きまぐれな日々

 予想通り、危険極まりない人間がアメリカの大統領に就任した。そう思った。

 日本のエスタブリッシュメントの主流派は、トランプが大統領選に勝った直後から、トランプはいざ大統領になったら現実的な政策をとるだろう、などと根拠のない楽観論を振りまいてきた。それに釣られるように、大統領選の結果が出た当日の日経平均暴落は、翌日の急騰で瞬く間に帳消しになってお釣りまで出て、その後もずっと株高・円安で推移して安倍晋三内閣のさらなる支持率上昇をもたらした。私はトランプの当選をある程度覚悟していたから、大統領選当日の暴落もナンセンスだと思ったし、翌日以降の根拠なき楽観論も馬鹿にしていたので、そんなことで株価が上がるのかと、正気を失った感のあるマーケットに呆気にとられていた。あれだと、いわゆる「ハゲタカ外資」ならずとも、日本の株式市場で労せずして利益を得るトレーダーは多数いるのではないか。理性を感じさせない株価の乱高下は、日本経済が競争力を失いつつあることと表裏一体のように思えてならない。

 トランプは、予想通りTPPからの離脱を表明した。何より「アメリカ」「アメリカ」と連呼し、"Make America great again"と叫んだ。噴飯ものだったのは、自らもエスタブリッシュメント(既得権層)の一員でありながら、「権力をあなた方に取り戻す」と強調したことだ。トランプは、自ら最高権力者でありながら、自分以外のエスタブリッシュメントに対して抜きがたいコンプレックスを持っていて、それに「下から」反発しているかのようだ。

 損なトランプから連想される人間が1人だけいる。そう、安倍晋三だ。トランプも安倍晋三も「下から目線」の独裁者だと思う。

 一昨年(2015年)7月6日付の当ブログの記事「『安保法案』議論、批判側には『知』も『情』も欠けている」に、國分功一郎氏の指摘として、立憲主義による「上」からの権力の制限に安倍晋三が「下から」反発しているという見方を紹介した。これは言えていると私も思った。

 要するに安倍晋三もトランプも、ともに頭は相当に悪いけれども政治家三世(二世)なり実業家二世なりの恵まれた環境でわがまま一杯に振る舞ってきた「お坊ちゃん」だ。それが、「反知性主義」(エリート主義に対する反発)の波にも乗って最高権力者にのし上がった。

 安倍晋三を「4年早いトランプ」と評した『広島瀬戸内新聞ニュース』は、トランプ就任時にも安倍晋三との類似点を下記のように指摘している。
http://hiroseto.exblog.jp/25210591/

(前略)イギリスやドイツ、イタリアでは、大衆運動的な政治運動としてポストモダニズムの崩壊が現れています。
他方、日米では、「30年前の日本(アメリカ)を取り戻す」的な風潮が強まり、そうした中で、古くさく、なおかつ、本人は政界の中ではエリートではない人がウケているという状況になっています。

 総理・総裁と言えば、そうはいっても官僚かジャーナリストか弁護士出身者が多い。
二世議員でも、たとえば、新聞記者くらい経験している場合も多い。
(細川元総理も朝日新聞記者出身です。村山元総理も地方とは言え自治労の書記という形で役人の世界は経験しています。)
要は、行政の経験があるか、筆が立つか、弁が立つか。あるいは、田中角栄のような鬼才か。
そうでなかったとしても、学歴で言えば東京早慶のどれかには該当する場合がほとんどである。

それなしで、国会議員、ましてや総理というのは大変なことです。
そうした中で、安倍総理の経歴は歴代総理の中でも異色と言えるでしょう。

トランプさんも、議員(政治家)経験も軍人経験もゼロ。これまた史上初だそうです。

そういう「非エリート」のお坊ちゃまが持ち上げられる風潮。これが、日米に共通しています。

そして、政策志向も、安倍総理もトランプさんもそっくり。

安倍さんの場合は、1980年代頃を取り戻すイメージ。ずばりいえば、金丸信らが権勢を振るっていた時代を取り戻すイメージです。

トランプさんの場合も、NAFTAが出来る前、それなりにまだアメリカの製造業が残っていた時代を懐かしむ人々の思いの受け皿になったのです。

安倍政権の閣僚や自民党議員の暴言、トランプさんの暴言・失言も、共通して言えることがあります。
30年前だったら、当たり前にされていたような発言。逆に言えば「金丸信から進歩がない」ということです。

