最近、記事を書く(打つ)指の動きが鈍る大きな理由の一つが小池百合子であって、世の「リベラル」の多く、橋下徹にはなびかなかった者までもが小池百合子になびく風潮を見ていると、気持ちが鬱々としてくる。
また蓮舫・野田佳彦の体制となった民進党の問題もある。安倍政権の経済政策は問題を多く抱え、成果も安倍晋三が政権再交代時に思い描いたようには上がっていないと思われるが、それでも国政選挙の度に有権者が自民党を選ぶ大きな理由の一つが、民進党の経済政策が安倍政権のそれと比べてさえもずっと劣るところにある。緊縮・財政再建志向の強い蓮舫と野田佳彦では、今後も民進党に多くを期待することはできない。
また「野党共闘」の問題もある。現在は(小沢一郎が剛腕を発揮して成立させた)小選挙区制のおかげもあって、安倍晋三の自民党が異様なまでに選挙で勝ち続けているので、はっきり言って政策に大きな開きがある民進党と共産党を軸とした「野党共闘」には止むを得ない面もあるが、私が憂鬱さを感じるのは、野党共闘をしているのだからと言って、民進党への批判を「自民党を利するだけ」などと言って封じる風潮があることだ。
安倍晋三の「一強」、すなわち独裁体制は強まる一方であって、総裁任期の延長も決まった。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS26H2A_W6A021C1000000/
自民、総裁任期「3期9年」を決定
自民党は26日午後の党・政治制度改革実行本部の全体会議で、党総裁任期をいまの「連続2期6年」から「連続3期9年」に延長する案を決定した。党の意思決定機関の総務会で年内に了承する見込みで、2017年3月の党大会で党則を改正する。
本部長の高村正彦副総裁が同会議で連続3期9年への変更を提案。「今まで任期を少しずつ延ばしてきた経緯もある。一般党員、国民から理解されやすいという意味で、連続3期までと変えるのが役員会の結論だ」と述べた。出席者によると、任期延長に関する反対論は出なかった。同本部の役員会では任期延長に関し「連続3期9年」と「制限の撤廃」の2案を検討してきた。
いまの党則は連続3選を禁じている。12年9月に総裁に返り咲いた安倍晋三首相は15年9月に再選され、18年9月に2期目が満了する。党則改正を経て次期総裁選に勝利すれば、21年9月までの長期政権が視野に入る。憲法改正や外交課題に腰を据えて取り組みやすくなる。
(日本経済新聞 2016/10/26 13:49)
安倍晋三の任期延長は、二階俊博と高村正彦が主導したようだが、なぜこの2人の政治家がそのような動きをするのかについては、党内外の情勢がそうさせているとしか言いようがない。自転車に乗っていて大怪我をして以来音沙汰のない谷垣禎一は、自民党が下野していた頃の自民党総裁だったが、あの悪名高い自民党の第2次憲法改正草案がまとめられたのは谷垣総裁時代だ。
安倍晋三のような政治家が長期政権を保っているのは、日本国民の比較多数の求めているものと、私にはおぞましいものとしか思われない安倍政権の政策がそれなりに合致しているからだろう。日本全体で見ればそういうことがいえるが、少し狭く、東京や大阪に限定すると、東京では小池百合子、大阪では大阪維新の会(国政政党は日本維新の会)の支持が圧倒的だ。大雑把にいえば、日本全体では国家社会主義志向の強い安倍晋三が求められ、東京や大阪では思想的には小泉純一郎の流れを汲む新自由主義志向の強い小池百合子や大阪維新の会が求められているとみられる。
言ってみれば、現在の日本は「不健全な膠着状態」に陥りつつあるといえる。一方、同じアジアでもフィリピンでは「アメリカとの訣別」をブチ上げる大統領・ドゥテルテが国民の圧倒的支持を得ているし、韓国では大統領・朴槿恵が民間人の崔順実(チェ・スンシル)氏に機密文書を渡した問題で、朴の辞任を求める大規模なデモが起きるなどしている。
かつて「手かざし」で知られる怪しげな新興宗教とのかかわりが指摘された安倍晋三(鳩山由紀夫にも同様の疑惑があった)なども、叩けば埃の出る人間なのではないかという気もするが、それはともかく、これからあと5年も総理大臣を続けようという安倍晋三がそこまで権力の座に執念を燃やすのは、いうまでもなく「憲法改正」という究極の目標があるからだろう。
