きまぐれな日々

 自衛隊の活動範囲の拡大について、公明党が全く歯止めにならないことを露呈したり、三原順子が誰かの教唆があったか自発的かは知らないが「八紘一宇」をポジティブな言葉に転換させようと画策して、それに馬淵澄夫のような右翼的な野党政治家が相乗りしたりと、先週もまたろくでもないニュースばかりだった。

 最近は街のチェーン店の本屋ばかりか、三省堂や紀伊国屋といった大きな書店でも、排外的な右翼本が目立って陳列されていることが多く嫌になるのだが、経営統合された丸善とジュンク堂のグループは比較的その弊害が小さいようだ。しかしそれらの本屋でも売り上げを無視するわけにはいかないから、右翼本はそれなりに置いてある。

 そんな論外の右翼本はさることながら、「リベラル」層に取り入ったとみられる本にもろくなものがない。少し前には孫崎享の本が目立ったが、最近は、というよりそれ以前から、内田樹と佐藤優が、出している本の数も多く、「リベラル」への影響力も強いように思われる。

 彼らのうち、内田樹には「誰とでもつるむお手軽文化人」、佐藤優は「右から左までのさまざまなうんちくを繰り出して人々を煙に巻くトリックスター」だと私はみている。2人とも、日本の右傾化を止めるのに全く貢献していないとしか言いようがない。もっとも、内田樹は保守、佐藤優は自ら認める通りの民族主義者だから、そんな人たちに期待したり彼らの言説に感心したりする方が間違っていると私は思う。

 最近も、内田樹は右翼の鈴木邦男と対談本を出したかと思うと、「非主流派の左翼」と思われる白井聡とも対談本を出したりしている。鈴木邦男は同じ右翼の高木尋士との「対談『北一輝とは何者なのか』」で「八紘一宇」を無批判に受け入れているし、「リテラ」によると「内田樹と白井聡、気鋭の学者2人が安倍首相を『人格乖離』『インポ・マッチョ』と徹底批判」しているとのことだが、後者にしたところで「リベラル」にガス抜きさせるだけの駄本としか思えない。安倍晋三をこき下ろした本を読んでいっとき溜飲を下げたところで、人々が内田や白井が言うような「安倍晋三の正体」を知って内閣支持率が低下するようなことにはつながりようがないのである。仲間内のマスターベーション以外のなにものでもない。

 そもそも内田樹と白井聡の対談本の題名は『日本戦後史論』である。またぞろ孫崎享式の議論が展開されているのではないかと勝手に想像しているが、私は内田と白井の対談本も、内田と鈴木邦男の対談本も、ともに立ち読みもしていない。得意の「読まずに批判」をやらかしている(笑)。

 佐藤優もひどい。最近は公明党を持ち上げるのが趣味らしいが、公明党が安倍晋三の歯止めになど全くならないことは、先週の自衛隊の活動範囲拡大の議論でも改めて証明された。最近ひどいと思ったのは、『AERA』か何かに載っていたピケティとの対談で、そこでは佐藤の得意技の一つである、「宇野経済学」(宇野弘蔵流のマルクス経済学)的な立場からピケティに突っかかっていっていた。佐藤は、「チュチェ思想」信奉者としても知られる「宇野経済学」の老経済学者・鎌倉孝夫との共著も出しているが、かと思うと先般の「自称イスラム国」による日本人人質事件では安倍政権の対応を評価するなど、「言論サーカス」で読者を幻惑しながら、公明党擁護論といい、最終的には安倍晋三を助ける方向にしか人々を導かない「ハーメルンの笛吹き」のようにしか私には見えない。

 先週は「kojitakenの日記」で、「八紘一宇(田中智学)−北一輝−岸信介−安倍晋三」を肯定的な評価でつなげようという動きに対抗しようとあがいた。不人気なテーマと見えてアクセス数が激減した(笑)。しかし、「リベラル」であるらしい田中良紹が「北一輝は坂本龍馬を源とする自由民権運動の流れをくむ民主主義者である」などと書いて、それが「リベラル」から批判されない状況を打破しなければならないと私は考えている。

 北一輝の研究で有名な松本健一が書いた全5巻の『評伝 北一輝』を、第4巻の6割あたりくらいのところまで読んだ。北一輝は確かにその出発点においては「坂本龍馬を源とする自由民権運動の流れをくむ民主主義者であ」ったといえるが、中国の辛亥革命への関与を経て帰国して『日本改造法案大綱』を書いた以降の北一輝は、とてもではないけれども「民主主義者」といえるような人間ではない。テロを支援し、政党政治をぶち壊そうとした極右以外の何者でもなかった。