金丸信は「ばらばらアンテナ」なんて言ってましたがそれに類することを安倍政権の閣僚もトランプさんも言っているわけです。

ポストモダンへの反発の勢い余って、人権や民主主義が失われるという危機。

(『広島瀬戸内新聞ニュース』2017年1月21日付記事「4年遅れの『安倍晋三』トランプ大統領が就任・・ポストモダンへの反動で『金丸的なるもの』を取り戻そうとする日米」)より)


 いつもながら的確な指摘だと思う。これと比較すると、一時期「小沢信者」たちの間で教祖的に崇拝された(鳩山由紀夫、小沢一郎とともに「政権交代の三種の神器」といった人までいた)植草一秀の「熟読に値するトランプ新大統領就任演説」(2017年1月21日)だの、「日本国民も政治を永田町から取り戻すべきだ」(同1月22日)などは、便所の落書き程度の、鼻で笑うべきクソ文章でしかない。ちなみに、現在では行きがかり上安倍晋三を「アメリカファースト」だとしてこき下ろすしかなくなっている植草は、かつて不遇時代に自費出版した『知られざる真実』にはっきり書いている通り、小泉純一郎には強く反発していたが、紛れもない安倍晋三のシンパだった。その安倍は、一昨年の安保法案可決によって、立憲主義に対する「下からのクーデター」を完遂したし、前述の『広島瀬戸内新聞ニュース』が繰り返し指摘する通り、安倍晋三は小泉純一郎や野田佳彦らと比較すると、ずっと「自主独立派」的な選択をしてきた。例えば安倍は、2013年9月にオバマのシリア空爆を支持しなかった。私は2014年2月27日付の『kojitakenの日記』に、「安倍晋三がシリア空爆支持に慎重だったのは正しいが、靖国参拝は誤り」と題した記事を書いた。2012年に孫崎享がトンデモ本『戦後史の正体』で岸信介や佐藤栄作を「自主独立派の政治家」と絶賛した背景には、当時自民党内で不遇を託っていた安倍と、民主党から飛び出した小沢一郎を組ませて「自主独立派」の政治勢力を作ろうという野望があったとみるべきだろう。安倍に「自主独立派」の可能性を見た(に違いないと私は想像している)のは孫崎享の慧眼であった。結局同様に不遇の安倍に目をつけた橋下徹・松井一郎の「日本維新の会」による安倍晋三のスカウト失敗やら、森喜朗や古賀誠が石原伸晃を自民党総裁に担ごうとした浅はかさやらによって、あれよあれよという間に安倍晋三が自民党総裁になり、さらには総理大臣に返り咲いて長期政権を担うという悪夢の現実になってしまって、植草や孫崎は政権のブレーンになり損ねてしまった。

 なお、『広島瀬戸内新聞ニュース』の記事「【備忘録】第二次大戦の過ちを認めない『対米自立』は危うい」も記録しておきたい。以下一部引用する。

第二次世界大戦の過ちを認めない「対米自立」というのは確かに危ういものがあります。

それは、とりもなおさず、単独軍国主義につながりかねないからです。
むしろ対米従属の小泉純一郎さんをはじめとする過去の自民党内閣のほうがマシということになりかねないのです。

そうではなくて、第二次世界大戦の過ちを認めた上での対米自立でなければならないでしょう。

(『広島瀬戸内新聞ニュース』2017年1月21日付記事「【備忘録】第二次大戦の過ちを認めない『対米自立』は危うい」)より)


 孫崎の『戦後史の正体』は、日本国憲法に7ページ分だけ触れているが、岸信介の信奉者らしく、「押しつけ憲法論」で片付けていた。呆れるばかりである。こんな人間を「戦争をさせない1000人委員会」は、呆れたことに「『安倍政治を終らせよう』1.19院内集会」の講師に招いた。護憲・平和勢力の劣化はこれにきわまれり、と言いたい。

 さて、トランプの話に戻ると、「アメリカ第一」の経済政策もさることながら、もっとも危ないと思ったのは軍拡への強い意欲を表明したことだ。他の国がアメリカより強い軍備を持つことは許さないとトランプは言った。危険極まりない指導者だとしか言いようがない。

 倒錯した「小沢信者」の中には、「ヒラリーは空爆大好き女だが(それは確かに事実だ)、トランプは平和主義者だ」などと抜かす人間がいた。彼らの妄言の逆を考えればいつも正解が得られる。これもまたその典型的な例だ。

