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きまぐれな日々

 この日記でも『kojitakenの日記』でも、大阪都構想の住民投票は意識して取り上げないようにしてきた。昨年の衆院選で、投票日目前に橋下徹が「敗戦宣言」をしたのを取り上げてはしゃいでいたら、いざ蓋を開けてみたら維新の党がほぼ現状維持の結果で、ぬか喜びに終わってしまったからである。思えば2011年の統一地方選の頃から、維新が前評判を覆して勝つ結果が繰り返された。泣き落としなどの橋下の土壇場のパフォーマンスは、その度に功を奏してきたのだった。だから今回は黙殺に徹すると最初から決めていた。

 案の定、今回の住民投票でも、マスメディアの予想では反対が賛成を大きく上回っていたものの、昨日(5/17)のNHKなどの出口調査では賛成が反対をわずかに上回っていた。しかし、期日前投票では反対が賛成を上回っていたとされるため、大接戦となった。

 『kojitakenの日記』にも書いた通り、私は開票速報の生中継を見ていなかった。NHKをご覧になっていた読者の方のコメントを参照すると、広島と読売が激しく優勝を争った1986年のプロ野球セントラル・リーグを思わせる大接戦だったようだ。開票速報も途中まで賛成が反対を先行し、反対がやや差を詰めたかと思わせたところで飛び出したNHK・武田アナウンサーが反対多数になることが確実になったと告げたアナウンスは、さながら130試合中の129試合目にヤクルトのブロハードが読売の槙原から放った逆転2ランを思わせたとのこと。

 ブロハードの2ランはその年の読売の息の根を止めたが、昨日の住民投票の結果も橋下と維新の息の根を止めた。橋下は今年12月までの大阪市長の任期満了をもって政界を引退することを表明した。それを受けて、維新の党共同代表の江田憲司が代表辞任を表明した。さらには安倍晋三と菅義偉の改憲構想にも大きな打撃を与えたと論評されている。

 これほどの良いニュースは近年記憶にない。中でも、自民党大阪府連が橋下及び維新と戦っているのに水を差すような安倍晋三と菅義偉の妄動には怒りはおさまらなかった。そもそも大阪都構想と改憲に何の関係があるのか、さっぱり理解できない。だから、奴らの野望を挫いた今回の住民投票の結果には快哉を叫んだ。

 維新の党は野党第2党だが、その実体は橋下の個人商店である。2012年と2014年の衆院選では、質の低い政治家を大量に国政に送り出した。百害あって一利なしの政党だった。2012年の当選者の中には、橋下よりも石原慎太郎に近い連中がかなりいて、彼らは維新の分裂の際に「次世代の党」に参加した。山田宏と中田宏といった、かつて日本送信塔(東京スカイツリーか?)ならぬ日本創新党を立ち上げて2010年の参院選を戦ったものの議席ゼロに終わった連中や、どうしようもない下品な極右女・杉田水脈(みお)らである。しかし、彼らはしょせん橋下の看板なしでは当選などとても覚束ない程度の小物であって、めでたく全員落選した。

 今回は、維新の党に残った連中も橋下の看板を失うことになる。民主党から合流した連中は民主党に戻りたがるだろうし、大阪の連中は自民党に行きたがるのかも知れないが、後者は難しいだろう。維新の党は今後消滅への道をたどることは間違いない。

 もちろん橋下のことだから政界引退宣言自体を真に受けることすらできないが、それでも橋下がこれほどの大きな賭けに打って出て負けたことは、少なくとも橋下が大阪府知事選に挑んだ2008年以降には一度もなかった。その結果がやっと出たことは、とりあえずは肯定的に受け止めておいて良いのではないかと思う。
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江田の辞任でリベラル側からの野党再編が鈍るでしょうし、良いことばかりではなさそうですね。
維新は解党かそれに近い結末を辿るでしょうけど、民主党に支持が戻ってない事を考えると、ますます自民一強に拍車がかかりそうで暗澹としてきます。

2015.05.18 08:35 URL | #- [ 編集 ]

初めてコメントさせていただきます。今年に入ってから、欠かさずこちらと「kojitakenの日記」の両方を読ませていただいております(と言いますかそれまで政治にほとんど興味がなかった全くの政治音痴です)。
kojitakenさんのブログは視野の広さと洞察力の鋭さが他のブログにない魅力です。毎回心待ちにして読ませていただいておりますが、最近、「気が滅入って書く気力がわかない。」とよく書かれていて、心配しておりました(そのお気持ち、よくわかります)。

今回の結果は本当に僅差でしたが、私も素直にこの結果を喜びたいです。反対派の方たちの「反対の意思表明をするために、必ず反対の投票をしてください。」という粘り強い呼びかけの効果も大きかったのではと思います。
昨日(17日)は沖縄で決起集会が開かれ、ネットで情報を集める限りは大変な盛り上がりだったようです。沖縄の方たちの闘志にはいつも励まされます。
昨日が、政治の流れを変える転換点になって欲しいと思います。

2015.05.18 09:04 URL | からしだね #- [ 編集 ]

都構想(大阪市解体抗争)が頓挫したことは本当に喜ばしいですし、この喜びに水を差したくはないのですが……、ですがやはり喜んでばかりもいられないのは、都構想否決に至ったのは、あの国家社会主義者である藤井聡教授の貢献が大きかったとリベラル・左派ですら認めていることですね……。