だが、権力者の野望(権力の座のあるのに「『野』望」というのも変な言い方かもしれないが)と国民のニーズとのギャップが広がると、その摩擦は政治も社会も不安定にする。もちろん今は安倍晋三が強大な権力を持っているから、あと5年もかけて無理矢理「憲法改正」を実現させてしまう可能性は小さくないが、いったんそんな状態になってしまえば、そこから日本を立ち直らせるには気の遠くなるような労力と時間がかかるに違いない。もちろん私の目の黒いうちにその「再建」を見届けることなどできない。
また、安倍晋三自身が今後あと5年以内にクラッシュする可能性も少なくなく、私はそちらになってほしいと思う。仮にクラッシュしたとして、その時に安倍晋三が受けるダメージは、2007年に総理大臣を投げ出した時よりも大きくなるだろうが、そうなったとしても自ら選んだ道なのだから何ら同情には値しない。
安倍晋三が日本をクラッシュさせるくらいなら、安倍晋三自身が政治的にクラッシュした方がよほどマシであることはいうまでもない。ただ、そこに至る道筋が全く見えず五里霧中だから、昨今は記事を書く気力も萎えるのである。
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その手の"リベラル"って、小池百合子ばかりかドナルド=トランプに対する過剰な期待も大きかったりしますね。社民党で参院選に出た増山麗奈にしてさえ、トランプ支持を表明していますから。
https://twitter.com/renaart/status/792670623788965888
トランプへの熱狂的支持(「オルタナティブ右派」とか形容されたりしますが)にも言えるんですけど、政治参加が権力への参加と殆ど同義になってしまっていると共に他者性が決定的に欠けている気がするんですよね。先ず自分たちの切実な問題が重要であってそれ以外に関しては無関心であるばかりか時には利権絡みの悪役扱い・福祉や経済のみならず国防や外交・基地問題に原発に至るまで個々の政策課題が細かく分断されていて、"身贔屓"が当然ってことなんですよね(そうしてみると内田樹や白井聡・孫崎享辺りなんかアメリカから見れば「オルタナティブ右派」ってことになりますねw)。
仮に憲法改正が行われるとしたら、それこそ多くの護憲派や安保法制反対派が注目される様な9条じゃなくて寧ろ25条の方・こと家族や地域での「共助」でやられるんじゃないかと思います。9条に関して護るべし・家族条項なぞ以ての外という面子でも、例えば内田樹(この御仁を護憲派の範疇に入れるのは微妙な気がしますけど)が「貧乏人は集まって殺し合うか助け合うか選べばいい」と言う様に「共助」推しだったりするのが少なからず存在しますし、地域で助け合うのなら町内会や自治会・区会など日常生活でもやっているじゃないのって案外通っちゃう可能性が高いんですよ。その「共助」の前提となる地域ですら人口減少や高齢化が進み、下手すれば「共助」どころか「共倒れ」になり兼ねない現実があるのですが・・・・・
2016.10.31 09:59 URL | 杉山真大 #- [ 編集 ]
>トランプへの熱狂的支持(「オルタナティブ右派」とか形容されたりしますが)にも言えるんですけど、政治参加が権力への参加と殆ど同義になってしまっていると共に他者性が決定的に欠けている気がするんですよね。
それこそ、貴方の「気がする」だけでしょう。
2016.10.31 16:41 URL | 特命希望 #HHwP0Xsw [ 編集 ]
先日、会社で遅めの昼休みを取っていたところ
テレビから国会中継が流れ野田佳彦が質問していました。
相変わらず金融緩和批判、財政規律重視、議員定数の削減等を
喋っていてうんざりしました。
この人、下野していた間一体何をしていたんでしょうか。
新しい提案もないし、何も成長が感じられない。
一度プロレス会場で見かけたことがありましたが、
野党のお気楽なサラリーマン議員生活でも満喫していたのでしょうか。
