったら安倍晋三の改憲構想に「反対」でなければならない、なぜなら、「憲法9条に自衛隊を明記する」ことは「9条を改正する」ことにほかならないのだから、と思う。というかそういう論法でなければ筋が通らない。しかし、そのように考えない人も確かにいる。少し前に、「護憲の為にこそ、憲法改正が今必要なのではないか? 」と題したブログ記事を目にしたこともある(下記URL)。
http://abmt.blog.fc2.com/blog-entry-435.html

 私は何も上記ブログ記事を頭ごなしに否定するつもりはない。上記ブログ記事が唱える下記引用文の意見には反対ではあるが。

(前略)解釈などで憲法9条の理念を超えて勝手にどんどん防衛省の権限や自衛隊の活動範囲を拡大されることが無いように、憲法9条の理念に沿った自衛隊の有り方を明確に記載した方が良いのではないだろうか。

 専守防衛の為に自衛隊を持つことを許容しているリベラルが、本当の意味で憲法9条の精神を守りたいと考え護憲を主張するならば、解釈によって簡単に読み変えられてしまうような脆弱な構造である今の憲法9条のままでは、守りきれないであろうことを真剣に考える必要があると思う」という意見には。

(『51%の真実』 2017年5月15日付記事「護憲の為にこそ、憲法改正が今必要なのではないか? 」より)


 本エントリで私が言いたいのは、上記ブログ記事に端的に見られるように、これまで、いわゆる「新9条」派(東京新聞の佐藤圭や想田和弘や矢部宏治や池澤夏樹や加藤典洋ら)の唱える「左折の改憲」、つまり自衛隊の呼称を「自衛軍」などに改めて明記する改憲案には賛成しないかもしれない人たちまで「改憲賛成」に靡かせる効果を、間違いなく「安倍改憲構想」は持っているということだ。本エントリではその理由を明記しないが(一言では書き切れないため)、私は自衛隊を9条に追記する形の「憲法改正」にも大反対だ。しかし、前回のエントリにいただいた下記のコメント(下記URL)に典型的に見られる通り、リベラル側にあっても私とは意見の異なる方が多い。せっかくの機会なので、以下にコメントを全文紹介する。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1475.html#comment20449

こんにちは。度々投稿させてもらっています。

私は世に言う「護憲リベラル」でブログ主様と多くの点で意見が一致しますが、今回は非難されることを覚悟で発言します。というのは、私は「9条1項と2項はそのまま維持して、3項に自衛隊を明記する」いわゆる加憲論にはオープンで、むしろこのような案はリベラルの側から提示されるべきだと思っているからです。そして、改憲のみならず、高等教育無償化、消費税増税延期、長時間労働の是正、同一労働同一賃金、その他もろもろで、ことごとくリベラルは安倍晋三にお株を奪われていることに危機感を感じています。

安倍晋三の恐ろしいのは、権力を維持するためには、自分の主義主張を曲げてまで何でもやるというヌエのようなところです。一言で表現すると「狡猾」なんですが、加えてメディアコントロールも巧みとくれば、昭和にどっぷりとつかったままのリベラルを抑えるなど、赤子の手をひねるようなものでしょう。実際、安倍政権の支持率が高いのは不思議でも何でもありません。思想的には極右でも、政策的にはリベラルなものを随所に散りばめて、両方からの支持を取り付けているからです。

ただ、私はそれほど悲観的にはなっていません。もちろん、今が「崩壊の時代」であることに異論はないですが、日本人が以前に比べて(全てにおいてではないですが)リベラル化しているからです。こう言うと、昭和のリベラルの方々からは怪訝な顔をされそうですが、落ち着いて考えてみれば昔に比べ様々な面で社会がリベラルになっているのがわかります。事実、安倍晋三が自分の主義を曲げてまでリベラルに迎合しているのが何よりの証左ではないでしょうか。もちろん、冷戦中の昭和的なリベラルの価値観はどんどん衰退しているのは事実で、旧社会党や社民党の退潮がそれを如実に物語っています。このトレンドはこの先も続くでしょうし、それをもって「右傾化」というのであればそのとおりでしょう。

