きまぐれな日々

 統一地方選の投票が終わった。翌日開票の自治体もあるので結果が確定するのは今日(27日)になるが、安倍晋三の自民党は余裕で統一地方選を乗り切ったといえるだろう。

 大阪の吹田市で大阪維新の会の現職が落選したらしい。今回の統一地方選では数少ない「ざまあ」案件だった。勝ったのが自公とあってはめでたさも中くらいだが、全国の大都市でも右傾化が突出している大阪では、維新対自民の対立構造にならざるを得ないのかもしれない。とりあえず維新現職の敗北を伝える朝日新聞記事を引用しておく。
http://www.asahi.com/articles/ASH4V0Q9MH4TPTIL02K.html

大阪維新、府内の3市長選で敗北 自民など推薦候補に

 第18回統一地方選挙の後半戦は26日、142市区町村長選と586市区町村議選で投票、一部を除いて即日開票された。大阪府内の3市長選では、大阪市をなくして五つの特別区を設けるいわゆる「大阪都構想」で対立する大阪維新の会と自民党の推薦候補が激突し、いずれも自民党の推薦候補が勝った。

 吹田市長選は自民、公明両党が推薦する新顔の後藤圭二氏(57)が、維新推薦で現職の井上哲也氏(58)ら3氏を破った。後藤氏は選挙戦で「行政レベルが下がる危険性がある」と都構想批判を展開。当選後には「(反対派の)堺市長、八尾市長とともに都構想の防波堤になる」と語った。前回、公認で維新ブームの象徴となった井上氏は、今回も維新色を前面に出したが、及ばなかった。

 3人の新顔が争った寝屋川市長選でも「都構想と連携した市政を推進する」と訴えた維新推薦候補が敗れ、自民党推薦の元同党府議が初当選。八尾市長選では自民、民主、公明、社民の各党が推薦した現職が、維新と次世代の党推薦の新顔を退けた。こうした結果に、自民党の竹本直一府連会長は「住民投票で反対の後押しになる」と語った。

(朝日新聞デジタル 2015年4月27日01時21分)


 実は吹田は私の出生地ではないのだが、小学校に上がる前まで住んでいた地だったりする。その地で維新の現職候補が負けたことによって、ようやくくそ面白くもなかった統一地方選でほんのちょっぴり溜飲を下げた。

 維新といえば、現在では東京都内某所に住む私の選挙区で、18日土曜日最初に出くわした選挙カーが維新の候補だった。維新のポスターには「身を切る改革」とかなんとか書いてあって、強烈な新自由主義政党であることをアピールしていた。また、生活の党と減税日本が推薦する無所属候補とかいうのも出ていた(山本太郎はその候補を推薦していなかった)。維新ともども、この手の候補には一切投票するまいと思ったことはいうまでもない。政権批判が維新だの生活だのに回収されていって、日本の政権批判の力は本当に弱くなった。

 そういえば昨日、安倍晋三が訪米に出発した。相変わらずオバマに歓待されないらしいとの記事を見かけるが、いかに安倍晋三がオバマと相性が悪くとも、安倍晋三はアメリカでまた余計なことを言いふらしてくれるだろうと思うと、本当に憂鬱になる。

 上昇するのは株価ばかりである。2000年以来15年ぶりの日経平均2万円超え。2000年に日経平均株価が2万円を超えたのは今年と同じ4月。転勤したばかりの頃だったのでよく覚えている。あの時私が、こんな実態を反映していない株価なんか早く下がってしまえ、などと思っていた。実際に株価はこの年のうちに下がったのだが、それはITバブルの破裂によるものであって、私の仕事及び人生を直撃した。

 今回は15年前以上に企業活動の実態とかけ離れた株価といえる。日本企業の力は、15年前と比べて大きく落ちている。ただ、軍需を含む重厚長大産業は、安倍政権の実質的な傾斜配分によって元気を取り戻しているのかもしれないが、そちらの方面とはかかわりを持っていないのでよくわからない。株価についていえば、言うまでもなく年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)などの「クジラ」の買い支えによって人為的に吊り上げられたものである。

 「クジラ」とはダイヤモンド社の一般向け投資雑誌『ZAi ONLINE』の記事を参照すると、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、共済年金、かんぽ生命保険、ゆうちょ銀行」、それに日銀を指す。今年3月31日に藤井英敏という人が書いた同じ記事には、

