結果はあまりにも当たり前の自民党の圧勝だった。民主党は議席を増やしたとはいえ党代表の海江田万里の落選に象徴される大苦戦だった。対照的に、維新の党は議席を減らしたとはいえ、事前のマスコミの予想と比較するとはるかに多くの議席を獲得し、ほぼ解散前の議席を維持した。維新から分かれた次世代の党が惨敗し、前回「日本未来の党」で惨敗した生活の党もさらなる惨敗を喫したことを思うと、維新のしぶとさは異常だ。
この選挙でせめてもの救いは、共産党が解散前の倍以上である21議席に躍進したことと、非自民共闘で沖縄県知事選を制した沖縄で自民が全敗したくらいのものだろう。選挙結果の概略はそんなところだ。
こうして選挙が終わってみると、朝日・毎日や政治評論家(鈴木哲夫など)や「リベラル」ブロガーらが推奨した「野党共闘」は、維新の党を助けて、民主党内にあって少なくとも「右派」ではなかった海江田万里を(私は全くといって買っていなかったとはいえ)落選させるほどの大きなダメージを与えただけだったと言わざるを得ない。海江田は既に辞意を表明しており、民主党代表選が行われることになるだろうが、右派の政治家が代表に就任して、維新の党の一部だか全部だかと合流して、名実ともに保守政党として本当の「自公の補完勢力」になる可能性が高い。そうなると、党勢はますます下がっていくだろう。
そもそも民主党は、小選挙区制を中心とした選挙制度において、第一党の自民党と比較すれば圧倒的に不利だけれど、第三党の維新の党と比較すれば圧倒的に有利だった。そんなことは自明である。しかるに、民主党が、朝日・毎日両紙や鈴木哲夫ら政治評論家や「リベラル」系の政治ブログのあと押しを一見得たような形で、維新の党に譲歩しまくったばかりか、競合しているはずの自民党を利するばかりで、民主党にとっては何の利益もなかった維新の党との「野党共闘」にかまけていた。
その危うさを、私は公示直前の頃あたりから再三指摘・警告をしてきた。たとえば、『kojitakenの日記』では下記の文章を書いた。
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20141207/1417924022
こうして、維新に過大な譲歩をした東京の民主党は、今回惨敗する可能性が極めて高い。なにしろ、マスコミの情勢調査報道を見る限り、上記「得票力の高い」と書いた長島や松原らでさえ、小選挙区で負ける可能性がある。海江田万里や菅直人には、長島や松原よりももっと苦戦が予想されているので、海江田や菅には、比例復活も果たせず落選する可能性が高まってきたのではないかと私は見ている。比例復活の枠を長島や松原らが占めてしまうと自動的にそうなるわけだ。そうなると、民主党代表選が行われ、保守派の政治家が民主党代表に就任することは目に見えている。その場合、民主と維新が丸ごと合流する可能性が高まる。
上記は最悪のシナリオだが、そんな可能性を孕んだ「野党共闘」を、「リベラル」派と目される朝日・毎日両紙や政治評論家や政治ブロガーたちは応援してきたわけだ。その責任はきわめて重いと思う。
(『kojitakenの日記』 2014年12月7日付記事「東京(東日本)で維新が弱いワケ/東京の民主『リベラル』候補落選の可能性が高まる」より)
そうは書いたものの、まさか海江田万里が本当に落選するとは思わなかった。正直言って菅直人の方が落選するだろうと予想していたのだが、菅はまたしても比例で復活した(小沢一郎ともども、もう政界への影響力は全くないのに、本人の生命力は本当にしぶとい)。私が問題視した東京6区は、下馬評に反して自民の越智隆雄はやはり「落ちた顔」の異名を取るだけあって選挙に弱く、維新の落合貴之は越智の約8割の得票を得て比例復活の議席を獲得してしまった。なるほど、江田憲司が「この選挙区を寄越せ」と強硬に要求したのも道理だ。海江田がこのような、民主党にとっても金城湯池であるに違いない選挙区を気前よく維新にくれてやったことが、民主の伸び悩みと維新の党勢維持のみならず、海江田自身の落選という結果につながったといえるだろう。これで民主党が近く選ばれるであろう保守派の新代表の下、維新との統合を目指す右派路線を歩む恐れがますます強まった。
維新は、そんな民主の自滅に助けられたこともあるが、前回の総選挙で維新に投票した人たちが、維新苦戦が報じられてから重い腰を上げた効果もどうやらあったらしく、当初予想されたほどの惨敗にはならなかった。活性が低く、比較的政治に関心の薄い、橋下徹が言うところの「ふわっとした民意」を持つ層へのアピール力は、維新にまだ残っていたともいえるし、「野党共闘」のキャンペーンなんかもそれを助長したように私などには思われる。とにかく、マスコミが予想し、私も期待していた「20議席台」どころか、41議席もの大量の議席を維新が議席を確保しやがったことは、私にとっては「いまいましい結果」以外の何物でもない。
そして、「野党共闘」を応援したり、『日刊ゲンダイ』や政治評論家・鈴木哲夫の甘い予想にいい気になっていた「リベラル」系の政治ブロガーが、自民党300議席超の圧勝を予想した新聞の情勢調査報道が出るやいなや、「国民が何を考えているのかわからない」などと国民批判をやらかし始めたことには腹が立った。ベテランブロガーをしてそんな「政治音痴」でどうする、と怒りが収まらなかった。こんなブロガーに国民(有権者)を批判する資格などない。何より必要なのは自己批判だろうと思った。
公示前に『毎日新聞』に掲載された政治評論家たちの議席予想記事を読んだ時にも思ったことだが、衆院選の議席数が、あたかも得票率に比例するかのような思い込みを持っている人間が多すぎる。NHKの開票速報を参照すると、自民党の各ブロックにおける得票率は、北海道30%、東北33%、北関東35%、南関東34%、東京32%、北陸信越36%、東海33%、近畿29%(維新26%)、中国38%、四国35%、九州34%である。「保守王国」としてしばしば「リベラル」系のメディアなどに論難される北陸信越・中国・四国・九州を含めて、自民党の得票率が4割を超えているブロックは一つもない。その程度の得票率で6割もの議席が獲得できるのが、小選挙区制を中心とした現在の選挙制度なのである。