話を改憲に戻すと、自衛隊を明記といっても簡単にはいきませんよ。明記するにはまず「自衛隊とは何か」というところから始める必要があり、これは相当紛糾するでしょう。明記するとなれば制限されてしまうので、保守派の側も相当慎重になるでしょうし、たった数年で合意形成など不可能です。だから、ブレインストーミングよろしくどんどんいろんな意見を出して議論したほうが得策ではないでしょうか。まあ、変えるなら何でもいいとばかりにメディアを駆使して大衆を洗脳し、どさくさに紛れてわーっと一気にやってしまう可能性はゼロではないでしょうし、リベラルの方々はまさにそれを恐れているのでしょうが、それを恐れるあまり硬直化してしまっては、安倍晋三の思うつぼでしょう。

余談ですが、1980年代に自衛隊の違憲合法論というのが一時的に流行りましたが、これはまさに昭和リベラルの苦肉の策です。(自衛隊が合憲とか違憲とかいう言い方は厳密には正しくないのですが、ここではそれに深入りしません。)確かにここまで無理をしないと理論破綻してしまうのであれば、議論すること自体がリスクでしょう。現代のリベラルには同じ轍を踏まないように願わずにはいられません。

以上、乱文にて失礼致しました。

2017.05.10 10:54 D.J.


 このコメントに対する私の意見も長々とは書かないが、「自衛隊を制限するつもりがタガを外してしまう」恐れが強い(タガを外そうとしている=実際、集団的自衛権に対する政府解釈の変更や安保法によって既にタガを外しまくっている=安倍晋三がこの改憲構想を言い出したのは、タガをさらに外そうとしているからに他ならない)と私は考えている。

 また、安倍改憲構想に明確に反対する側からの「立憲主義を論拠にすれば安倍改憲構想に勝てる」という意見もしばしば目にするが、これは心許ない限りだと思う。これについて、昨日ネットで目にして暗澹たる気分になった、毎日新聞の天皇退位に関する記事とそれに対するネット民の反応を取り上げる。つまり、ここからが記事の後半だ。

 下記記事は、当初毎日新聞の有料記事だったらしいが、「なんでこんな大事な記事を優良にするんだ」という読者の声が多数寄せられたらしく、毎日新聞社は下記記事の全文を無料公開した。この経緯があるので、ここでも全文引用する(下記URL)。
https://mainichi.jp/articles/20170521/k00/00m/010/097000c

陛下
退位議論に「ショック」 宮内庁幹部「生き方否定」

時代によって変わってきた天皇と国民の距離

 天皇陛下の退位を巡る政府の有識者会議で、昨年11月のヒアリングの際に保守系の専門家から「天皇は祈っているだけでよい」などの意見が出たことに、陛下が「ヒアリングで批判をされたことがショックだった」との強い不満を漏らされていたことが明らかになった。陛下の考えは宮内庁側の関係者を通じて首相官邸に伝えられた。

 陛下は、有識者会議の議論が一代限りで退位を実現する方向で進んでいたことについて「一代限りでは自分のわがままと思われるのでよくない。制度化でなければならない」と語り、制度化を実現するよう求めた。「自分の意志が曲げられるとは思っていなかった」とも話していて、政府方針に不満を示したという。

 宮内庁関係者は「陛下はやるせない気持ちになっていた。陛下のやってこられた活動を知らないのか」と話す。

 ヒアリングでは、安倍晋三首相の意向を反映して対象に選ばれた平川祐弘東京大名誉教授や渡部昇一上智大名誉教授(故人)ら保守系の専門家が、「天皇家は続くことと祈ることに意味がある。それ以上を天皇の役割と考えるのはいかがなものか」などと発言。被災地訪問などの公務を縮小して負担を軽減し、宮中祭祀(さいし)だけを続ければ退位する必要はないとの主張を展開した。陛下と個人的にも親しい関係者は「陛下に対して失礼だ」と話す。

 陛下の公務は、象徴天皇制を続けていくために不可欠な国民の理解と共感を得るため、皇后さまとともに試行錯誤しながら「全身全霊」(昨年8月のおことば)で作り上げたものだ。保守系の主張は陛下の公務を不可欠ではないと位置づけた。陛下の生き方を「全否定する内容」(宮内庁幹部)だったため、陛下は強い不満を感じたとみられる。