もちろん、藤井教授が果たした役割が大きかったのは事実であり、それは素直に認めますが、問題はこの件で藤井教授の名が「反新自由主義の旗手」として売れてしまったことと、リベラル・左派の発信力の弱さを改めて印象づけてしまったことですね……。
本来であればリベラル・左派の学者の中から藤井並みに精力的に反対活動をする人物が現れるべきだったのに、そのポジションを彼にかっさらわれてしまったのがどうにも無念でなりません。
赤旗にまで藤井の記事がデカデカと載る始末で、橋下が消えたのは良いとしても、さらに厄介な極右(経済面は置いといて)の躍進を招くのではないかと少々怖いです。

2015.05.18 09:41 URL | カラムラ #- [ 編集 ]

自分としてはネット状で付き合ったりしてる相手に都構想反対派が多かったせいもあって、都構想への批判や反対の声は大きかった様に見えたんですけど、その割に肝心の大阪市民の「声」が今一つ見えてこなくて余りに不気味な"沈黙"から僅差でも大阪都構想が通ってしまうのでは?とさえ予想していたんですよね。まぁ、反対多数で潰れたのはまぁ安堵して好いんでしょうけど・・・・・

ただ、この辺りの問題って実を言うと辺野古への基地建設を始めとした沖縄に関する問題とある意味では二重写しになって見えると自分は考えているんです(投票日当日にはオスプレイ配備反対の県民集会が開かれてましたが)。投票日数日前に発売された『週刊金曜日』 http://amzn.to/1Aftq2v で芥川賞作家の目取真俊氏が登場していて本土の人間は行って取材して帰って取り上げているけど、我々はここに現に住んでいて問題に直面しているんだと"リベラル"をも含めたマスコミやジャーナリスト・更には"活動家"まで含めて当事者性の欠如を批判した一文に思わず目が入ったんですよね。今回の大阪都構想をめぐる住民投票でも、どうもその様な感があって大阪以外の意識高い人にとっての実験場じゃない・・・・・賛成派には大阪以外からの上から目線での物言いやどこか大阪をバカにしているような空気を感じた http://twitter.com/sland81/status/599904038239404032 って言う呟きを見たけど、自分から見ると反対派の側にもその様な大阪以外からの上から目線での物言いやどこか大阪をバカにしているような空気があったんじゃないのか?って気もしますし、それ以前の八重山町での(自衛隊配備をめぐる)住民投票 http://togetter.com/li/786801 でも辺野古などの沖縄の基地問題や脱原発でも、外野が当事者性も無しに"ぼくのかんがえたさいきょうの××"の類のことを言ったりその延長線上の行動をしたり、立場や賛否も関係なく当事者性の欠如ってのを改めて考えさせられましたね。

で、立場ってんで思い出したんだけど今回の投票をめぐる問題の二点目として右も左も無い「反維新・反大阪都構想」ってのも挙げられるべきかと思います。確かに辻元清美も共産党も社民党や"リベラル"な市民運動系の方々も都構想反対だった訳ですけど、自民・公明の地元組織ばかりか幸福実現党も都構想反対だった訳で、自民・共産・民主が「オール沖縄」ばりの「オール反都構想」で呉越同舟的なことやってた訳でしょう。一方で小沢一郎は都構想に理解を示していたり http://d.hatena.ne.jp/vanacoral/20150508 マンガ規制反対の活動家から維新の党の区議となった方が大阪へわざわざ出張して都構想の宣伝をしていたり・・・・・こうした右も左も無い格好でお祭り騒ぎ(そう言えば反対派の街頭パフォで地元の方が「煩いぞ!」と野次ってたのをTBSのニュースで視ました)したことが[太字][色:0000FF]1/3の棄権に繋がったって気もするんですよね。ましてや反都構想論者には三橋貴明に内田樹ばかりか政府参与だったりする藤井聡までいるのですから、都構想という"お祭り騒ぎ"で政府批判派も取り込まれたり乗せられたって気もしちゃうんですよね。三橋は産業政策論者で嫌中韓・内田は「保守反動」だったりするんだし、政権批判派というだけで彼らと"連帯"下人々までついて行ってしまうのかねぇと思うと・・・・・

2015.05.18 19:31 URL | 杉山真大 #- [ 編集 ]

維新の党に就いてなんですけど、どうやた江田代表を何とか慰留させておきたいって方向転換したそうです。とは言え、数日前にmixiでとある表現規制反対派だった方で今では社会民主主義・民主社会主義の学習会の事務方をやられている方とリベラルと進歩ってことで話題になったんですよね。

kojitaken様が以前にはてなの方で取り上げた http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20141130/1417355751 坂野潤治編「『自由』と『平等』の昭和史」 http://t.co/Zxr54j7KZ7 に載っていた田村裕美が取り上げた斎藤隆夫と永井柳太郎の相違がまさにリベラルと進歩の相違だったりする訳でして、自由権を保障しハト派外交に徹しながらも社会政策に概して否定的だった斎藤隆夫はリベラル・社会政策や国家による市場経済への介入を強く主張しながら親軍的だった永井柳太郎は進歩と形容できちゃうんですよ。で、維新の党は表現規制には否定的でも社会政策には概して冷淡なとこからしてリベラルではあれど進歩ではないのでは?と指摘したところ、その方は(少なくとも東京の維新の党)に関しては川田龍平が都連会長だったり保坂展人とも巧くやっていたり更には「みどりの風」や「生活の党」関係の方が合流したり或る意味ではソシリベ(notネオリベ)的側面も少なからずあるのでは?と応えていたんですよね。