前原は新自由主義の考えを修正し
やや大きな政府的な新しい提案をしてきました。
この考え自体はまだ不十分だと思いますし、
財源に消費税を重視している点等
個人的には全面的に賛成出来るものではありませんが、
方向性としては一定の評価が出来るものだと感じました。
言いたくもありませんが、安倍とて下野している間に
リフレ政策を取り入れ政権を取ってからそれなりに実行し、
経済政策で国民の支持を繋ぎ止めているのです。
それと野田佳彦を批判するとオザシンだなんだとレッテル張って
批判する民進党支持者がいますが「ふざけるな」と言いたいです。
この連中は今のまま解散総選挙があっても選挙に勝てるとでも
思ってるんでしょうか。
まともな経済政策の提案がなければ野党に票は入りません。
2016.10.31 19:12 URL | 1985 #- [ 編集 ]
はじめてコメント致しますkjです。当方、コンサバティブな憲法9条改正論者ですが、このブログ毎回意義深く拝読しております。右から左まで容赦なくぶった切るkojitaken様の意見は、自分の考えと相違があっても実に痛快です。また経済に関してのkojitaken様の考えは、とても勉強になります。正直そこらの左巻きの薄っぺらいブログとは、一線を画していらっしゃる。右の情報ばかり見ていたら真ん中がわからなくなるので、色々ブログを漁り読みしていた時分にkojitaken様を知りました。これからも当ブログ末長く続けて頂きたいと願っております。一安倍晋三支持者より
2016.11.05 00:19 URL | kj #a7gum4DI [ 編集 ]
狂信的な日本軍国主義者、日本帝国主義者でA級戦犯だった岸信介に真髄心酔いしている孫の安倍晋三、岸信介の亡霊とでもいうべきでしょうか。
その安倍晋三が自民党総裁の任期延長によりあと5年総理総裁を続ける可能性が出てきた。
考えるだけでもゲンナリ、世も終わりです。
1強状態の安倍が5年内に無理矢理「憲法改悪」を実現させる。
自民党の改悪草案は一目瞭然、悪名高い大日本帝国憲法のコピーです。
それは即ち戦前の暗黒時代への回帰を意味します。
そんな状態になってしまえば、そこから自力で日本を立ち直らせるのは困難です。
開国も民主主義も外圧によって与えられた日本です。唯一の手段は連合国(GHQ)等による再占領以外方法はないでしょう。
2016.11.06 17:33 URL | 風てん #- [ 編集 ]
アメリカ大統領選、それこそBrexit並みのどんでん返しでトランプが当選しちゃいましたけど、クルーグマンが驚愕していた https://twitter.com/mtcedar1972/status/796222049509208064 様に反知性主義がモロに出たというのか今まで「民度が低い」「B層」などと蔑んだ層が取り残された鬱屈感がここまで凄まじかったのかとさえ思いますね。彼らを民度が低いだの意識が低いだのとバカにしていたら、それこそ「悪しき知性」とやらで逆に反感を持たれて爆発してしまったとしか。
後藤和智氏がロスジェネ論との関わりで呟いているのが、なかなか興味深いんですよ。
https://twitter.com/kazugoto/status/796207016481996801
「若年非正規労働者の嘆きから始まったロスジェネ論が、最終的には新保守主義の富裕層が狼藉を正当化するための論理になったという我が国の反若者論の歴史はもっと見直されるべきだと思うんだ」
https://twitter.com/kazugoto/status/796227681129897984
「左翼は同じことしか言っていないとはよく言われるけど、反左翼だって少なくともこの10年は同じことしか言っていません。そして左翼が悪い、団塊が悪いなどと言って他人任せにし、他者を嘲笑している間に、事態は悪化していった」
https://twitter.com/kazugoto/status/796262347861999616
「いい加減我が国は、我が国の言論メディアが推し進めてきた嘲笑のポリティクスと「社会」の破壊を見直すべき時だ。でもいまの言論メディアや論客はそれを逆に推進しているから怖い」