 宮内庁幹部は陛下の不満を当然だとしたうえで、「陛下は抽象的に祈っているのではない。一人一人の国民と向き合っていることが、国民の安寧と平穏を祈ることの血肉となっている。この作業がなければ空虚な祈りでしかない」と説明する。

 陛下が、昨年8月に退位の意向がにじむおことばを表明したのは、憲法に規定された象徴天皇の意味を深く考え抜いた結果だ。被災地訪問など日々の公務と祈りによって、国民の理解と共感を新たにし続けなければ、天皇であり続けることはできないという強い思いがある。【遠山和宏】

 【ことば】退位の有識者会議

 天皇陛下が昨年8月、退位の意向がにじむおことばを公表したのを踏まえ、政府が設置。10月から議論を始めた。学者ら6人で構成し、正式名称は「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」。11月に16人の専門家から意見聴取し、今年1月の会合で陛下一代限りの特例法制定を事実上推す論点整理をまとめた。4月に最終報告を首相に提出した。

毎日新聞 2017年5月21日 06時30分(最終更新 5月21日 06時30分)


 私はこの件で現天皇を応援する側の「リベラル」の論調に以前から危惧を抱いていた。

 昨年夏に突如発表された天皇の退位の意向表明そのものは、恒例の生身の人間が発した意見として、違憲の疑いはあるもののこれ以外の方法はとりようがなかったとしか思えなかったので、私はこれを容認し、かつ今後は天皇の意思が反映されないようにするために、皇室典範を改正して天皇の「定年制」を明記すべきだと思った。以前に「75歳定年」と書いた記憶もあるが、70歳定年くらいが妥当だろうと今では考えている。なお将来的には天皇制は廃止すべきだというのが私の意見の前提にはある。

 しかし、今回の毎日新聞記事からはっきり読み取れる通り、安倍政権や極右人士たちに反対する側(具体的には「リベラル」や宮内庁。あるいは現天皇自身も入れるべきかもしれない)まで、「陛下のお気持ち」とやらを盾にとって政権を批判することはきわめて危険だ。たまたま私は松本清張が60年代後半から70年代初頭にかけて『週刊文春』に連載した力作『戦後史発掘』の後半部分、新装版の文春文庫では第5〜9巻、単行本や旧版の文春文庫では第7〜13巻に収録された「2.26事件」を9割方読み終えた時点でこの報道に接したこともあって、「おいおい、アブナイぞその考え方は。まるで、2.26事件の青年将校たちみたいではないか」と思った。

 しかし、世の「リベラル」の多くは私とは意見が異なるようだ。もちろん中には共感できる意見もある。私が上記毎日新聞記事についた「はてなブックマーク」のコメントの中で共感したのは、下記shigeto2006さんのコメントだった(私はこのコメントに「はてなスター」をつけた)。
http://b.hatena.ne.jp/shigeto2006/20170521#bookmark-338299510

陛下の気持ちはわかるが(私が天皇だとしても怒る)、このような話が宮内庁から漏れ出てくることには危うさを感じる。日本会議などの極右勢力は論外とはいえ、これが正しいかといえば…。


 まあ私は「陛下」という表記は用いないが、それ以外は共感できるコメントだ。さらにいえば、宮内庁だけではなく毎日新聞や「陛下のお気持ち」とやらを論拠にして政権を批判する「リベラル」も十分「アブナイ」と思う。

 意外にも私が共感したのは、日頃やや距離を感じることの多い菅野完のつぶやきだった。一連のつぶやきからいくつか取り上げる。

https://twitter.com/noiehoie/status/866070899258150912

危険だな。両方危険だ。極めて危ない。


https://twitter.com/noiehoie/status/866071967874535424

宮内庁はどうも「マスコミ遊び」に淫しているように見える。 「このタイミングで、こうしたコメントを流せば、政局に介入できる」という快楽に溺れているのではないか。


https://twitter.com/noiehoie/status/866072495966740480

僕らはいいよ。そういう業界なんだから。 僕らは、承詔必謹でいい。
だけどこれ、それこそ立憲主義として危ないよ。


https://twitter.com/noiehoie/status/866072807783809025

あほなリベラルが、「ほら、安倍政権や日本会議や保守系文化人は、陛下のご意向に背いている」とかいう、俗流マキャベリズムを発動するんだろうなと思うと、気が重い。


https://twitter.com/noiehoie/status/866085896327643136

乱暴にまとめればだが、宮内庁が今のタイミングで流した 「陛下のご意向」とは、畢竟、「自分の思うような法整備にならなかったのが悔しい」ということ。
大日本帝国憲法時代でもこんなことなかったよ。