とは言えその方も、保坂は「リベラル」であっても「進歩」ではないのかも知れないという説を紹介してたり、何より維新の最大派閥は大阪系と並んで小沢派だという話もあるくらいですからというのは、kojitaken様の今迄の批判や指摘とも重なって思わず肯いてしまったのですがw

2015.05.18 19:51 URL | 杉山真大 #- [ 編集 ]

否決されて本当に良かった。
とりあえずはホッと一息というところ。

ところで、大阪市を廃止して特別区に再編するという例の協定書、細部が詰められておらず中身が滅茶苦茶で議論に値しない代物だということを、大阪以外の人は一体どれくらい知っていたのだろうか。
維新が他会派を排除して無理やり急いで作りあげたので、トンデモな内容だ。
そりゃ右も左も関係なく反対するって。
移行後の特別区は行政体としてまともに機能するかどうかすらわからないのだから。
本来は特別区毎に分けるべき非常に多岐に渡る業務を、ことごとく一部事務組合でやる(メガ一部事務組合と揶揄されていた)とか、ありえない話だ。
そんなことをしたら、大阪市を分割する意味がない。
移行費用の見積りも甘い。
財政上の効果も非常に乏しいことについて、最終的には市長や知事自身も認めざるをえなくなっていた。
沖縄の事例とは全く違っていて、もっと低次元でダメダメだったんだが、「大阪都構想」なんてのは。
こんなのが通ってしまったら、特別区移行と同時に大阪市域が即死した可能性がある。
それなのに反対派の行動を「お祭り騒ぎ」とは、とんだ言い草だな。

2015.05.19 03:12 URL | 元大阪府民からの伝言 #- [ 編集 ]

>元大阪府民~氏
で、現在お住まいは何処なんでしょうか?

何と言うのか「移行後の特別区は行政体としてまともに機能するかどうかすらわからない」「本来は特別区毎に分けるべき非常に多岐に渡る業務を、ことごとく一部事務組合でやる」「移行費用の見積りも甘い。財政上の効果も非常に乏しいことについて、最終的には市長や知事自身も認めざるをえなくなっていた」など都構想の問題点は、その気になって調べれば解り得たとは思いますよ。しかし、そういうことを調べてた人たちって(大阪市民や府民にも少なからずいましたけど)大阪以外の人が結構目立っていた気がするんですよ。都構想反対の言動で目立っていた人々の顔ぶれを見てると判るでしょう。内田樹・三橋貴明・藤井聡・高寄昇三・保坂展人・・・・・みな大阪市外の在住者ですよ。

岡目八目と言う言葉があって「中身が滅茶苦茶で議論に値しない代物だということ」を大阪以外の人は寧ろ外部にいたが故に問題点を知り得たってのは往々にあることですし、それが反対意見に繋がったとも言えます。しかし当事者の大阪市民にとってみれば、大阪以外からの上から目線での物言いやどこか大阪をバカにしているような空気しか感じることが出来ず(無論、都構想推進派に対しても同様の見方をしていたでしょう)、それが全有権者の1/3を棄権に走らせたって結果になったんですよ。

丁度昨晩Togetterでこんなまとめ http://togetter.com/li/823349 を作ったり、その他色々な方々のTLを参照したんですけど、大阪都構想の賛否をめぐる言動や行動からは一種の選民意識的なのがあったのでは?って思わざるを得ないんですよね。そして反対側や棄権者に対して「無責任」「情報弱者」などと罵詈雑言を吐き選挙権を取り上げろとか言う始末。"上から目線"以上の選民意識以外の何だというのですか。上記まとめで寮美千子氏が「判断が困難になるような『情報弱者』がいるとしたら、その人々にもくまなく届くような方法を、みんなでいっしょうけんめい考えるのが、民主主義というものではないか」「棄権した人の理由がもし「わからないから」であれば、本来『反対』に投票すべきだった。というのも、議論を尽くさず、理解できない人を置き去りにしたまま、何か決めようとすること自体が、間違いだからだ」「民主主義とは、多数決で白黒決めて突っ走ることではない」と呟いてましたけど、ここまで深く同意できる呟きはそうそうありませんでしたね。寧ろ「反対派の行動を『お祭り騒ぎ』とは、とんだ言い草だな」って貴方の物言いの方こそ、却って当事者からは"上から目線"に聞こえるし民主主義を理解出来ていない様にも思えてしまうんですけどね。テレビで反対派のパフォーマンスが流れていた際に、「やめろー!」って野次が飛んでいた意味を考えてみるのも好いのではないかと。

2015.05.19 09:49 URL | 杉山真大 #- [ 編集 ]

初めまして。以前から拝見しております。
都構想反対多数大変嬉しいです。橋下は大阪で人気がありましたし、演説が上手ですから同情を誘って若年層を中心に票を稼いで賛成多数になるのではないかと思ってましたので、最後までヒヤヒヤしました。

