どうやら「パンドラの箱」が開いてしまったらしい。とんでもない時代が幕を開けたな、というのが偽りのない感想だ。
この期に及んで、TBSやテレビ朝日など私が日頃視聴するテレビ局のニュース番組は、アメリカ共和党に近い日本人に「トランプは意外と人の話をよく聞く人だ」などと言わせたりして「意外な常識人」「今後現実的な方向に転換する」というイメージを定着させて視聴者を安心させようと躍起だが、トランプの現実の行動がことごとく日本のマスコミの楽観的な予想を覆していっている。
特に頭が痛いのは安倍晋三だろう。今後間違いなく予想させることの一つが、1990年前後に日本を悩ませた日米貿易摩擦の再現だ。当時、日米構造協議でアメリカに譲歩しまくったことで悪名高い小沢一郎は、下記のようなコメントを発している。なぜか日刊スポーツが先週報じた(共同通信の配信か何かだろうと思うが)。
http://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/1769732.html
小沢氏「経済的な切り口で…」トランプ大統領に言及
自由党の小沢一郎共同代表は24日の定例会見で、トランプ米大統領について、今後、経済面で、日本に対する「物言い」が増えてくるのではないかという見立てを披露した。
小沢氏は、「(トランプ氏は)日本でいう経団連的な(組織の)既存のメンバーということではないんでしょ。(会社は)父親の代からだそうだが、自分で、たたき上げで財産をつくった感じの人なんでしょう」と指摘。「それだけに、同じ金持ちであっても、彼自身が既存の政治経済の仕組みや、ルールに対して反発を持っているかもしれない」と述べた。
その上で「政治的な面で、あまりとっぴなことをすると騒ぎになってしまうから、そうそう大きなことをやるとは思わないが、経済的な面の切り口では、結構なんやかんや、やってくるんじゃないかな」と予測。「日米間でも、安保(などの問題)もあるが、貿易の摩擦が大きな焦点になる可能性があるとすれば、そういうことではないかという気がする」と述べた。
「アメリカ・ファースト(米国第一主義)」を掲げるトランプ氏は、対日貿易に関し、日本や日本企業を名指しで批判するなど、強硬姿勢を崩していない。23日には、オバマ政権で合意していたTPP協定から「永久に離脱する」とした大統領令にサインした。
(日刊スポーツ 2017年1月24日22時32分)
小沢が日米構造協議に関わった時のアメリカ大統領は、父親のほうのブッシュだったが、その20年前にはニクソンと佐藤栄作の日米繊維交渉があった。この時にアメリカに大きく譲歩したのは佐藤内閣の通産大臣・田中角栄だった。この時には佐藤栄作得意の「密約」が交わされたが(密約の中身は若泉敬が自殺する前にメモを焼却してしまったらしく、歴史の闇に葬られてしまった)、角栄の前の通産大臣だった宮沢喜一はこれを歯牙にもかけず、アメリカに対して強硬な対応をとってもつれていたところを、後任の通産大臣に就任した田中角栄が思い切った対米譲歩で解決させた。これらはいずれも米共和党政権時代のことだ。これらの歴史的事実を振り返ると、田中角栄や小沢一郎のどこが「自主独立派」の政治家なんだろうかと、「リベラル・左派」諸氏にも好意的に迎えられているらしい孫崎享の議論(私は妄論だとしか思わないが)の確からしさを改めて疑わずにはいられない。
それはともかく、今後予想されるトランプ政権と安倍晋三政権の交渉は、70年代、90年代に続く、アメリカ共和党政権の(その意味では)伝統的な政策に起因する日米貿易摩擦の難題になることは目に見えている。それは「日米貿易戦争」というべきものになるかもしれない。本音では「自主独立派」(笑)であろう安倍晋三だが、交渉相手のトランプはもちろん、惰性で動く官僚からは対米譲歩の圧力を受けることになる。その一方で産業界からは余計な譲歩をしてくれるなとの圧力を受けることはいうまでもない。安倍晋三にとって、胃腸の不調が続く日々が始まる可能性が高い。前者については、既に朝日新聞が、政府は日米二国間協議を受け入れる方針だと報じている。
http://www.asahi.com/articles/ASK1X5QGQK1XUTFK00C.html
政府、二国間協議受け入れへ 日米首脳会談へ妥協点模索
福間大介、内田晃
安倍晋三首相は28日深夜(米東部時間28日朝)、トランプ米大統領と電話会談し、2月10日に米ワシントンで初の首脳会談を行うことで合意した。この日、両首脳は約40分間にわたり経済や安全保障全般をめぐって意見交換。電話会談の終了後、首相は来月の首脳会談について「率直な、有意義な意見交換をしたい」と抱負を語った。