https://twitter.com/noiehoie/status/866087026650566658

近い事例といえば。。。。
先帝が「田中総理の言ふことはちっとも判らぬ。」とおっしゃり、田中義一内閣総辞職に至った例の事件ぐらいかもな。
それぐらいの「おかしさ」


https://twitter.com/noiehoie/status/866088026430070784

ある種のサーキットブレーカーとしてお上が能動的に動かれるというのは、日本の近代である以上、そうした「装置」があるのは仕方ない(これが嫌なら革命しかないけどね)。
で、その装置の存在を是認した上でも、やはりおかしいし、サーキットブレーカーは非常時にだけ発動されるべきものだ


https://twitter.com/noiehoie/status/866089685596086273

「日本会議や安倍政権は、不忠である。 陛下のご意向を足蹴にする不敬の輩である」という糾弾は、右翼の内ゲバとして右翼業界に任せてもらえればいい。
しかし立憲主義として危ないのは、むしろ、宮内庁。とんでもない話やでこれ。


https://twitter.com/noiehoie/status/866090174236602369

官邸と宮内庁で俗語で言うところの 「玉の取り合い」になってるのなら、こんなもん、近代の否定ですらある。
危ないよ。危なすぎるよ。


 私は正直言って、菅野氏が「あほなリベラル」と一緒になって宮内庁(や現天皇)の肩を持ち、安倍政権や極右人士たち(もちろん彼らに対しても「アホなリベラル」とは別個に厳しく批判しなければならないことは当然だ)を批判しているのではないかと予想して氏のつぶやきを見に行ったのだったが、全く逆だった。私は菅野氏に対する認識を改めるとともに、これは菅野氏が保守であるが故にできた発想なのであって、やはり「リベラル」はアブナイなあ(特にこのカタカナから連想されるさるお方など、宮内庁や現天皇の肩を持った政権や極右人士たちに対する批判に真っ先に飛びつきそうな気がする)と思った。立憲主義はやはり保守思想だ。

 しかし、とどめをさすべきは、深夜に教えてもらった原武史氏のつぶやきかもしれない。原氏は日本政治思想史を専攻する政治学者で、近現代の天皇・皇室・神道の研究を専門としているとのこと。

https://twitter.com/haratetchan/status/866090593851645952

昭和の戦後の頃は、閣僚が内奏の際の天皇の発言をうっかり漏らしてしまえば、それだけで憲法と抵触し、辞職に追い込まれることもあった。現在は全国紙が天皇の発言を1面トップで堂々と掲載し、多分に誤解を招きかねない図までつくってその発言を「正当化」しても問題にならない時代になっている。


https://twitter.com/haratetchan/status/866103938189189120

私は平川祐弘氏や渡部昇一氏らとは根本的に意見を異にしますが、だからと言って彼らをあたかも「陛下のお気持ち」をないがしろにする君側の奸のごとく糾弾するかのような論調には、正直言ってかなりの違和感を覚えます。


https://twitter.com/haratetchan/status/866111409792274432

もしも共謀罪の成立を昭和初期の治安維持法の再来として糾弾している人が、「陛下のお気持ち」を絶対のものととらえ、平川氏や渡部氏を君側の奸であるかのごとく糾弾したとすれば、それは同じ時期の「超国家主義」と同じ思考に陥っているということに気付いていないと言わざるを得ない。


 そうなのだ。天皇の「お気持ち」を論拠にして現政権を批判する今の「リベラル」のあり方は、2.26事件を引き起こした青年将校たちの思考と瓜二つとしかいいようがない。「超国家主義」で直ちに連想されるのは北一輝であり、北はパシリの西田税(みつぎ)ともども2.26事件で処刑された右翼思想家だ(但し。松本清張や近年の歴史家たちが指摘する通り、北や西田は2.26事件の首謀者だったとはいえない)。

