きまぐれな日々

 初めに、『kojitakenの日記』へいただいたコメントより。

breakwater3 2014/08/17 23:37
最近ネット上では安倍バッシングを多く見かけるのと同時にネトウヨへバッシングもよくみるようになった気がする。印象にすぎないけど気のせいじゃないだろう。これまでネトウヨの書き込みしかなかったところにネトウヨへの批判、反論、嘲笑などの書き込みが見られるようになっている。(後略)


 ありきたりの感想だけれど、現在の第2次安倍政権下の政治及び社会を語る時、というより独裁的な内閣総理大臣・安倍晋三を論じる時、「ネトウヨ」という言葉がもはや無視できなくなったからではないかと思う。

 たとえば、この週末に読んだ笠井潔と白井聡の対談本『日本劣化論』(ちくま新書, 2014)から引用する。初めにお断りしておくが、私は笠井氏と白石のいずれに対しても、その主張に賛同できない点が少なからずあったが、安倍晋三をめぐる下記の指摘には全面的に同感だった。

†ネトウヨレヴェルの総理大臣

笠井 今の話を聞いていて、いくつか感じたことがあります。ひとつは、安倍の鈍感さとおっしゃったことについてです。あれはネトウヨと同じですよね。共通の事実認識が最低限ないと、そもそも議論にならない。あるいは論破された時、一歩引いて理屈を組み立てなおしてまた反論してくるんだったら再論の余地があるけど、安倍は論破された後も同じことを繰り返し言い続ける。

白井 いつも「真意を説明する」って言ってますよね。これも噴飯もので、「真意」が伝わっていないからこそ日本の保守は助かっているんで、例えば靖国の「遊就館」がどんな展示をしているのか。アメリカ人の大多数が知ってしまったら、「真意」が理解されたら、大変なことになる。だからきっと、本当の「真意」は説明していないのでしょうね(笑)。あやふやなことしか言えないから、何度も「説明」する羽目になる。

笠井 自分のそういう行動パターンに何の疑問も抱かない。これは安倍個人の知性の問題であるのはもちろんですが、日本社会に深く根を張りつつある新たな反知性主義の問題でもあると思うんです。「反知性主義」という言葉が、適切かどうかはともかくとして、だからアメリカは困っていると思いますよ。日本の知識人がネトウヨを相手に議論をして、唖然とするようなもので。

白井 まさにそうです。

笠井 「これこれの文献にこう書いてあるじゃないか!」と言っても、そもそも読んでいないし、これから参照しようという気もない。「自分の意見に反する文献なら、どっちみち嘘が書いてあるにきまってる」というわけです。この種の人間が目の前に現れたら、さすがにアメリカも面食らうでしょう。これは、同時代的な広がりを持つ非常に根深い鈍感さだと思いますね。

白井 こういう時代にああいう人が首相になって、最高権力者になってしまったということは偶然ではなく、ある意味必然ですよね。社会全体に反知性主義が蔓延しているのですから、見方によっては、日本国民を正しく代表しているとも言えるわけです。(後略)

(笠井潔・白井聡『日本劣化論』(ちくま新書, 2014) 37-39頁)


 その安倍晋三が「終戦記念日に靖国神社を参拝しなかった」ことがニュースになる。昨年と同様安倍は「玉串料」を靖国に奉納しているにもかかわらずである。

 「ネトウヨ」という言葉が安倍晋三(安倍政権)と絡めて論じられているもう一つの例として、豊下楢彦・古関彰一著『集団的自衛権と安全保障』(岩波新書, 2014年)から引用する。引用箇所は豊下氏が書いている。著者は、安倍晋三が唱える「戦後レジームからの脱却」における「戦後レジーム」には、「押しつけ憲法」からの脱却と、「東京裁判史観」からの脱却の2つの含意があると指摘したあと、下記のように書く。

 安倍がかねてより主張してきた、「村山談話」や「河野談話」の見直し、「侵略の定義」の後世の歴史家への“委託”、さらには靖国神社への参拝などは、ことごとく「東京裁判史観」からの脱却という課題の具体化なのである。

