きまぐれな日々

 今週もまた気が全然乗らない。

 その最大の理由は、国会で飛び出した前首相・野田佳彦(「野ダメ」)のダメ質問をマスコミ(報道ステーションやNEWS23やサンデーモーニングなど)が大きく取り上げたことだ。「定数削減」だの「身を切る改革」だのといった、民主党政権時代に散々聞かされてうんざりしていた言葉がゾンビのごとく甦ってきた。

 安倍晋三はその前日に先手を打って衆院定数の10減を2020年までに行うという自民案を前倒しする考えを記者団に示した。野田佳彦を軽くあしらった形だ(もちろん、これはこれでまた問題だが、ここでは突っ込まない)。

 いわゆる「リベラル」の民放テレビニュース番組も、安倍晋三同様そのようなくだらない野田佳彦の質問など軽く扱うべきだったのに、さも重大な論点であるかのように取り上げた。

 これじゃ民主党が選挙で自民党に歯が立たないのも当たり前だよな、と思った。「定数削減」だの「身を切る改革」だのは国民生活を何も良くしないばかりか、国会議員の門を狭くすることは、現在安倍政権の面々が行っているような専制政治をますます増長させるだけの愚策でしかない。それを、失政を行った前総理大臣が恥ずかしげもなく蒸し返し、テレビが大きく取り上げる。一体何をやっているのかと呆れる。

 それでなくても民主党は「経済音痴」の集団としか言いようがなく、野ダメの質問などその最たるものではあるのだが、言うまでもなく民主党の醜態はこれにとどまらない。

 以下の話は、宮武嶺さんのブログ『Everyone says I love you !』経由で知った。まず同ブログから引用する。赤字ボールドは引用者による。

(前略)枝野民主党幹事長が2016年2月17日に消費税増税反対を打ち出し、2月19日に民主党の細野政調会長と小野政務調査会長が会談して、消費税増税反対を言い出したのですが。

 消費税増税の前提として、国会議員定数の削減と軽減税率の撤回が必要で、これがある限り消費税増税は認められないというのですが、これって基本的に消費税増税はいいことで、国会議員の定数削減と軽減税率の導入をしなければ賛成するってことですよね。

(『Everyone says I love you !』 2016年2月20日記事「民主と維新、消費税増税に反対したのは良いが理由がおかしい。議員定数削減は身を切る改革じゃないし。」より)


 なんと、民主党は消費税増税と「身を切る改革」をリンクさせて、「身を切る改革」(と軽減税率の撤回)をしないのなら消費税増税反対と言っているのだ。

 なぜダメなのかは、このブログの数十倍の読者を持つ宮武さんのブログが明快に書いてくれているので、再び以下に引用する。赤字ボールドは引用者による。

(前略)野田佳彦前総理が今さら出てきて、安倍首相に定数を削減しないのは約束違反だと言い募ったり、安倍首相が定数削減の前倒しを約束するだなんて、ナンセンスで猿芝居としか言いようがありません。

(略)

 とにかく、経済成長してパイを大きくしないと社会福祉も実現できないのであって、財政赤字だって税収を増やさないと解消しません。古今東西、緊縮財政で財政赤字問題を解消できたような国があったでしょうか。

 民主党や維新の党が、財政赤字の問題に取り組まないと責任政党を名乗れないなどと言って、「現実主義」に見えて非現実的な緊縮財政や消費税増税にこだわるのは、国民の福利に背を向けるものです。

 この二つの政党は、結局、新自由主義政党。つまり、政府が市場にできるだけ手を出さない「小さな政府」を志向しているわけですが、それって今の弱肉強食で格差が拡大する日本の社会をさらに悪くするだけです。

 両党には当面の選挙戦略として消費税増税反対を言うだけではなく、国民の幸せに背を向ける新自由主義から少しずつでも脱皮してほしいものです。

(『Everyone says I love you !』 2016年2月20日記事「民主と維新、消費税増税に反対したのは良いが理由がおかしい。議員定数削減は身を切る改革じゃないし。」より)


 野田佳彦や枝野幸男らが露呈したこの惨状では、民主党や維新の党が経済問題を争点にして選挙で自民党に勝つことなどあり得ないことは、誰の目にも明らかだろう。
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結局、(ここ最近何度も引き合いに出していますけど)松尾匡氏が新著 http://amzn.to/1SGym89 で指摘している様に、経済政策で“マシ”だからスキャンダルやタカ派政策には不満でも安倍や自民党を支持するって現実を直視しなければならないんですよね。

最近では野党が余り支持されていないのに危機感を抱いてか、野党共闘で何とかまとまって自民党に対抗しようとし、先日行われた社民党大会では民主・維新は元より小沢一郎や志位和夫まで勢揃いという錚々たる顔ぶれで出席してた訳です。でも彼らが“争点”にしたがる安保法制(の廃止)にしてさえも、過半数が投票の判断材料にすると言いながらもその中の1/3程度が(夏の参院選で)自民党へ投票する http://mainichi.jp/articles/20160201/ddm/002/010/080000c と回答しているのです。先に(安保法制へ批判的な呟きをしていた)今井恵理子氏が自民党から出馬を表明し“政権批判”側から悪罵を投げかけられていますけど、肝心の野党が未だ「非現実的な緊縮財政や消費税増税にこだわ」ったり「脱成長」とか「身を切る改革」「里山資本主義」だの国民の切実な生活・経済的問題に応えていないのでは、幾ら安保法制に批判的でも野党へ票を投じるのを躊躇するのは無理もないかと思います。