橋下の引退は大変嬉しいですが、大阪や国政を目茶苦茶にしたにも関わらずネットを見ると引退を惜しむ声が多いです。
人々は既得権益に挑む若者の改革者とでも思ってるのかもしれません。
橋下は引退したらまたタレント弁護士になってテレビに登場するかもしれません。
そこで極右新自由主義者として活躍してルサンチマンを刺激して巧みに扇動する橋下に感化される人が出てくるのではと危惧します。
第二の橋下を生む土壌が今の日本にはあると思いますから安心はできません。

2015.05.19 11:40 URL | 硬水 #PyVvw7/w [ 編集 ]

>杉山真大さん

私は大阪市外の大阪府出身者で、「都構想」についても主にその立場から見ています。
今回の事は大阪市民だけが関わる問題ではなく、少なくとも大阪府全域が影響を受けるものであるということ。
まずはここをご理解いただきたいのですが。
大阪市を特別区化するということは即ち、大阪府が大阪市域を直轄するということ。
当然ながら今後の大阪府の財政や施政方針にも関わってくることです。
しかも大阪市の隣接市の場合、市域を分割しないのであれば市議会の議決だけで住民投票なしで特別区化が可能というとんだ「おまけ」までついているわけでして。
さらに隣接市が特別区化されると、そのまた隣接市も同じ条件になるといういわば「ドミノ倒し状態」。
法案自体がそういうものです。

私は今は神奈川県民ですが、親族や知人に現役の大阪府民もいるのでただごとではありません。
自分の出身自治体が特別区に組み込まれるのも嫌ですし。
例え大阪市民の民意が賛成であったとしても、私自身は容認するつもりはありません。
そもそも大阪市民だけで決めていい問題ではないということ。
そういう意味で、特別区設置の法律自体が穴だらけでもあるのですが。
府下の大阪市以外の自治体に関する話は、反対派がネットでもリアルでも拡散しています。
対して、在阪メディアは今一つそこを突っ込んで報道しきれていないように感じます。

私は別に上から目線でものを言っているわけではなく、今も大阪と無縁ではない当事者のひとりとして意見を述べているわけです。
大阪市外の例をあげれば、現在維新系が市長にいるうえ、統一地方選と時期がずれていて今回市長選挙がなかった守口市や松原市(いずれも大阪市の隣接市)の人々にとっては、この住民投票の結果次第で自治体の運命が左右されるということになりかねなかったのですから(しかも前回選挙時には、隣接市の扱いについて維新はまだ態度を曖昧にしていたので民意は充分に問われてさえいない)。
やめろだなんだのと野次を飛ばされようが、大阪市民ではなくとも府下他市町村住民や出身者にとっては他人事ではありません。
口を挟んで何が悪いのでしょうか。

2015.05.19 14:44 URL | 元大阪府民からの伝言 #- [ 編集 ]

>元大阪府民~氏
成程、背景は解りました。

でも、その手の論法って実のところ推進派の言い分と意外に似ているって気がするんですよね。推進派でもネットでもリアルでも拡散してますし、推進側の高橋洋一・堀江貴文・宇野常寛・城繁幸にしても大阪市外在住者ですよ。「府下他市町村住民や出身者にとっては他人事ではありません。口を挟んで何が悪いのでしょうか」なんて言うのも、推進派の口から出ても何の不思議も無いと思います。

自分が割り切れないというのか後味の悪さを感じたのはそこなんですよ。推進派も反対派も自分たちは「リアルで活動している・当事者だ」[/色]逆の立場にあるのは「(他所の)意識高い人にとっての実験場じゃない」って同じことをやっている訳ですから。ましてや大阪市民だけで決めていい問題ではないってなっちゃうと、当事者を脇に追いやる格好で声の大きさ勝負になってしまって、当事者が抱いている切実な問題は何処へ?ってことになっちゃうんですよね。それこそ自分が挙げたTogetterのまとめ http://togetter.com/li/823349 で寮美千子氏が指摘している「議論を尽くさないまま多数決をする」ことの恐ろしさであって、互いが互いを罵倒する宣伝合戦になってしまった→当事者の少なからざる部分が「やめろー!」と嫌気がさして棄権に走るって結果になったんだと自分は思うんですよね。

そもそも件のまとめを読むと解るけど、少し前の統一自治体選や昨年暮れの衆院選で維新の党が勝ったのを見て「テレビしか見てない情報過疎の(投票率が高かった)老人たちは、まともな判断ができないから、選挙権を奪うべき」ってことが最初に言及されているんですよ。しかしながら今回の都構想の住民投票で都構想反対だったのは、60代以上の老人だった http://mainichi.jp/select/news/20150518k0000m040103000c.html 訳です。国政や地方選では橋下与党の維新の党に票を投じながらも、[色:0000FF]都構想には反対票を投じる
。こういう複雑さや捻じれを無視して、仮想敵を設定しては一方的にレッテル貼りをする。小泉劇場でもそうでしたし民主党への政権交代や脱原発でも起きたことです。そして何度も踏み続けた轍を今回も踏む結果となってしまった、それが自分には後味の悪さや割り切れなさを感じることなんですよ。そして、こういうことがこれからも繰り返される可能性は決して低くはないと危惧します。

2015.05.19 21:50 URL | 杉山真大 #- [ 編集 ]