また、第18回統一地方選挙が、4月12日と26日の2回に分けて行われる予定です。現在は、「官製相場」の色彩が強いため、選挙前に相場を崩さないのではないかとの思惑が強まることでしょう。

などと書かれている。実際その通りになったわけだ。

 こうした経済の実態を反映しない株価に代表される、なんとかのミクスの虚栄のあとにはどんな反動が待ち構えているのか、想像するだに恐ろしい予感がする今日この頃なのである。
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政権批判が弱くなったと言うのはまさにその通りだと思います。

例えば、テレビ朝日との一悶着からか一部で"英雄"視されている古賀茂明が、改革はするが戦争はしない http://t.co/NSdbJsO6Ql という政治勢力の結集を提唱していて少なからざる"リベラル"までもこれに賛同しているんですけど、仮にこれを民間主導で『小さな政府』志向・尚且つハト派と言い換えてしまうと、はてなの方で最近取り上げていた「反軍演説」の斎藤隆夫に代表されるオールド=リベラルそのもので換言すればネオリベがハト派になった様なものでしかないんですよ。

その一方で、「共助」や「ノブレス=オブリージュ」ってのをネタにして、「保守反動」的・前近代的な封建遺制を賛美する動きも最近殊に目立つんですよね。これまた"政権批判"側に人気のある内田樹とか藻谷浩介・安冨歩とかが主張していて、例えば内田は現役の大学教授時代に格差問題言説を「呪い」として再分配を否定し格差を肯定・「ノブレス=オブリージュ」による"評価と贈与" http://amzn.to/1HIGsGB (!)をやるべきって一文を紀要に寄稿してます ttp://blog.tatsuru.com/2008/06/11_1205.php し、藻谷も朝日新聞で長期間にわたって連載していた『報われぬ国』の〆で「社会による共助で解決できればいい」と呑気なことを言って ttp://www.asahi.com/articles/DA3S11677913.html 長く続けたルポの問題意識を台無しにするようなことをやっているんですよね。もっとも昨日の朝日新聞にテツオ=ナジタの『相互扶助の経済』 http://amzn.to/1A3676s の紹介があって、所謂無尽講などの近代以前の「共助」システムの決して理想的とは言えない実情を指摘していたので、まぁ少し救われた気分になりましたけどw

安冨はもっと露骨というのか『週刊金曜日』でピケティの「21世紀の資本」を散々虚仮にして累進課税も資産課税も官僚の権限が強くなると全否定、おまけに貧乏人は「奪われるものが無いから必ずしも不幸じゃない」とまで言い放ちノブレス=オブリージュ的"支援"だの"創造性"だので解決出来るかの如く言っている始末。図書館で安冨のこの記事を読んだ際にはふざけるな!と大声で叫びたくなりそうだったし、その後も各所で安冨のこうした言説を批判したら当人がしゃしゃり出てデマ流すなと言う始末。 http://togetter.com/li/809372 こうした連中に"リベラル"が幻惑されていれば、そりゃ政権批判が弱くなるのも当然でしょう。何しろ今の政権だってやっていることは内田や藻谷・安富の主張と殆ど変わりのないものが多かったりするんですから、切実な貧困や福祉の問題には全く正面から解決出来る策になってないのですし。

話を斎藤隆夫の方へと戻しますと、坂野潤治編『自由と平等の昭和史』 http://amzn.to/1vDDkVG で、田村裕美が同じ民政党に属しながら斎藤と対照的な人物として永井柳太郎を取り上げた一文を取り上げているんですよね。永井は斎藤とは違い社会政策に熱心だったけど、同時に親軍的な側面もあって、古賀の目指す民間主導で『小さな政府』志向・尚且つハト派の対極国家が強く関与し『大きな政府』志向・尚且つタカ派だった訳です。古賀の様なネオリベのハト派や内田や藻谷・安富の如き「保守反動」に失望した貧困層や生活困窮層が、ファシズム的な方へと流れていき其処へ「共助」とか「ノブレス=オブリージュ」が皮相的に巻き込まれて、どちらを選ぶ?って嫌過ぎる二者択一になる可能性って小さくないですし、肝心の"リベラル"や"政権批判"側にその危機感が薄いことこそ真の危機的状況ですよね。

