きまぐれな日々

 昨日(2/15)、租税回避地(タックス・ヘイブン)に国籍地を持つ有名人として、モナコ国籍を取得した元プロサッカー選手の中田英寿(とプロテニス選手のクルム伊達公子)の例を挙げた記事を『kojitakenの日記』に書いた。さらにその関連記事を書いたら、そちらがはてなの「ホッテントリ」になった。それは、2010年に書かれた中田英寿の「節税」に関するブログ記事を引用・紹介しただけの記事なのだが、私はその記事に「中田英寿と『永遠の旅人』と租税逃れと」というタイトルをつけた。タイトルのせいかどうかわからないが、アクセス数が集中する記事になった。

 私は、自ら書いた記事についた「はてなブックマーク」のコメントは原則として読まない。だが、コメント欄に投稿された文章は、それがいかなネトウヨや「小沢信者」の手になるコメントだろうが読む。「はてブ」に何を書いても私には伝わらない(もちろん例外はある)。それは、もうほとんど「はてブ」(はてなブックマーク)がつかなくなったこのブログの記事についてもいえる。だから、私に読んでほしいコメントのある人は、「はてブ」ではなくブログのコメント欄に書いてほしい。

 中田英寿個人に関しては、私は特に悪感情は持っていない。ただ、とかく「違う世界の話」として人々の関心が薄いと思われる税制やタックスヘイブンについて、現にそれを利用している有名人である中田英寿(やクルム伊達公子)の実名をあげて、世の人々の関心を多少なりとも喚起したいという意図はあった。

 それにしても「ピケティ・ブーム」で呆れるのは、経済学に関係する人たちの「我田引水」ぶりだ。日本の経済学関連の人たちでいうと、例の安倍晋三の名前を冠した「経済学」(?)の是非に関して、リフレや金融緩和を是としない人たちも、はたまた金融政策さえやっておけば税制や財政政策などどうでも良いと言わんばかりの人たちも、みんながみんな「ピケティの言っていることは我々と同じだ(あるいは『矛盾しない』)あいつらが言っていることは間違いだ」と言って「我田引水」に走る。ピケティが何を言おうが私は私、という気骨のある人がなぜかくも少ないのかと愕然とする。

 「トリクルダウン」や「××ノミクス」に関する質問は、ピケティは来日して(来日する前から)何度となく浴びせかけられて、もう聞きたくもないとうんざりしたのではないか。私が確信しているのは、ピケティは何も金融政策を否定するものではないが、かといって財政政策や税制よりも金融政策を偏重する安倍政権の経済政策も是とはしないだろうということだ。実際ピケティはそういうことを語っている。

 それならそれでいいじゃん。なんでわざわざ「ピケティ氏の理論を都合よく“編集”した言説にはご注意を」などと言って、「ピケティの言い分は俺と違わないんだ」と強弁したがるのか、私にはさっぱり理解できない。「彼は彼、俺は俺」とどうして言えないのか。

 一方で、「経済学者」たちは、われわれ素人に対してバカ高い障壁を築く。いや、素人に対してだけではない。「経済学者」同士で「お前はマクロ経済学を理解していない」などとなじり合いをしている。そして両者の主張は正反対だったりする。部外者から見ると、彼らはいったい何をやっているのかと思ってしまう。

 このあたりは正否が自然現象や実験事実によって実証される理系の世界とは全然違う。工業技術であれば製品化の可能性がないと判断されると開発は中止される。自然科学のアカデミズムについて私は門外漢だが、昨年大きな問題になった小保方晴子らによる「STAP細胞」は、最終的に「再現」できなかった(一度も実現できなかったのではないかと疑われるが)ことによって成果が全否定されたといえるだろう。「STAP細胞」や韓国の黄禹錫による「ヒト胚性幹細胞捏造事件」(2005年)のような再生医療関係だけではなく、物理学でも2002年に捏造が発覚した、ヤン・ヘンドリック・シェーンの「有機物の高温超伝導」のような事例があった。