選挙制度が小選挙区制中心ではなく比例代表制中心であれば、自民党の議席は過半数にも及ばない。自民党の得票率は前回の衆院選よりは増えているが、さほど劇的な増加ではない。そんなことも頭に入っていないで、自民党を圧勝させる国民が何を考えているかわからないとは、何という言い草か。あなたは、小選挙区制を中心とする現行の選挙制度を正面切って批判したことがあるのかと言いたい。
そして、解散前の議席配分とはたいして変わらなかったとはいえ、自公政権を批判する人たちには、自公圧勝に意気消沈する必要などないとも言いたい。政治に追い詰められた沖縄では、選挙の時だけ選挙協力を行って自民全敗に追い詰めたではないか。民主と維新の「野党共闘」が成功しなかったのは、国民不在の党利党略から発するものに過ぎなかったからだ。状況はますます厳しくなったし、前述の選挙制度などそんな簡単に変えられるものではないが、自民党の得票率は35%前後に過ぎないという事実を常に頭に置き、それが小選挙区制によって巨大議席に膨れ上がろうが、民意から乖離した政治は必ず是正できるという信念を持って、自信を持って前進しよう。改めてそう思った。
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不思議なのは民主党と維新の連携を野合とか国民不在とか、党利党略でそれを否定するのに対して、なぜ共産党との連携が保革連携などと言ってそれを肯定的に評価するのかが理解できません。思想的に言えば民主党と維新のほうがはるかに共産党より近いのにです。もし民主党と共産党が連携すればそれこそ党利党略、国民不在の見本でしょう。
結局こういうことが起こるのは、共産党が思想的に民主党などとは全く違くところにいるという自覚を共産党支持者の人はもっていないからではないでしょうか。共産党との連携など思想的に見れば維新などとの連携などよりはるかに野合で国民不在であるということにはなぜスルーなのかが理解できません。
2014.12.15 08:37 URL | 共産党を除いたリベラルの団結 #- [ 編集 ]
リベラルの結成? 馬鹿げているね。維新や民主にどれほどのリベラルがいるの? むしろ自民、維新、民主が右翼結成をしたほうが思想的には一番近い。自民と維新がどちらがより右翼かで競い、民主も遅れまじと「僕ちゃん、待って」と追いすがる。それが実体。
共産党が今は一番リベラルに近いよ。まあ、52%の投票率で、しかも小選挙区では自民党は43%の得票率で約8割を占める237議席を獲得するという異常さ(http://www.nikkei.com/article/DGXDASFS17001_X11C12A2EB1000/)。これを異常といわずして、何を異常というのか。今や民主主義という大義もむなしくこだまするだけだ。そうそう、自民党は選挙前にマスコミ向けに脅しをかかえたが、これも低投票率に貢献しているね。とにかくテレビの穏やかなこと、この上なし。
2014.12.15 09:38 URL | #- [ 編集 ]
すみません。2014.12.15 09:38のコメントは、私がしたものです。記入し忘れです。
2014.12.15 09:41 URL | 負け組の矜恃 #- [ 編集 ]
自民党が議席数を減らし、公明党の議席増で何とか救われたってのが意外と言えば意外ですけど、東大の菅原琢氏によると自民党は比例区で得票数を伸ばしながらも率としては低調になっている https://twitter.com/sugawarataku/status/544189192293470208 と結論付けているんですよね。その意味では小選挙区制の「過大代表」が自民を利したとは言えるんですけど、問題は小選挙区制に否定的な方々(例えば佐高信氏ですら)でも民度ガー浮動票ガー棄権ガーって口にしていたりすることなんですよね。こと佐高氏辺りは永久選挙人名簿なんて止めて選挙ごとに有権者登録を義務化させろって最近は言っているんですけど、そうなれば自民党の方が却って有利になる可能性の方が大きいんじゃないかと察しますね。何しろ政権与党を助けてお零れに与るインセンティブってのは、野党支持層には往々にして無かったりするのだし(笑
あと、正直なところ(今の)維新の党に関してはあまり全否定するのも如何なものか、ってのが正直な感想なんですよね。もっとも橋下の勝手気ままな無定見や全体的にネオリベ的な政策など否定的に捉えがちになるのも理解できるんですけど、twitterでは「東京の維新ってほとんど民主同然じゃないのか、右っぽい人はみんな次世代に行ったし」 https://twitter.com/GHap51/status/544165718690783234 という呟きまで出ましたし、今回当選した初鹿明博なんかは「維新の党をリベラル化するんだ」 http://twitter.com/syuu_chan/status/539795997312839681 って言ってますから。他にもかつて薬害エイズ事件で脚光を浴びた川田龍平だって今や維新の党に属してますし、個人的には(本人にとっては大叔父にあたる)井出孫六の指摘 http://turdur.at.webry.info/201303/article_2.html にその大国主義志向を批判した指摘が印象的だ https://twitter.com/yousei_ide/status/312378252075347968 と述べ、更には秘密保護法に反対してみんなの党(当時)を離党した井出庸生も、今回維新の党で当選を果たした訳ですから。こうした「リベラル」ってのか「ソシリベ」ってのが維新の党を変えてくれれば・・・・・と考えるのは希望的観測に過ぎますかね?