 ちなみに昭和天皇は2.26事件を引き起こした青年将校たちに対して激怒し、多大なる政治力を発揮して同事件を鎮圧させ、首謀者たちを死刑に追い込んだ。それを高く評価する歴史家たちもいるかもしれないし、菅野完は「ある種のサーキットブレーカーとしてお上が能動的に動かれ」た例として、あるいは2.26事件を念頭に置いているのかも知れない(だからこそ「近い事例」として2.26事件ではなく「先帝が『田中総理の言ふことはちっとも判らぬ。』とおっしゃり、田中義一内閣総辞職に至った例の事件」を挙げたのだろうと推測する)。実際、清張の本を読む限り、昭和天皇が大きな政治権力をふるわなかったならば、あるいは真崎甚三郎政権が出現し、真崎が「軍部ポピュリズム政治」とでもいうべきデタラメな政治を行ったかもしれないと思う。その場合はその場合で、日本が現にたどった歴史とは違う形で「崩壊の時代」の崩壊を終えていたに違いないと思う。

 しかし、ここからが言いたいことだが、2.26事件で筋の通らない青年将校たちの叛乱をトップダウンで鎮圧させた昭和天皇は、青年将校たちが属した「皇道派」と対立していた「統制派」に属する東条英機を深く信頼し、その結果やはり日本は「崩壊の時代」を経験してしまったのだった。

 天皇のキャラクターに頼る今の「リベラル」のあり方は、やはり危険極まりない。それこそ「権力を縛る」立憲主義を全く理解していないとしか言いようがないのではないか。早い話、右翼系の天皇が現れた時、今の「リベラル」のあり方ではこれに全く対抗できない。

 立憲主義を全く理解していないのは、何も安倍晋三や自公政権に限らない。そう強く思う今日この頃なのである。
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いったい、何時になったら幻想の呪縛から目覚められるのか?幻想を克服できるのか?

武力自衛(可能)論は、現代人類社会ではとっくに破綻している幻想でしかないのに、その現実に気づかず改憲派と前提的現状認識を共有している人間のなんと多いことか!!!

北朝鮮の核ミサイルどころか、数人の狂信集団によるテロに対しても、現代の社会構造(ハードもソフトも)は全く無力なのだが、ほとんどの人はまだそのことに気づいていない!!!

9条は、道徳論や理想などではなく、現代人類社会が不可避不可欠化している鋭い現実なのだ!!!

このこともう、100回も書いてるのにバカが多いらしく「護憲派」の中でも一向に理解が広がらない(爆笑)

2017.05.22 14:27 URL | バッジ@ネオ・トロツキスト #- [ 編集 ]

ところで、「天皇一家の限界」をしっかり見据えておくことが必要だとしたら、過日の天皇による日本会議への批判の意図が、「象徴天皇制の枠内でそれを維持・保存したいがため」である点に注意すべきであろう。
「譲位問題」での発言を「天皇の政治力行使」であるかのように批判する澤藤氏のような議論も、発言という「形式」に囚われ、退位要求という「内容」の非政治性を見落としている点で逆ユレしていようが、この、「象徴天皇制の維持」が自らの退位要求と表裏をなしている点だけは看過できまい。

2017.05.22 14:39 URL | バッジ@ネオ・トロツキスト #- [ 編集 ]



226は財閥や農村の貧困無視の政治家への怒りだったのでは?


殺人クーデターじゃなくて、全国抗議デモをとでも思ってたが、政府側にはどっちも共産革命されるのを恐れて鎮圧してただろう

実際 ロシア革命も共産主義の嘘に騙されて穏健派や社民は潰された。イラン革命も皇帝の急激な変革や格差に抗議だったのがイラン イスラム革命にされた

その意味でマルクスの罪は重い。資本論が無くてもアメリカで八時間労働が決まったように社民主義が生まれただろう

共産主義はフランスでもドイツでも貧困を無くそうとした社民政党をコミンテルンの命令で議会で攻撃した
貧困が酷くなければ現代のように「革命」なんかに参加しなくなるからな

