きまぐれな日々

 2016年最初の公開。今年もよろしくお願いします。

 昨年(2015年)は夏から秋、秋から冬へと季節が進むにつれて暗さを増した年だった。戦争法(安保法)に対する反対論は、衆院での強行採決時にピークに達したが、8月の「安倍談話」あたりを境に、参院での採決を待たずして法案反対の気運はしぼんで行った。安倍政権は秋の臨時国会を開かなかったが、国民は安倍内閣の支持率上昇でそれに応えた。つまり秋の臨時国会を開かないという政府・与党の怠慢に、国民はあろうことかスタンディングオベーションで応えたようなものだった。

 結局通常国会が今日(1月4日)に開会されることになった。天皇が臨席する開会式には共産党も出席する。また同党の志位和夫委員長は、昨年末の慰安婦問題に関する日韓合意を「前進と評価」した(『しんぶん赤旗』より)。

 共産党員や共産党支持者はそれで良いと思っているのだろうか。

 昨年には、公明党の執行部が、安保法案を「違憲」と断じた長谷部恭男ら憲法学者に対して、同法案が合憲であるとして「理解を求めた」が、これにも、自らの支持政党が「平和の党」であると思ってきた公明党員や同党支持者には異論はないのだろうかと思った。安保法案反対のデモには一部の創価学会員たちも参加した。しかし、極右の安倍政権にコバンザメのようにくっつく公明党の姿勢は全く変わらなかった。

 2012年末の第2次安倍内閣発足以来、政治をめぐる言論は、この日本においては全体が大きく右傾したとしか言いようがない。特に一枚岩の2つの政党が大きく右傾した。また、「リベラル・左派」も、「右」への妙な物分かりの良さが目立つようになった。市井のブログやTwitterなどにもこの傾向が見られる。

 今年は戦争法(安保法)も施行される。戦争が始まり、自衛官に戦死者でも出た日には、戦争法反対論が盛り上がるどころか、逆に「敵」への報復を求める強硬論が声高に叫ばれ、安倍内閣支持率はますます上昇し、既に解釈改憲されている憲法は明文改憲されるのではないかと危惧される。

 しかし、安倍政権の政策が格別にうまく行っていたり、今後の成功が期待される決め手があったりするわけでもなんでもない。それは、安倍政権の応援団長格ともいえる読売新聞の元旦付社説を見てもわかる。それは特に経済政策で顕著だ。

 読売の社説は、何とかノミクスによる「経済再生は足踏み状態にある」とはっきり認めている。読売は、成長戦略が不十分だから、規制緩和を進めてTPPの活用をせよなどと説くが、自民党の最大の支持基盤である地方の保守層には全く説得力のない議論だろう。

 読売は、「低賃金で身分が安定しない非正規雇用では、将来に不安が残り、賃金が増えても消費を増やす気にならない」、「若年層を中心に非正規から正規雇用への転換を進めねばならない」と書く。これはその通りだと私も思うが、昨年読売新聞も賛成したに違いない改正労働者派遣法は、その正反対の方向性を持つ法律だ。

 さらに読売は、「原子力発電所の再稼働や新増設を着実に進める必要がある」などと書く。中曽根康弘や正力松太郎(元読売新聞社主にして、警視庁時代に起きた1923年の関東大震災の際に朝鮮人大虐殺を煽った極悪人)の時代からの惰性をそのまま続けよという主張だ。

 読売はあげくの果てには「政府は、2020年度に基礎的財政収支を黒字化する目標の実現へ、最近の税収増に気を緩めず、歳出効率化を進めるべきだ」と説く。財政再建至上主義と緊縮財政のすすめを力説するのだ。

 この読売の社説を読むと、敵の主張のあまりのしょぼさに拍子抜けする。敵にも勢いは全く感じられない。

 なぜ敵はこの程度なのに、右傾化の圧力はここまで強く、転向者が後を絶たないのか。国力の衰退と関係あるようには思われるが、打開策は思い浮かばない。誰にも思い浮かばないから今みたいな状態になっているのではないかとも思う。