2014.12.15 09:46 URL | 杉山真大 #- [ 編集 ]
追記。私は自民、維新、民主の右翼が1つにまとまってくれたほうがありがたいね。そうしたら、えせリベラル(隠れ右翼)を除けるからね。さすれば、沖縄のように共産党を巻き込んだある種の運動が起こるはずです。沖縄県は米国に事務所を開設するそうです。虐げられ、差別され続ける沖縄は、今、自治権獲得の一歩を歩み始めたのかもしれません。
2014.12.15 09:54 URL | 負け組の矜恃 #- [ 編集 ]
恥ずかしいけど、僕も今回の衆院選の野党共闘を賢明と考えていたんですね。
何度も書きましたが、与党か野党かのオセロの世界である小選挙区では、与党も野党も候補者を絞った方がいいと。
それにしても自民の得票率がそこまで低いとは驚きました。
ということは、選挙制度を中大選挙区制か比例代表に変えるなどして、多党化かつ得票率が比較的少なくても当選しやすくなる制度に変えた方がいいんでしょうね。
(ただ、かつての55年体制のような自民一党優位制に逆戻りする可能性はありますが)
2014.12.15 11:37 URL | SPIRIT(スピリット) #Bcjh3QfU [ 編集 ]
流し見の記事だったので細かくは覚えていませんが(毎日だったかな?)
野党共闘のおかげで競り勝った選挙区もあったので民主党内で執行部への評価は分かれるだろう、という趣旨の記事を昨日読んだ記憶があります。
私は野党共闘には何とも言えない立場を持っていますが(ダメな中立ですね)、少なくとも自民か維新、共産党しか選択しがない選挙区はどうしようもないと感じたのは確かです。
小選挙区に存在しなかった党の比例に入れる人は多くないでしょうし。
2014.12.15 15:16 URL | #- [ 編集 ]
今回の選挙における維新の近畿比例一位が、あの小沢鋭仁。
地元の一位をあっさり手渡した橋下松井浅田の大阪トリオは一体何を考えていたのだろうか?
しかも比例はともかく、大阪の選挙区では当選者が半減以上に減っているし。
まあ形だけでも民主と組んだことで、維新が自民と組むことはもうなくなったとみていいだろう。
国会議員の仕切りのほうは、江田や小沢鋭仁のような元民主・みんな・結いの党系の声がだんだんでかくなる形で動きそうな気がする。
但しそれがリベラル諸氏のお気に召すものになるかどうかはわからないが。
2014.12.15 20:50 URL | 元大阪府民からの伝言 #- [ 編集 ]
http://www.47news.jp/CN/201412/CN2014121501002379.html
47NEWS > 共同ニュース
憲法改正、84%が賛成 衆院選当選者アンケート
共同通信社は15日、衆院選当選者(475人)のうち、立候補者アンケートで回答を寄せていた458人について回答内容を分析した。憲法改正に賛成との回答は84・9%に当たる389人で、改憲の国会発議に必要な3分の2(317)を大きく上回っていることが分かった。集団的自衛権の行使容認には「どちらかといえば」を含め計69・4%が賛成した。
衆院選で政権継続が決まったことを受け、安倍晋三首相は憲法改正に意欲を表明。7月に閣議決定した集団的自衛権の行使容認を踏まえ、来年の通常国会で安全保障法制の整備を推進する方針だ。
まさに大日本帝国万歳、日本会議万歳な状況ですね。
私も江田の言動と旧結いの党が多数残ったことから、維新民主への合流大いにあると思ってますし、次期代表も日本会議-松下政経塾系から選ばれるのでは?と危惧してます。
ということで、民主にはまるっきり期待できないので、
https://twitter.com/satoto_m/status/543743447153135616
https://twitter.com/akihikoyoshitom/status/543734021553790976
https://twitter.com/tigercatver2/status/543734570617565184
共産党には国会でNHKの籾井に何が公平な報道か質してもらいたい。
投票日前日(14日)選挙特番で自民が15分、民主他が6分以下って、そりゃなんぼなんでも露骨すぎだろうと。
安倍に言ったところで無駄なので、ネチネチと籾井をいたぶれば、あるいはGDP二四半期連続マイナスを政府の言うとおり「景気回復の兆し」なんぞと言わず、日本以外の世界中で誰もが使う「景気後退=リセッション」と正しく言うようになるかもしれませんし、他のメディアも讀賣英字版のように「”Sex Slave”って使ってましたけどどうもすみませんでした」などと言わなくなるかもしれませんね(毒)
さて、帝国データバンクは円安倒産増加と年明け本格化を予告してましたが、いよいよ株価も心配になってきました。
安倍は改憲がどうのといきまくと同時にアベノミクスの継続って言ってますが、正直沸いてるんじゃないかと。
本日17,000円ぎりぎりで引けましたが、これは先週末のNYダウ下落を受けてのつれ安ですが、なぜ指標上世界で唯一といってよい経済好調なアメリカで株が下落したかといえばご存知のように原油先物価格の下落状況が続いていることですね。
サウジは北米中心のシェールガス潰し狙いで40ドル台までほっておくようなこと言ってまして、一見危機回避で円高になり、かつ、数ヶ月先には輸入材の価格も抑えられるようになるってことで、良いことのように思われますが、欧州もデフレ、新興国まるで駄目、中国も軟調な経済状況で、またアメリカもシェールガスのファイナンスからファンドが危機的な状況になり、金融恐慌を起こす可能性があると。非常にリスキーな外部環境ができていると。