2015.04.27 09:39 URL | 杉山真大 #- [ 編集 ]

杉山さんの投稿中「昨日の朝日新聞にテツオ=ナジタの『相互扶助の経済』 http://amzn.to/1A3676s の紹介があって、所謂無尽講などの近代以前の「共助」システムの決して理想的とは言えない実情を指摘していた」のは、杉田聡でしたね、藻谷浩介でなくて。藻谷浩介が「指摘していた」と書かれているのではないのかもしれないのですが、そう読めもして、何だか居心地が悪いので。細かいことですみません。コメント、kojitakenさんの文章と同じくらい毎回楽しみに読んでいます。

2015.04.27 18:43 URL | redkitty #- [ 編集 ]

>redkitty氏
あぁ、そう読めてしまいましたか。自分としては藻谷氏などの「共助」で矢鱈問題が解決出来るかのようなお説に対して、そういうのは決して安倍政権の批判として有効性を持たないって論旨で、そういう「共助」頼みの問題をも取り上げていたシリーズの〆で(ルポの問題意識を台無しにする)藻谷氏を登場させて持論を述べさせていた朝日新聞の姿勢って何なのよ?って思いがあったんですよね。

そういう中で、ナジタ『相互扶助の経済』 http://amzn.to/1A3676s を朝日が書評欄で紹介していたのを見て、それである意味救われた気分になったって言いたかったのですけど・・・・・誤解を招く書き方は拙いですよね(爆

2015.04.27 23:59 URL | 杉山真大 #- [ 編集 ]

えっと、あなたはかつて株価の下落が自身の生活を直撃したにも関わらず、また下落を願っているんですか?
政治というのは個々が自身の利益を考え、行動し、票を入れることでそれが全体の意見=民意となり、社会を動かしていくんですよ?

我が身が不幸になろうとも声を挙げている自分に酔っているのか安倍総理が嫌いなのか何なのか知りませんが、自分の幸福も追求できない人が世の中を語る資格なんてありませんね。
そもそも資本主義社会においては株価が上がるのは無条件に良い事です。これが気に入らないのなら未だに社会主義や共産主義を実践してる未開国家に移り住むことをお勧めします。

2015.04.28 23:14 URL | 葛城大和(仮) #- [ 編集 ]

>そもそも資本主義社会においては株価が上がるのは無条件に良い事です。

バブルも無条件に良いとは、あんまり聞いたことない斬新な観点だなー。

2015.04.29 02:48 URL | settering #- [ 編集 ]

>いかに安倍晋三がオバマと相性が悪くとも、安倍晋三はアメリカでまた余計なことを言いふらしてくれるだろうと思うと、本当に憂鬱になる。

残念ながら予想的中でしたね。TPPも嫌な流れになってきましたが、日米新ガイドライン、私もここまで踏み込むとは思っていなかった。甘かったです。
http://sp.m.reuters.co.jp/news/newsBodyPI.php?url=http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0NI1RA20150427
これはロイターJPが伝えたガイドライン骨子。
http://www.defense.gov/pubs/20150427_--_GUIDELINES_FOR_US-JAPAN_DEFENSE_COOPERATION_FINAL&CLEAN.pdf
こちらはペンタゴンのリリースペーパー。
既に日本のメディアも伝えていますが、
・「地理的制約無しにシームレスに日米同盟の強化が基本。
・「機雷除去」云々などどうでもよいと思わせるほどの全面協力体制。
(東京新聞で柳澤協二が指摘していましたが、空域・海域を共同防衛というのは、南シナ海~中東までのシーレーン共同防衛を想定していると思われる)
・宇宙・サイバー空間での協力体制。
・おそらく秘密保護法との絡みでも重要となってくるであろう、ネット監視他機密情報を盾にした規制が厳しくなると想定される。
・尖閣諸島念頭に置いた防衛協力体制明記。etc…

