きまぐれな日々

 6月10日に公開した前回の記事の本文(「蛇足」として書いた小沢一郎批判の直前)にこう書いた。

 ただ、自公の連立が解消されるとは私は予想していない。自民党は公明党に選挙で票を上乗せしてもらい、公明党は公明党で、中身は詳しく知らないが政権与党にいる旨味から離れられないような気配が感じられる。

 では今後どういう推移をたどるか。公明党が安倍晋三に屈し、集団的自衛権の政府解釈変更を認める展開しか私には思い描けないのである。


 それが、あまりにもあっけなく予想通りになった。予想していたとはいえ、あまりの公明党に腹を立てた私は、『kojitakenの日記』に、「やはり! 公明党、集団的自衛権の行使を容認へ(怒)」と題した記事を書いた(下記URL)。
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20140612/1402582951

 この記事に対し、"surohnin(千念)" という、1948年鹿児島県生まれの右翼が、こんなコメントを寄越してきた。

surohnin 2014/06/13 01:16
予想通りという割にはえらい怒りようですな。

実際の閣議決定は来月の上旬でしょうが、公明党程度の規模の政党が決定を1か月先送りできたのは、相当な成果だと評価すべきでしょう。


 そりゃ安倍晋三の支持者から見たら、1か月も先送りさせやがって、ということになるのかもしれないが、この件はもともと今国会会期中の閣議決定は無理だと観測されていたのを、安倍晋三が強引にねじ込もうとしたものだ。つまり、安倍晋三は100%の成果を狙って、200%の要求をして見せたのであって、その結果100%の成果を得ようとしている。そして、安倍晋三がこういう態度に出られたのも、公明党の基本姿勢が「自民党との連立維持が第一」であることを見通しているからだ。公明党は安倍晋三に足元を見られたのである。

 この見方を裏付けるのが、昨日(6/15)放送のTBSテレビ『サンデーモーニング』におけるコメンテーター・岸井成格の発言だ。岸井は公明党の対応に言及して、「『この問題で連立を離脱すれば損をするという議論がある』というが、政局で判断するようなことか」と一言で切り捨てたのである。

 そんなことを言う岸井自身、かつて(前回の自民党政権時代。もしかしたら第1次安倍内閣時代かもしれない)、「毎日新聞の社論を『護憲』から『論憲』に変えさせたのは私だ」と得意げに語っていた過去があるから「お前が言うな」と言いたくもなるが、現在の岸井成格は第2次安倍内閣成立の時点から一貫して(但し第1次政権時代とは真逆に)安倍政権を批判する立場に立っていることも確かだ。

 ただ、岸井成格は世間一般とは正反対の方向に変わったといえるかもしれない。というのは、第1次内閣時代「KY」(空気を読めない)と評された安倍晋三だったが、今や安倍晋三を支持ないし容認することが「空気」になっているからだ。もっともネットでは第1次内閣時代から安倍晋三支持派の方が批判派よりも圧倒的に多数であり、その頃既に「ネット右翼」という言葉があり、「ネトウヨ」という省略形も用いられ始めていた。世間がネットに追いついたのが今だと言えるかもしれない。

 もちろん第1次と比較して第2次安倍内閣の支持率が高止まりしているのは、安倍晋三の姓をもじった名称で呼ばれる(マスメディアや多くのネット市民もそれを無批判に用いている)安倍政権の経済政策にあるとの意見もある。確かに、政権の大胆な金融緩和とリフレ政策が功を奏したように見える。これは左翼政党も小沢一郎も海江田万里も朝日新聞も毎日新聞も反対した政策であり、これらの政治勢力やマスコミの硬直した思考は大問題だと私は思う。

 しかし、安倍政権の経済政策には大きな問題がある。6月8日の『サンデーモーニング』で荻上チキが指摘し、時を1年前に遡ればジョセフ・スティグリッツが昨年6月15日付の朝日新聞のインタビューで指摘していたように、安倍政権の経済政策には「再分配」という視点がないのである。金融緩和やリフレも、再分配と組み合わせなければ十分な効果は得られないというのが私の意見である。

 再分配の代わりに政権が必死に模索しているのが「成長戦略」だが、政府が無理矢理資金を流し込む産業分野はろくな道をたどらない。その最たる例が原発である。歴代政権は原発に金を注ぎ込んでは無駄にしてきた。ようやく東電原発事故をきっかけに民主党政権が「脱原発依存」の政策を打ち出したが、安倍政権は早速これを反故にしてしまった。

 最近では政権は再生医療に目をつけており、理研(利権?)がその政府から研究資金を引っ張り込もう、あるいはiPS細胞の研究に傾斜配分されている資金を奪い取ろうとして失敗したのが、昨今話題の「STAP細胞」騒動だろう。小保方晴子はそのための宣伝塔であり、だから理研が「割烹着を着て実験するリケジョがあげた輝かしい成果」として「STAP細胞」を大々的に記者会見でアピールしたのだった。「STAP細胞」は絵に描いた餅に過ぎなかったが、安倍晋三が早速それに飛びつき、官邸で行われる総合科学技術会議に小保方晴子を呼ぼうとしたことは、結局呼ばなかったとはいえ、政権の政策と安倍晋三本人の底の浅さを露呈したものだ。もちろん会議に呼ぼうとしたのはブレーンではなく安倍晋三本人である。

 そうこうしているうちに、日本経済の先行きはまたぞろ不透明になってきた。再分配が行われなければ富は一部の人間に偏在したままだから、消費が刺激されないのは当然だ。

 いつの間にかタイトルからかけ離れた方向(彷徨?)に記事が脱線してしまったが、経済を良くすることもできず、戦争をする可能性を高めるばかりの安倍政権を延命させる方向に、公明党も石原一派もみんなの党も、そしてブチ上げてはみたものの早速失速している橋下徹と前原誠司を軸とする「橋下(・前原・江田)新党」も、みんながみんな加担している。

 もはや当ブログの常套句になってしまったが、これが坂野潤治が一昨年のベストセラー『日本近代史』(ちくま新書, 2012)に書いた「異議を唱える者が絶え果てた『崩壊の時代』」なのか、という実感をかみしめて生きる今日この頃なのである。
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1948年生まれあたりの全共闘世代にはコロリと転向して安倍支持者になり下がって(上がって)いる者が大量にいる。そしてそんな阿呆が若いころのゲバ体験を自慢し、それに阿呆若年右翼が敬意を示す構図がある。

今でも当時の理念を信じているなら自慢してもいいよ。信じてもいないくせに何が自慢なんだ?自慢できるというならゲバが何を達成したか聞いてみたいものだ。

騒ぎたいだけ、暴れたいだけの阿呆や付和雷同組は昔も今も大量にいる。そいつらの右顧左眄を私は心から軽蔑する。

2014.06.16 22:24 URL | 野次馬 #mQop/nM. [ 編集 ]

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2014.06.18 19:59  | # [ 編集 ]













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