トランプ氏による「二国間外交」重視の姿勢が鮮明になるなか、日本政府は、米国との二国間の通商交渉を受け入れる考えだ。首相は27日の衆院予算委員会で「二国間を絶対に排除するのかと言われたら、そうではない」と述べ、トランプ氏から求められれば日米両政府の通商交渉にも応じる考えを明言。そのうえで「その中でしっかりと軸足を据えて、我が国の国益を守っていく」と強調した。
安倍政権は環太平洋経済連携協定(TPP)を成長戦略の柱に据えており、米側には引き続きTPPへの理解を求める考えだ。ただ、トランプ氏は就任早々にTPPから「永久離脱」する大統領令に署名。自国に有利な「一対一」の交渉にこだわる発言も繰り返す。このため、日本政府関係者は「首脳会談で『TPPに参加してほしい』と言うだけでは持たない」(政府関係者)と話す。
(朝日新聞デジタル 2017年1月29日01時00分)
そういえばトランプの就任式の日に、アメリカや欧州の株価が軒並み上がったらしいが、日経平均株価は下げた。この理由として珍説が流布されたので、これを鼻で笑ってしまった。曰く、株価が下がったのはトランプが公共事業の具体的な中身にまで触れなかったためであって、「左傾化」(経済左派化)した日本の投資家が、経済左派的政策である政府支出に関する内容に乏しかったことに失望したのだとかなんとか。こじつけもいいところだろう。もっと単純に、トランプの政策はアメリカの産業界には(短期的な)利益をもたらすが、日本の産業界にはダメージを与えるものであることが明らかになってきたからだろう。
また、トランプは典型的な白人至上主義の人間であって、ロシアには甘いけれども日本や中国やメキシコには居丈高なのもそのせいだろうとの指摘がある。これはその通りだろう。欧州の株価がトランプの就任式当日に下げなかったのもそのせいだろうと思ってしまった。
ところで、金曜日の夜にテレビをつけっぱなしで寝てしまったところ、『朝まで生テレビ』が始まり、それで目が覚めて少し音声を聞いていたのだが、森永卓郎が出ていて、彼は子どもの頃アメリカに住んでひどい人種差別を受けたことがあるのでトランプは大嫌いだと言っていた。その後再び寝てしまったので、番組で誰が何を言ったのかを確認するために2ちゃんねるを覗いてみたところ、「森永はアメリカのどこにいたんだよ」とか、うろ覚えだがそんな書き込みがあった。森永がいたのはボストンだ。小学1年生の頃に住んでいた。ボストンはWASP(ホワイト、アングロサクソン、プロテスタント)の根城であって、人種差別がひどいのは有名だ。出張でボストンに行った同僚からも体験談を聞いたが、アメリカは西海岸にしか行ったことがない私は、話に聞くボストンの有色人種差別は本当なんだなあと思ったものだ。
ただ、その体験談を話してくれた人もそうだったが、自分が白人に差別される側であることが、現に差別を受けてさえピンとこないようだった。今、日本にも少なくない(前回の記事のコメント欄にも見られた)トランプ擁護論者も同じではないか。私には、人種差別論者に迎合する倒錯した趣味だとしか思えないのだが。私は何も人種主義者や民族主義者ではないが、理不尽な人種的偏見をもってかかってくる人間に対する強い反発はある。そんな人種差別論者にまともな政策の持ち合わせがあろうはずはない。現にトランプはグローバル資本主義(この言葉について、「グローバリズム」とするより「グローバル資本主義」と正しく表記すべきだと考えるようになった)に対して敵対的ではあるが、他国がアメリカより強い軍事力を持つことを許さないという軍国主義者であり、国内の経済政策においても、法人税の大幅減税や所得税の累進制の大幅緩和に典型的に見られる通り、大企業や富裕層を優遇し、それでなくても目のくらむほどの格差社会であるアメリカの格差をさらに拡大する政策を掲げている。こんなトンデモ政治家を支持したり擁護したりする人間が後を絶たないことは驚き以外のなにものでもない。
私は、トマ・ピケティの言う通り、国際主義的な反グローバル資本主義(政治家や政党でいえば、サンダース、コービン、ポデモスなど)にしか希望はないと考えている。「野党共闘」もこの方向に向かうべきだろう。右派民族主義的な自由党や民進党左派には少なからぬ抵抗があるだろうけれど。言葉本来の意味での「ポピュリズム」は認める立場だ。
トランプを支持したり擁護したりするのは、戦前の社会大衆党的な誤りだと思う。日本でいえば、植草一秀を筆頭とする「小沢信者」に特に目につくが、この傾向が何も「小沢信者」に限らないことは、先週の記事へのコメントからも明らかだ。また世界的にも、エマニュエル・トッドやオリバー・ストーンの例がある。