 『評伝 北一輝』の第4巻を読むと、北一輝は政友会の田中義一内閣打倒工作をしたかと思うと、民政党の浜口雄幸内閣打倒工作も行ったことが書いてある。後者は有名な「統帥権干犯」論である。「統帥権干犯」という言葉自体は北が編み出したものではなく、海軍軍令部長の加藤寛治の発案らしいが、その「統帥権干犯」を「魔語」として政党政治をぶち壊そうとした首謀者はまぎれもなく北一輝その人だった。

 その北の謀略に引っかかった愚かな政治家がいた。鳩山一郎である。鳩山が国会で「統帥権干犯」を持ち出して浜口内閣を攻撃したことはよく知られているが、松本健一はその鳩山を下記のようにこき下ろしている。

 鳩山の発言は、政党政治とその責任内閣制を否定し、そこから独立した聖域に軍部=統帥権を置こうとするもので、政党人としては慎まなければならないものであった。その論理は、政党政治を破壊したのが軍部ではなく、政党(人)そのものにあったことを物語っている。

(松本健一『評伝 北一輝 IV - 二・二六事件へ』(中公文庫,2014)207-208頁)


 戦前の政党政治をぶっ壊す自滅を演じたのが鳩山一郎なら、政権交代への人々の期待を裏切って戦後の政党政治をぶっ壊したのが鳩山由紀夫といえるかもしれない。「岸信介−安倍晋三」と「鳩山一郎−鳩山由紀夫」の世襲政治家は、4人が4人ともろくでもない人間ばかりである。ついでに書いておくと、鳩山由紀夫は先日クリミアを訪問した。誰がどこに行こうが勝手であって、鳩山由紀夫のクリミア行き自体を批判するつもりは私にはない。だが、一部の「リベラル」のように鳩山由紀夫を擁護するつもりには間違ってもならない。鳩山由紀夫のクリミア行きの動機には、安倍晋三と同じようなつまらない「祖父愛」しか感じられないからである。

 話を鳩山一郎と北一輝に戻すと、北に引っかかった鳩山一郎もバカだが、北一輝は「巨悪」としかいいようがない。『評伝 北一輝』を読んでいると、初期の北一輝と後期の北一輝は別人かと思えるほどだ。中国から帰国後極右化した北は、テロを肯定するばかりか賛美してテロを煽るかたわら、政財界人を恐喝して金をむしり取るとんでもない極悪人だった。『評伝 北一輝』の著者で、民主党の仙谷由人と親友であったことでも知られた松本健一が、そんな北一輝に入れ込む心理は私には理解できないが、北のシンパだった松本が描いても、後期の北一輝からはどす黒い凶悪な姿しか浮かび上がってこないのである。

 三原順子の「八紘一宇」の妄言を発した直後、さる「小沢信者」系リベラルの人間が、「八紘一宇」の造語者・田中智学の弟子筋にあたる北一輝を描いた手塚治虫の漫画『一輝まんだら』を一気読みした、などと嬉しそうにTwitterに書いていた。私は『一輝まんだら』を読んだことはないが、編集者にこの路線では売れないと判断されたために未完に終わった作品だということはネットで調べたことがあって知っている。ということは、初期の北一輝しか描かれていないと思われる。手塚治虫がどす黒い極右思想家となったあとの北一輝を描かなかったことは痛恨事と思えるのである。

 蛇足ながら書き添えておくと、北一輝の主要な著作として『国体論及び純正社会主義』、『支那革命外史』、『日本改造法案大綱』の3作が挙げられるが、「革新官僚」だった若き日の岸信介が心酔したのは『日本改造法案大綱』であって、北一輝が「どす黒い極右」としての本領を発揮した時代の著作であった。