これらの指摘って、トランプ支持派にも通じる様な橋下や小池にリスペクトする層にも、また連中とは違い"意識が高いリベラル"と自惚れている側にも通じていると自分も思います。往々にして自分たちは恵まれてない側だと身を置く一方で相手側を既得権益だの特権だのと言って攻撃する(更にその相手側が政治的・社会的マイノリティーなら猶更激しい)、そして自分たちは彼らの"不正"を正して"正義"を実現してやるんだってのがウヨク・サヨク・ネオリベ・サハッに案外共通して見受けられるんですよね。そして選挙や投票という結果で今後の政策が左右される様な機会で、互いが互いを嘲笑して「社会」を分断させる方向へと向かってしまう訳です。そして肝心の政策課題や問題は足踏みしたまま解決されないままになってしまう・・・・・
ずっと前のエントリで自分が紹介した http://bylines.news.yahoo.co.jp/bradymikako/20150603-00046261/ 「庶民を『バカ』と傲慢に冷笑し、切り捨てるのではなく、その庶民にこそ届く言葉を発すること」という言葉こそ、今現在重みをもっていると思うのですよね。「民度が低い」「意識が低い」と蔑みつつ自らを意識の高さに身を置いて自分の考えた社会観や価値観が全て正しいかの如く振る舞うことが、一寸した拍子で反撃されて結果的に思わぬ反動へと向かうことの恐ろしさを重く受け止めるべきだと思います。かのBrexitの国民投票の後でもマイノリティーへのヘイトクライムが増えたと聞きますが、同様にマイノリティーへのヘイトを隠さないトランプの当選が今後アメリカ社会に齎す悪影響というのを考えると暗澹たる気分にさせられます・・・・・
2016.11.09 18:33 URL | 杉山真大 #- [ 編集 ]
私は、赤木智弘氏のロスジェネ論は未だに有効だと思いますけどね。べつに赤木氏が「新保守主義」だの「富裕層の狼藉」だのを正当化しているわけでもないですし。むしろ、そんな物言いがさらに、いたずらに「分断」を深めるのではないかと感じますね。
それから、「届く言葉」より「届く政策」が求められているのではないかと考えます。今回の大統領選では、トランプの言葉が届いて票を獲得したというよりも、ヒラリーが票を失ったという見方の方が的確なのではと感じています。それは、やはり不満をかかえた層の民主党政権への失望だったのではないかと。
常に接戦で勝ち上がったということは、やはり、広く支持を得ているわけではないということではないでしょうか。これは、東京の石原にもいえることで、私は、2012年の、石原後の猪瀬の空前の得票数というのは、石原のような言葉をもう聞かないですむ「無難そうな」候補者が支持されたということなのではないかと考えています。
言葉ももちろん大切ですが、多くの人が重視しているのは、言葉ではないのではないかと。鼻をつまんで、トランプや石原に投票した人も多いのではないかと。
松尾匡教授の主張も、届く政策を、というものですよね。
2016.11.10 01:10 URL | suterakuso #- [ 編集 ]
「届く」に関連してですが、最近、私は、朝日の「(みをつくし語りつくし)勝部麗子さん」という特集を興味深く読んでいるという話をしていますが、その登録なしで読める最新のものが、橋下氏の幾ばくかの抜け目なさをあらわしているように感じました。あわせて、この特集、「共助」についてもとても参考になるものではないかと。時間もあるので、以下、コピペのみ。
http://www.asahi.com/articles/ASJBN7K7TJBNPLZU007.html
■橋下さんに「現場見て」
2008年10月22日、当時の橋下徹・大阪府知事が豊中市にやって来ました。府の財政再建プログラム案で、地域の福祉活動とコミュニティーソーシャルワーカー(CSW)への補助金カットが打ち出され、とにかく地域福祉の現場を見て判断してほしいと働きかけて実現した視察でした。
20分間という短い時間だったので、住民ボランティアが民家を借り上げ、地域の高齢者向けにミニデイサービスをやっている施設に来てもらいました。