また、同じ「反安倍・反自民」であっても、私がしばしば「括弧付きの『リベラル』」と呼ぶ「都会保守」的な人たちの間に多い、東京都知事・小池百合子に期待することもまた誤りだ。小池はグローバル資本主義の推進者に他ならないからだ。小池が愛用している手法であるテレビを味方につけての宣伝は「悪しきポピュリズム」以外のなにものでもない(この点ではトランプとも共通している)。日本の政治勢力でいえば、民進党右派(蓮舫や野田佳彦)が小池百合子への親和性が強い。民進党右派は、本音では「野党共闘」から抜けたがっている。彼らは、公明党や自民党内の反安倍分子(たとえばかつて新進党に所属していた石破茂ら)を味方に引き入れて、「新・新進党」を結成したい野望に充ち満ちているように見える。小池百合子に心惹かれる人たちには、「野党共闘」と「小池百合子との共闘」とは絶対に両立しないという冷厳な事実を直視せよ、と言いたい。
そんなわけで、今後も反安倍晋三と並んで、反トランプと反小池百合子の記事を当分の間書き続けることになるだろう。
- 関連記事
-
- 人種差別論者・トランプとの「日米貿易戦争」が始まる (2017/01/30)
- 「現実主義」など何も打ち出さなかった新大統領・トランプ (2017/01/23)
「グローバル資本主義」への反感ということからトランプへの期待を抱くのって結構多いんですよね。反TPPの面々でもトランプがいの一番にTPP離脱署名をしたことに拍手喝采しているのが目立つし、あとオバマケアを共和党のスポークスマンよろしく散々攻撃していた堤未果も、『週刊金曜日』でオバマ政権攻撃の記事を書いてた成澤宗男・沖縄の基地問題に首を突っ込んでいる増山麗奈までも、トランプへの支持ないし期待を表明してますから。
で、トランプ序でに小池百合子が出てきたんで付言しますと、以前にSEALDsや「野党共闘」で散々動いていた李支持を表明していた面々が例えば豊洲市場への移転問題や低所得者層向けの給付奨学金の拡充などの政策を見て小池にリスペクトする動きが目立ったりもするんですよね。一方で韓国人学校への土地貸与に対しては貸与を決めた前知事の方針を白紙撤回し「都民ファースト」とばかりに“有効活用” http://www.sankei.com/politics/news/170126/plt1701260024-n1.html さえしている訳です。トランプと小池って方向性が違うとこはあるけれど、いわゆる“多数派”のアイデンティティーやパトリの琴線に触れる様なそれも左派とも見紛う様な政策を“目玉”として掲げはするものの、その一方で“多数派”ではない側に対しては冷淡かつ差別的な政策を行うという点で共通しているのです。
ここに隣国・韓国の李在明を加えると、この辺りの共通性が明白になってくるんですよね。李在明は、低所得の若者に商品券の給付をしたり中学・高校生の制服を無償化するなどグローバル資本主義志向の朴槿恵政権と対照的な施策をやってきていて https://togetter.com/li/1073788 https://matome.naver.jp/odai/2148522057378865601 韓国内から注目されているんですけど、一方で障碍者に対して差別的な言動を行って釈明に追われるhttp://www.labornetjp.org/worldnews/korea/issue/handicapped/1453936826224Staff など“多数派”の若者や学生に対しては“目玉”を掲げながらも“少数派”の障碍者に対しては差別的になっている側面が、トランプや小池と通じるものがあるんですよね。
2017.01.30 09:13 URL | 杉山真大 #- [ 編集 ]
昨日の北九州市議選で、維新が全滅したそうです。
ええ、現職3含む、7候補全員落選。
北九州市という大都市(そういや、ここもラストベルトなのかな)で異臭(あいつらにはこの呼び名で充分過ぎる)が絶たれたというのは、kojitakenさんたちにはいい報せでしょう。
2017.01.30 12:20 URL | ヴォロージャ #mQop/nM. [ 編集 ]
私は管理人やコメンテーターのみなさんと比べて頭が悪いので(笑)実感できるのですが、アメリカの市井の人々がトランプ大統領を支持する気持ちが理解できるのですよ。「今までのオバマの民主党政権に反対だから、逆の共和党のトランプを支持しよう」ということだと思います。トランプの政策など細かい所は無視して。ヒラリー・クリントンが大統領になると「オバマの頃と変わらない」ということになりますから。何となく変革を求めてトランプに票を入れたのでしょう。
ちなみに私は、テレビやネットで左派的な主張ばかり見聞きしてウンザリしているので、逆を張ってトランプを支持したくなっています(爆)。