 さらに蛇足の蛇足だが、『日本改造法案大綱』は小沢一郎の主著とされる本(実は官僚や竹中平蔵ら御用学者の作文だが)をのタイトルを連想させる。もちろん、小沢のブレーンの官僚だか竹中平蔵だかが北一輝と田中角栄を掛け合わせて書名をでっち上げたものであろう。
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そう言えばクリミアから帰国後の鳩山って報道陣からの取材には沈黙しているものの、ネット上では持論を好き放題述べていたそうですね。で、この件に関して与野党双方立場を問わず批判の声が挙がってますけど、肝心の安倍首相は本日ここに至るまで何も言わずノーコメントだったりします。そもそも安倍にしてさえ(クリミアをめぐる一件までは)対露関係に対しては熱心だったそうで、実は安倍の本音を鳩山が代弁して両者の間には何か密約が・・・・・って勘繰りたくもなりますね。鳩山には、猪瀬直樹のカネの問題で出ていた一水会の木村三浩(鈴木邦男の後輩格!)も同行 http://nikkan-spa.jp/821182 してましたし。

あと、内田樹に関しては単に「保守」というより「保守反動」って形容の方がしっくりいくのではと思います。多分、佐高信(佐高は内田の『街場のメディア論』を無意味な著作と酷評してましたが)や辺見庸の様な方とは間違ってもつるまないのではw

自分が見るに、内田の言動には「保守反動」具体的に言えば「排耶書」的なものを感じるんですよね。実際彼の言動を具に見ていると、格差社会肯定で尚且つ再分配否定だったりする http://blog.tatsuru.com/2008/06/11_1205.php し、『街場の共同体論』 http://amzn.to/1qIdS28 では前近代的封建社会賛美だったりする訳ですから。内田樹がよくいう「ポスト(脱)グローバリズム」だって、端的に言っちゃうと民主主義や人権・社会政策など欧米由来のでなくても「日本的なもの」で充分やっていけた云々って訳ですし、こういう「保守反動」って「国家社会主義者」の三原順子や三橋貴明とまた違った形での危うさがあるんですよね。

2015.03.23 09:46 URL | 杉山真大 #- [ 編集 ]

右派・保守派からすれば「自民(特に安倍)やネトウヨを批判するから左翼に違いない」という“俺の気に食わない奴は左翼だ“論で、反対に一部の「リベラル」にとっては「安倍やネトウヨを批判するということは、つまり彼らは同志なんだ」という“おめでたさ”から来ているものでしょう。何れにせよ、馬鹿な連中です。
因みに今回の騒動、発言の内容が内容だけに、鬼の首をとったかの如く「これだからサヨクは云々」となっていますが、普段は穏健保守くらいの人でさえ、そういう発言をしているんですよね(kojitaken氏からすれば、内田や白井が左翼に見えるなんてアホか!と思われるでしょうが)
https://twitter.com/hitononaka/status/579425386552905728
私のようなネトウヨが言うところの“バカサヨ”から見ても、内田樹という人間は、左派やリベラルを自滅に追い込むためにわざとやっているのでは?という気がしてなりませし、あんなのを(場合によりけりなら問題無いですが)完全に支持しているような人間は、もうサヨク呼ばわりされても仕方ないと思います。

2015.03.23 12:35 URL | トノサマバッタ #- [ 編集 ]

上の方が言いたいこと言っているけれどもね、そもそも内田っていうのは、例えば安倍政権批判などの意味では確かに「左」かもしれないけど、それ以外の面では“昔の日本的なもの"万歳な人間なわけよ。少なくとも、西洋的価値観に良い印象は抱いていないのよね。なのに本人は真ん中や右寄りの殆どからも一部の左寄りからも「リベラル」だと勝手に思われているうえ、支持者の殆どが「左」で占められているもんだから、下手なアンチ西洋的価値観論者やネトウヨより何倍もたちが悪いのさ。
さて、左派の連中が藁にも縋る思いになっちゃう気持ちは分かるけど、自分に都合の良い人間であれば誰でも持ち上げるなんてやっていたら、それこそ自滅しちゃうよ。こんなことやっているから、dadaレベルのどうしようもない人間にさえ揶揄されるんだよ。
あ、あと関係ない話で申し訳ないけど、トノサマバッタさんの言う“中道保守”ってこの程度の人間https://twitter.com/hitononaka/status/496765686052442112 だから、当てにせん方がいいと思うよ。

2015.03.23 13:50 URL | 逆張り冷笑家 #- [ 編集 ]