 それに対し、経済学では、現象がモデルに合っているかどうかを検証することが難しいせいかもしれないが、理論(仮説)に現実が合致しなくても、それが仮説が間違っていたせいだと認めたがらない傾向が強すぎるように思う。そして、経済学の場合は特に時の政治権力と結びつく傾向が強いせいか、政権や強者(大企業や富裕層など)に都合の良い理論が受け入れられやすいようにも見受けられる。

 かくして、経済学者に対する不信感が強まる一方の今日この頃なのである。
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欧米でも経済学者と政権との関わりってのは散々問題というのか議論になっていて、その度ごとに経済学や経済学者批判のタネにもなってたりしますね。かのケインズも財務省に勤務していましたけど金融政策への批判から役人を辞して「貨幣改革論」 http://amzn.to/1FQ7TeZ を上梓してますし、有名どころでもトービンとかジャック=アタリとかも政権に登用されて経済政策に関わってたりしてます。

ただ、経済学者が重用されるもう一つの「お得意様」には企業や経済団体なその"経済界(財界)"ってのがあったりして、そういうとこに御呼ばれされて講演料とか受け取れるってこともありますし、更には社外取締役とかで収入を得られたりしますよね。佐高信が「筆刀両断」してましたけど嘗ては参院議員や大臣を務め今では人材派遣大手・パソナの会長に収まっている竹中平蔵ってのもいますし。

こうしたことから財界受け・政権受けする"俗流"の経済学ってのが幅を利かす訳なんですけど、問題はその批判する側にしても実は"俗流"の受け狙いのが目立ってしまっているとこにあるんですよね。例えば「アホノミクス」の浜矩子だって恩師の高橋乗宣と組んで毎年の如く『経済破綻本』 http://amzn.to/1AszUdY を出していますから、それこそ和製「ラビ=バトラ」だったりします。でもマスコミや政権批判側には、そういった煽りでモノを言う方が受けが好かったりする(?)訳で、彼らが重用されてしまうとこもある訳です。金子勝も「一人シンクタンク」と自称(自嘲?)してますけど、原稿料とか講演料での「副収入」が如何程なのか勘繰ってしまうのも好いかも知れませんけどね(意味深

2015.02.16 08:39 URL | 杉山真大 #- [ 編集 ]

実は自然科学においても真偽ははっきりする事象だけではないんですよ。そしてはっきりしないことをいいことに危険を煽ったり、安全を過剰に説いて回ったりする連中も大勢います。

私は左派を自認していますが、見当違いのフェミニズムやエコロジーをしばしば批判しています。
そのためともすれば原発容認とも取られかねないのですが、私が批判しているのは一部の狂信的な連中であって、放射能汚染を心配する人すべてではない。

そんな私が大嫌いな自然科学系ライターがいます。それが松永和紀です。
松永はFOOCOM.NETではっきりと「100mSvの被曝で癌死率が0.5%増加」と書いています。しかしここの「100mSv」というのは「緩慢な状態で生涯かけて100mSvの加重な被曝を受けた場合」とされています。つまり原爆や原発事故のように、短時間で100mSvの被曝を受けた場合の被害はまだ分かっていない。松永はそこは飛ばし読みしています。
またCCD(蜂群崩壊症候群)の原因と目されるネオニコチノイドに関しても、「ミツバチとネオニコチノイド系農薬、「予防原則」で思考停止にならないために…」とこれも安全神話を振りまいています。しかし学会の主流はネオニコチノイドの危険性を認識する方向であり、最近のハーバード大の調査でも「ネオニコチノイドとCCDは関連があると見るのが自然」という見解を出しています。
松永のこうした姿勢は批判する人も多く、ブログは疑問や反論のコメントで埋め尽くされていますが、松永はこれらに一切答えようとせず、ブログは荒れ果てて放置プレイ状態。