正直、「経済問題を争点にして選挙で自民党に勝つことなどあり得ない」ってのが現状であっても、多くの有権者にとって経済問題や労働問題・福祉や再分配が切実な問題であり尚且つ投票する際の判断材料であるという現実は直視すべきだし、ましてや憲法9条のためなら貧困層の生活なぞどうでもいいと思う様なコメントが湧いて出る始末。こういう現状だからこそ、(諄い様ですが)こう言わなければならないんですよね。


「アベ政治を止めたければ『この経済政策が民主主義を救う』を読め!」

2016.02.22 09:07 URL | 杉山真大 #- [ 編集 ]

自民党も自民党野田派も維新も破綻が明らかになった悪名高い新自由主義政党です。
イデオロギーの違いが全くありません。
いっそ合体した方が良いのではないでしょうか。
日本の政界がこういった悪名高い新自由主義政党で牛耳られているのですから世も終わりです。
野党に求められる政策は、国会議員の定数削減ではなく、国会議員の定数増員。
消費税は廃止して、代わりに富裕税を導入。
悪名高い新自由主義に抗すること。
格差の拡大ではなく格差の縮小。
です。

2016.02.22 20:37 URL | 風てん #- [ 編集 ]

はじめてこちらに書かせて貰うものです。
共産党が参院1人区取り下げで新自由主義政党の民主を応援するそうです。
志位が小沢にたぶらかされ共産の自滅がはじまりました。
恐らく社会党のように消えるか、新自由主義政党化するかのどちらかでしょう。
日本の国会からリベラル左派勢力消滅の日が近い。
世界でサンダース・コービン現象の左翼ブームの中この流れに逆行する方向を共産党は取ったようにしか思えません。
志位さんの勝負勘の無さには別の意味で驚きます。
僕はそのことを思うと絶望し、今病んでいます。

2016.02.23 09:22 URL | はつもの #- [ 編集 ]

これは私も全く同じ感想でして、私も別に野田氏の支持者でもなんでもないのですが、仮にも元総理様が、退任以来ほとんど初めての表舞台に立つというのですから、一世一代の勝負ということで、どんな追及をするのかと思ったら、その主眼が「定数削減」だったという現実にへなへなせざるを得ませんでした。

しかも、自民側に先手を打たれて肩透かしをされてしまった。ただ、この点については野田氏が攻めてくるからこそ、自民党の妥協を引き出した、という見方は出来るでしょう。

しかし、それは間違った目標を競い合っているようなものであって、その意味でも二重三重にげんなりせざるをえない。

野田氏は、というか民主党は、元総理を質問に立たせる前に、もっと政権時代のことを総括する必要があると思った次第です。

2016.02.23 19:51 URL | Dgaichi #mQop/nM. [ 編集 ]

野田佳彦といえば首相時代に自民党の経済政策はハイパーインフレになるとか、ぶっ飛ぶような発言をして、こんなのが財務大臣や首相になれてしまうのかと唖然としたのを覚えてる。
デフレの原因が流動性の罠(無限大の貨幣需要)だという基本認識すらないという驚くべき反知性主義。IS-LMのグラフを使えば数学の知識ゼロでも理解できるレベルの話。

先日の安倍との経済論議でも、実質GDPは民主党時代の方が高かったとか、わざわざボードまで持ち出して高説垂れて、結局安倍の側から名目値(貨幣表示)のGDPを上げなければ税収も増えない(=民主党が大好きな財政健全化もできない)と正論で叩き返されるのを見て、野党3年以上やってて何も学んでないのか、と。2001年の総裁選で消費税増税を間違いと認めて一応反省した橋本龍太郎と比べて、この落差は何なのかと。

しかも今年の参院選で江田五月のような筋の通った古参の社民主義者も引退して、維新と融合して政治的にもさらに右寄りな新党を作って、「安倍の暴走を止める」って、そんなウンコ味のカレーみたいな二者択一に何の意味があるのか。

共産党の決断にも落胆しかない。結局、「反戦平和」と南無阿弥陀仏のように唱えるだけで国内の経済格差や貧困問題を常に後回しにし続けた、エリートの自己満足的なフィール・グッド左翼の極地がこれなのかな、という思いです。

2016.02.23 20:23 URL | スーベニア #- [ 編集 ]

私は「政治家が身を削る」という方針は否定しません。
でも「国会議員だけ」一定数減っても「焼石に水」です。
それよりも地方議員にも影響のある税務活動費の廃止か政治献金の透明性向上などの方が効果がありますし、
(だから難しいのは確かですが)
国会議員の削減は与党のダメージも、ゼロではないですが野党はそれ以上です。
後、野田の「お久しぶりです」と言う質問の入り方、脱力感しかありません。
八百長100%の自民党野田派の健在ぶりをしめしただけ。
これじゃ自民党の議員が問題発言を連発しても、すぐに回復してしまいます。

2016.02.24 20:13 URL | 一般的ウロタ #- [ 編集 ]

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2016.02.24 22:23  | # [ 編集 ]













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