朝方のコメントは急いで書いたんで内田樹に関して書いたんですけど、その相手の白井聡に関しても自分は危うさを感じてしまうんですよね。

白井が一躍論壇のメジャー(?)に躍り出た切っ掛けが、『永続敗戦論』 http://amzn.to/1xUmQYJ なんですけど(一応「読まずに批評」するんで恐縮ですが)負けたということを事実として知ってはいるが、それが意味するところのものを理解していない、理解しようとしないとAmazonでの批判的な書評に対し態々当人が弁明(?)してるんですよね。で、好意的な書評を見ても『永続敗戦論』を孫崎享や内田樹の様な"戦後見直し"の書として同書を看做し、更には原発からTPPに至る全ての問題を平和憲法や日米安保など「戦後」に起因しているという評価だったりするんですよね。

自分には、この評価を見ていると故・岸田秀の戦後体制論や加藤典洋の『敗戦後論』 http://amzn.to/1FR6kio の繰り返しなんだな、って感想を抱きましたよ。「敗戦」を「終戦」と言い換えて戦争の事実を直視しようとしないと一見リベラル的なことを言いながらも、他方では平和憲法を始めとした戦後体制も否定的でともすれば自主国防や"毅然とした外交"を主張する、その点では岸田や加藤と内田って殆ど変わりが無かったりするんですよね。白井も『永続敗戦論』で国体護持のために対米追従を受け入れたって指摘し、一応単純な反米主義には批判的ながらも「平和と繁栄を享受」する時代は終わった・今こそ日本は自立すべきだと主張しているところ、孫崎や内田と意気投合しても何の不思議も無いし、それこそ日本を危うい方向にしか向かわす「ハーメルンの笛吹き」の一人だと自分は思うんですよね。

そうそう、同じ様な方が戦前日本にもいましたね。右派社民から"広義国防"を経て翼賛議員となり、戦後は民社党の理論的支柱の一人となった蝋山政道と言う方が・・・・・

2015.03.23 22:17 URL | 杉山真大 #- [ 編集 ]

自衛隊の活動範囲の拡大、もはや自衛隊ではなく侵略隊そのものです。
そして戦前の日本による世界制覇を目指すスローガン「八紘一宇」発言まで飛び出す。
さらに昨日は、狂信的な日本軍国主義者、日本帝国主義者でA級戦犯岸信介の亡霊安倍晋三による「我が軍」発言まで飛び出しました。
極右ならず者に牛耳られた日本の惨状です。
与えられた民主主義が沈みゆく姿とでもいうべきでしょうか。
また、こういった発言が飛び出しても問題にならないところに救いようのない日本の退化があります。
極右全体主義化した日本。
国民の無関心
の2つが主因でしょう。
戦前、永井荷風氏は、軍部の台頭も、政界の腐敗も国民の無関心に原因があると日記に記載していましが、2015年現在の日本の惨状を見るにつけ、再度、戦前と同じことが繰り返されています。

2015.03.24 00:28 URL | 風てん #- [ 編集 ]

とうとう安倍が自衛隊を「我が軍」と呼びましたね。
http://www.asahi.com/articles/ASH3R6D4TH3RUTFK00M.html

http://www.sankei.com/politics/news/150322/plt1503220014-n1.html
「八紘一宇」に続き、稲田朋美が「慰安婦の次はぜひ『百人斬り報道』の訂正を」とまさに「お前が言うな」発言をしたので、頭にきていたのですが安倍発言は本当にまずい。

なんかもうバックラッシュの嵐って感じで、リベラル層に評価の高いらしい著名な知識人の皆さんが安倍をボロクソに言うのは構わないんですが、大方右も左もないってやつで相対化に尽力してきた人たちばかりだからなぁ。

3.11以降の社会運動でもシングルイシューでどうたら、警察(公安)と仲良くしよう、右も左もないってやつが大手を振って異論を唱えるものを徹底的に排除してきたし、それに手を貸してきたのがリベラル文壇であり、社共特に共産党は右とも仲良くしてきたしね。
あまりに右の勢力が強すぎるので、そうなってしまったのかもしれませんが、やっぱり右も左もない相対化ってのは、右を利するだけでしたね。

で一昨年くらいから公安が転び公妨しかけるのは、何も「極左」認定の運動体だけではないってこともわかってきたらしいし、何より安倍のやっていることが余りに酷すぎるってのもあって22日マルチイシューの「安倍政権NO! 0322大行動」というのもあり、それはそれで遅まきながらよいことだとは思うのですが、ちょいと気になるのが天皇賛美の嵐だということ。