 私がもっとも懸念するのは、オバマに対してはそれなりの「自主独立派」として振る舞うこともあった安倍晋三が、トランプにはべったりの関係になるのではないかということだ。昨日の『サンデーモーニング』でも私の嫌いな寺島実郎だったかが指摘していたが、アメリカのことしか考えないトランプにこれまでのアメリカに対するのと同じように追随していては、世界で孤立する可能性がある。安倍ならやりかねないと思った。

 また、『サンデーモーニング』ではトランプの就任演説がヒトラーを思い出させると、これまた私の大嫌いな右派論客・大宅映子が言っていたことにも驚かされた。私も、トランプは安倍晋三ともどもヒトラーになぞらえられるべき政治家だと常々思っているが、それを「右」の大屋映子が口にする。

 別に大宅が「リベラル」に転向したわけでも何でもなく、昔からずっと同じ立場なのであろう。変わったのは「リベラル」や「小沢信者」の方だ。前者に関しては、トランプには与しない「リベラル」の少なくない部分(下手したら過半数)が小池百合子になびいているのも大問題である。最後に、前述の『広島瀬戸内新聞ニュース』の記事「4年遅れの『安倍晋三』トランプ大統領が就任・・ポストモダンへの反動で『金丸的なるもの』を取り戻そうとする日米」の末尾を引用して締めくくりたい。

これに対して、人権や民主主義を守りたいひとたちは、しっかりと格差是正を打ち出すしかないのです。

ニューヨーク州の民主党員知事は公立大の無償化を打ち出しました。

ポストモダニズムに汚染され、信用を失ったアメリカ民主党。
生活不安を持つ人々の声に応える取り組みを積み上げることでしか、人々からの信頼回復はできないでしょう。

日本の野党も、反安倍の勢い余って、小泉純一郎さんや細川護煕さんの愛弟子としてポストモダニズムを一貫して歩んできた現都知事にすり寄るのはこれまた誤りです。

セーフティネットを「企業主義・家族主義」から「個人主義」へ張り替えることを軸とした、格差是正策をきちんと打ち出すことです。

(『広島瀬戸内新聞ニュース』2017年1月21日付記事「4年遅れの『安倍晋三』トランプ大統領が就任・・ポストモダンへの反動で『金丸的なるもの』を取り戻そうとする日米」)より)

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リンク元の人が「古臭く、政界ではエリートではない人」「安倍晋三は異例」と書いていますが、安倍晋三は政界ではエリート中のエリートじゃないでしょうか。
まず家柄は言わずもがなですし(岸の孫・晋太郎の息子というだけで初出馬から当選連発)、当選3回で大臣経験もないのに幹事長、その後官房長官→総理、派閥もずっと最大派閥清和会で「保守派のプリンス」なんて呼ばれてましたし。

2017.01.23 10:34 URL | #- [ 編集 ]

トランプ信者=小沢信者の発言などを観察していると、連中の腐った極右の本質がよく分かりますね。今更ですが、小沢信者はネトウヨと変わらないと痛感します。
比較的はっきりと自身の腐った本性をさらけ出す小沢信者のトランプ評によると
トランプは黒人やヒスパニックやフェミニストやマスコミなどの「左翼の既得権」との戦いを開始した英雄である! ということになっているらしい。
また、多少は世間体を気にするタイプの小沢信者は、トランプは酷い暴言を吐くけど大企業やネオコンと戦う良い人だ、ということらしい。

なんにせよ、小沢信者=極右によるとプーチンやトランプは世界を良くするヒーローであり、彼らを批難するマスコミや有識者は「偽ニュース」を垂れ流す「既得権」を持つ「特権階級」ということで、ネットにこそ「真実」があるそうです。あと連中のよく使う欺瞞に満ちた言葉は「右も左もない。国を愛する心こそが大事なのだ」というものですね。
トランプを支持するカスどもには「エスタブリッシュメント」批判は、言論弾圧や差別主義の正当化の道具に過ぎないんでしょう。
信仰の対象が安倍か小沢か小池か橋下かという違いがあるだけで、右派のやつらはどいつもこいつもトランプ万歳の馬鹿しかいない……

2017.01.23 19:43 URL | 竹下 #- [ 編集 ]