共産は貧困を武器にするから

2017.05.22 18:48 URL | 博本 #- [ 編集 ]

こんにちは。私のコメントを取り上げていただき光栄です。もちろん、批判の意味で掲載されたのは重々承知ですし、いろいろなことも含めてご批判は甘受したいと思います。

さて、それはともかく、今回コメントするのは世論調査についてです。皆さん、このような世論調査をよく引き合いに出しますが、「このような世論調査に意味があるのだろうか」とか「このような設問の仕方が妥当なのか」というような前提条件に疑問を持つ人がほとんどいないのはなぜだろうと思います。具体的な条文を掲げて賛否を問うならともかく、このような曖昧な設問に対する回答に何の意味もないにもかかわらず。

そして、多くの場合は、私のような発言をすると、「コイツは賛成派だ」とか、このような設問に賛成と答えた人に「安倍晋三の改憲構想に賛成するヤツた」というようなレッテル貼りを始めますが、実際は、私はこのような設問に賛成とは答えないし、このような設問に賛成と答えたからといって、安倍晋三の改憲構想に賛成すると決めつけることはできません。(そもそも安倍晋三の改憲構想って何でしょう?具体的なことはまだ誰にもわかりません。)

もう一つ具体例をあげると、高等教育の無償化です。一口に高等教育の無償化とはいっても、国公立の無償化と私学の無償化では天と地ほどの差があり、それを「賛成」と一括りにしてしまうのはかなり無理があります。私は国公立の無償化に賛成ですが、私学の無償化は反対です。なので、ただ大雑把に高等教育の無償化の賛否を問われれば賛成でしょうが、私学の無償化を問われれば反対となります。このように、世論調査というのは、ちょっとした設問の違いで180度回答が異なってしまいます。

なので、あまり世論調査なるものに振り回される必要はないと思いますし、言い方がちょっと失礼がもしれませんが、それに乗じて「愚民どもが・・・」みたいな論調になるのは有益ではないと思います。最も、これは自分への戒めでもありますが。

勝手なことを書き連ねましたが、一考に値すれば幸いです。

2017.05.23 09:57 URL | D.J. #- [ 編集 ]

よくいますよねえ、青年将校()とかいうテロリストにやたら同情的な「リベラル」。
あれは右翼軍人の内ゲバに過ぎないし、青年将校が馬鹿をやらなくても、遅かれ早かれ青年将校が望んだようなソ連型社会主義やナチの国家社会主義のような統制経済は導入されたでしょう、岸信介ら「革新官僚」によって。
だからといって「大日本帝国はアカに乗っ取られた」だの「コミンテルンの陰謀で日本は破滅した」とかいうのは完全なバカ右翼のデマですけどね。経済政策の面だけを見れば左派っぽいことをやろうとする右翼もいるってだけの話で。
「天皇陛下は平和主義者で反原発で反貧困で民主主義者で安倍一味のような偽の保守や右翼を嫌っておられるに違いない! 似非保守は朝敵! 君側の奸を討つ!」
みたいな心情のリベラルが多数派ならば、日本の「リベラル」は左でも何でもない、ただの右翼なのでは? 自民系右翼と民進・自由党系右翼の内紛に過ぎないのかもしれない。
すると山本太郎を信仰してる元小沢信者らが、山本が皇居にあたま下げて天皇へ手紙出したり「保守ど真中」発言したのに歓喜したのも分かるような。山本の支持者には彼が平成の青年将校に見えているのか(笑)
「右も左もない」が口癖の「リベラル」ですが、事実は「右しかいない」のではないか。 与野党は左右対立ではなく、多少意見が違うだけの右翼同士の喧嘩か。

2017.05.23 12:51 URL | 竹下 #- [ 編集 ]

あと、リベラルの天皇崇拝も終わってると思いますが、彼らは自衛隊も大好きみたいですね。
戦争法の時も、自衛隊が侵略戦争に参加することより、自衛官が「テロリスト」に殺害されることを心配していた。
たまにですけど「自衛隊はクーデタを起こせばいい。エルドアンに反逆したトルコ軍のように」なんて馬鹿みたいなことを平然といったりもする。
自衛隊なんか皇軍の末裔であり、さらにアメリカ軍の下部組織であり、さらに自民党の票田に過ぎない「暴力装置」なのに。
国民を銃口を向けることはあっても、国民と共に立つとか自民に逆らうなんてあり得ないでしょう。