そんな中今年の日銀ETF資金も本日のタマ370億円で終了のようですので、何かがトリガーになって大納会前に日経平均大暴落なんて事態も考えられると。
そうなると年収200万円以下1100万人強とか中小零細の円安倒産や廃業・解散なんざ知ったこっちゃねえとスルーだった東証一部上場企業上位30社様も多大な影響受けるわけで。
こういった急激な事態が起こらないとしても、とにかく日銀12月短観やら首都圏マンション市況やら実態経済上良い話は一つもない上にアベノミクスの矛盾(これ以上円安誘導するのかどうなのか)も明らかなので、政党勢力図がどうであろうと、お先真っ暗な気がしています。
ほんと安倍にOECDも先週トリクルダウンはかえって経済成長を阻害するって宣言したぞ、教育費削って大日本万歳の道徳強化と親学万歳ではグローバルな人材なんぞ育たんぞって、言うやつ政権内にはいないんですかね。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2014121302000130.html
2014.12.15 23:27 URL | white noise #- [ 編集 ]
民主と維新はともに「政治主導体質」という点で一致している。
連携に失敗したとはいえ、統一候補に互いの五割くらいは票を投じており、与党にはそこまでは流れていない。
個人の権利を際限なく追求し、官僚体質を排した上での自由競争が好きなタイプのリベラルはここに終結するんじゃないかな。
反戦平和の日本の中で国民どうしがゼロサムゲームで競いあうのが好きな体質の人々というのは、リベラルの一形態として確かにあるように思えるし、それが日本型リベラルのトレンドではないのかな。
2014.12.16 01:28 URL | 元大阪府民からの伝言 #- [ 編集 ]
何と言うのか、民主党に信徒の共闘・再編へ背中を押す結果となった一因って、以前にこのブログで取り上げた滋賀県知事選での勝利 http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1353.html があるって気がするんですよね。そのエントリでもコメントしたんですけど、あの知事選は民主党支持層と維新支持層が民主党推薦の候補へ投票して与党系候補に勝った選挙だったんですよね。あの選挙結果を見て、幾ら民主党や社民党(&生活の党)だけで勝てず、維新の党の様なのと共闘しないと勝てないって思った「リベラル」は多いんじゃないかと思います。
で、更に進んで自民党の一部さえ巻き込んだ「共闘」を叫ぶ声まで挙がり一部では成功例の様に喧伝されてますけど、ポリタスで樋口耕太郎氏が「オール沖縄」にまで踏み込んだ上で厳しい指摘をしているんですよね。 http://politas.jp/articles/327
以下、一部を引用します。
「辺野古移設反対の熱気に包まれた選挙だったが、実は、基地返還にクールなサイレント・マジョリティが、翁長氏躍進の原動力となっていたとしたらどうだろう(中略)選挙後も多くの有識者、候補者、市民と会話を続けているが、私が会話した沖縄人たちの多くは、驚くほど基地問題に関してクールだ。「沖縄の問題は基地だけじゃない」、「中部の方々には気の毒だが、都市部で生まれ育った私の中に基地問題は存在しない」、「沖縄の社会問題は、経済発展によって減るどころか増加している」、「本土復帰以来、沖縄がどんどん沖縄ではなくなっていくような気がする」などなど……。彼らの言葉を聞きながら、私は、沖縄のサイレント・マジョリティとは、基本的な社会の方向性、つまり、沖縄が本土並みを目指して進んできた振興計画のあり方と、それが生み出した環境問題、格差問題、共同体の分裂など、今の社会の現状に疑問を持っている層ではないかと感じた」
「1987年に返還された200haを超える米軍牧港住宅地区の再開発によって誕生した那覇新都心おもろまちは、基地返還後の経済波及効果のモデルケースとして取り上げられることが多いが、その街並は減歩率が不足して道路面積が十分に確保できず、日中は渋滞で車では出ることも入ることもままならない。目抜き通り、沖縄県の顔とも言うべき県立博物館・美術館の正面に、パチンコ店と量販店と低価格のビジネスホテルが連なる街並を見て無念と感じる県民は少なくない。長年基地返還のために戦って、県民が手に入れようとしていたものはこんな街なのだろうか」
「発展を遂げていると言われている沖縄の観光産業も、来訪客数と観光収入は増加しているが、観光客一人当たりの滞在日数と消費額の低下に歯止めがかからない。沖縄本島の魅力はどんどん褪せて観光事業者の利益率は低下を続ける。沖縄の観光産業は今やもっとも低所得で、もっとも臨時職員比率が高く、もっとも労働者の流動性が高い業種の代表格になってしまっている。従業員が幸せでなければ、思いやりで顧客に接することはできない。観光立県を支える観光産業の現場には夢がなく、疲弊している。成長著しいとされる「IT産業」も、その実体は大半がコールセンターなどのBPO(外出し事業)であり、人件費が安いという理由で沖縄が選ばれている業態の典型だ。本土大手企業が低価格の沖縄子会社に単純作業を投げ、東京本社では付加価値の高い業務を行う分担が出来上がっている。沖縄の従業員は、将来上がる見込みのない低賃金で働き続けるだけでなく、発展性のない単純作業をくり返すことが求められているため、十分な学習機会が得られず、やる気を失い、人材が育たず、マネージャーはいつまでたっても本土からの派遣で賄われる」
