きまぐれな日々

先週は都合により当ブログを更新しなかった。2週間ぶりの更新になる。

いよいよ来週月曜日で「2013年度」が終わり、「2014年度」が始まるが、新年度は今後の日本の進路を決める重要な1年になるだろう。

4月1日からの消費税引き上げに伴う日本経済の状況も気になるが、今回は原発問題を取り上げたい。

原子力規制委員会が、再稼働に向け審査中の10原発のうち、鹿児島県にある九州電力の川内原子力発電所の安全審査を優先的に進めることを決めたと報じられたのは3月13日だった。

これに対して、先週の日曜日(16日)に鹿児島市で脱原発を求める集会とデモが行われ、主催者発表で6千人が参加した。
http://www.asahi.com/articles/ASG3J5GJ9G3JTLTB00D.html

川内原発の「再稼働反対」で集会 鹿児島、6千人が参加

 原子力規制委員会の優先審査により、九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)が今夏にも再稼働する見通しになったことを受け、脱原発を訴える市民集会が16日、鹿児島市であった。「再稼働は絶対に許されない」「原発のない地球で暮らしたい」と声を上げながら、参加者は市中心部をデモ行進した。「反原発・かごしまネット」などでつくる実行委が呼びかけ、約6千人(主催者発表)が参加。県内での反原発集会としては過去最大規模となった。

 集会で壇上に立った福島の原発事故の被災者、木幡ますみさん(58)は「3年たったが福島の状況は変わっていない。再稼働させないで」と呼びかけた。(小池寛木)

(朝日新聞デジタル 2014年3月16日22時29分)


鹿児島県では、4月27日に衆院鹿児島2区の補選の投開票が行われる予定になっているが、これは川内原発再稼働が主な争点にはなりそうにない。というのは、民主党、日本維新の会、生活の党、社民党、結いの党の5党が推すとみられる打越明司氏は、元民主党衆院議員で補選に立候補するために民主党を離党したとのことだが、もともとは松下政経塾出身の自民党の鹿児島県議であり、2005年の郵政総選挙で自民党の公認が得られず敗退すると、2009年の政権交代選挙で民主党公認で出馬し、選挙区では徳田毅に敗れるも、比例で復活当選した人物だからである。

だから、この補選では、共産党が独自候補を立てるほか、山本太郎が候補者の公募を発表した。
http://www.asahi.com/articles/ASG3L6KMXG3LTLTB015.html

山本太郎議員が候補者公募 衆院鹿児島2区補選

 参院議員の山本太郎氏(無所属)が18日、鹿児島市内で記者会見し、衆院鹿児島2区補選(4月27日投開票)で候補者の公募を始めたことを明らかにした。九州電力の川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働に反対する県内在住か県出身者から募り、独自に擁立する考え。28日までに公募し、自ら面談したうえ4月1日に発表予定という。山本氏はまた、消費増税反対、環太平洋経済連携協定(TPP)不参加などへの賛同も候補者の条件に挙げた。

 今回の補選には、自民新顔の金子万寿夫氏(67)、共産新顔の三島照氏(72)、無所属前職の打越明司氏(55)らが立候補を表明している。

(朝日新聞デジタル 2014年3月18日22時25分)


鹿児島県は自民党が特に強い土地柄でもあり、選挙は自民党候補の圧勝が目に見えていると思うし、原発の立地は2区ではなく3区に当たるが、山本太郎が脱原発票の掘り起こしを図っていることは前向きに評価して良いだろう。

しかし、首都圏では今のところ川内原発の再稼働については関心が低いように思う。今後、一昨年の大飯原発再稼働反対のデモに大勢の人たちが参加したような熱気が再現できるかも心許ない。

それに加えて思うのは、一口に原発と言っても、運転開始後40年以上が経つのに未だに廃炉が決まるでもなく再稼働されるわけでもない原発が、福井県の関西電力の原発を筆頭に多数あり、その一方で現在建設中であったり、建設計画が持ち上がっている原発もある現状への理解が、なかなか人々の間に浸透しないことに苛立ちを覚える。