さらに「原子力ムラ」というものの存在。「非国民通信」では「原子力ムラなどない!」と近年になってヒステリックに喚くようになりましたが、実際には「原子力ムラ」は存在します。
ここで言う「原子力ムラ」とは、原発推進のために夜の会議室にこもって悪だくみしているような存在ではなく、もっと緩やかに原発によって自身にプラスに働く勢力というほうが正しいでしょう。南京大虐殺が「住民を一ケ所に集めて機関銃や銃剣で皆殺しにした」のではなく、南京周辺での散発的な事件の総称であることと似ています。

「原子力ムラ」は定義されているわけではありませんが、この勢力が存在することをはっきりと知ったのが、火山学会に対して「危険というなら夜も眠らずに研究しろ!」と叫んだ上から目線の推進派学者がいたことです。

とまあ、自然科学に関しても自分の思想に都合良く解釈する者はいくらでもいることを紹介しておきました。

2015.02.21 00:31 URL | 飛び入りの凡人 #mQop/nM. [ 編集 ]

>飛び入りの凡人さん

>私は左派を自認していますが、見当違いのフェミニズムやエコロジーをしばしば批判しています。 
そのためともすれば原発容認とも取られかねないのですが、私が批判しているのは一部の狂信的な連中であって、放射能汚染を心配する人すべてではない。 

>そんな私が大嫌いな自然科学系ライターがいます。それが松永和紀です。 
松永はFOOCOM.NETではっきりと「100mSvの被曝で癌死率が0.5%増加」と書いています。しかしここの「100mSv」というのは「緩慢な状態で生涯かけて100mSvの加重な被曝を受けた場合」とされています。つまり原爆や原発事故のように、短時間で100mSvの被曝を受けた場合の被害はまだ分かっていない。松永はそこは飛ばし読みしています

本記事の主旨からすると脱線してしまいますが、ちょっと気になったので一応コメントを。

私は松永某の当該記事読んでいませんので、どのような文脈で言っているのか把握しているわけではありませんが、100mSvで0.5%致死癌増加ってのはICRP 2007勧告の引用ですよね。
この人は「安全神話」の方なんですかね?どうもご紹介のサイトちょっと覗いたらそんな感じでしたが。

でそれはともかく、問題は低線量被曝の影響というのがどのようなものか、どのようなメカニズムが働いているのかいまだ解明されていないということですよね。
にもかかわらず20mSvどころか定義もあいまいなまま100mSvが安全だというのが国の姿勢ですし。
しかし実際、たとえば松崎道幸(北海道反核医師の会代表委員、深川市立病院)氏によると10mSv以下の被曝でも有意に発ガンリスクが増加している研究調査が多数あると(2010年以降の長期間低線量被曝の事例も含む研究調査の紹介)。
http://hodanren.doc-net.or.jp/genpatu/drmatuzaki.pdf
また津田敏秀・岡山大教授も上記研究調査例を引用しつつ、政府・行政が100mSv以下は安全と言い出したのはICRP 2007の読み違え、「誰も、年間100mSv以下では、癌が出ないとは言っていない。日本中の医学部がおかしくなっている。日本の医療行政は、データを精査せず、勘と度胸でやっている」とまで指摘しています。
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/120248
(もちろん津田教授は国内で統計データを読み取れる、放射線防護の専門家と呼べる科学者が国・行政にかかわっているのか?と皮肉っているのであろうと思いますが)

ICRPは内部被曝問題についてメカニズム的に論拠を示しておらず、たとえば(昨年12月Eテレのサイエンス・ゼロで取り上げられたことによりようやく注目を浴びた)不溶性のセシウム・ホットパーティクル(番組ではセシウムボールと表現)の影響について、なんら触れてはいません。
また(小児甲状腺)癌リスクだけではなく、チェルノブイリの例に見られるような様々な病症例もまったく解明されておらず、むしろ科学者あるいは科学機関同士で意見が対立しているばかりです。
これは日本も同じで、四大公害病や原爆被爆における体制側科学者と市民側科学者の対立構造がそのまま当てはまるようにも見えます。
科学が「わからないことをわからない」とした上で、対策をどうするのか?その視点が欠けたまま今日を迎えてしまっている状況だと思います。