「沖縄の基地経済を語る上で、沖縄の『基地関連収入』は県民総所得の『5%』程度まで縮小し、現在の沖縄経済はほとんど米軍基地に依存していないという議論が存在する(中略)しかしながら・・・・・沖縄に米軍基地が集中していることの『見返り』として提供されてきた有形無形の補助金、税制優遇、観光プロモーションなどの一切はこの中にカウントされていない。顕著な例では、辺野古移設への事実上のバーターとして沖縄に提供される一括交付金など、年間3000億円を超える沖縄関連予算はあくまで沖縄「振興」予算であって、「基地」関連経済ではないという解釈だ。よって先の計算からはまるまる除外されている」
「大量の補助金がこれほど狭い地域に投下されているにも関わらず、沖縄では最低賃金で働く労働者数、非正規社員数、平均所得、平均家計収入、完全失業率いずれも全国最低水準である。いったいぜんたいこれだけの補助金はどこに消えているのだろう? 回答のひとつが県内格差である。沖縄の平均所得は日本で最低水準だが、年収1000万円以上の対人口比は全国第9位だ。沖縄は一般に言われているような単純な『貧乏県』ではなく、日本最大の『超・格差県』なのだ。沖縄と本土の格差はよく議論に上るが、沖縄問題の本質はこの県内格差にこそある。沖縄県内において、補助金の『川上』に位置する保守層が補助金経済の多くを享受する構造が存在する。県内格差を生み出し、維持しているメカニズムは沖縄の内部にあるのだ」
「とても酷い言い方に聞こえると思うのだが、沖縄の保守層は(必ずしもそれを意図としなくても、結果的に)多額の補助金を不均等に分配する役割を果たすことで、沖縄内部に激しい格差を生み出す原動力になってしまっている。沖縄の労働者は全国でもっとも低い賃金で働いているが、彼らは保守層が経営する事業に安価な労働力を提供することで、結果として保守層の既得権を支えている。保守層の立場では、自分たちが富を蓄え、県内格差が拡大するほど安い労働力が手に入り、自分たちの経営がさらに安定するという皮肉な図式だ」
「沖縄では革新者に対してやんわりと、曖昧な言葉で、ときには無言で、目には見えない暴力的な圧力がかかることが珍しくない。『おまえのところだけ従業員に高い給料を払っていいカッコすれば周りが迷惑する。沖縄社会のバランスを乱すものは悪である』といった声だ。恐らくこのようなことも理由のひとつだと思うのだが、沖縄は企業経営者の大半が2代目、3代目であり、成功した創業者が非常に少ない地域だ。それが悪平等であったとしても、競争の芽を潰し、新しいものの誕生を妨げる社会風土が根強く存在する。ひとりで事を起こすことは難しく、親しい間柄、特に血縁内の「承諾」なしで強行すれば、重要な人間関係を壊すことになる。緊密な血縁者から十分な協力が得られなければ、小さな沖縄のマーケットで事業は成り立たない」
「血縁を大事にしているということももちろんあるが、それ以上に、このルールを破れば沖縄社会で居場所を失ってしまう。沖縄には模合(もあい)という頼母子講が根強く存在するが、30年間毎月続いているような模合も珍しくない。親密さの現れということ以上に、続けなければやはり人間関係に重大な亀裂が入る可能性がある。沖縄人が常に身内を優先することで、外部から見れば筋が通らない振る舞いをしたとしても、他に仕様がないのだ。同様に、沖縄の保守層が自分たちの身内の利害を何よりも優先させることは当然の行動原理であり、逆に、そのように振る舞わなければ、彼ら自身も居場所をなくすことになる」
「沖縄の保守層は、補助金経済が継続し、県内格差の勝ち組として独占的な地位を獲得している現状に痛痒を感じないため、現状維持を図ろうとするインセンティブがどうしても生じる。変化が少ないほど好都合で、新たな取り組みに消極的であり、外部からの参入を嫌う。企業内部でも英断派は出世しづらく、敵を作らない決断の少ない穏やかな人物が経営を引き継いでゆく。・・・・・むしろ、異なる発想で開発を試みたり、より良いものを生み出そうと奔走したりすると、周囲から無言の圧力が加わって社会から浮き上がってしまう。」
「結果として、沖縄経済はイノベーションを生み出す力を失ってしまった。創業社長またはそれに匹敵する新規事業分野を開拓し、本土市場でも競争力を持ち、補助金に頼らず、オンリーワン企業として活躍していける沖縄企業はほとんど存在しない。生産性を生み出すことができなければ補助金に頼るほかはなく、創造的な仕事がなければ人材は育たず、大半の県民が低所得で生活し、生活の質が低下し、依存の構図が深まり、教育が劣化し、社会問題の数々が広がり、県内格差が深まる。このような沖縄の社会問題が生み出された原因は、沖縄の政治が過去40年間にわたって、人材の「質」を高めるよりも、補助金による「量」的な経済成長を何よりも優先してきたからである。経済成長優先、補助金中心の沖縄振興計画は、保守層の基盤を安定させる一方で、基地の固定化を望む日本政府の意図に適っている。そのような明確な意図はないかもしれないのだが、保守層にとっての基地問題とは、解決を目的とするものではなく、社会の現状維持のための手段になってしまっている。一方で、革新と呼ばれている人たちの基本的な世界観は、沖縄の社会問題のほとんどは本土との対立構造に起因するという認識に基づいているために、沖縄の内部に現状維持を望む強い動機が存在すると言う真実にたどり着かない。対本土あるいは反基地に対する感情が高まるほど、日本政府からは「火消し」としての補助金増額がなされて基地依存の基本構造が強化されると同時に、本土vs沖縄という分りやすい対立構造の中に本当の問題が隠されてしまうため、結果として保守層を利して現状維持に力を貸してしまっている。真に革新するべきは、沖縄内部の格差であり、個人の創造性を殺してしまう社会圧力であり、人を育てきれない風土であり、有能な人材を活かすことができない組織のあり方である」