たとえば前者については、田原総一朗が『原子力戦争』を書いた1975年に、著者が燃料棒破損事故を暴露するとともに、なぜこんなトラブルだらけの原発が稼働され続けるのかと呆れた関電の美浜原発1号機は、1970年の運転開始だが、未だに廃炉になっていない。美浜原発1号機が今後再稼働する可能性など、万に一つもないにも関わらずである。

よく知られているように、関電に限らず原発を抱える電力海社は、原発を廃炉にする費用が積立不足なのである。今後遠くない将来に、電力会社は老朽原発の廃炉を次々と迫られることを考えると、(原発を持たない沖縄電力は別として)電力会社の経営は誰がどう考えても持続不可能である。それは何も重大事故を起こしてしまった東京電力に限らない。

また、中国電力は瀬戸内海に上関原発を建設する計画を持っており、これは東電原発事故を経ても放棄されていない。この上関原発を含む新規原発の建設を、決して許してはならない。新規原発が運転を開始すると、その先40年は原発の運転が続くと考えなければならないからである。

原発が "NIMBY"("Not In My Back Yard"=「自分の裏庭には来ないで」)と呼ばれる「迷惑施設」の代名詞であることが既に十分明らかになっていた90年代には、新規原発の建設を認める地域がほとんど現れなくなっており、電力会社は既設の原発のあるプラントに新たな原子炉を増設するしか手がなくなっていた。

民主党政権時代、私が激怒したことの一つが、青森県のJパワー(電源開発)大間原発の建設再開を容認したことである。民主党政権がこれを容認したのが野田政権末期の2012年9月であった。これは、菅政権時代に決定した「脱原発依存」の方向性に逆行するものであり、安倍晋三(自民党)へのこの上ない政権復帰前祝いのプレゼントになった。

早くもその1年前の2011年5月12日(東電原発事故のわずか2か月後)には、当時の民主党幹事長・岡田克也は記者会見で「福島原発の重大な事故を教訓とし、より安全性の高い原子力発電を実現していかなければいけない」と発言して、建設続行方針を表明していた。私は岡田克也を「原発推進派」としてブログで批判したが、とある「小沢一郎も前原誠司も支持する」立場に立つ「民主党信者」の人間から、「kojitakenは岡田克也までをも『原発推進派』と決めつけるのか」と怒りを買ったものだ。しかし、新規原発の建設が中期的な「脱原発」を妨げる最たるものである以上、その建設再開を容認する政治家は「原発推進派」としか呼びようがない。

また、上関原発についていえば、海水の流れが太平洋などの外海と比較して緩やかな瀬戸内海は、一度汚染されてしまうとそれを除去することは難しい。既に60年代に重化学工業のコンビナートなどが多く作られたことで瀬戸内海の汚染が深刻になり、後追いで「瀬戸内海環境保全特別措置法」が高度成長期最末期(田中角栄政権時代)の1973年秋に成立、施行されたが、法律が施行されたのは、まさに高度成長期の終わりを告げる「第1次石油危機」の真っただなかだった。要するに遅きに失したと言うほかないのだが、それでも何もやらないよりははるかにましだった。仮に瀬戸内海で原発事故が起きたなら、その原状回復は、東電の福島原発などの太平洋に面した原発以上に困難だろう。このことは、四国電力の伊方原発にも当てはまる。

しかも、この地域にはさる3月14日に震度5の地震が起き、2001年にも「芸予地震」があって、この時には石鎚山の登山道が一部通行止めになっているのを目の当たりにした経験がある。伊方原発や、上関原発の立地予定地は、瀬戸内海の中でも特に地震発生のリスクが大きな地域といえる。その意味からも、上関原発の建設は絶対に阻止しなければならない。