2017.05.23 13:04 URL | 竹下 #- [ 編集 ]

こんにちは。度々申し訳ございません。

「kojitakenの日記」というのを今までほとんど読んでいませんでしたが、たまたま今日、遅ればせながら私の発言への批判を読みましたので(なんとも間抜けな話ですが・・・)、少し補足させていただきたいと思っています。

なるほど、私はわかりやすい言説に飛びついた「リベラル」といるレッテルを見事に貼られましたね。実際の私の思考過程はもっと複雑で多岐にわたりますが。まあ、それはともかく・・・

東大・石川教授の記事については、おそらくこれは自衛隊違憲論から出る発想で、憲法学者の間ではいまだに多数派のようですね。私の考えは憲法学者でいうと自衛隊合憲論の長谷部恭男氏や木村草太氏に近いですが、それを一歩進めて、やはり立憲主義の見地から縛りをかけることもアリなのではと思っています。

そして、突き詰めていくと、このリベラル同士の対立は「自衛隊は合憲」の立場を取るか、「自衛隊は違憲」の立場を取るかによるのだと思います。それでも目的はいっしょなので、共闘は可能なはずですが。

さて、東大の憲法学者を一介のど素人が批判するなどと恐れ多いことはしませんが、気になったくだりが一つあります。

引用

「何より、正統性に疑いがかけられた組織は、世間から後ろ指をさされることがないように、常に身を慎むことになります。」

引用おわり

立憲主義を高らかに唱えている人が立憲主義そのものを否定している。見事な背理です。やはり自衛隊違憲論(それに類する考え方)に依拠するとどうしてもこのようなほころびが出てしまいます。自衛隊違憲論の果たしてきた役割は否定しませんが、いつまでも自衛隊違憲論にからめとられていると、このままなし崩し的によくない方向へいくでしょう。

と、ここまで言って何ですが、長年リベラルの立場からブログを続けておられるブログ主様は尊敬します。いろいろな批判に負けずにこれからもがんばってほしいと思います。

2017.05.24 10:51 URL | D.J. #- [ 編集 ]

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2017.05.24 16:25  | # [ 編集 ]

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2017.05.24 16:27  | # [ 編集 ]

伊藤哲夫の護憲派分断戦略

http://lite-ra.com/2017/05/post-3147.html 

安倍総理が突如としてぶち上げた9条加憲は、じつは伊藤哲夫の、「明日への選択」16年9月号に掲載された論文「三分の二獲得後の改憲戦略」そのままです。

そして護憲派リベラルの中には、見事にその術中に嵌っているようにみえる方もいます。

護憲派リベラルは外からの攻撃には強くても、内側からの揺さぶりには脆いように思います。

2017.05.27 15:04 URL | 風太 #seTEoywg [ 編集 ]

 趣旨に大筋で賛同するものですが、重要な点で異論がありますので以下簡単に述べさせていただきます。

 文中、「天皇のキャラクターに頼る今の『リベラル』のあり方は、やはり危険極まりない。それこそ『権力を縛る』立憲主義を全く理解していない」と指摘しながら、「昨年夏に突如発表された天皇の退位の意向表明そのものは、恒例(ママ)の生身の人間が発した意見として、違憲の疑いはあるもののこれ以外の方法はとりようがなかったとしか思えなかったので、私はこれを容認し」としているのは、論理整合性がないといわざるをえません。

 8月8日の明仁天皇の発言では、憲法に規定のある摂政設置に対する事実上の否定、天皇の職務について「象徴としての務め」などとして憲法上の一機関である天皇の職務について解釈の提示がおこなわれており、これらは、第四条「国政に関する権能を有しない」に抵触する違憲行為と言えます。
 勿論、第三条に「天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ」とありますから、今回の天皇の憲法逸脱行為に対しては、安倍内閣が天皇を政治的に利用して違憲の発言をおこなわせたと見ることも可能です。