それが福島県の県民健康管理調査そのものの信頼を損なわせています(受診率の低さ)し、現在問題となっている2巡目検査における甲状腺癌判定増加の説明が二転三転している状況にもつながってるように感じられます。
また、県民健康管理調査と連動する環境省の俗称「長瀧会議」の丹羽太貫委員(ICRP国内委員)は「放射能は、離れて行くほど低くなる、これが常識的知識」と福島県外の汚染を否定、傍聴者から「ちゃんとした科学的議論をしろよ!」「ホットスポットがあるでしょう!」「あれ(丹羽委員)をやめさせろ!」と騒ぎになり(↓上のほうのリンク先参照)、結果次回会議では福島県外での影響を無視する方向となりました。
座長の長瀧重信の言動もひどいものです(↓下のほうのリンク先の記者会見でのコメント)。
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1859
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1867
文科省航空モニタリングの結果からも県外にもホットスポットが存在していることは、いまさら言うまでもないわけですが、こんな形で「権威ある」科学者が非科学的な発言をし、それを政府が利用して「子ども・被災者支援法」の立法主旨が形骸化されている現状があります。
また、これは日本全体の問題ですが文科省の放射線副読本。まさに100mSv以下は無問題と読めるような記述で、例の国連「アナンダ・グローバー報告」でも指摘されていますが、政府は完全無視です。
http://hrn.or.jp/activity/srag.pdf

新たな知見を取り入れながら健康管理対策をするわけでもなく、被曝リスクをなるべく低く見積もり、ただただ帰還を目的にしたかのような国・福島県の対応は、SPEEDIのデータ隠し、安定ヨウ素剤の未配布(福島県立医大の職員及び家族には配布された)、山下俊一らの言動のころから一貫して変わっていないように思います。
ちなみに3.11直後の放出量に関して言えば、特にヨウ素の大枠放出量はわかっていませんし、今現在も放射能はダダ漏れ状態であることを念のため付け加えておきます。

また、昨年12月に南相馬市における国の特定避難勧奨地点解除の通告に対して、住民説明会で大変な騒ぎになったのですが、国が20mSv/y以下だと言うのと裏腹に屋内外で線量が高い地点が多くあるにもかかわらず、3月には避難者への補助を打ち切る、という冷酷非情なものでした。
このとき、役人が「追加除染」を「清掃」と言い換えていたことにもビックリしましたが。

結局、科学が政治性をまとうことは避けられませんし、意見が対立することも避けられない。
もちろん、現状低線量被曝に関する考え方は人それぞれですし、中にはご指摘のとおりの「一部の狂信的な連中」もいるでしょう。
しかし(狂信的な連中の定義も人それぞれではありますが)ネット上の(まさに規制委田中委員長を批判しない)「科学憲兵隊」のような安全サイドの連中、原子力PAそのもののような、実際に行政に影響力のある科学者たちのほうが、危険サイドのエキセントリックな人たちよりも、よっぽどたちが悪いと私は思います。
こと低線量被曝問題に関しては科学論争の結論を「待っていられない」人々もいますし、「わからない」ことを無視し、あたかも自分たちの「科学」が絶対であるかのような不誠実さが(私の目には)より多く見られるからです。

2015.02.22 01:55 URL | white noise #- [ 編集 ]

まずいくつかについて述べておきますと、小児甲状腺癌の増加はスクリーニングによる影響は無視できないと思います。韓国で女性を対象にスクリーニング的な検査をしたところ甲状腺癌の発見が14倍に増えたニュースは一時流れました。
甲状腺癌は非常に緩慢な癌であり、多くは癌を抱えたまま進行せず生涯を終えると言われています。同じ調査を原発地域以外で行っても差異が出なかったということは、甲状腺癌については原発由来とは言えないと思います。