百害あって一利なしの大阪都構想否決は、数少ない明るいニュースです。
極右ならず者の橋下は引退。
極右ならず者集団の維新は消滅となってくれれば嬉しいのですが、油断は禁物です。
引退表明などさまざまな屁理屈をつけていつでも撤回できます。
橋下が自公の総合区検討支持のニュースも飛び込んできています。
松野が維新の新党首に、復活策動の企みを開始。
自由民主党野田派が維新にすり寄る姿勢を見せ始めました。
また、かりに極右ならず者の橋下引退万歳!
極右ならず者集団の維新消滅万歳!
しかし、第二、第三の橋下誕生。
第二、第三の維新誕生といったことにならなければ良いのですが。


2015.05.19 23:01 URL | 風てん #- [ 編集 ]

横からで恐縮ですが、「お祭り騒ぎ」を仕掛けたのは、例によって例のごとく橋下維新だったのですが。
ちょっとしたパフォーマンスくらいで、それで反対派が「お祭り騒ぎ」に興じてたとは思えないのですが。

また藤井聡らが気に食わないとしても、
・藤井のみならず多くの学者が反対の意思表示した。
・そもそも藤井らが今後大阪市・府の住民自治のあり方や行政に対してどんな悪影響を及ぼすのか、さっぱりわからない。
と思ってるのですがね。

それと寮美千子氏のおっしゃっていること、すなわち「熟議」が必要だということと、議論の前提となる「情報公開」のあり方について、この7年間多くの人が橋下のやり方について異議を唱えてきましたよ。
その当たり前のことがおろそかになっていると批判しつつ、その上で多くのイシューについて反対運動も起きていたのですが。
中には瓦礫拡散反対運動で、(橋下を対話集会で論理的に追いつめたせいかどうか知りませんが)不当逮捕まで食らった人もいましたよね。

今回だって在阪メディアがオール橋下応援団、吉本の芸人まで応援に回っている中、ビラ配り、各種集会その他やっている人は数多くいましたし、さらには大阪市の自治会組織である地域振興会まで反対に回っていたわけですが、彼らは「お祭り騒ぎ」に興じてたのですか?
そうじゃないでしょ。橋下はありとあらゆる手段で反対論封じ込めようとしてたわけですし。
地振に対してどこかの誰かさん同様、補助金の停止まで検討していたじゃないですか。

それと、かろうじて反対派が勝ったわけですが、(私の知人友人もそうですが)反対運動やってた人の中で、勝利の余韻に浸っている人なんかいないように思いますけどね。
むしろ、「熟議」をすっ飛ばし、府政・市政がデタラメで財政悪化させてきた事実もスルーで、橋下方式にこれほどの賛成が集まったことを深刻な事態と受け止めている人が多いように思いますが、違うんですかね?
橋下の「さわやか会見」とはうらはらに自民大阪市議団幹事長の「苦渋の会見」が印象的でした。

2015.05.20 00:14 URL | white noise #DGytXcAs [ 編集 ]

さてこっちが本題。
維新の行方により、安倍の壊憲への打撃ってやつですがそれは甘いと言わざるを得ません。
http://mainichi.jp/select/news/20150519k0000m010113000c.html
大阪都構想:住民投票、改憲国民投票の「予行演習」

これこそ大阪市民・府民の皆様に失礼な話だと思いますが、どうせそんなこったろうと思ってましたよ。
これでデータも取れ、政権と自民党は今回維新が使った金なんぞかすむくらいのPR資金をどんどんつぎ込んでくるでしょうね。
さらに維新所属の国会議員の帰属先がどうなろうと、「国家緊急事態条項」に反対している国政政党は社共のみですので、まぁ大勢にはほとんど影響はない。

また日本会議を中核とする草の根保守団体は「壊憲賛成1千万筆署名活動」始めましたね。
地方議会押さえているとこ多いので、それも憂鬱ですよ。

対して護憲派はどうか。
「戦争反対」「九条守れ」ってスローガン本当に有効ですかね?
kojitakenさんは日記で想田和弘や山崎雅弘を九条軽視していると批判されていましたが、私はそうは思えないんですよね。
https://twitter.com/KazuhiroSoda/status/597605299558551552
それこそ想田が言うように
“つーか、全権委任法に匹敵する緊急事態条項を通してしまったら、9条なんか死守しても何の意味もないよね、マジで。”
って当たってるんじゃないですか?

http://www.jcp.or.jp/akahata/web_keyword/key001/
5・3憲法守ろう集会以降の赤旗web「憲法関連」記事一覧。どこにも緊急事態のキの字もない。
http://bit.ly/1AaIn63
こちらは社民党「「戦争法案」の閣議決定に抗議する(声明)」(5.14)
5月3日の憲法記念日にあたって(声明)もそうでしたが、こちらも緊急事態条項に触れてはいない。

そりゃね、確かに世論調査すれば「戦争反対」って声のほうが今は多数ですし、安保法制がらみで自衛隊の海外派遣反対論も強いです。
ですが、反対の人みんな投票行ってくれますかね?
何らかの重大な事態が起きて政権が倒れない限り、来年の参院選後の国民投票発議はまず行われるでしょう。
それこそ「お試し」ってやつでね。

賛否はともかくも、直接「生活」にかかわる住民投票で約67%の投票率。
果たして「戦争反対」「九条守れ」でみんな投票するのかどうなのか?私は非常に疑問に思っているのですが。
だって湯川・後藤両氏の人質事件で、結果的に政権の対応を「評価」したのが世論でしたよ。
仮にですが自衛隊員が海外の派遣先で不幸なことになっても「俺には関係ねぇ」とか言うやつゴロゴロいそうなんですけどね。