 はっきり言って、今年の政治に期待するものは何もない。個として安倍晋三とその政権を否認するのはもちろんだが、それ以上のことを書いて自分自身を納得させることは、今はできない。
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ここ最近「ボンダイビーチ」http://gudachan.hatenablog.com/ ってブログをよく見てて時に疑問符や突っ込みを入れたくなるエントリや主張も結構多いんですけど、ただ正直なところ日本がアジアばかりか欧米諸国などとも完全にハブられている・国際的なとこでも中国や東南アジア諸国の後追いになってて対米追従のプードルか近隣諸国と無用の摩擦を起こす厄介な存在(それこそ北朝鮮と似たり寄ったり!)としか看做されず「親米ポチ」でも「自主独立」(そういや"風太"なる御仁がまた湧いて出たそうですが)でも以前の様な影響力すら持てずグローバル化に翻弄されるってフラストレーションが結構あるって気がするんですよね。

「ボンダイビーチ」に限らず例えばネット上でも結構取り上げられたりしているんですけど、例えばポスターなどのデザインは日本のだけが何故か文字が多いデザインセンスがイマイチなものだったりする訳ですし、そうでなくても仕事のやり方とか都市計画・地域政策その他を取っても欧米とアジアの共通点を探し出すのは簡単だけど、日本がアジア諸国で見習われているもの等ってどっちかと言うとオリエンタリズム的なとこがある・ともすれば日本人が考えている様な"親日"とは全く違うって感があるんですよ。例えばTPP、あれを「中国排除の経済同盟」って結構言う人は多いんですけど、(その反TPP論者が引き合いに出すことの多い)FTAでは寧ろ中国・韓国と東南アジア・インド、更には欧米の間で結構締結されていたりされて、日本も幾つかの国と締結されてはいるけど寧ろ蚊帳の外になっているとこが多いんですよね。また学術雑誌の論文の引用・被引用や留学生の出入り一つ取ってみても、アジア諸国と欧米の間で盛んな中で日本だけが寧ろ"内輪"でやっている傾向が強かったりしています。

で、こういう現実を見て一方でグローバル化だとか大騒ぎしては矢鱈ネオリベ的なのを振り回す(実際のTPPには「強制労働の禁止、厳しい環境保護、女性の差別、民族差別の禁止、賄賂の禁止」という合意事項があり、社会政策面や労働条件など欧米ばかりかアジアよりも後れているとこさえあるのに!)のがあって、他方ではこれを奇貨にして日本的で何が悪い!国民の生活が第一だ!日本に馴染まぬ他所者(そればかりか自分たちの仲間ですら無い!と看做す者)こそ邪魔だから差別に甘んじていろ!って(政権側・"政権批判"を問わず)両極端の方向になっているんですよね。それこそ安倍晋三や百田尚樹の言動と(一緒にするなと言うかもしれないけど"政権批判"的ってことで)内田樹や三橋貴明の言動を引き比べてみても、両者の主張は五十歩百歩・それこそ30年前の革新=日本社会党華やかりし頃ならばコップの中の嵐・「保守」の中でのプロレスと看做されて当然だったのに、その30年間のバブル崩壊からの長期低迷とアジア諸国にさえ追い抜かれ国際的な存在感が薄くなった中で"プロレス"が大真面目な議論になっちゃっている滑稽な状況にさえなっていると思ったりしますね。

(他にも言及したいことがありますが、ここで一息)

2016.01.04 19:37 URL | 杉山真大 #- [ 編集 ]


なぜこれほど、国民は考えないのでしょうか。
安保法制、あんなに半数以上がは反対したのに、この世論調査の結果をどう理解すればいいのかわかりません。
「日本会議」のおもい通り、物事は進んでいます。

http://blog.goo.ne.jp/baka-inu/e/4c659c707b23d14a2e8ebc1c8bf952b5

2016.01.05 10:56 URL | BAKA-INU #nzdn0PDk [ 編集 ]