2017.01.30 14:40 URL | にっしー #PGaXwyUs [ 編集 ]
にっしーさん
私は政治・経済についての知識はないですし頭も悪いです。
でもトランプを擁護する気には到底なれません。
雇用を増やす、かえりみられなかった労働者の生活をなんとか立て直す、それは大事なことでしょう、理解できます。
でもその手段やよってたつ思想が歪んでいたら、世界に災いしかもたらさないのではないですか?あのヒットラーも雇用の拡大は目指したわけですし。
鎖国のような「自分の国だけに有利な」貿易が成り立つ筈もないことは私が言わなくてもわかりきったことでしょう、ブーメランのようにその利己主義はアメリカの社会を破壊するでしょう。
人権に(白人以外の)配慮しないアメリカが他の非民主的な国をどんなに勢いづかせるか、考えただけで恐ろしいです。
なにより、彼は難民やマイノリティに対して何の思いやりもない。人間が共感する能力を失ったらそれは人間ではありません。けだものにも劣る「我が身可愛さ、白人可愛さ」に突き動かされるトランプが人間かどうかさえ私には疑わしいです。
先日、あるサイトのことをネットで見ました。ナチスの迫害から逃れようとしてドイツからアメリカに船で渡ろうとしてアメリカから入国を拒否されたユダヤ人たちの運命を紹介したサイトのことです。その後ほとんどの人が収容所で虐殺されていました。殺された人の写真つきのそのサイトをトランプにしっかり見てほしいものです。
難民は私たち自身、トランプ自身である筈です。共感する能力に乏しい人間が政治家になるべきではないと思います。
2017.01.30 22:02 URL | たまさん #BK/hsg3U [ 編集 ]
小沢信者や山本太郎は小沢に都合悪い日米構造協議はスルーし、その後の政権からアメポチだったと強調する事で小沢がアメポチだった過去を隠してるね
派遣や大店法受け入れ科学技術予算切ってまで公共事業に430兆円バラマキし莫大な借金作った小沢日本経済弱めたのは小沢
2017.01.31 10:01 URL | ねこ #- [ 編集 ]
経済系は疎いので、ずれていると思いますがすみません。
トランプ台頭から、今に至るまでのアメリカの動きは、ナチの台頭に似ていて非常に恐怖です。
社会的閉塞感からヘイトをあおる泡沫政党が勃興し、与党保守党がヒトラーを看板にだけ使うはずが、乗っ取られた挙句にドイツは崩壊、ホロコーストと第二次大戦で未曾有の犠牲者が生まれました。
トランプはまだ差別的な感情をあれでも抑制しているでしょうが、このまま政権にいる限り、いつかはヘイトクライムを国レベルで起こすのではと心配です。
内政が一時的でもうまくいけば、ゆっくり差別を進めるでしょうし、内政が失敗すれば、戦争など起こしてアメリカ国民の目を外に向けると予想します。
経済対策があったとしても、もしくは閉塞感を感じていたとしても、差別者を支持するのは危険極まりありません。
日本も社会的閉塞感はアメリカとどっこいで、不満のはけ口にヘイトスピーチが起きるわ、上っ面だけ良いけど政策がなさそうな政治屋が都知事になるわ、この調子ではどちらが先に沈むかどうか、とそんな気がします。
蛇足としては、難民受け入れ停止について、難民をそもそも受け入れていない日本から何が言えるのか・・・。
個人的に、恥ずかしいと思っています。(日本在住の外国籍に対しても待遇が悪いですし)
2017.01.31 19:30 URL | 通りすがり_34 #EBUSheBA [ 編集 ]
選挙期間中の小沢信者の様子を観察していると、「なぜサンダースが反トランプになったか分からない。サンダースはトランプさんと共闘すべき!」とか「サンダースはユダポチになったか。あ、そう言えばサンダースもユダ公だったな(笑)」などとほざいていましたね。
極右の白人至上主義者を大統領にするなどあり得ない、ということを根本的には腐れ右翼の小沢信者には理解出来ないらしい。
戦前の日本には、ナチス政権誕生を社会主義の勝利だと歓迎した自称・社会主義者がかなりいたようですが、小沢信者もそうしたタイプの右翼なのでしょう。
「右も左もない」論の有害性は、戦前の国家社会主義者や小沢信者のようなカスどもを左派陣営に取り込んでしまうところだと思いますね。
「右も左もない」論と決別し、ネトウヨと一緒にトランプ万歳を叫ぶ小沢信者の排除こそ、左翼・リベラル派が今すぐやるべきことでしょう。
2017.02.02 14:05 URL | 竹下 #- [ 編集 ]
護憲ほど従米と騒ぐがそもそも憲法改正無しで対米自立とか言うのは、軍を持ってるからと米軍追い出したら速攻で島を奪われて、そこから戻ってくれと懇願し出したフィリピンに日本をさせるつもりなのかな?