問題となるのは今後発生する可能性のある晩発障害です。
ICRPが述べているのは生涯をかけて緩慢な被曝、つまり寿命を80年と仮定すると、その80年間をかけて超過被曝量が100mSvに達した場合、癌死率が0.5%高まるというのですから、ほんの数日間に、作業員なら数百mSv、市民でも最高60mSvを被曝しているとされる今回の事故では当然、それより大きな影響が予測できます。
100mSVでの癌死0.5%増は「100mSv/一生涯」であり、「100mSv/year」ではないのです。ここを錯覚させる自称専門家もいます。
現在20mSv/yearの被曝を受ける人を考えます。放射線は時間とともに減衰していきますが、例としてセシウム137の場合、半減期が30年ですので、ここに住む人たちは30年間だけでも数百mSvは被曝するわけです。

ICRPもWHOも影響予測に苦慮しているようで、チャルノブイリの時も原爆の影響から予測するしかありませんでした。WHOによるチェルノブイリ事故の癌超過死予測は2,000人から16,000人まで大きな幅があります。チェルノブイリでは100mSv以上の被曝者が20万人にも達しているので、福島よりはるかに大きな被害になることは明白なのですが、WHOは小さな被曝量に対しても癌超過死を想定しているので、日本側科学者のいう「福島事故での被曝死は考えられない」というのは乱暴な意見と思われます。

これにはどこまでを福島由来のものと扱うかが難しい問題となります。例えば私の住む名古屋の隣県、岐阜県は花崗岩基盤であり、自然放射線量が多い。東京とローマでは自然放射線の量は倍ほども違いますし、よって原発周辺で癌死が実際に増えたとしても、「自然放射線でも説明できる」という強弁が通ってしまうのです。
これが「自然科学も政治的に利用される恐れ」があることの理由です。

2015.02.23 23:06 URL | 飛び入りの凡人 #mQop/nM. [ 編集 ]

>飛び入りの凡人さん

まず、過剰スクリーニングの件ですが、私が前回ちょろっと触れたように県民健康管理調査において、説明が二転三転しているのですよ。
そもそも100万人に2~3人という「定説」を唱えていた→ロジック崩れ過剰スクリーニングだと唱えた→1巡目異常なしだった対象者が、2巡目で新たに悪性・悪性の疑いが増えたという経緯をたどっているわけです。
しかも成長が早い、いや、遅いと二転三転した腫瘍径が17.3mmの子もいたわけですが、原発由来ではないという理由に関して合理的な説明が一切ないままなのです。
で、過剰スクリーニングの根拠としていたのが三県調査(青森・山梨・長崎)なのですが、対象年齢の違い等から当然のごとく批判されています。
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1806
これは環境省専門家会議(長瀧委員会)と県民健康管理調査自体の信頼性を毀損する話ですが、ようやく県民健康管理調査内部からも外部被曝のみ勘案するのではなく、(その方向に舵を切るつもりがあるのかどうかは不明ながら)内部被曝も考慮すべきという声が上がってきているのが現状です。
しかし、避難者及び福島県内と(場所によっては)同等のホットスポットが点在する他県については、未だに国は完全無視というのもまた事実なわけです。
(チェルノブイリ周辺では、はるかに広大な土地の土壌検査が実施されたにもかかわらず、なぜ日本は行わないのかも不思議です)

次に私の誤読でなければ、あなたはICRPが絶対的基準、晩発性障害のみ重要で、かつ、確率論で語っておられるように見受けられますが、

①チェルノブイリ周辺(上記URLの250km圏ブレスト州含む)、または600km離れたドネツクあたりの1~5mSv/y地域でも小児甲状腺癌発症が見られ、中には95年に確認(当時15歳)され、28歳で再発、31歳で死亡したという例もある。
特に子どもに関しては、原子力PAの作法に則った確率論など意味を持たない、と考える親が存在することは当然であり(もちろんそうではない親もいるが)、そのような親に対してICRPの数理モデルによる致死率などは、単に受忍義務の押し付けとなる。