 しかし、第一次政権の場合とは異なり、こうした「東京裁判史観」からの脱却という路線には、広範な支持基盤が形成されている。それは例えば、超党派の議員二〇〇名を擁して組織された創生「日本」であり、安倍自身が会長を務め、廃憲を唱える平沼赳夫が最高顧問に就いている。さらにはいわゆる「ネトウヨ」と称される若い世代の支持層があり、「日本の侵略戦争の否定」を叫ぶ元幕僚長の田母神俊雄や百田尚樹などが彼らを鼓舞する役割を担っている。

(豊下楢彦・古関彰一『集団的自衛権と安全保障』(岩波新書, 2014) 50-51頁)


 著者はさらに、「東京裁判史観」からの脱却志向が国際問題化を招く必然性を指摘する。

 (前略)日本はサンフランシスコ講和条約で東京裁判を受け入れ国際社会に復帰したのである。従って、A級戦犯の合祀が「東京裁判の否定」を前提としている以上、靖国に参拝する政治指導者たちがどのような理由づけを行おうが、国際問題化せざるを得ないのである。なぜなら事は、サンフランシスコ講和条約を基礎として米国がつくり上げてきた戦後秩序そのものへの挑戦を意味するからである。

 かくして戦後史において、米国主導の戦後秩序を否定する心情と論理を孕み、それに共鳴する広範な支持基盤を有した政権が初めて登場し、今や日本を担っているのである。これこそ、日本の孤立化が危惧されるゆえんであり、日本をめぐる安保環境の悪化をもたらしているのである。

(豊下楢彦・古関彰一『集団的自衛権と安全保障』(岩波新書, 2014) 54-55頁)


 私がブログで政治について書き始めた2006年、ネットでは既に「ネトウヨの脅威」が存在したが、それは「2ちゃんねる」などごく少数の勢力に過ぎず、当時誇大に宣伝されたその影響力は、実際にはたいしたことがなかった。しかし、その後「2ちゃんねる」自体のネット言論全体に占めるシェアは低下したものの、ネトウヨの脅威は広がり、田母神俊雄や百田尚樹などに代表されるように、ネットにとどまらない大きな脅威になったのである。

 それと同時に私が指摘したいのは、いわゆる「政権交代」を後押しする側にも、彼らネトウヨに貢献する者が少なくなかったことだ。たとえば前記の引用文中で楢下豊彦が挙げた極右議連である「創生『日本』」は、2007年12月に「真・保守政策研究会」として発足したが、2010年2月に現在の名称に改称した。安倍晋三会長、平沼赳夫最高顧問の体制下でリニューアルスターチするのに汗をかいたのが、2009年に衆院議員に返り咲いたばかりの城内実だった。問題は、こうした平沼赳夫や城内実を「『反新自由主義』の闘士」と持ち上げた「政権交代を求める人たち」がネットには少なくなかったことだ。その最大の旗振り役はブログ『喜八ログ』だったが、日本共産党系の出版社の編集者にして、かつて参議院選挙に共産党公認で立候補したことのある人物も、「喜八」や城内実をあと押ししていた。これらに関して自己批判を行った関係者は誰もいない。

 こういう態度が傷口を広げるのである。当ブログのコメント欄で話題になっている、朝日新聞の従軍慰安婦報道に絡めて言えば、当の朝日の紙面で吉見義明がこう指摘していた。

 吉田清治氏の証言については、朝日新聞をはじめ複数のメディアが取り上げていた。証言の信用性が疑われるようになり、強制連行はうそで、慰安婦問題自体が虚構だという一部の主張を勢いづかせるきっかけの一つにもなった。

 証言が虚偽でもこの問題に与える影響はない。今回、関連する記事を訂正したことには賛成するが、問題の研究が進んだ1990年代の早い段階でできなかったかと残念に思う。

(朝日新聞 2014年8月5日付紙面掲載 吉見義明氏のコメントより)