コメントに日本会議が出てきた序でに(爆 そもそも最近になって日本会議の影響力がどうのとか昔の保守はまだ懐深かったかが今の自民党は云々って言説が、保守ばかりか"リベラル"な方々からも出てきて、ここのコメント欄でも結構見受けられるんですよね。

例えば、一昨年暮れの総選挙の頃のエントリ http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1369.html で「自民党はその思想が支持されているわけではない」ってコメントに対し自分が「『自民党の思想が支持されているわけではない』って言いますけど、じゃ『自民党の思想』って何?って言われたら今の安倍政権をイメージは出来ても、正確に応えられることは出来ない・そもそも種々の利害が交錯してて『日本的な保守』ってことでしか説明が出来なかったりする」と疑問を呈したんですよね。そうすると「『安倍政権の思想が支持されているわけではない』と書けばよかったかな」と言いつつ「自民党ってのは思想色は薄い政党で、ガチの極右から社民主義的な議員までが混在している。ところがソリの合いそうもないこれらの議員が、こと選挙になると挙党体制になる」「現実問題として野党が政権を取り戻すことはここ数年ではあり得ないのですから、『自民党を中から変えよう』という手法も仕方ないのかも知れないのですよ」と自民党に取り込まれても政権に協力していくのも手なんじゃないか?って言ってた訳です。

しかしkojitaken様がはてなの方で引用 http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20151230/1451457487 していた『歴史を繰り返すな』 http://amzn.to/1OLT7yq の中で坂野潤治氏が述べていた様に 安倍首相は一〇や二〇の色を持っているじゃない? 親米的かと思えば愛国主義的で、国粋主義の連中が日米同盟やるっていうわけだから、もう何がなんだかわからない状況って言うのが現実で、戦前の所謂"革新運動"が結果的に戦時体制に組み込まれたりしたのと同じになっちゃうんですよね、「『自民党を中から変えよう』という手法も仕方ない」ってやり方では。と言うのか「一〇や二〇の色を持っている(そして『こと選挙になると挙党体制になる』)」自民党ないし日本的「保守」の体質って30年以上も前の中曽根政権の頃も今もあまり変わっていないんですよね。そもそもの日本会議が数年前に出来た訳じゃない・前身組織まで含めると30数年もの歴史を有しているとこですし、日本会議以前にも保守的な宗教家や言論人・経済人さらには「草の根」の地域ボスまで組織化していたとこって枚挙に暇が無いと言っても過言ではありませんから。そして、その頃メディアを賑わせていた"タカ派言論人"が今なおメディアを賑わせている上に、更に新人が登場していたりしているのですし。

何と言うのか「保守」ってのを余りに買い被っているというのか、あれだけ対抗勢力に脅かされることが一時期有りながらも(その対抗勢力の方が逆に衰退し)結果的にメインストリームに居続けているって意味を考えるべきではないか?って思うんですよね。極右と保守・復古・反動は別モンだって言ってる場合じゃないんですよ。何故なら「保守」はある面で復古や反動の顔を持ちながら別の面ではネオリベの顔を持ち更には開発独裁的な社会主義的な面も見せる強かさというか複雑怪奇さがあるのですから。それを一々懐かしんだり場面場面で賛同したりして「懐深い」だの「誰が言っているかじゃなくて何を言っているかで評価すべき」だなんてやっていれば、それこそ「保守」という体制に好い玩具にされても致し方なしではないかと。

2016.01.06 17:56 URL | 杉山真大 #- [ 編集 ]

個別に政治家を批判しているkojitakenは、一体誰がいい政治家なのか具体的に上げろよ。

2016.01.10 14:14 URL | 陣 #- [ 編集 ]













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