②あなたの論では、前回示した松崎道幸氏の調査研究報告例は説明できない。

③ICRPでも2年間累積被曝線量50mSvで確率的影響が見られるとしているが、たとえば郡山市内の疎開訴訟のほか、前回示したように南相馬市では20mSv/yの地点が数多くあるのに特定避難勧奨地点解除という仕打ちを受けて、住民が抗議している実態がある。

④ICRPでも子ども・妊婦には限りなく低線量を推奨しているし、また、ALARA原則に則った合理的合意形成に住民参加を促しているが、「秘密会」を報道された県民健康管理調査や環境省の専門委員会(長瀧委員会)にはその意思がないかのように思われる。

⑤そもそも100mSv以下での発症はない、とはICRPも断言してはいない。にもかかわらず3.11以降今日に至るまで、それが「正しい」という言説がリアルな環境下で「権威」をまとった「科学者」から発せられ、「放射線副読本」における記述もまるでそれが正しいかのような体裁を取られている。
これぞまさしく原子力ムラによる、我々の電気料金、税金を使った原子力PAの「安全洗脳教育」そのものである。

⑥また、繰り返しになるが小児甲状腺癌以外の多数の疾患例、内部被曝との因果関係や核種と臓器の関係、DNAの修復限界とゲノム解析など、多数の新たな知見が生まれているにもかかわらず、これらは一切ないかのような扱いを受けている。

⑦あなたの指摘される晩発性障害も含め、まさに「原発由来」ではないと強弁されてしまう可能性が高いのが現状。ゆえに自主避難を選択する人や、県外のホットスポットでの自治体・住民の抗議活動がある中で、経済的支援はどうか。福島県は医療補助を1年延期すると決めたが、以降の見通しは不透明であり、かつ、県外については長瀧委員会は消極的である。
前回指摘させていただいた丹羽太貫のような人物が影響力を持ち、座長が「この会議でがんが増えているということが結論になると大変」と発言した長瀧であることからして、当然の結論と言えてしまうが。

ということで、(私の誤読でなければですが)ICRP2007勧告では図れない問題もある、ICRP基準そのものさえ踏み越えている「権威ある科学者」が行政に影響力を持っていること、また、晩発性障害のみならず、早期から多岐にわたる疾患対策が必要であろう、ということ以外は、ご意見に賛成です。

なにせ「自称専門家」どころか、実際に行政そのものにコミットして「安全神話」に寄与している「専門家」が存在するので、本当に困ったものだと思います。
過去の四大公害病や原爆被曝と比べても、これまたご指摘のとおり疾患の因子が特定できないことが予想されるので、本来ならば少なくとも医療補助を全面的に、かつ、長期にわたって行うべき、というのが私の意見なのですが。

以上大変失礼いたしました。

2015.02.24 23:32 URL | white noise #- [ 編集 ]

たびたび申し訳ありません。一つ勘違いがありました。

”福島県は医療補助を1年延期すると決めた”と書きましたが、大間違いで正しくは、”現在福島県が子育て支援事業で行っている18歳以下下医療費支援を拡充して、19 歳以上の甲状腺に係わる医療費無料化”の要望が各所より県へ出されている、ということでした。

訂正させていただきます。

2015.02.24 23:57 URL | white noise #- [ 編集 ]

まず被曝被害というのは、冷酷なようですが現在のところ確率論的すなわち「超過死」という統計でしか言えないものであることを述べておきます。LNT仮説によれば低線量被曝でも障害が発生する可能性がある、それはあの山下俊一氏も医療被曝で認めているところです。わずか1mSvや5mSvであろうと不運にも障害が発生してしまう例があることは承知しています。