まずは一人暮らしの高齢者に配る弁当の調理をしている様子を見てもらって、ボランティア活動をひととおり説明した後、懇談が始まりました。するとデイサービスを利用している80代のおばあさんが「ここにはボランティアの人がいて、年寄りが楽しい思いをさせてもろてる。こんな場所をあんた、切るいうてんのか? 知事さん、この補助金は生きたお金でっせ」ってズバッと言いはって。
どう答えるやろ、と見ていると橋下さんは「誰が補助金を切るなんて言ったんでしょうね」と言って、苦笑いしたんですね。さらにボランティアの男性が「私らが楽しく活動できるんは、社協のCSWさんが何かあったときに支えてくれるからや」と発言してくれました。
橋下さんは「今日は地域力・市民力のすばらしさを感じました。ここには、ぼくが思っている地方自治の姿がありました」と言って帰りはりました。結局、補助金は二つとも交付金として翌年度からも継続されて、本当にホッとしました。
あの後、「勝部さん、うまいことしゃべらせたなあ」と言われましたけれど、こんな発言してくださいなんてお願いできるはずもなく、全てぶっつけ本番です。シナリオなんか書いてたら、見抜かれて一発でアウトやったんちゃうかと思ってます。
2016.11.10 07:39 URL | suterakuso #- [ 編集 ]
共助ネタでおぞましいものを赤木氏のツイッター経由で知りましたので、紹介します。(現在進行形で大拡散中ですが…)
**********
日本の未来を担うみなさんへ
あなたは決してひとりではありません。
こども食堂でともにテーブルを囲んでくれる
おじさん、おばさん。
学校で分からなかった勉強を助けてくれる
お兄さん、お姉さん。
あなたが助けを求めて一歩ふみだせば、
そばで支え、その手を導いてくれる人が
必ずいます。
あなたの未来を決めるのはあなた自身です。
あなたが興味をもったこと、好きなことに
思い切りチャレンジしてください。
あなたが夢をかなえ、活躍することを、
応援しています。
平成28年11月8日
内閣総理大臣
安倍晋三
http://www8.cao.go.jp/kodomonohinkon/kokuminundou/pdf/message_161108.pdf
**********
国は助けないよ。でも、「誰か」が助けてくれる。だから、チャレンジできるよ。チャレンジできるから、あとは自己責任。応援するよ。(このメッセージが「応援」だよ♡)
てか?…ほんと、○ねよ、こいつ。
2016.11.11 23:38 URL | suterakuso #- [ 編集 ]
上のコメントの引用文ですが、内閣府の次のページにPDFへのリンクがあります。
http://www8.cao.go.jp/kodomonohinkon/kokuminundou/tsudoi.html
2016.11.11 23:41 URL | suterakuso #- [ 編集 ]
なぜサンダースやポデモス的な「左のポピュリズム」が日本の左派や野党に於いてなかなか受け入れられないのかと言えば、それはよく言われる「高慢ちきなインテリ根性」というよりは、「左のポピュリズム」って「右のポピュリズム」と比べても、失敗した時に負うダメージやリスクがあまりにも大きすぎるからでしょう。
例えばもしも今回の大統領選で、サンダースがクリントンやトランプに勝ってたとして、その「サンダース政権」が公約違反なり失政をやらかした時に負う(支持率の急落や選挙惨敗、党勢縮小といった)ダメージって、これから「トランプ政権」が何かやらかした時に負うそれらのダメージよりも、遥かに大きいものになってたと思います。
つまり、トランプ政権が失敗しても共和党が再起不能になる可能性は低いけれど、サンダース政権が失敗すれば民主党が再起不能になる可能性がかなり高い・・・というわけです。
あと、右というか「中道に寄る」ことで政権を取ったリベラル・左派政党って世界中あちこちありますけど、逆に「もっと左に寄る」ことで政権を取ったケースって、実はまだほとんどないんですよね。