「一部」の筈が長い引用になりましたけど(爆 、自分には「オール沖縄」ないしは保守層の現状維持を含む層まで含めた「保革共闘」も結果として、こうした罠にはまる危うさを感じるのですよね。そもそも小沢一郎時代の民主党の"膨張"、あれも今にして思えば自民党の「改革」で取り残された保守の現状維持層を取り込んで成立しましたけど、それで例えば「改正」された教育基本法が元通りになった訳でも無し、派遣法は改正されどブラック企業が世に憚る現状までは変えられなかったし、周辺諸国とは寧ろ対立のタネを撒いたりして、更に悲惨な円高と経済問題では成功とは言い難かった訳なんですよ。
そして、こと重要なのは(「リベラル」層で支持されてる)内田樹とか浜矩子の様なのが主張している「恵まれた層から庶民への閉鎖的なトリクルダウン」「固定化されて排外的なコミュニティによる(暴力装置的な側面を含めた)相互扶助(&相互監視)」が沖縄では既に現実のものとなっていることなんです。そして、それを政権の側が利用して肝心の生活格差や福祉など社会問題は解決されないままでいる。確かに安倍政権は外交や国防ではタカ派だったりするし、歴史認識やら教育関係は戦前のそれまた昔の方へと向かっています(再分配政策が欠落しているのは言うまでもありません)。しかしながら、その「代案」とやらが安倍よりもさらに閉鎖的で排外的・加えて経済格差を是正するどころか子々孫々まで固定する様な「定常社会」だとしたら悪夢以外の何物でもありませんね。
2014.12.16 19:31 URL | 杉山真大 #- [ 編集 ]
自公圧勝は計算の打ちだったので仕方ないが、ネオリベ維新のしぶとさにはうんざりしました。
橋下の演説はテレビで見ただけですが、ひたすら公務員バッシングでした。
「ああ、こいつはポピュリズムの再来を狙っているな」
と感じたのよ、あまりの露骨さに。ネオリベの得意技はまずなんといっても公務員バッシングですから。醜いけどね。
あとやっぱりネオリベを好む人は一定数いるということですね。
ただ日本人の良識を見た面もあって、それは次世代が壊滅したこと。元々橋下人気に乗って当選した連中のうち、排外的極右が集まったのだから、ろくな党じゃない。
中田も西村も、極右でありながらたまたまポジションが良かっただけで議員であり続けた連中もヘイトなど票にならないことを思い知ったでしょう。3位とは僅差とはいえ、田母神の最下位落選など胸がすきます。
こうしてみると、争点の曖昧さから抵当票率、自公圧勝となっただけで、極右の主張に共感する有権者などほとんどいない、それが分かっただけでもまあ良しとするかな。
2014.12.17 00:01 URL | 飛び入りの凡人 #mQop/nM. [ 編集 ]
公務員バッシングに代表される公共部門、ひいては公共財に対する批判行動は第三極や民主およびその支持層に目立つ。
公務員叩き、官僚叩き、ダム叩きなんてのもあった。
派手な事業仕分けパフォーマンスもそのひとつとも受けとれる。
民主の支持母体に自治労がいるけど、だからといって公務員擁護の姿勢を見せてたとも思わない。
一方で、あくまでも私の主観だけど、現与党と共産は公共部門や公共財に対するバッシングをあまりしていないように思う。
少なくともこれを党の大きな売りにするという姿勢は見受けられない。
ここで自民と共産の共通点を述べると、工作員扱いされそうだけどさ。
公共部門やインフラの重要性を重視するのなら、民主と維新は選択対象外になる。
2014.12.17 01:54 URL | 元大阪府民からの伝言 #- [ 編集 ]
>極右の主張に共感する有権者などほとんどいない、それが分かっただけでもまあ良しとするかな。
ええ~と、安倍のFBアカウントが保守速報シェアし、「釜山からソウルまで焦土にすべき」だの「強制収容所を作って在日をそこへ送れ」などという極めて醜悪なコメントが削除されずに残っていることはご存知だと思いますが。
そして海外有力メディアは安倍や報道機関、閣僚の姿勢を問題視していると。
http://matome.naver.jp/odai/2141758252622789601?&page=1
http://matome.naver.jp/search?q=%E5%AE%89%E5%80%8D%20%E3%83%8D%E3%82%AA%E3%83%8A%E3%83%81
もちろんここで名前の挙がっている自民党の閣僚以外にも「自虐史観」「ジェンダーフリー」粉砕を叫ぶ議員なんてそこらじゅうにいますよね。自民党内には。
無名な人でも例えばこの元教員さん。
http://www.miyagawanoriko.net/plan01.html
次世代の党となんら変わらんのですが。
ちなみにレインボーアクションからの性的少数者に関する政党アンケートで、自民は「人権課題と言うより、ビジネス分野での取り組みが優先されるべき課題であると考えている」などとなんとも珍妙かつ性的少数者の人権なんざ知らねえよ、と回答しています。
http://rainbowaction.blog.fc2.com/
で、在特会のヘイトスピーチはけしからんが、朝鮮学校への補助金停止や防犯ブザー配布しない、なんてのは差別ではなくやむをえないことだ、なんて議員はそれこそ与野党問わず、あるいは首長、市民の中にうじゃうじゃいるわけでして。
極右ってのをどう定義されてるかわかりませんが、国連人権規約委員会や差別撤廃委員会から再三指摘されているマイノリティの人権を無視するやから、あるいは歴史改ざん主義者は、私の中では立派な極右の愛国酷使様ですので、ちっともまあ良しなんて言ってられる状況ではないかと。
大体次世代の党の連中だって、田母神が熱望していたように、自民から出馬していれば当選したやつなんてなんぼでもいるんじゃないですか?
それこそkojitakenさんがおっしゃっているように、小選挙区であるがゆえに落選しただけで。
おそらくこれから経済状況が更に悪化する可能性が高まっていると思われますが、これから何が起きるか?