いや、私が反天皇制だからというわけではなく、「天皇さんはええ人」だけではなく「安倍政権にNoと言えるのは天皇さんだけ」みたいなこと言う人多くないですか?
知識人でも内田とかもろそうだし、朝日で色川大吉が「私は元来、天皇制否定論者なのですが、日本の民主主義のバランスを取るうえで、現天皇夫妻は貴重な役割を果たしていると言えるでしょうね。」とか言ってるんですよね。
http://www.asahi.com/articles/DA3S11653577.html

これ正直言うとかなり危険な風潮だと思うんですがね。
いくら天皇持ち上げたところで、結局右に回収されるだけで安倍にとってなんら問題にもならないし。むしろ利用されるだけでしょうと思う人が少ないのが気になりますね。

それと転向したのかどうか知りませんが、元共産党の筆坂秀世。
靖国は日本のアーリントンではないのか
戦場で亡くなった人々を慰霊するのは当然
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43270
だそうです。思想的に左から右へってのは残念ながら珍しくはないと言えばそれまでですが、こういう人今後増えていくかもしれません。

2015.03.24 02:21 URL | white noise #- [ 編集 ]

このコメントは管理者の承認待ちです

2015.03.25 00:53  | # [ 編集 ]

>風てん氏
どうも事実誤認があるみたいなんだけど、戦前の有権者が決して無関心だった訳じゃなくて労働運動ばかりか婦人参政権や購買組合・産業組合(今の生協や農協の前身だったりする)など様々な社会運動が盛んだったりして、普通選挙が男性限定だったとは言え投票率は今と比べて決して低くなく、70~80%は投票していたんですよね。

しかも当時は義務兵役制で「国民が一緒に扱われるのは学校と軍隊だけ」と言われた様に、男子の圧倒的多数が兵役を何らかの形で経験したんですよ。その一方で都市部のリベラル辺りから反軍的な思想が出てきたりして、一方で世界恐慌による農村不況を身近に感じていた兵隊の多く(つまり農村部からの長平射が多数派だった)が、自分たちの農村は苦労しているのに都市住民は自由を享受していて云々ということから"希望は戦争"みたいな雰囲気があったりしたんですよ。

そもそも永井荷風自身が「無関心」の典型だった方で、目立った抵抗をしていないけど戦争協力にも熱心だった訳じゃないんで、手前の事を棚に挙げて何言ってるんだと思うんですけどねw

>white noise氏
実は、北一輝の思想って天皇と国民が直結した格好で社会主義的な平等を目指すというもので、それを久野収が「ホームラン性のファウル」と評していたりするんですよね。

『日本改造法案大綱』ってkojitaken様が指摘する様な危険性があるんだけど、その主張には言論の自由・基本的人権尊重・華族制と貴族院の廃止・農地改革・完全普通選挙・累進課税の強化など私有財産への一定の制限・財閥解体・皇室財産削減などなど戦後改革で実現したものとも重なっているとこがあって、こと社会政策に熱心でなかったオールド=リベラリストも支持出来ない・さりとて左翼は急進的だと弾圧され穏健的だと物足りないって層が支持するのも無碍なるかなって気もしちゃいますね。

正直なとこ、北一輝的な急進的な保守革命志向がそれこそ左右を問わず支持される風潮って、安倍晋三以上の危険性を秘めているとこがあると自分は考えます。

2015.03.25 10:20 URL | 杉山真大 #- [ 編集 ]

>杉山真大さん

>正直なとこ、北一輝的な急進的な保守革命志向がそれこそ左右を問わず支持される風潮って、安倍晋三以上の危険性を秘めているとこがあると自分は考えます。

ほんとこれ。怖いですよ。
http://live.nicovideo.jp/watch/lv212735192
小林よしのり×宮台真司×東浩紀「日本を変えるにはテロしかないのか?――沖縄の怒り、福島の怒り、政権の無関心」
ゲンロンカフェでまたこんな対談が・・・
とても視聴する気になれませんが、ゲンロンカフェのツイッターアカウントTL覗いたら、何でも宮台が「尊皇攘夷」口にしたとか。
https://twitter.com/osugi_akira/status/580399873264099330
また小林は沖縄独立論に対して「警察と軍隊を持たなきゃいけないが、独立論者達がそこまで考えていない」と言ったと。
https://twitter.com/katsunumayu/status/580363307523014656
本当にお手軽な連中ですが、「テロしかない」とか簡単に言うなよと。

それはともかくも、(経済状況の悪化等により)安倍政権下で起こるか、はたまたポスト安倍で起こるかは別にして、例えば小泉進次郎が「弱者救済」旗印に「保守革命」を宣言すること、あるいは自衛隊による「クーデター」をも現実のものとして考えなきゃいかんステージになってきたと思いますね。
そんなときに果たしてリベラル・左派はどう行動するのか?

