それに対する各紙の社説は、次のようになっている。
「歴史観をなぜ語らない 安倍演説」 (東京新聞)
「安倍首相演説 じわり脱小泉そろりと右へ」 (毎日新聞)
「所信表明 そろり安全運転ですか」 (朝日新聞)
「所信表明 買いたい国家再生の気概」 (産経新聞)
筆者がマシと思う順番に並べてある。なお、読売と日経は省略したが、朝日と産経の間にくる。
毎日と朝日は、ともに「そろり」という言葉を用いて、タカ派的正体を意識的に隠そうとしている安倍を揶揄しているが、そういう両紙の社説自体、安倍への批判を妙に遠慮した歯切れの悪いもので、「朝日と毎日 そろり安倍への揶揄ですか」と言いたくなるくらいだ。
安倍に歴史観をはっきり示せと求めた東京新聞が、もっともマシな社説だといえるだろうが、明快に安倍への強い支持を打ち出した産経新聞と比較する時、リベラル寄りとされる朝日・毎日・東京(中日)三紙の腰の引け方を、やはり批判しなければならないだろう。
さて、沖縄で逮捕された平良牧師が釈放されたという件については、ずいぶん出遅れてしまった。釈放からすでに3日が経過しており、下記URLの記事などで紹介されている。
「平良夏芽釈放」…とりあえず報告です(「dr.stoneflyの戯れ言」より)
「9・27緊急抗議集会」(「NO BASE 辺野古☆名古屋」より)
「平良牧師が釈放!」(「カナダde日本語」より)
下記URLの記事では、平良牧師のメッセージが紹介されている。
「沖縄の名護署に不当逮捕・釈放された平良牧師のメッセージ」(「権力とマイノリティ」より)
ところで、米軍の準機関紙 "Stars and Stripes"が、はっきりと今回の件が平良牧師を狙い撃ちした逮捕だったと報じているので、ここに紹介しておく。
"Base protester on hunger strike in Okinawa jail" ("Stars and Stripes" 2006年9月28日)
これは、9月28日付ではあるが、平良牧師の釈放直前に、沖縄県警名護署副署長の親川氏に取材して書かれた記事のようだ。
少し引用する。
Oyakawa said Taira was called over to the police officers, where he was taken into custody.
“We had decided to break up the protest first then separate Taira from the group and arrest him,” he said.
ここで親川氏は、「まず反対派をばらばらにして(break up)、平良氏をグループから引き離して逮捕すると決めていた」とはっきり語っている。
やはり、この逮捕劇は、権力側の示威行為だったと解するしかないだろう。
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Stars and Stripesの件はスクープですね。きくちゆみさんのブログ<http://kikuchiyumi.blogspot.com/>にリンク(TB?)してはいかがでしょう?
2006.09.30 18:38 URL | イヴロ~ニュ #USpKQLjs [ 編集 ]
お邪魔します。
記載された新聞の順ですが、その通りですね。
最近東京新聞に注目し始めました。東京に住んでいれば購読したいほどです。郵送ではちと高くつきそうで。
2006.09.30 21:21 URL | 飯大蔵 #- [ 編集 ]
JANJANの記事で、平良さんが自ら逮捕時と警察内での様子を語っておられます。
こちらを、是非、ご覧ください。
↓
http://www.janjan.jp/column/0609/0609281879/1.php
これを読むと、警察は発表とずいぶん違いますね。私は、ご本人の証言を信用しますよ。
2006.10.01 18:58 URL | 非戦 #- [ 編集 ]
TB頂いておきながら、コメントが遅くなってしまいました。こうした見解は常に運動側が権力の魂胆を予測して訴えるものですが、予測ではなく確定ですね。釈放された日に釜日労で4名が不当逮捕されてます。
アベになって即、こうした弾圧があることに、今後の市民運動の展開が危惧されます。
2006.10.02 13:40 URL | dr.stonefly #- [ 編集 ]
イヴロ~ニュさん
コメントありがとうございます。
スクープというほどのものでもないし、いきなりリンクするのもなんなので、今回は遠慮しておきますが、きくちゆみさんのブログには注目していきたいと思います。
2006.10.02 20:00 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]
飯大蔵さん
コメントありがとうございます。
当地でも東京新聞(中日新聞)は読めず、同紙の記事はネット情報に頼っています。
同紙で切れ味鋭い記事のうちいくつかは、東京新聞のサイトにのみ載っていて、本社である中日新聞のサイトには載っていないことがあるようですが、東京の独自記事なのかどうか気になるところです。
名古屋の中日新聞は、国政に関する記事は優れているけれど、トヨタその他地元財界への追及は甘いとは、よく耳にします。
2006.10.02 20:04 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]
dr.stoneflyさん
コメントありがとうございます。
安倍は、さっそく市民運動に牙をむいているようですね。
そんな安倍の体質を報道せず、やれ「美しい国」だ、「再チャレンジ」だなどと、安倍のスローガンを鸚鵡返しにして片棒を担いでいるマスメディアには、心底絶望を感じます。
2006.10.04 11:49 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]
平良さんは、逮捕の前の警察の変な動きと、撮ったビデオの両方から、この親川副所長の
「まず反対派をばらばらにして(break up)、平良氏をグループから引き離して逮捕すると決めていた」という発言どおりのことをされたのだと実感したそうです。
26基のパトリオットミサイルおよび装備品が500台ものトラックで運び込まれている
沖縄にいると、戦争の気配、もはや前夜であることを肌で感じるそうです。アメリカは確実に戦争の準備をしているとのこと。
湾岸戦争前は、在日米軍の戦車などを灰色に塗った(砂漠での迷彩色)が、今回は、緑色に塗っている。ということは、標的は?
本当に恐ろしいことです。
イラク、ファルージャの病院に医薬品をもって行った平良牧師は、その後、その病院を米軍が占拠し、多数のファルージャの住民が、こんど沖縄に基地を新設しようとするキャンプシュワブの海兵隊によって殺されたのを見て、人殺しにつながる基地などどこにもいらない、と基地阻止運動をされています。
海外で人を殺している加担をしていて、なにが平和国家なんだ、ということです。
こういう考えに、私は、共感します。
2006.10.07 18:37 URL | 非戦 #- [ 編集 ]
非戦さん
情報ありがとうございます。アメリカは、いずれ経済的に行き詰まりますから、そうなると戦争に走りたがりますよね、あの国の習性として。
対米隷属主義者である安倍が日本の首相になったのも、アメリカの都合によるところが大きいと私は考えています。
もはや、日本が変わるためには、アメリカに何らかの変化が起きる等の他力に頼らざるを得ないのかなあ、などと思ってしまいます。
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