関東大震災時などの歴史に問わずとも、ギリシャやウクライナの現状見ていると、それこそ怖くなってしまうのですが。
2014.12.17 02:18 URL | white noise #- [ 編集 ]
共産党がリベラル?それこそ馬鹿げていますね。民主党の議員がすべてリベラルなどと言うつもりはありませんが、共産党がリベラルなどとはすごいいいようですね。
個々の政策ではそのような見方も成り立つ部分があることは認ますが、共産主義を掲げている時点で本質的にはリベラルとは対極ですよ。
もし民主党が右翼勢力だというのであれば、単にリベラルは民主党も共産党をも抜かしたごく少数の人たちと言うことであって安倍政権の暴走を止めることはできないという結論に達するだけです。共産党の手を握ったリベラルなどあり得ませんよ。その時点でリベラルではありませんね。
2014.12.17 09:24 URL | 共産党を除いたリベラルの団結 #- [ 編集 ]
まあ、かりに民主と維新が合併して、その党が参院で多数を握ってた場合、どんな政策を与党に突きつけてくるかと考えれば、想像はつくよなあ。
新聞に、労組系議員による「岡田氏が代表になればリベラルの看板も残る」とかいうコメントが載ってて、いつから岡田がそういう立ち位置になったんだよと思いましたが、対抗馬が細野やら前原では、相対的にはそうなってしまうのでしょう。
でも岡田も強引な野党調整を進めた経緯があるわけで、自主再建重視か、野党再編重視か、といったところで、右派路線という意味では結局ニュアンスの違いしかない気もします。
2014.12.17 14:07 URL | 西尾 #IjUZIPhA [ 編集 ]
>西尾さん
それ言ったら、小沢代表辞任後の代表選も同じ様なもんで・・・・・
それは兎も角、例によって菅原琢氏が朝日新聞の記事 http://t.co/2WgyBj9hGz を枕に、「野党共闘」ないし「保革共闘」についてかなり厳しい評価を下しているんですよね。
http://twitter.com/sugawarataku/status/544625549692252160
「単に野党への支持が弱いことが第1の要因、直前に調整したことが第2の要因では」
http://twitter.com/sugawarataku/status/544627356631957507
「一本化はもともと劣勢の選挙区で行うことも多いだろうし、落下傘で飛ばされて『一本化』扱いになることも多く、こういう単純比較で議論するのは難しいのでは。そもそも一本化選挙区と『全体』を比較するのが意味不明。一本化、競合、候補0で比較するだろう」
http://twitter.com/sugawarataku/status/544631540123054080
「粗いデータで確認してみると、民主、維新、社民、生活の4党で候補1の場合が自民党の勝率が最も低く、候補2以上が最も高い。ただしその差は4ポイント程度。候補2以上の競合選挙区での勝利選挙区のいくつかは、前回も民主や維新が勝っているようなところ」
それから、共産党と共闘なんかできない!ってのがコメント欄にもありますが、実際「共産党が候補を立てたから野党が負けた」って非難する"俗論"もけっこうあるそうで。しかし(しゅうちゃん氏が指摘してますけど)、実際供託金没収レベルで敗れた共産党候補が全部野党の次点候補に入ったとしても以下の候補しか当選できなかったってのも事実なんですよね。
鈴木 貴子(北海道7・民主)
寺田 学(秋田1・民主)
村岡 敏英(秋田2・維新)
近藤 洋介(山形2・民主)
金子 恵美(福島1・民主)
阿部 知子(神奈川12・民主)
鷲尾英一郎(新潟2・民主)
菊田真紀子(新潟4・民主)
近藤 和也(石川3・民主)
小山 展弘(静岡3・民主)
伴野 豊(愛知8・民主)
平野 博文(大阪11・民主)
小川 淳也(香川1・民主)
松野 頼久(熊本1・維新)
実際には全部が全部別の候補へ行くとは限らないし、ましてや共闘で反って投票を止めるってことがあったりする訳で、「一本化すれば勝てた」とか嘆くなら小選挙区制の問題を(序でを言うなら中選挙区制にも問題があることを)正面から受け止めた方が建設的かと思うんですけど。
2014.12.18 07:17 URL | 杉山真大 #- [ 編集 ]
>white noise 様
えーと、私が言っているのは「極右思想オンリー」での支持はごく少数ということです。
確かにあの連中にも自民党から出れば当選できたのもいるでしょうよ。でもそれは候補者ではなく、「自民党」という古い看板のため。ほとんどの有権者は安倍支持者のヘイトコメントなんて知らないのです。
また田母神も最下位落選とはいえ、かなりの票は集めたではないかと言う人もいますが、あれは田母神の知名度で集めた票です。有権者の多くは主張の詳細なんて知りませんから。
あれほどマスメディアに露出している田母神よりも、一般人には党の名前だけで候補者としては無名に近い共産候補より下だったのです。
つまりですね、今回の選挙での次世代は「経済政策とか大政党の看板やマスコミでの知名度を抜きにして、排外極右思想だけで選挙をすればどうなるか?」を示したわけです。その結果は大惨敗。
はい、自民党にも次世代に負けないくらいのカルト極右はいますね。民主にも維新にもいます。それらは大政党の看板があるから当選できるのです。もし主義主張だけで立候補したら惨敗は間違いないでしょうね。
私の言いたいのはそういうことです。
2014.12.18 23:30 URL | 飛び入りの凡人 #mQop/nM. [ 編集 ]
党の名前や知名度だけ知られていて、差別的言動の詳細は知られていないから支持される。いや、国民の多くが差別者であるから支持される。それが争点ということになるでしょうか。ありきたりですが、やはり、どちらもあるでしょう。確かに、安倍首相、山谷氏、高市氏、稲田氏、下村氏、片山氏の言動は、もっとマスコミで取り上げられ、記者自身の責任ある言葉でもって非難されるべきなのに、それがされていないといえるでしょう。いっぽう、非難が不十分とはいえ、差別的言動で知られる石原氏が都知事に四選もされ、二度も300万以上の得票をしているのです。やはり、どちらもあるでしょう。
2014.12.19 00:47 URL | suterakuso #- [ 編集 ]
> 飛び入りの凡人様
やはり危険度の認識が違うようです。