前エントリでのコメント http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1460.html#comment20050 と重なるところが多いのですけど、目の前の理不尽や不条理のためならば“ダイナミズム”とばかりに他の理不尽や不条理に目を瞑るのが“リベラル”というより政権批判の側に目立つんですよね。いわゆる自主独立云々やそれに関わりの深いアジア共同体云々のハナシにもそれが目立ってて、例えば『週刊金曜日』誌上で鳩山由紀夫もとい友紀夫が白井聡とTPPより日中FTAの方が利益があるとか繰っ喋っている訳です。既に中国ばかりかアメリカともFTAを結んでいる韓国の国内産業の苦境振り・そもそもアジア諸国でも日本より中国の方が政治的・経済的に主導権を握っているという他者性というか現実が、鳩山や白井のお説には決定的に欠けているんですよ。孫崎享も含めて言えるんですけど、1990年代~2000年代初頭のアジアを日本がリードしていて中国がまだ“新興”だった頃の発想でモノを言っている節がありますし、(これは安倍のTPPに対する態度にも見て取れるのですけど)アメリカの軛を抜けたらアジアの主導権を握るのは日本だという、それこそトランプの裏返しの思想にも似た発想が見えてくるのです。

確か小熊英二 『〈日本人〉の境界』 http://amzn.to/2jgFdJj 辺りで指摘されているんですけど、戦前の日本人の植民思想・帝国主義思想って“八紘一宇”とか言われている様に“開拓”したり植民地にした土地や住民を同化していこうという発想が顕著で、中国や朝鮮・アイヌを包括した大日本帝国は秀でているという考えだったりするんですよね。“自主独立”論者に顕著な「アジア人同士相争わず」にもそうした同化主義の発想が色濃く、逆にアジア内での主導権に関しては(頭山満が主張した様に)中国や朝鮮を打ち負かして自らが主導権を握るという決定的に他者性が欠けていたものだったりします。だが、孫崎にしても鳩山・白井さらには安倍にしても、そうした戦前の同化主義的な“アジア重視”“アジア主義”が言動の其処彼処に顕わになっている訳です。そうでなかれば中国やアジア諸国の利害も考えずに、TPPよりアジア諸国とのFTAだのと気軽に言えないでしょう。

じゃぁ“アジア主義”とかいうのを捨てれば好しなのかと言うとそうとも限らず、“脱グローバリズム”を称える内田樹にしても『赤旗』のインタビューで述べた http://blog.tatsuru.com/2016/12/07_1133.php 様にトランプばかりか欧州での極右伸長に期待を寄せていて「脱グローバル化は政治過程でも、経済活動の過程でもこれから必然的な流れとなるでしょう」と難民問題や排外主義なぞ他人事の様に語っているんですよね。「『暴走』か『スローダウン』か。政治の対抗軸はそこだ」と内田は気軽に言ってますけど、“脱グローバリズム”にしてさえ(“グローバリズム”と違った形での)暴走を起こしていることを内田は見てもいないし見ようともしていないんじゃないでしょうか?

2017.01.23 19:52 URL | 杉山真大 #- [ 編集 ]

内田のみならずエマニュエル=トッドやオリバー=ストーンにしてさえもトランプを“脱グローバリズム”的観点から持ち上げる http://www.asahi.com/articles/ASK1K5V6BK1KUHMC001.html 言動が目立っていますけど、トランプ最側近のスティーブ・バノンがBuzFeedの取材に応じて https://www.buzzfeed.com/bfjapannews/politics-global?utm_term=.exyVK1pm2 次の様なことを言っているんですね。

すべての始まりは、反グローバリゼーション運動です」
ダボス会議の参加者の命令にうんざりした中流、労働階級の人たちによる中道右派ポピュリスト運動」

今まで主に左派・リベラルのものとされていたグローバリズムへの反発を出発点としながらも、それが一周めぐって“アイデンティタリアニズム”バリバリのオルタナティブ右派の跳梁やトランプ政権の誕生になってしまっているというのは色々と考えさせられてしまうんですよね。内田・トッド・ストーン、彼らは共に左派・リベラルに支持が多い(もっとも彼ら自身が左派・リベラルであるかは別問題ですが)のに右派バリバリのトランプにリスペクトしてしまうのも、何というのか左派・リベラルがグローバリズムの負の側面を批判しても左派・リベラル自身がグローバリズムに乗っかっているところを見透かされているというのか否定的に見られているとこがあるって気もするのですよ。例えばフェアトレード研究者の畑山洋介が呟いていた https://twitter.com/hattan02/status/822969136506540032 様に、フェアで公正な貿易を目指すとしてもそれは自由貿易体制に支えられている訳で国民経済の立場に立ってみればフェアであろうがなかろうが国内産業に打撃を与え雇用を奪うものに違いないという非難が説得力を持たれてしまうという例を挙げることが出来るのです。