だから、日米新ガイドライン~安保法制~緊急事態条項、特に後方支援なるもので、いったい何が起こり得るのか?具体的に「生活」にどんな影響を及ぼすのか?これ指摘して反撃していかないと、やられてしまうんじゃないか、と深刻に考えている次第です。

2015.05.20 00:15 URL | white noise #DGytXcAs [ 編集 ]

大阪での事前世論調査では実は反対派が大きくリードしていたのですね。それが案外接戦になったというのが実態です。
なぜそうなったのか? 賛成派のほうが積極的に投票に行ったからです。LITERAによると(産経の世論調査)、賛成が多いとされる20代の事前調査では男性賛成33.4%、反対46.4%、一方女性は賛成17.1%、反対60.0%です。世代間対立に持ち込みたがるアホウどもはこの数字を知っているのか?
また若年層の賛成票が反対票を上回っていたのは主に男性で、女性はどの年代層でもほとんど差がありません。

もちろん選挙は投票に行かなければ何も結果には反映されませんが、意識調査となれば若年層も圧倒的に反対が多かったのです(投票に行かなかった本来の多数反対派の若者はほっとしているだろうが、同時に少し反省すべきである)。

そして今回の住民投票、橋下のタレント人気というのは確かにあるでしょうが、宇野常寛の言う「選挙とは情弱高齢者をいかに騙すかで決まるゲームになってしまってる」との発言がいかにマヌケなのか、それは投票分布を見れば分かります。
比較的裕福な市北部は賛成多数、やや貧しい市南部は反対多数で、どちらに与すれば社会保障の上下に寄与するか、それを市民はよく知って投票しているのです。宇野のほうがデータを読み解く力もない完全な情弱です。

橋下は自己責任理論が不健全に肥大化した時代に生まれたネオリベのあだ花です。そしてこうした「自称改革派」は今後も出てくるでしょう。
小泉改革から始まって、みんなの党や事業仕分けなどのように、こうした緊縮財政政策はなぜか「改革派」として持てはやされる傾向があるからです。そして数年を経ると憑きものが落ちたように熱が冷める。いつまで日本はこのバカげた改革ゴッコに浮かれるつもりなのでしょうか。

なお改憲投票に関しては、私は反対派のほうが危機感を持って投票に行くので、反対派の票が伸びると思っています。しかし自民党が考えている条文のうち、緊急事態条項や環境権、財政健全条項などは国民の反発を受けにくい条目なので、反対派が伸びたとしても賛成派が上回る可能性は小さくないと思います。

2015.05.20 23:40 URL | 飛び入りの凡人 #mQop/nM. [ 編集 ]

>white nose氏
>>「お祭り騒ぎ」を仕掛けたのは、例によって例のごとく橋下維新だったのですが。ちょっとしたパフォーマンスくらいで、それで反対派が「お祭り騒ぎ」に興じてたとは思えないのですが。

えぇ、「お祭り騒ぎ」を仕掛けていたのが橋下の方であることは否定しません。
しかし、それと同様のことをやったり同様の「お祭り騒ぎ」をやっていたのは、反対派でも目立っていたと自分は思いますよ。例えば都構想反対派の内田樹はこう言っています。

「有権者がほんとうに望んでいるのは、実は『変化』ではありません。『いま、日本で何が起きているのか』についての、すとんと納得のゆく説明と、この危機的状況から脱出するために国民的な統合をなしとげる指南力のある『国家ヴィジョン』です。」(『週刊金曜日』2011年12月9日号から)

何と言うのか、橋下ばかりか今の安倍政権・更には欧州で勃興している様な「ソフトな極右」と殆ど同じことを言っているんですよ、橋下批判の筈なのに。そして少なからず反都構想派ばかりか"リベラル"や政権批判派まで、それに乗せられちゃってる。自分では批判している・彼らとは違うことをやっているつもりでも、実はやっていることが同じだから問題が根深いのです。

というのか、こうした傾向ってここ20年の政治で繰り返し行われたことだって自覚すべきなんじゃないでしょうか?「『いま、日本で何が起きているのか』についての、すとんと納得」出来るくらい構図を簡単にし(無論、その過程で重要な点が抜け落ちていることも多かったりする)、「この危機的状況から脱出するために国民的な統合を」と煽動・「指南力のある『国家ヴィジョン』」を提示しては仮想敵を見い出し生贄の如く攻撃する・・・・・1993年の"政治改革"に始まり、"小泉劇場"・小沢や鳩山の民主党"政権交代"ムード・脱原発、幾度となく繰り返されたことです。そして今回の都構想でも同じ図式が、しかも推進・反対双方がその轍を踏んでしまったということが自分には後味の悪さとして残ってしまっているのですよ。

もっとも、実際には「すとんと納得のゆく説明」ばかりか今後大阪市・府の住民自治のあり方や行政に対してどんな影響を及ぼすのか、推進派にしろ反対派にしろ殆ど理解し得なかったとこもあったでしょう。それを「熟議」や「情報提供」によって何とか多くの人間に問題を理解出来る様にするなら好かった、しかし現実には(議論の前提となる「情報公開」が不十分だったこともあって)賛否双方とも声の大きさの空中戦と化していて、結果的には「議論を尽くさないまま多数決をする」ことになったと自分には思えるんですよね。推進・反対双方の立場に在った学者にしても「議論を尽くす」ことより自らの正当性を主張するのが先で、「熟議」というのには程遠いものだったとしか思えません。