全学連の中央執行委員長で安否闘争に参加した経験がある西部邁は、以下のように回想している。
「厳密に言えば60年安保闘争は、安保反対の闘争ではなかった。闘争の参加者の大半が国際政治や国際軍事に無知で無関心だった。安保闘争を大きくしたのは、平和という一つの魔法の言葉があったからだった。この言葉が出てきたら、戦争にしろ軍事にしろ、具体的な現実を語るのはタブーとなった。平和という魔語に目が曇った者たちは、世界の政治や軍事の現実を冷静に見ることが不可能になった。」
2017.02.03 02:13 URL | 楽観 #- [ 編集 ]
トランプと言えば少し前のものですが、ちょっと気になった記事がありましたので張っておきます。
「オバマケア撤廃へ、アメリカ下院が予算案を可決 9兆ドルの新たな負債をあっさり承認」
http://m.huffpost.com/jp/entry/14163030
日本民主党の子供手当や高校無償化にも似た末路をたどりそうな雰囲気ですが、この記事を見て自分が少し感じたことを一つ。
「リベラル・左派は庶民を愚民呼ばわりしたり、傲慢に冷笑するのではなく、その庶民にこそ届く言葉や政策を発信すべき」と何十年も昔からずっと言われ続けて来たわけです(自分もそれ自体は全くの正論だと考えます)が、じゃあそれならばと、せっかく子供手当なりオバマケアなりを実現させ、満点とは言えないながらもそれなりの成果を上げてもなお、やれ満点じゃない、他のここやあそこが駄目だ、だから支持するわけにいかないとあれこれ難癖を付けられ続けた挙句、選挙は敗れ、下野と同時に制度自体までもおじゃんになり、後には「口先だけの無能政権」というレッテルだけが残される…というのでは、もう誰もそのうち「よしわかった。オレたちはもっと庶民に届く言葉を語ろう、庶民に届く政策を打ち出さなくっちゃ」などと思わなくなるのではないか?という風に感じましたね。
2017.02.04 01:56 URL | 地球防衛組 #CsESbU9s [ 編集 ]
自民党なんて昔から自陣営からの異論はいくらでもあるでしょ。満点じゃないとか、ここやあそこが駄目だとかだったらね。「支持できない」と「投票しない」は違うし、そもそもなぜ支持されていないかの理由を考えているわけだし。もちろん、自民側内安倍支持者は、不都合なことがあっても、なんとか脳内変換して支持しようと躍起だけどね。ってことで、せめて同じ「○○支持者」どうしで、なぜ自分たちの方が負けるのかでも考えてみたらいかがでしょうか。といっても、そんな人たちは大勢には影響がないとか、そんな人たちどうしなら支配的な側が強いとか、そんな答えしかでないと思いますが。
しかし、なにがなんでも支持されない原因を外にしか求めない姿勢という自覚はないのかな。
2017.02.04 09:33 URL | suterakuso #- [ 編集 ]
アメリカの大統領に就任した人種差別主義者、排外主義者トランプが暴走の限りをつくしています。
とんでもない人が大統領になってしまいました。
エセリベラルの一部にあったトランプ支持、擁護が幻想であったことが明らかになりました。
狂信的な日本軍国主義者、日本帝国主義者でA級戦犯だった岸信介の亡霊「安倍晋三」にとっては嬉しくて笑いが止まりません。
極右、自国第一主義、人種差別主義、排外主義、多くの点でトランプと安倍晋三は共通点があります。
さっそく、軍事費(人殺しの予算)の更なる増額を表明しました。
既に軍事大国になってしまった日本、更なる軍事大国にするにはもってこいのタイミングです。
これに対して、最大野党である自由民主党野田派などは、反対の「は」の字も言えない凋落ぶりです。
そもそも自由民主党野田派に期待すること自体ナンセンスです。
日本を戦前の体制にカムバックさせるのが悲願である安倍晋三にとってトランプは最高のパートナーになりそうです。