ここまでは、残念ながら安倍の訪米前から(すでに法治国家ではない=国会無視ゆえ)ある程度想像した人も結構いたでしょう。
加えて例えばですが、日本の平和・安全への脅威対応としてペンタゴン・ペーパー上は、民間港湾・空港始め私的財産の米側への供与が、特に日本が直接攻撃を受けた場合に限定されるようには書いておらず、運用上どうにでもできそうなところもあります。
国会での安保法制関連審議でどのような修正協議がされるか、日米安保条約改定が必要だというロジックで、野党がどこまで抵抗できるか、はわかりませんが、すでにメディアが報じているように「国際公約」として米側ははしゃいでいますので、政府は原案通り押し切るつもりでしょう。
もちろん、このままいけば今後防衛予算及び関連予算は大幅に膨れ上がることになるでしょう。
艦船等装備及び人員、どうみても足りるはずはありませんから。

また、米側は「中国にも説明する」としていましたが、すでに中国側も反発、「尖閣諸島が中国に属するという事実は変わらない」と。
韓国は国防部と外交当局者が「新ガイドラインに主権尊重の表現が入れられたのは韓国政府の強い要請に伴うもの」としながら「韓国領土などに自衛隊が入ってくる場合、必ず事前の同意が必要であることを意味する」とし、国内世論に配慮したコメントを出していますが、果たして今後は・・・
ロシアもウクライナ情勢めぐり、米国と対立が深まっていますので今後どのような反応を示すか、注目されます。ロシアの戦勝70周年式典も安倍は欠席ですしね。

https://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=113547
一方、28日は沖縄「屈辱の日」でした。
辺野古沖では海保により抗議船転覆、市民4人が海へ投げ出され、うちお1人が病院へ搬送される事態に。
県庁舎前での県民集会もありましたが、辺野古推進で一致した日米両政府に対する怒りが強まることが予想されます。

今さら言うのもどうかとは思いますが、本土は戦前と同様の雰囲気のように思われます。
ただし、今のところ地方紙は元気ですし、大本営化に走る中央メディアも戦前とは違い(これまた今のところではありますが)法規制を受けているわけではない。
反安倍デモもある。
あきらめては終わりですので、何とか声をつなげていきたい。
というか、それしかない。

http://matome.naver.jp/odai/2143002968058433501
なお、これは日本教育再生機構~育鵬社の中学公民教科書を山口智美・モンタナ州立大准教授が読んだ感想まとめ。
いろいろと問題ありすぎですが、一番気になったのはやたらと安倍の写真が使われているということ。
サブリミナル効果狙っての「個人崇拝」でしょうが、こんなのお子さんやお孫さんが「勉強」させられることになっても良いのですか?ということです。

http://www.tepco.co.jp/tepconews/library/archive-j.html?video_uuid=hd20sv80&catid=69619
それと余談ですが上記教科書には3.11の記述も加わりまして、そこでまったく(当然のことながら)触れられていないイチエフの危機的状況。
こけたロボットによる格納容器内の映像見ましたが、コンクリート片の剥落が確認されました。
映像が粗いので、錆付き具合は思ったより少ないのでは?という話もありますが、いずれにせよ劣化の証拠ですね。
いつになるかはもちろんわかりませんが、構造体そのものの倒壊の危険性があるということを意識せざるを得ないと思います。
もちろん、燃料デブリ取り出し~水棺なんて収束方法は、寝言以外の何者でもありません。

2015.04.29 07:01 URL | white noise #DGytXcAs [ 編集 ]

統一地方選の投票が終わりましたが、予想通り極右安倍自民党は大幅に議席増で余裕で統一地方選を乗り切りました。
極右ファシスト集団維新も大阪で第一党になるなどまざまざと存在感を見せつけました。
「大阪維新、府内の3市長選で敗北!」
革新市政誕生なら万歳!なのですが、かわりに当選したのが同じ極右ファシスト集団安倍自民なのですからげんなりさせられます。
革新、中道がいなくなり、総保守化、その保守も極右化してしまったところに最大の悲劇があります。
極右ファシスト集団維新と自民が議席の大半を占め、極右ファシスト集団に牛耳られる大阪の惨状は、日本の近未来の姿かもしれません。
ともかく、虚飾の株価上昇のなんとかのミクスの虚栄のあとにも、さきにも待ち構えているのは、ただ「日本軍国主義の復活」があるのみでしょう。
 

2015.04.29 22:31 URL | 風てん #- [ 編集 ]













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