 現在朝日新聞の販売はあまりふるわないらしく、先頃、私の自宅でとっている朝日新聞販売店も、近所にある他の販売店と併合されて消滅した。ネットで調べてみると、東京都内では同様の例が多いらしい。現在の朝日は、山中季広、星浩や曽我豪を引き合いに出すまでもなく、ずいぶん「右バネ」が働くようになっていることは読者には自明なのだが、それでも、「左傾した紙面」を販売低迷の原因と見る幹部がどうやら朝日にはいるらしく、それが、よりにもよって極右の安倍政権下でやっと「吉田清治氏の証言の虚偽」を認めることにつながったのだろう。朝日が過去の記事を訂正したこと自体は正しいと私も思うが、そのタイミングは最悪だった。吉見氏の言う通り、最低でも1997年に吉田氏の証言が虚偽だったことを認めていたら、こんな事態は招かなかった。1997年というのは、この年に朝日は今回と同様の検証を行っていたらしいのである。

 なお、朝日と同様のリスクを「脱原発派」諸勢力も抱えていることを指摘しておく。「脱原発なら何でもあり」という姿勢で突き進んでいくと、いざ原発再稼働や再推進の局面になった時にそれを反対勢力に指摘されて信用を失うリスクを抱える。そのような「脱原発派」は、私の見るところ少なくない。

 さて、盆休みも明けて2014年の政治戦も後半になるが、今後は(年内にあるかどうかは別として)解散総選挙と、それに続く第3次安倍内閣発足を許すか否かが、日本の今後を大きく左右することになる。もちろん第3次安倍内閣なんかを許したら、日本は後戻りできない道を進んでしまうことになる。
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どうもかなり早期からインターネットに触れていた自分としては、この手のネトウヨ論ってのには少し疑ってかかる様にしているんですよね。

いわゆる2ちゃんねるなどが出来て「ネトウヨ」って存在が(ネット内という限定的なモノでありながら)目立ってきた頃って、ネットに触れている層って(一部の専門職とかを別にすれば)30代以下の比較的「若手」で例えば管理職みたいに何か影響力や責任を負う立場にあった訳ではないでしょう。ところが、それから既に十数年の時が経過している訳で、彼らの中には管理職や会社役員にまでなったりした者も少なからず存在するし、仮に議員や政治家・活動家だったら「若手」から「中堅」(場合によっては次世代のリーダー扱いもされる!)の様な位置づけとなり、影響力や権限・責任までも以前と比べて大きくなってたりしている訳です。

しかも、そういう時期の経過と共に以前から地域で存在していた「草の根」の保守コミュニティと関わることも多くなってきたし、そればかりか以前から「草の根保守」を担っていた様な老人や中高年でさえも今ではネットに触れて交流するってのは珍しくなっているんですよ。佐世保の同級生殺害事件でも年配層が「ネットde真実」の如くデマにおどる http://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/298624/ ってことが起きた様に、ネトウヨが特殊な層どころか最早以前からの「草の根保守」の様な存在にまで化しているってことじゃないかと思います。

で、こうした「草の根保守」の心証って別に今に始まったことじゃなくて、例えば最近『東京新聞』が特集した「日本会議」だって前身組織は1980年代から存在してるし、それ以前にも「日本文化会議」とか「言論人懇話会」「日本自由主義会議」の類の組織は存在し、所謂「草の根」レベルの地域リーダーや言論人・学者を組織化してたり主張してる内容も左程変わりが無いんです。それでもあの頃はまだ「革新陣営」とか「進歩的文化人」とかホントの意味での対抗言論をやっていたこともあったし、何より政治的影響力も強くブレーキの役割を担っていた訳です。しかし、その「革新」でさえも例えば反核運動や文化大革命・ポ=ポト政権での大虐殺などでは「自陣営に有利なら何でもあり」という姿勢で突き進んだ結果が、冷戦構造の終焉で一挙に攻撃を受け衰退へと向かうことになったのです。