2017.02.05 23:28 URL | 風てん #- [ 編集 ]
オバマケアの記事、「ヒラリーが負けたのは貧困層に救いの手を差し伸べなかったせいだ」と言ってた人たちの感想を聞きたかったのですが、それはともかく。
>>自民党なんて昔から自陣営からの異論はいくらでもあるでしょ。満点じゃないとか、ここやあそこが駄目だとかだったらね。
派閥政治の時代ならともかく、少なくとも安倍政権復活後の現与党を見れば、とても「自陣営からの異論がいくらでもある」などとは言えないでしょうね。
いみじくもあなたが「安倍支持者は不都合なことでも何とか支持しようと躍起」とおっしゃったように、本当に異論があったら(過去の自民党の例に照らし合わせても)安倍政権は今頃退陣してなきゃおかしいはずなので。
少しでも異論的なコメントが付けば直ぐに親衛隊の如くあちこち出っ張って来てるようですけど、正直言って民進党のことなどさして好きでもない私の目から見ても、何だか「民進党憎し」で感情が曇らされてはいませんか?(何だか勝手に私を民進党支持者という色眼鏡で見てるようですが)
2017.02.08 19:36 URL | 地球防衛組 #CsESbU9s [ 編集 ]
だから、異論があることが支持が広がらない理由なんかじゃないといっているのですが。
>何だか勝手に私を民進党支持者という色眼鏡で見てるようですが
今、時間がないので精査していませんが、今はなきタブクリアさんのダブハンさんなんじゃないかと思ってたくらいなんですが。言ってること、芸風が同じ印象なので。
2017.02.08 22:49 URL | suterakuso #- [ 編集 ]
なぜ支持されないのか?
ちょっと考えてみました。
1.自民党との違いがよく解らない
少なくとも民進党については良くわかりません。憲法へのスタンス含めて。
右派に関しては自民党に戻ってくれると解りやすくなってちょっと嬉しいです。
共産党含め、現在の民進党と野合するのは止めた方がよいのでは?
2.泡沫野党が多くて選びにくい
もう退嬰な気もする小沢氏が作った細かい野党は票が散るから迷惑です。
小選挙区だとさらに不利です。小選挙区は止めるべきでしょうが、現状ではそれすらままなりません。
3.野党に任せてもうまくいかない気がする
最近では民主党が政権についたときの、野田含めた政策のへぼさが無党派層の投票率を下げてると思います。
古いネタだと社会党とか。既に社民でしたっけあの当時。
4.小難しいことは一般受けしない
維新が不快な感じに票を伸ばしたり、小池が妙な人気になってたり、わかりやすい構図が一般受けしてると思います。
善悪とは言いませんが、敵味方にさっぱり分ける奴が受けてる感じ。
自民党のどこが分かりやすいか、というのは、地元のセンセイはカネを持ってくるからじゃないですかね。
宗教系票は省略します。
5.大声を出すやつが得をする
6.結局長いものに巻かれる層は多い
全共闘とかやった世代含め、当時は左派扱いだったとしても、大多数は、自分の周りの大多数に乗っかってただけで、
特に左派に共感したわけではないと思います。保守が優勢になれば転向しても何の不思議もないです(例:ウチの親父)。
どんなもんでしょうか?やっぱり外に理由を求めてますかね…。自信はありません。
じゃあ、支持されるためにはどうすればよいか?思いつきません。
1.2.を是正してほしいとは思ってます。
すみません、やたら長いです。
2017.02.10 18:54 URL | 通りすがり_34 #EBUSheBA [ 編集 ]
連投すみません。忘れてました。
7.具体性に欠ける
以上です。
2017.02.10 18:58 URL | 通りすがり_34 #EBUSheBA [ 編集 ]
トラックバックURL↓
http://caprice.blog63.fc2.com/tb.php/1462-5ba538fe