>>今回だって在阪メディアがオール橋下応援団、吉本の芸人まで応援に回っている中、ビラ配り、各種集会その他やっている人は数多くいましたし、さらには大阪市の自治会組織である地域振興会まで反対に回っていたわけですが、彼らは「お祭り騒ぎ」に興じてたのですか?
>>そうじゃないでしょ。橋下はありとあらゆる手段で反対論封じ込めようとしてたわけですし。
>>地振に対してどこかの誰かさん同様、補助金の停止まで検討していたじゃないですか。

その延長線上に寮美千子氏が批判した「ネットも見られない、テレビしか見てない情報過疎の老人たちは、まともな判断ができないから、選挙権を奪うべき」って発言があるんですよ。つまり、在阪メディアは橋下応援団だ・ネット情報にも触れたりしない→だからビラや集会で知らせてやるんだって選民意識・"上から目線"が無意識的に働いていたって感があるんですよ。

以前に"佐賀の橋下徹"・樋渡某が敗れた佐賀県知事選 http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1374.html と何処か似ている気がするんですよね。佐賀の場合は農協だった訳ですけど、地域振興会の問題に関してもある意味似た様な状況があったと思うんです。"リベラル"の少なからざる部分が"共助"とか"新しい公共"とかで自治会や町内会がクローズアップされてたりしますけど、その運営が果たして民主的で一部の地域ボス的なのに左右される様なことになってないか?とかそういう疑問や批判は以前から指摘されていたんですよね。最近でも紙屋高雪氏が『町内会は義務ですか?』 http://amzn.to/1K3kQ74 という本を上梓しましたけど、こういう問題も現に存在するってことは理解して欲しいのです。

2015.05.21 10:22 URL | 杉山真大 #- [ 編集 ]

しかし、集会やビラ配りまでも「上から目線」と言われてしまったら、反対派はもう何もなすすべがなかったんだが。
公正な報道をすべきマスコミ自体がことごとく維新に味方している状況ではね。
大阪府や大阪市の財政状況(府は橋下のおかげで大赤字、起債許可団体に転落。市は橋下以前の関・平松市政で赤字をかなり減らした)すら、テレビや新聞はまともに伝えていないし(少なくとも大阪府在住者に広く知られているところまではいっていない)。
ところで、対立する者たちの言動に対して何かと「インテリがー」とか「上から目線でー」とかいい続けてたのは大阪維新の連中だったんだよ。
それに乗っかって反対派を批判すること自体、奴らの策略にまんまと乗せられてるということ。
あと、内田樹ってはっきりいって反対派の戦力になってないし、私がよくみているネット界隈では最近はあまり名前すら出てこないんだけど。
一体どのような人々を「大阪市廃止反対派」だと定義しているんだろうか。

さらに追加。
もっと議論をとか言うけど、マスコミの維新アゲアゲのせいでもうフリートーク形式のテレビ討論はまともに成り立たなくなっていたんだけど。
マスコミ関係以外が企画した討論会は維新サイドが難癖をつけて拒否したし。
さらにいうと、もし討論会に住民を交えた場合、仕切りに失敗すると流血騒ぎにすらなりかねなかったと私は思う。
はっきりいって維新サイドが金にものを言わせて煽り捲って、反対派の憎悪を掻き立ててしまってたからね。
反対派はそこまでする資金力がなかった。
これだけのハンデを背負って、負けなかったのは奇跡のようなもんだ。

2015.05.21 20:05 URL | 元大阪府民からの伝言 #- [ 編集 ]

>元大阪府民~氏
その内田氏が朝日新聞でこんなこと http://www.asahi.com/articles/ASH5H3RZ3H5HPTFC003.html 言ってるんだけど、まぁリアルで全部読めるまで断定は避けるので今はノーコメントってことでw

で、「集会やビラ配りまでも『上から目線』」って誰が言っていたんでしたっけ?寧ろ「公正な報道をすべきマスコミ自体がことごとく維新に味方している状況」ってことから世代間(或いは地域間や社会集団など)の断絶・分断に持ち込んで生贄にするのが問題だと言っているのであって、反対派も往々にしてそういう悪癖に陥ってないか?と言っているだけなんですけど。

そう言えば東日本大震災後しばらく後に原発で国論が割れていた中で、少なからず脱原発派が「テレビや新聞はまともに伝えていない」と口にしてましたし原発推進派や原子力の"専門家"も同様の非難をしていたんですよね。で、脱原発派の少なからず一部に非科学的なことを口にすれば、"エア御用"なんて言うこともあった訳ですよね。貴方の一連のコメントを見ていると、そこから何も学ばず二の轍を踏んでいるって危惧しか感じないんですよね。幾ら維新と反都構想派に資金力や影響力の差があった(そう言えば原発の問題も同じ構図でしたね)とは言え、「衆議」すら成り立たなかった(推進派の中には反対派が対話を拒否したと言うのまでいますから)んじゃ空恐ろしくなってしまいますよ。