という近未来の話はおいといて、安倍の「我が軍」に対する菅のコメント。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201503/2015032500762&g=pol
”25日の衆院内閣委員会では、民主党の後藤祐一氏が「自衛隊は軍なのか」と追及。菅長官は従来見解を繰り返す一方、「自衛隊はわが国を防衛することを主たる任務としており、このような組織を軍隊と呼ぶのであれば、自衛隊も軍隊と呼ぶことができる」と首相を擁護した”
いやこれじゃあ擁護になってませんがな。

”政府が首相発言の沈静化を図るのは、集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案をめぐる国会審議への影響を避けたいためだ。自民党も「口が滑っただけで、深い意味はない」(国防族)と火消しに躍起となっている”
と言ってますが、
”野党は批判を強めている。民主党の榛葉賀津也参院国対委員長は記者会見で「昔ならすぐ国会(審議)が止まり、下手をすると閣僚の首が飛ぶ話だった」と指摘。共産党の穀田恵二国対委員長も記者会見で「戦争する国造りに一路まい進する本音を述べたものではないか」と批判した。
 民主党の枝野幸男幹事長は記者会見で「軍という部分だけが注目されているが、わが国の自衛隊、わが国民の自衛隊であって、安倍さんのものではないということも強調したい」と指摘した”
という当然の反応。というか「昔なら」とか言うなよとは思いますが。

明らかに自衛隊を「違憲」でOKと言ってる訳ですから、そこをとことん野党には追求してもらいたいのですが、果たしてどうなることやら。

2015.03.26 00:05 URL | white noise #- [ 編集 ]

もし今の安倍政権に隙があるとすれば、国民の多くが
民主党政権における絶望から「他にまともな政党が無い」という消極的な支持で、安倍自民党を支持しているということ。
それを政府の《アンダーコントロール》しているマスコミとネット右翼が、いかにも世間が右傾化しているように情報を撒き散らしていますけれども、私の接するところの世間(飲み屋論議)では、さほど世間の右傾化を感じることはないですね
私の世間が狭い、ということはあるでしょうけど、辺野古基地問題にしても、
運動サイドからの今の沖縄辺野古周辺の抵抗運動を撮影した「圧殺の海」という映画が東中野ポレポレ映画館で異様な客足を見せ、ロングランを続けています

左翼視点からの楽観が多分に入っていますけれど、「自民党・安倍政権支持数の維持・増加」と「世間の右傾化」は、分けて考える必要がありましょう
後者のデマが世間を誘導する、しつつある危険は注視し、阻止していく必要はありますが、
後者のデマをまともに捉えて世間の右傾化を嘆けば、逆に世間の右傾化への諦観を広めかねないので、ウンっと丹田に力を込めて
「世間が右傾化?いや、俺の周りじゃ全然そんなことないがね?」と言っていく必要もある(場面がある)と思っています
それもまた一つの抵抗運動、「揺るがない」という情報戦です

問題は「消極的理由からの自民党・安倍政権支持数の維持・増加」、この隙をどう突けばいいのか、この一点。
まだ自民党に派閥があった頃ならば、自民党内の反安倍派への呼び掛け・支持などが有効だったのですが、現在の(小泉純一郎が派閥を壊した)自民党ではこの手が使えません
この点を年配の「消極的理由からの自民党支持者」がわかっていないのが、現在の不幸、政治と人民の疎外を生んでいます

結局は、国民一人一人がなるべく希望を失わずに個人にできる運動をしつつ
信用のおける政治家(候補者)を掘り起こし、より支援し自分のやってもらいたい政治をする政治家に育てていく、
という従来の政治への参画に回帰するのかな、と思っています
それを生活の中で行うパーセンテージをわずかでも上げる、その努力をする。
そのわずかな積み重ねを希望の根拠にし、楽観をある意味では自らにあえて強いる
そのためにも健康第一!
絶望・諦観こそ向こうさんが左翼に植え付け、広めたい最大のものですから、その運び役とならないように、なるべくする
私もまだ絶望していません。

2015.03.27 20:56 URL | 朱の盤 #epoDbB82 [ 編集 ]













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