今頃になって「右傾化」って論に自分が与せないのは、そもそも連中の主張は「草の根保守」的なとこが昔から本音で思っていることと変わりが無くて、それがネット人口の増加で可視化されただけに過ぎない、って事実が見逃されているってことが一つの根拠なんですよ。確かに「革新」が衰退してブレーキ役が弱体化したって変化はありましたけど、それでも「右バネ」みたいな形で何とか維持しようとした(いわゆる「民主リベラル」とか)形跡はあった訳です。でも、彼らが二度も政権を担っても失政振りだけが目立ち、結局「保守」しかない・「草の根」に根差した「保守」政治だって多くの国民を信じ込ませるに至ったってのがホントのとこではないかと思います。佐高信氏が昨日の『サンデーモーニング』で「ふるさとは軍事力を持たない」って愛国心について批判してたけど、金明秀氏の調査 http://t.co/W8Bw9YvoXo によると愛国心よりは「愛郷心」の方が排外主義傾向への誘因になり易いって事実もある訳です。そして我が茨城は梶山清六チェンチェイ曰く「愛郷無限」をかの田中康夫チェンチェイが激賞し、ファシズムから封建遺制賛美へと突き抜けた内田樹が「安倍ヤメロー!」って面子からリスペクトされていて・・・・・これじゃぁアジアが「脱日入欧米」になるのも道理ですよねぇ(自嘲

2014.08.18 20:29 URL | 杉山真大 #- [ 編集 ]

そうそう。

>>同様のリスクを、「脱原発派」諸勢力も抱えていることを指摘しておく。「脱原発なら何でもあり」という姿勢で突き進んでいくと、いざ原発再稼働や再推進の局面になった時にそれを反対勢力に指摘されて信用を失うリスクを抱える「脱原発派」は、私の見るところ少なくない。

実を言うと、数日前に報じられた東電・東北電による六ヶ所村への「寄附」をめぐってこんな呟きを目にしたんですよね。

https://twitter.com/deskain/status/500847236196990976
「国民など電力利用者に対し不当なまでの電気料金値上げを押し付けながら、六ヶ所村へ法定の漁業補償を超える不透明な支出を続ける電力会社の体質こそ変革すべきだ!」

こういう形で六ヶ所村をともすれば既得権益の如く非難する物言いって、現地で原発に批判的な立場を助けるばかりか背後から矢を放つ真似でしかないでしょうに。そもそも最近では「企業の社会的責任」とか「企業は社会の公器」って言葉がよく言われたりしますけど、そういうのを持ち出されたら自分たちは危険な核物質を過疎地の田舎で処理している。その様な危険を負わせている以上、彼らの生活や福祉に寄与するのは社会的責任であり「社会の公器」である以上当然ではないかってのに「脱原発派」はマトモに反論できるんですかねぇ?「脱原発派」の中にはネオリベ宜しくの価値観の持ち主もいますし、脱原発の為なら脱電力の生活をすりゃいいだろ!とか言う(脱電力とは程遠い様な恵まれた生活を過ごす)面々と、貧困とか過疎とかの現実に直面している面々が共感できたりすると思ってるんですかね(嗤

2014.08.18 20:40 URL | 杉山真大 #- [ 編集 ]

そのネトウヨ化した安倍政権の下で気になる動きが2つほど・・・。
まず、ヘイトスピーチの規制に乗り出す旨政府関係者が語ったらしいのです。この動きをネトウヨ化した現政権が切り捨てにかかったのか、それとも左派弾圧のための口実に利用しようとしているだけなのか、気になります。
もう一つは、所謂「アベノミクス」がそろそろ破綻の兆しを見せ始めていることです。経済、すなわち内政でコケた政治指導者がどこに目を向けるのかは歴史が証明しています・・・。

2014.08.18 22:46 URL | NSS #- [ 編集 ]

breakwater3氏の「安倍バッシングと共にネトウヨバッシングも増えている」という話ですが、これは「安倍に批判的な右派が増えていて、安倍支持者を『ネトウヨ』と罵っている」だけであり、決して左派・リベラルの共感者が増加しているわけではないでしょう。