あと私がICRPを論拠に使っているのを、ICRPを唯一絶対視しているかのような捉え方は不適当と言っておきます。

言わずもがな、被曝はその事例そのものが少ないため、また各事例がそれぞれ形態が大きく異なっているため、統一的な基準が作れていません。そんな中でのICRPの報告は比較的冷静に判断できたもののひとつとして扱っております。従って私の出した例はあくまでもひとつの説に集約してのものと扱って下さい(私としては妙なエコロジーに偏った団体の発表を鵜呑みにすることは安全派を利する可能性もあると考えています)。
もちろんこうした機関も「被曝量は少なければ少ないほど良い」ことは認めていますし、乳幼児や妊婦に対する被曝回避の重要度も然り。
また話を分かりやすくするために癌死に対象を限って話をしてきましたが、放射線障害には他にも多々症状があることも理解しております。

公害病の認定でもそうですが、今後国がどのように被曝による障害を認定するのかが問題となります。個人的な意見としてはできるだけ幅広く認定されるべきと思いますが、こうしたものは線引きが難しいのも事実です。
過去にも障害の有無を検査した医療行為が保険のレセプトを通らなかったという事例がありました。きわめて低線量被曝の元では仕方ないのかも知れませんが、私は非常に幅広く被曝の解釈を行い、検査費・医療費の負担軽減に国として進むのであればそれが理想と考えております。

2015.02.25 23:22 URL | 飛び入りの凡人 #mQop/nM. [ 編集 ]

>飛び入りの凡人さん

>あと私がICRPを論拠に使っているのを、ICRPを唯一絶対視しているかのような捉え方は不適当と言っておきます。

これは大変失礼いたしました。まずはお詫び申し上げます。
私の誤読で、ある意味ホッとしたのですが、であればこそ

>まず被曝被害というのは、冷酷なようですが現在のところ確率論的すなわち「超過死」という統計でしか言えないものであることを述べておきます。

ここには異論があります。

①再三申し上げてますように、誤用の疑いが強い「統計データ」や「思い込み」を根拠に、「小児甲状腺癌」の発生率をもてあそんでいること。

②また、「非科学的」な物言いで、関東~東北にまたがる広いエリアでの、ホットスポット、マイクロスポットの存在を無視していること。

③「県民健康管理調査」でも再三要望のあった、尿検査、血液検査の取り扱いはどうだったか、すなわち内部被曝に関する基礎調査も無視してきた経緯があり、かつ、ICRPでさえ把握している疾患例、チェルノブイリ事故後の例えば白血病、白内障の増加に伴う2011年声明における閾値引き下げをも、国内の「ICRPに準拠している」と主張する「権威ある」科学者、医学者が無視して「洗脳」に努め、あたかも「小児甲状腺癌」のみがトピックであるかのような「健康管理」実態がある。
癌だけでも皮膚癌、乳癌等チェルノブイリ周辺では報告事例があり、また、循環器疾患、生殖器官の機能不全、催奇性リスク、遺伝子への影響等々に関しても、対策が打たれていない。

④情報公開も不十分、というか民主党政権下で「公開討議」が行われた経緯があるので、引きずられた形で「しぶしぶ」情報公開してきたが、先に示したように現在それをも秘匿しようとする傾向がある。

⑤リスクを過小評価する対策と過剰とも思える(実際ベラルーシやロシアで行われていることと同等の)対策評価を行っていくことと、果たしてどちらが住民にとってよりよい「選択」を行うことができるであろうか?