濱口圭一郎が「社会的で民主的な欧州?」という社民主義系のシンクタンクが出したレポート http://www.boeckler.de/pdf/p_wsi_wp_207.pdf を評して、グローバルな規模での社会的な施策が寧ろ反グローバリズムの文脈で攻撃対象になっている現実がある http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2017/01/post-5040.html と指摘してますけど、トランプがいの一番で脱退を決めて頓挫したTPPにしてさえ奴隷労働の禁止や環境基準の遵守を規定していたのを鑑みるに社会政策や環境などソーシャルな話題をグローバリズムで解決する(とは言いながら、それでないと解決出来ない問題も少なくないのですが)ことの困難さってのを考えざるを得ないんですよね。

2017.01.24 18:25 URL | 杉山真大 #- [ 編集 ]

 トランプ米大統領誕生前後の、日本の新聞・テレビや、左派的なサイトを見ていて思うのですが、左派の論客がよく口にする「トランプのような奴は、有無を言わさず全否定しなきゃダメ」というパターナリスティックな意見は何とかならないのか、と思います。管理人はもちろん、前からコメンテーターとして信頼していた杉山真大さんにも、残念ながらそんな所が見られます。

 トランプ大統領誕生の背景には、グローバル経済の進展に伴い貧困にあえぐアメリカの白人労働者層(ラストベルト)の支持があります。それなのに、左派の皆さんはポリティカル・コレクトネスを振りかざして「議論の余地なんてない」と全否定したがります。アメリカの労働者は貧困のままでいいんですか。「戦争で殺し殺されるよりも、貧困の中で飢えて死んだ方がマシ」とでも言いたいのですか。

 今年1月6日の朝日新聞(サイト)にも、「混迷の世界、行く先は」というタイトルで、長谷部恭男と杉田敦の対談が載っています→http://www.asahi.com/articles/DA3S12734809.html 「寄り添おうにも「ない袖は振れない」面もあります」「産業・経済構造の変化という「不都合な真実」を伝え、それに対応して生き方を変えるよう人々に求めるしかありません」など、「貧困者の不遇な運命を我慢しろ」というような、まさに「エスタブリッシュメントによる切り捨て」をあからさまにしているのです。また、1月25日の北海道新聞の「言葉の現在地 2017年冬②「15年安保」のその後」で、トランプの経済政策を、飢餓にあえいだドイツで「一人の子供も飢えさせない」と国民感情に訴えて台頭したナチスに例えています。それたら、実際に飢えている国民をそのままにしていいのか。

 こういうことを頭ごなしに否定して、ポリティカルコレクトネスの大前提を振りかざす「エスタブリッシュメントな左派」は、自らへの反省が足りないと思いますが、いかがでしょうか。

2017.01.25 12:21 URL | にっしー #PGaXwyUs [ 編集 ]

すみません、操作ミスで途中でコメントを送ってしまいました。


僕自身もトランプラリーに乗っかって投資してきた身だから偉そうなことは言えないのですけれども、トランプラリーは長らく続かないと薄々思っていました。
軍事費の拡大については、『トランポノミクス』の元になった『レーガノミクス』でもあったみたいなんですがね。
市場はトランプ氏の規制緩和を含む経済政策の詳細は、2月上旬に発表される予算教書で分かると期待を寄せているようです。
(今週末にアメリカのGDPも発表されるから、それに左右される形にはなるのでしょうけど)


とはいえ、案の定トランプ大統領はここにきて保護主義的な面を前に出してきた。
TPP撤退もそうだしNAFTA見直しも。
おそらくトランプ大統領は国内では積極的に財政出勤をして雇用を生み出しつつ、外交では自国優位かつ強硬的に交渉を進めていくという形になるのでしょう。
最近彼とイギリスのメイ首相が急激に接近しているのが気になりますが。


アメリカ国民がトランプ大統領を選んだのだから、僕等も批判しつつ様子を見るしかない。
あまり過干渉すると、かつてアメリカがイランのモサデク政権やチリのアジェンデ政権に対して過干渉したのと変わらなくなる気がします。

2017.01.25 12:35 URL | SPIRIT(スピリット) #Bcjh3QfU [ 編集 ]

>あまり過干渉すると、かつてアメリカがイランのモサデク政権やチリのアジェンデ政権に対して過干渉したのと変わらなくなる気がします。

日本がアメリカに大量の工作員や工作資金を送り込んでるのですか?