釈迦に説法みたいで恐縮ですが、そもそも家父長家族主義や中国人、朝鮮人等への差別意識というのは、戦前から脈々と受け継がれてきて現在に至っているわけです。
これは今に始まった話ではないですが、たかじんのなんちゃら委員会だのたけしのTVタックルなんて、まんま上品な在特会みたいな連中がパネラーとして出演している。
そこへ来て、ここ2年ほどは(中高年男性向け)週刊誌に中韓ヘイト記事が毎週のように出るわ、有名書店に中韓ヘイト本コーナーができてるわ、といった状況になっている。
とうとう”反日日本人”なんてタイトルの本まで出版される状況になっていると。
http://garo.co.jp/comic/kazuya2.html
どう考えても社会全体がもともと持っている差別土壌の上に極端に右ぶれしているとしか思えないのですよ。
もちろんこれらに燃料投下しているのが、歴史改ざん主義者たち。
何度否定されてもテンプレみたいに繰り返し再生産されるデマゴーグが拡散されている現状。
で、与野党にまたがる神政連国会議員懇談会が約300名、日本会議国会議員懇談会も約290名。
なでしこアクションなんかも含め、これら”保守団体”が信じていることや何をしようとしているか、モンタナ州立大教員の山口智美氏のインタビュー動画をご参照ください。
https://www.youtube.com/watch?v=DwE4WCnBUM8
会員の多くがおそらく在特会のような路上でのヘイトスピーチは行わないでしょうが、大真面目に潤沢な資金を使ってTHE FACTSのときからさらに深化した対米ロビー(と称する)活動を行っているわけです。
ちなみに日本会議には保守本流のはずの谷垣が顧問として、また外国人参政権反対の急先鋒でありながら解釈改憲や特定秘密保護法反対の村上誠一郎もいますが、彼らがこの動きを制するような動きをしているとは聞いたことがありません。
>確かにあの連中にも自民党から出れば当選できたのもいるでしょうよ。でもそれは候補者ではなく、「自民党」という古い看板のため。ほとんどの有権者は安倍支持者のヘイトコメントなんて知らないのです。
suterakusoさんがすでに指摘されていることと重複しますが、石原以外の例でも例えば稲田朋美。
彼女のコアな支持者の中でもネオナチ団体との付き合いのあることを知らない人は確かに多いかもしれません。
しかし、彼女が歴史改ざん主義者であることは多くの支持者が知っていることでしょうし、そんなの関係ない、何らかの見返りを期待して、もしくは長年の付き合いだから、と思って毎度毎度投票している支持者がむしろ問題なんですよ。
もちろん彼らのすべてが差別意識を内包しているとは言えませんが、少なくとも極右を許容しているわけですから。
そして、主要メディア。海外有力メディアから指摘されるNHKはウオッチ・ドッグたれ、讀賣は歴史改ざんするな、もそうですが、石原引退会見時の橋下へのエール「若き日のヒットラー」なんてのも「石原節」で片付けていたり、そもそも安倍のFBアカウントにしろ閣僚らのネオナチ、極右団体との親密な関係性についてスルーの姿勢も大問題なわけですよ。
特定秘密保護法が施行された今、安倍のやろうとしていることにどれだけメディアが反対できるでしょうね。心配です。
>はい、自民党にも次世代に負けないくらいのカルト極右はいますね。民主にも維新にもいます。それらは大政党の看板があるから当選できるのです。もし主義主張だけで立候補したら惨敗は間違いないでしょうね。
これはそうとは言い切れない、と言うより与野党にうじゃじゃいるカルト極右が極右主義主張だけで選挙戦戦ったわけではないですし、むしろkojitakenさんが日記の12/17付記事で指摘された
”それは、選挙終盤で、次世代の党に比例代表の議席獲得の可能性が報じられたことだ。NHKの出口調査による議席の見込みでも、最大6議席などという凶悪な数字が示されたので、私は真っ青になった。かつて参院選で48もある定数の41番目にやっとこさ議席を得た「たちあがれ日本」の実績を思えば、結局議席に手が届かなかったとはいえ、得票率では極右票は大きく伸びている。自民党総裁が谷垣禎一から安倍晋三に代わり、自民党に投票した極右も多かったと思われるのにこの結果である。もう少し選挙戦が長かったらなら、次世代の党が本当に比例の議席を獲得していた可能性がある。 ”
ということのほうが問題かと思います。
2014.12.19 21:41 URL | white noise #- [ 編集 ]
>個々の政策ではそのような見方も成り立つ部分があることは認ますが、共産主義を掲げている時点で本質的にはリベラルとは対極ですよ。
リベラルをどういう意味でとらえるかだね。
欧州でリベラルといえば「ネオリベ」を指しますが、アメリカではニューディールの系統を指し、これは社会的平等など「社会主義」的な側面が出てきます。実際、ニューディーラーには隠れ社会主義者や共産主義者もいましたので。
2014.12.20 00:19 URL | Executor #- [ 編集 ]
大阪で維新の比例における得票率が1位であることについて色々な意見があるが、民主の得票率が異常に低いことにあまり触れられていないのはなぜ?
今や10%を切って、公明や共産よりはるかに下だよ。
これは、大阪では民主がほぼそっくり維新にとって変わられたと解釈するのが妥当に思うのだが。
自民公明共産はどこも得票を伸ばしていて、民主だけが維新に食われているという。
2009年政権交代時の民主の得票率、大阪は4割以上あったようだけど。
比例票一位とはいえ、今回は維新自体も大阪で得票を減らしているから、決して以前ほどの勢いは保ててはいない。
それ以上に民主が大負けしすぎなんだよなあ。
2014.12.20 22:24 URL | 元大阪府民からの伝言 #- [ 編集 ]
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[2014衆院選][次世代][田母神俊雄]田母神俊雄の得票率は18.5%。極右の脅威はますます強まっている
今回の衆院選では共産党が伸びて次世代の党が壊滅したが、これをもって極右の勢力が減退したとみなすのは早計どころか全くの誤りである。これが本記事の主旨。 しかしながら記事の主旨には反して、表向き次世代の党にとっては都合の悪い話から始める。次世代の党の当選者2人
2014.12.17 08:46 | kojitakenの日記