彼らの多くは積極財政派(特に公共事業)であり、反増税、反新自由主義、そして反米主義者です。
連中はまさにブログ主様が懸念しておられた「国家社会主義者(彼らの理論的支柱の一人である中野剛志の言葉を借りれば『経済ナショナリスト』)」に近い勢力と思われます。
金融緩和の限界と増税によって失敗が明らかになったアベノミクスへの失望と、安倍政権の進める成長戦略(特に移民)への反感から、こういった反新自由主義の保守勢力が「自称非ネトウヨのネトウヨ」から支持を集めつつあります。

もちろんこの連中がすぐさま政治的に強い影響力を持つことはないでしょうが、国家社会主義台頭の萌芽と見て、リベラル・左派は強く警戒すべきでしょう。

リベラル・左派がろくな景気回復策を提示できず、新自由主義への反感を抱く層を、こういった経済左派(に見える)的な保守勢力に持って行かれている現状には非常に危機感を覚えます。

2014.08.19 14:25 URL | #A1vz8dvw [ 編集 ]

実際、田母神などは安倍政権の経済政策への批判を増やし、次世代の党とは距離を置いたうえで、反新自由主義を主張する保守言論人との関係を深めています。
もし仮に田母神新党などが反新自由主義や積極財政、消費税減税などの政策を掲げて国会に議席などを持った日には、終わりの始まりと考えるべきでしょう。

2014.08.19 14:31 URL | グッドマン #A1vz8dvw [ 編集 ]

安倍に批判的な右派層には、
「積極財政派・反増税・反新自由主義」
の傾向を持つ者が目立つけど、特に反米というわけではないですよ。
あと、反増税というより反消費税増設というのが正しいですね。
所得税増税の累進課税には反対していませんから。
ところで、リベラル左派から見た「安倍に批判的な保守」って、例えば内田樹みたいなのを指しているのでしょうか?
だとしたらそれは的を射ていないと感じますけどね。

2014.08.19 23:48 URL | 元大阪府民からの伝言 #- [ 編集 ]

歴史観や安保において内田氏より更に右寄りの人間を想定して書きました。彼が主張する経済政策は上記の条件には当てはまらないですし。
現在のところ反安倍・反新自由主義を標榜する右派の代表格と言えば西部邁とその弟子達と考えます。
前出の中野剛志や、内閣参与の藤井聡京大教授(立場上、はっきりと安倍の個人批判はしませんが)、ネットでの影響力で言うと彼らの仲間である三橋貴明も危険な存在でしょう。
そして、連中と通じ政界進出を狙っている田母神もそこに分類できると考えます。

今のところは安倍に的外れの期待をし裏切られただけの小さな存在ですが、国家社会主義台頭の兆しとして警戒すべきだと思うわけです。

2014.08.20 02:37 URL | グッドマン #A1vz8dvw [ 編集 ]

>各位へ
どうも「極右」って言うと、田母神が先ず出てきてそこからやや"穏健"な西部邁や中野・藤井・三橋に渡邊哲也辺りが連想されるのが常で、田中康夫とか内田樹・孫崎享・植草一秀に副島隆彦辺りは「保守左派」や「自主路線」で「極右」と違うのでは?ってのと言う意見を耳にしますけど、自分からして見れば(或いは30年くらい前の「革新」が有力だった頃なら)いったいどこが違うの?って程度の差しか見出せないんですよね。

というのも、自分たち(自国・郷土・その他自らが属する社会集団など)への拘りってのが異常に強く矢鱈自らの美点や誇りを強調したがりますし、外からの批判に対しては真正面から反論するというより内輪の論理で何が悪いって開き直りみたいなものもありますし、ともすれば非論理的に言い包めて「真意」を口にしないような言動をする、って点では上記の方々って殆ど同じだったりするんですよ。