2017.01.25 21:06 URL | suterakuso #- [ 編集 ]

suterakusoさんへ

>日本がアメリカに大量の工作員や工作資金を送り込んでるのですか?

僕の言い方が悪かった。申し訳ありません。
批判はきっちりと、言葉とデモでやるということです。


とはいえ、仮にトランプ大統領が任期中に辞任するということになっても、ペンス副大統領が自動的に大統領に昇格する。
彼もイラク戦争賛成者で、LGBTには批判的な態度をとってきた人間ゆえどうだか。

2017.01.26 11:57 URL | SPIRIT(スピリット) #Bcjh3QfU [ 編集 ]

にっしー氏への応答になるのかも知れないんだけど、25日付の朝日新聞に載っていたピケティのコラム http://www.asahi.com/articles/DA3S12763541.html が、この点について巧く的を射ているんだよね。

ピケティはご存知の様に左派なんだけど、ポピュリズムに対して“先進国の庶民層がグローバリゼーションと格差拡大に直面して抱く「自分たちが見捨てられた」との感情がもたらす、混乱しているものの理のある反応だ”として一般に言われている様な否定的な用語法を批判、その上でバーニー=サンダースやギリシャの「シリザ」・スペインの「ポデモス」などのコスモポリタニズム(国際主義)な急進左派にしか期待できるものが無い、“道理をわきまえた”「政府内左派」や「『右』も『左』もない」面々こそ下手すればナショナリズム(ないしパトリオティズム)や排外主義の席捲に対し現状維持的な政策しか出せず、「大切なのはEUルール(EU財政協定=引用者注)に本質的な疑問を提起する候補」を選ばなければならないと苛立ちを以て語っているのね。まぁ、今のところ「政府内左派」では“道理をわきまえた”のではないブノワ=アモンが一回目の予備選で首位に立った http://www.asahi.com/articles/ASK1R24JPK1RUHBI003.html だけマシだったとも言えるけど、それでも「EU財政協定に代わる具体的な提案をする必要がある」「事態は切迫している」と言っているだけに左派の理論家としてかなり危機感を抱いていることは文章全体を読むと解るんだよ。

にっしー氏は、“左派の皆さんはポリティカル・コレクトネスを振りかざして「議論の余地なんてない」と全否定し”グローバル経済の進展に伴い貧困にあえぐ現実を見ていないと批判してるけど、そもそもトランプ政権の陣容からして富裕層や財界人ばかりで尚且つ(表面的には国産品を買う・国民を雇用するとは言っても)貧困層にさえ事態を改善させるばかりか悪化させかねない政策も少なからず含まれている訳で、その上でポリティカル=コレクトネスまで切り捨てたらともすれば貧困層にまで累が及びかねない瀬戸際に立たされているのが現実なんだよ。

まぁ、民進党を始め日本の「左派」「リベラル」の“道理をわきまえた”“エスタブリッシュメントによる切り捨て”振りには暗澹とさせられるとこもあるけど、そういえば「累進課税の上限を80%にするのは、恐怖」とピケティをdisった挙句「誰も奪いに来ない形で貧乏している人は、必ずしも貧乏ではない」とほざいた https://togetter.com/li/809372 安冨歩ってのがいたなぁ・・・・・

2017.01.26 18:08 URL | 杉山真大 #- [ 編集 ]













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[安倍晋三]安倍晋三がエリートだって? まさか(笑)
きまぐれな日々 「現実主義」など何も打ち出さなかった新大統領・トランプ(2017年1月23日)のコメント欄より。 http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1461.html#comment20059 リンク元の人が「古臭く、政界ではエリートではない人」「安倍晋三は異例」と書いています

2017.01.24 07:54 | kojitakenの日記

[トランプ]トランプをめぐるさまざまな意見
トランプをめぐるさまざまな意見を、きまぐれな日々 「現実主義」など何も打ち出さなかった新大統領・トランプ(2017年1月23日)にいただいたコメントと、このところ頻繁に引用する『広島瀬戸内新聞ニュース』の昨日付記事から引用しておく。前者に関しては、ブログ記事に対

2017.01.26 08:48 | kojitakenの日記