前回に続いて、月刊「現代」の2006年10月号に掲載された立花隆氏の記事「安倍晋三 [改憲政権] への宣戦布告」の紹介。
立花氏は、安倍が自ら「DNAを継いでいる」と言っている岸信介を痛烈に批判している。
もう何度も書くが、岸信介批判など、かつては当たり前だった。というより、岸を肯定的に論じようものなら、右翼的、戦前回帰などと批判を受けるのが当たり前だった。
それが、いつの間にか「岸信介のDNAを受け継いでいる」と自称する安倍晋三が手放しで礼賛される世の中になっている。ほとんど全てのマスコミが、これに翼賛している。
そうした中、立花隆氏は、月刊誌「現代」で、大々的に安倍に宣戦布告を行った。
かつて、ペン一本で田中角栄を退陣に追い込んだ大ジャーナリストが、安倍打倒に立ち上がった意味は大きいと思う。
(つづく)
立花氏は、安倍が自ら「DNAを継いでいる」と言っている岸信介を痛烈に批判している。
安倍が自分でいっていることだが、安倍がもっとも尊敬する、あるいは自分がモデルにしている政治家像がどんなイメージかというと、自分の祖父である岸信介のイメージなのである。
統制官僚の雄として満州国経営に力をつくし、日本に戻ってからは、東条英機内閣の商工大臣になり、開戦詔勅にサインした岸信介。その後は軍需省次官(兼国務相)となって、戦争体制の中心にいた岸信介。またそうであるがゆえに、戦後A級戦犯容疑者(不起訴)とされた岸信介である。
岸は戦後長らく追放されていたが、講和条約締結後、政界に復帰した。自由党、民主党を経て、自民党に入り、たちまちリーダーとして頭角をあらわした。そして最初の自民党総裁選に出馬して大々的な金権選挙を展開したが、石橋湛山に敗北した。石橋が総理就任後間もなく病に倒れるとそのあとを継いで、第五十六代内閣総理大臣になった。
岸は内閣総理大臣になるやアメリカのイコールパートナーになることをめざして、安保条約の改定をもくろんだ。しかし、強引きわまりない政治運営によって、ついにあの安保騒動を引き起こし、総理辞任のやむなきにいたった。岸はグラマン疑惑、インドネシア賠償問題、日商岩井疑惑などなど、生涯、黒い金とのつながりをウワサされつづけ、国会での疑惑追及も何度も受けたことがある。
その面妖なパーソナリティと謎に包まれた部分があまりに多い政治的生涯から、あの「昭和の妖怪」と呼ばれた岸信介こそ安倍が尊敬してやまない政治家なのである。
(立花隆 「安倍晋三 [改憲政権] への宣戦布告?月刊「現代」 2006年10月号より)
もう何度も書くが、岸信介批判など、かつては当たり前だった。というより、岸を肯定的に論じようものなら、右翼的、戦前回帰などと批判を受けるのが当たり前だった。
それが、いつの間にか「岸信介のDNAを受け継いでいる」と自称する安倍晋三が手放しで礼賛される世の中になっている。ほとんど全てのマスコミが、これに翼賛している。
そうした中、立花隆氏は、月刊誌「現代」で、大々的に安倍に宣戦布告を行った。
かつて、ペン一本で田中角栄を退陣に追い込んだ大ジャーナリストが、安倍打倒に立ち上がった意味は大きいと思う。
(つづく)
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病気や障害と闘いながら、気炎をはき、常に私達を叱咤激励されている辺見庸さんの変わらぬ権力や軍産と戦う姿勢を尊敬しています。
その辺見さんに続く人を待望していますが、立花さんも、立ち上がってくださったのですね。今こそ、小説家、評論家など言論人が批判と抵抗の姿を最大に示すときでしょう。
自民党は、森田実さんが評価していた二階堂さんまで安倍氏になびいて、自民党は、どこに行くのでしょう。安倍氏の目指すところが、岸信介であるなら、すべての法案は強行採決ですか。「茶色の朝」を地で行く人ですね。
私は、ブログの力を信じています。トラックバックされたところものぞかしていただいています。政府のだましのテクニックを見抜いてやろう、という気持ちです。
2006.09.13 08:44 URL | 非戦 #- [ 編集 ]
非戦さん
コメントありがとうございました。
反応が遅くなってすみません。
「現代」10月号に辺見庸さんが書かれた記事についても、引き続き今日(19日)付のエントリから紹介していきます(アップするのは日付が変わってしまいそうですけど)
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