⑥”確率論的すなわち「超過死」という統計でしか言えないもの”という言い方そのものが、「権力勾配」に沿った物言いであるように思われる。理由は上記で説明したとおり。

そもそもゼロ年代以降当たり前のようになってきた「セカンドオピニオン」すら許さず、福島県立医大の統制化に置こう、としたこと自体が過ちの元だと個人的には思っていますが、現在に至るまでリスク・コミュニケーション自体の信頼性をも疑わせる結果となっていて、対立構造が助長される不幸な結果となっているように思われます。

http://togetter.com/li/768040
これは3.11当事伊達市で高校教員をされていた宍戸俊則氏のツイートまとめ(現在は札幌市へ移住)
「危険派」にとって、いかに「科学」が暴力的であったか、よくご理解いただけると思います。
ちなみにツイートに出てくるSさんというのは、左巻建男のことですね。匿名の人物が証拠もなく3.11後宍戸氏が生徒に「お前らは放射能で死ぬ」と言ったと触れ回っていることを、左巻がツイッターで拡散、それを訂正して欲しいと宍戸氏が再三左巻に依頼したが結果的に拒絶。
まぁ、エア御用によくありがちなやつですよ、左巻というのは。

http://togetter.com/li/785169?page=1
こちらは、現在のリスク・コミュニケーションがいかに難しいかを地域メディエーターとの対話で浮かび上がらせたツイートまとめ。
この中で地域メディエーターは「鼻血」を「興奮しすぎ」と断定していますが、これも今更何言ってんのレベルの話で、鼻血の出現についてはチェルノブイリどころかTMIでも見られたことは既知であり、かつ、先に触れた「セシウム・ホットパーティクル」によるもの等々国内外にいくらでも論考なり、論文がある。
もちろんあくまで「ストレス起因」同様「可能性」に触れたレベルですが、これでは「安全派」と「危険派」の対話なんて望むべくもない。

まぁお時間のあるときにでも、各リンク先含めご一読いただけたら、と思いますが、”妙なエコロジーに偏った団体の発表を鵜呑みにすることは安全派を利する可能性もある”という状況に踊らされている人なんて、今頃ごく少数でしょう。
その点もお考えいただけたら幸いです。

2015.02.26 23:27 URL | white noise #- [ 編集 ]

私は③④⑤にあたることは何も述べていません。述べていないのは否定していることになるのですか?

まず②は個別に対応していくべき問題でしょうね。局所的な除染というものを考えるのも手です。
あと①⑥は、あなたが科学というものをいかに嫌おうと被害を調査する時の基本です。それとも「危ない」を叫んでいるだけの精神論がよろしいとでも?
まず①について、どこに誤用の疑いがあるのでしょうか? 韓国ではスクリーニングの結果、甲状腺癌が14倍に増えましたが死者数は増えていない、このことは事実なのですよ。これから導かれる答えはひとつ、「見つける必要のない甲状腺癌を見つけた」ということでしかあり得ません。
⑥については採用の仕方次第でしょう。松永和紀のような無知なのか悪質なのか分かりませんが、そういう連中もいますが、反原発団体のグリーンピースなども「超過死」というものを使っています。この言葉に必要なものは「感想」ではなく「正確な数字」です。

確かにリンク先のツイートなどは被害者の心情を逆撫でする無神経な発言が多く含まれているのは理解できます。
おそらくは正解は「中間」にあるのでしょう。それが安全側に近いものか、危険側に近いものかまでは分かりかねますが。

極論には走って欲しくない。
安全の計測結果が出ているものを「信じられない」と言って遠ざけ続ければ、次には誰かに「危険」と言ってくれるまで意見を探すことになるでしょう。病気ノイローゼの人はそんな状態になりますがそれと同じです。
また現在進行中の事象について過小評価もしてはならない。安倍首相が「汚染水はコントロールされている」などというその場しのぎの発言はもってのほかと思います。
私がネットで見た記事は「安全」と「危険」の極論が多く、非常に困った状態が続いているのは今も変わりません。

これまでの私の投稿を見て、それで私の立ち位置を疑うようでしたら話は進展しないということでしょう。

2015.03.04 01:16 URL | 飛び入りの凡人 #mQop/nM. [ 編集 ]













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