よく「保守の懐深さ」って、最近懐古調的に賞賛される向きもありますけど、その「懐深さ」って"主流"や"普通"の脅威にならない限りって但し書きがついていて、そうでなければ排除されるってのは過去にもそして現在の(特に「保守」とは思えない様な)市民運動でも多く見られることなんですよね。

自分は、日本の「保守」・というのか「極右」まで含めた"主流"って、「懐深い」んじゃなくて鵺的な側面があって一面でネオリベ・一面でファシズム・一面で封建遺制の残滓なのを見せながら本質的なとこを変えずに人々を支配しながら多くの支持を受けたって思います。それをある意味体現していたのが(所謂「55年体制」下の)自民党で、その自民党への鵺的なモノへの懐かしさや待望論(小田嶋隆なんか「自民党を取り戻せ」って言ってますし)が高まっている方が、田母神新党なんかよりも遥かに危うさを感じますね。

2014.08.20 13:51 URL | 杉山真大 #- [ 編集 ]

孫崎や植草、副島は親中的な主張と公共事業反対で、田母神や西部一派とは相容れないでしょうが、もし国家社会主義者が権力を持ち始めれば、親中の仮面を捨てそちらに擦り寄る可能性は十分あると思いますね。
実際、小沢率いる生活の党は、西部一派筆頭とも言える藤井内閣参与主導の国土強靭化を批判していたにも関わらず、法案が出されると野党で唯一賛成しました。
小沢信者達の多くはまだ公共事業に嫌悪感を持っているようですが、連中が教祖に倣うのも時間の問題でしょう。

しかしながら、彼らはそういった国家社会主義勢力の主流とはなり得ないと思います。自ら政権を握るような力は小沢信者らにはありません。

私もブログ主様と同じく安倍の失敗による更なる景気悪化で新自由主義勢力は衰退し、国家社会主義が台頭すると考えています。
そして、かつての自民党の保守本流、すなわちハト派の復権も有り得ない。

つまりは、ネオリベもハト派も内包した「鵺的な自民党」の復活などなく、比べものにならぬくらい凶悪な国家社会主義政党(と化した自民党)が政権を握る。
これが近い将来起こる恐れの強い、最悪のシナリオだと考えているのです。

2014.08.21 18:04 URL | グッドマン #A1vz8dvw [ 編集 ]

>グッドマン氏
植草については何とも言えないけど、少なくとも孫崎・副島は「親中的」とは言えませんよ。寧ろアメリカと中国を仮想敵国として看做す言説って点では両者とも共通してて、かの尖閣での漁船衝突事件でも政権側を攻撃していた訳ですし。

で、かつての「保守本流」にしてさえ今の岸田外相を筆頭にハト派的とも言い切れません(てか「保守本流」をハト派と形容するのが難ありだったりするのですけど)し、寧ろ経済成長志向ってことから国家社会主義的なのに靡く可能性は充分に高いと思うんですよね。

問題は「安倍ヤメロー!」とか言っている面子で、こうした方々はアベノミクスの恩恵が庶民に行き渡っていないとか政策的な批判を今現在はしてますけど、仮に政策的な転換が起きれば或いはその中から政権へ御呼ばれが掛かれば掌返しで自民党支持になったりしちゃう可能性って決して低くはないと自分は視ています。

自民党の鵺的な部分って一見無くなった様に言われてますけど、例えばTPP交渉に参加してて国内農業が打撃を受けそうでもJAは支持して落とし処を見つけてくれればめっけもんって思ってますし、或いは中小企業や医師会でも同じ様に不満を持ちながら何か対策を打ってくれる自民党に期待する・支持するって傾向は根強いものがあるのです。同じことはネオリベやハト派・「安倍ヤメロー!」って叫ぶ面々や脱原発派にも言えて、不満はありながらも部分的には政策実現がなされている自民党の政治を支持する動きが大きくなって、それで全体的にトンデモない方向へ向かって行くのが最悪のシナリオだと思うんですけど。

2014.08.24 11:21 URL | 杉山真大 #- [ 編集 ]













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