何と言うのか、両大戦間の"政治の季節"ってのを思い出すんですよね。よく無関心がファシズムを生んだという"俗説"が信じられてますけど、普通選挙や婦人選挙権が無かったり完全に実施されていなかったってことを考慮しても、政治的関心は現在の我々と比べてもかなりあったと言っても過言ではないんですよ、日本にしても独伊やその他諸外国にしても。労働運動や各種の社会運動だって盛んで、直接行動に訴えたり対立する党派同士で街頭で衝突ってことも多かったりしたんですから。繰り返しになりますけど、このまとめ http://togetter.com/li/823349 での寮氏の危機感って他人事や空想寺で済まされることではないと思いますよ。そういう歪んだ「関心」や「参加」がファシズムへの一里塚だったりしますから。

2015.05.21 22:33 URL | 杉山真大 #- [ 編集 ]

>杉山真大さん

話デカすぎ (^-^;)

てか、今回たったの8週間(だったと思いますが)で、それぞれのセクターがやれるだけのことをやって、投票日に臨んだわけでして、その彼らにことの本質を捕まえて理想的な反都構想をPR、啓蒙しろって言ったって、そりゃ無理です。
例えば「賛成派」と「反対派」の討論会を開いて、丁寧に「熟議」を重ねて「論点を明確化」して、それが両派の理解を深めると同時に、「どちらともいえない層」の理解度も深めるなんてことを、少なくとも大阪市内全域で行えればよかったんでしょうが、そりゃ無理ってもんでしょ。
だいたい橋下が「反対派」との討論を(予想通りに)避けたりしてたんですから。
http://togetter.com/li/814168

いやこれが、以前からある程度求心力とマンパワーを持つリベラルな反橋下、反維新運動体があれば話は別ですけど、政党は別にしてそんなもんありましたっけ?
私の知り合い連中も、過去に瓦礫拡散反対運動に関わっていて(といってもモジモジさんや韓基大さんのような有名人ではないですが)、今回こりゃまずいってんで独自に反対運動起こしたわけでして、じゃあ普段から彼らに啓蒙活動しろったって、そんなリソースつぎ込めるだけの余裕ある人なんて一人もいなかったわけでして、それが「お祭り騒ぎ」とか言われちゃったら、彼ら怒っちゃいますよ。

それとこれは誤読させてしまったようですが、私が地振持ち出したのは何も「リベラルが目をつけている」町内会なんてそんな高尚な話ではなくて、まさに従来型の「自民党の集票マシーン」としての地振も反対した、すなわち、反都構想って言っても動機や目的もそれぞれあるでしょうってことを言いたかったわけです。
それこそリベラルか保守かなんて関係なく、様々な観点から反対したんだろうってことで、しかも軍資金は維新が圧倒してたわけでして、とりあえずは橋下イズムを阻止できたことは良かったんですけど、前回述べたようにことは深刻だという認識の人が多いように私には思えます。

それから、自公と橋下が接近して公明党の対案であった「総合区構想」とか維新の「市営地下鉄民営化構想」とか進めるような報道もなされていますから、その点については賛否両論あるでしょうし、「公正な」「開かれた」討論会が大阪市民・府民の皆様に提供されることを、個人的には望んでいます。
あと個人的にはそれこそ大阪内外のリベラルに言いたいのは、今回の「住民投票」で在日が外されていること。条例で何とでもなることを議会は無視したこと。これを指摘しているリベラルが少なかったことは問題だと思います(自身の反省も含めて)。

また、杉山さんの論点を軽視しているわけではまったくなく、むしろ大阪どうのではなく日本社会全体とリベラル勢はどう進んでいくべきか?という大きなテーマだと思っています。念のため。

2015.05.21 22:39 URL | white noise #DGytXcAs [ 編集 ]

「日記」のほうで長谷川幸洋の駄文を読ませていただきましたが、アレは何もわかってませんね。
とりあえず今回の住民投票では「大阪府」は廃止されません。
廃止されるのは「大阪市」だけです。
記者がこのレベルで文章書いとるというのはもう最低ですな。
つうかマスコミや著名人の都構想賛成派ってこんな奴ばっかり。
何で妄想の中で生きてるんだろう。

今回の住民投票、反対派に関しては上から目線というより、賛成派を紙一重の力でもって捩じ伏せたというのが正しいかと。
くず維新にはこれくらいやるのが一番。
力でもって捩じ伏せるべしと前から主張していたことが、初めて実現されて私は実に嬉しい。
「私たちは無理心中します」というのに等しい民意などくそ食らえということですよ。

2015.05.24 02:44 URL | 元大阪府民からの伝言 #- [ 編集 ]

あと、今回の出口調査。
これはかなりあてにならない可能性ありかと。
維新贔屓のマスコミを鬱陶しいと思っている反対派(特に若年層)が、「賛成に一票」と嘘ついて賛成派のぬか喜びを狙ったのかも。
そこそこの人数がこれをやれば予想も狂ってくる。
賛成派が逆のことをやる理由は考えにくい。

2015.05.24 03:12 URL | 元大阪府民からの伝言 #- [ 編集 ]

大阪都構想、僕自身は勉強不足なので何も言えないのですが、とりあえずは否決されてよかったと思います。

前々から思っていたのは『小さくても効率的な公的サービス』と『無駄が大きくても大きな公的サービス』、今の人々はどちらを選ぶのだろうかということ。kojitakenさん達は後者を取るんでしょうけれど、僕も…後者を取った方がいいんでしょうね。
ただ、そのどちらかを決められぬままに投票に参加した人が多いとしたらまずい気がします。

2015.05.24 17:30 URL | SPIRIT(スピリット) #Bcjh3QfU [ 編集 ]













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