いみじくも前回の記事で少し言及されてましたけど、サンダースにしても結局はクリントンに負けてしまったわけですし、ポデモスだって今のところは別に「与党になって政策を実現させた」わけじゃないですし。
例外はギリシアのシリザぐらいでしょうが、ここも政権に就いてからは政策がズルズル後退して支持を失ってますしね。
今回のことで「日本の野党ももっとポピュリズムを取り入れろ、だからちっとも安倍に勝てんのだ」と得意気に語ってる人たちをずいぶん見かけましたけど、彼らはそういったリスクをどれだけ認識しているのだろうか、もっと言えば自分たちの意見が「取り入れられたけど駄目だった」時に、それでもしっかり支えようという意識がどれだけあるのだろうか・・・と自分は感じますね。
2016.11.13 23:17 URL | タブクリア #HxJKgRuo [ 編集 ]
書き忘れていたことを一つ。
>「左翼は同じことしか言っていないとはよく言われるけど、反左翼だって少なくともこの10年は同じことしか言っていません。そして左翼が悪い、団塊が悪いなどと言って他人任せにし、他者を嘲笑している間に、事態は悪化していった」
>「いい加減我が国は、我が国の言論メディアが推し進めてきた嘲笑のポリティクスと「社会」の破壊を見直すべき時だ。でもいまの言論メディアや論客はそれを逆に推進しているから怖い」
後藤和智氏のこの呟きは見ましたけど、これは正に貴方のような人に対してこそ向けられたものだと思いますけどね。例によって「サヨク」「サハッ」「意識高いリベラル」なるものに矛先を向けてますけど。
彼は同じ日にこうも呟いてますね。
>左派の「失敗」や「敗北」を語る人がここ数年で増えてきたけど、彼らは実際に社会にその言説を還元するために何かしたの?
>あるいは、本当に左派の言説を読んだの?ネット上だけで語られるイメージだけで「左派」像を構築させていないか?という問いかけは常にしておきたいところ。
https://twitter.com/kazugoto/status/796604463905734656
>左派嘲笑論者はあまりにも「人任せ」なんですよ。自分はただののしるだけで、どうすればいいのかは相手に投げて、行動するような人は無視するか積極的に嘲笑しに行く。
>その批判のロジックすら、ネット上で人気の論客のロスジェネ言説のコピーに依存し、自分で読もうとしていない。
https://twitter.com/kazugoto/status/796605423910522881
ここで今となっては政権批判もそこそこに「リベラル左派の体たらくガー」「野党のふがいなさガー」などと云々しているような、他の人たちにも当てはまる所はないですか?
一つ話を変えますと、自分は「左派は右傾化する民衆を『バカだ』と冷笑するのではなく・・・」という言説を見るたびにいつも違和感を覚えます。
我々は右傾化する民衆を冷笑なんかしてないんですよ。真剣に怒っているんです。
冷笑とはその字の如く、冷たく笑うことでしょう。我々は熱く怒っているんです。
現にバカなことをしてる者がいて、そのせいで被害を受けている人さえいる以上、「バカなことをするな」と怒るのは当然のことでしょう。
2016.11.30 13:06 URL | タブクリア #HxJKgRuo [ 編集 ]
へー、すごい、熱い怒り。蓮舫が党首になった程度のことで、レイシズム体質をなかったことにして、甘やかすことができる人だけのことはあるなー。
2016.11.30 23:57 URL | suterakuso #- [ 編集 ]
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[民進党信者][オザシン]「民進党信者」と「オザシン」とのバカバカしい「近親憎悪」
TPPの採決をめぐる自民党と民進党との取引は、その後山本大臣の暴言があって「駆け引き」とやらが再開されているものの(私は茶番だと思っているけれども)、民進党という政党の本性を現した醜態だった。 その民進党の政治家としては、代表の蓮舫と幹事長の野田佳彦の両方を
2016.11.04 10:38 | kojitakenの日記