 憲法上の規定である象徴天皇制の存続を自明の前提とした上で、天皇の加齢に伴う困難は、国事行為のみとしている憲法の規定を厳格に遵守し、違憲の公的行為を取りやめること(合憲の立場としても憲法上の要請ではない公的行為は、大幅に削減しうる)で対応可能です。国事行為は、ほとんど身体的能力を必要とせず、それすら困難であれば摂政を設置することもできます。

 しかし、文中で紹介されている記事のとおり、天皇は「陛下は、有識者会議の議論が一代限りで退位を実現する方向で進んでいたことについて『一代限りでは自分のわがままと思われるのでよくない。制度化でなければならない』と語り、制度化を実現するよう求めた。『自分の意志が曲げられるとは思っていなかった』とも話していて、政府方針に不満を示した」と積極的に国政に容喙しています。
 このような天皇の姿勢を見れば、立憲主義の立場からは違憲発言の撤回こそ求められるのであって、「これ以外の方法はとりようがなかった」とは到底言えないと思います。

 秘密保護法や戦争法、共謀罪など、強面で立憲主義を蔑ろにする安倍内閣と、国民を慰撫するとしながら立憲主義を蔑ろにする明仁天皇とで硬軟両面で役割分担をしている様にも見えます。「国事行為のみ」を行なうと厳しくその職務を制限されている天皇が、憲法上の規定を乗り越えて行動することは大変危険であるといわざるをえません。


 戦前の統治権の総覧者としての天皇を否定し国民主権を定めた現憲法下において、国家機関としての天皇のあり方は、厳しく制約されなければなりません。立憲主義に合致する対応とはこのようなものであると考えます。

 以上拙文失礼しました。

2017.05.29 01:03 URL | 小田原人 #- [ 編集 ]

kojitakenというのはなんでこんな問題に興味があるのか?kojitakenの関心があるのは年明けのブログで公表した経済成長以外関心がなかったのは明らかだろ。なにこの基地外ぶりは。

>SEALDs式の「民主主義って、(休符)なんだあ」「立憲主義って、(休符)なんだあ」を争点にしようとした政治勢力であるところの「国民怒りの声」がいかなる選挙結果に終わったかを思い出せば結論は明らかだろう。当時、野党は反安保法や立憲主義を争点とすべしと主張したコメンテーターは、かなり前からこの日記のコメント欄に現れなくなった。

2017.06.03 01:10 URL | #- [ 編集 ]

現行憲法は国会で民主的に議決された法律に従う事を福利とする国民だけの福利のための憲法ではなく、
建国伝承以来、公民を大御宝として来た、前憲法で「万世一系」の美称により形容される天皇が国民のために公布して効力を与えた法律等に従う事を福利とする国民の福利のための憲法でもあって、

両者の福利が背反しないように、天皇が国民のために法律等に効力を与える行為は、民主的に選ばれた総理大臣を首班とする内閣の助言と承認を必須とする。

天皇と、天皇に助言し承認する任を負う内閣の政治的意向は一致している事が求められる。

これは、天皇が政治的権威を持つ事を前提に、天皇が独自に政治的影響力を行使することを禁じたもの。

法改正や法制定が必要となる譲位を希望する事は、天皇から内閣に直接伝えられて、内閣が可否を判断し、内閣の責任と名で国会に提案されるべきもの。

宮内庁長官、侍従長、侍従は、天皇が独自に政治的影響力を行使した事について責任を問われて当然。それをしない内閣の責任を問うのが野党の責任。

2017.06.24 22:59 URL | #- [ 編集 ]

しばき隊の思想と行動は、立憲主義の前提を真っ向から否定するもので、自分たちの価値観をルールとして押しつけ、異論を唱える者は容赦なく殲滅することを積極的に肯定する。社会の常識や規範や法律を超越したところに絶対的正義を措定し、その正義の実現を暴力の行使によって図ろうとする。反対者を私的制裁で粉砕、地上から物理的に消滅させることで、己の正義を普遍的正義として証明しようとする。レーニンのボルシェヴィズムと同じ考え方だ。20世紀に流行して敗北しつつ、21世紀の世界でも跳梁しているテロリズムの思想に他ならない。

2017.07.05 20:24 URL | 腐敗打倒には共産党はこやつら斬れ! #- [ 編集 ]













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