各電力会社が再稼働を目論むのは、比較的新しい原発ばかりであることに気づいておられる方も少なくないと思うが、その中には伊方原発3号機も含まれる。

この記事で私が言いたいのは、原発の再稼働が決まってから、後追いのように「再稼働反対デモ」を行って空しく終わるだけの繰り返しだけではなく、老朽原発の早期廃炉や、新規原発建設の絶対阻止など、もっと重点を絞った「脱原発」運動があってしかるべきではないかということだ。現在の「脱原発」運動には、そのあたりについてもう一工夫が求められるのでないかと思う今日この頃である。
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 先日の地震の翌日に、『kojitakenの日記』の方に次のようにコメントさせていただきました。

>メリハリのある運動ですか。山口県で大きな集会を開催することは難しく、無理をすれば弊害も大きくなると感じます。従来型の組合主導の運動は、ある程度できるし、継続されなければならないでしょう。しかし、都市部から離れた山口にさらに人を集めるには、中央からの動員等が必要になります。しかし、それはあまり訴求力の高い運動にはならず、費用や労力に見合ったものにはならないでしょう。また、「ふつうの人」までも巻き込む大きな運動にするには、天才的なひらめきや絶妙なタイミングが求められるでしょう。そう考えると、山口での運動だけでなく、広島の中電本社に対する運動も重要になるのではないでしょうか。そこでは、kojitakenさんが指摘する、瀬戸内海特有の危険性が広く認識されることも有効だと思います。

 あれから自分でも少し考えたのですが、民主、社民、共産いずれかの政党が、「瀬戸内非核地域」のような宣言や条例を、各地方議会でいっせいに提案するというような行動はできないものでしょうか。マスコミにアピールしつつ、どの会派がそれに反対するのかも見えるような形で。しかし、この地域で民主党で原発というと、小佐古教授を引っ張り出してきた議員が広島にいたなぁとか、中国電力の労組と結びつきが強そうだなぁとかしか思いつかないので、民主党はあまり期待できないのでしょうね。社民党はそういう統一行動をできるほどの力がもうないかもしれませんね。共産党はその気になればできるでしょうが、世論を動かせるか。でも、それぞれ、何か工夫して頑張ってほしいですね。

2014.03.24 19:36 URL | suterakuso #- [ 編集 ]

 鹿児島県では川内とは「遠い」にしても、霧島山系で火山性地震が増えていることも気になります。
http://mainichi.jp/select/news/20140322k0000m040142000c.html

2014.03.24 20:17 URL | 焚火派GALゲー戦線 #tmqJlh8o [ 編集 ]

あらためてコメントします。

いつも鋭い切り口のブログ主さんの記事に8割は同意です。最近、やたら脱原発芸能人をTVでみかける。しかも反原発運動とは全く関係ないバラエティー番組がほとんどだ。高額なギャラの後は贅沢三昧の打ち上げパーティーなど楽しい春の宴会である。馬鹿文化人芸能人主催の金儲け脱原発集会の呆れた惨状を論じるのは時間の無駄である。現実は消費税増税、光熱費の値上げなど中小企業、個人商店、非正規雇用者、高齢者のよなアベノミクスや反原発バブルの恩恵をうけない庶民は再稼働容認が本音といえよう。今の反原発議員に何故、頂上決戦である国政選挙に2度も大惨敗したのか?を説明する責任すら果たせない。それが小泉熱狂やサユリストは脱原発へ、などの妄想を生み出している。予想通り結いの党も橋下維新と連帯を宣言してきた。今の反原発議員にはブログ主さんの厳しい論説にあるように具体策は全く無い。戦略も無い。やる気も無い。これでは国民から支持されない。鹿児島の動員デモも御存知の通りワンパターンである。勝てる脱原発論客も立候補となれば絶対に逃げる。答えを知っているから要請に応じない。本音が透けて見てくる。このままではさらに反原発から国民の気持ちは大きく離れるだろう。動きをみてカメレオン政党は原発再稼働へと変色する。そうなれば多くの議員が脱原発から離脱するだろう。もう一度、脱原発とは何か?を再考すべき重大局面かもしれない。

2014.03.24 21:56 URL | トルストイ #- [ 編集 ]

脱原発、老朽原発早期廃炉、原発再稼働を阻止する為には、多大な被害者である国民自らが福島第一原発事故の責任を問い、追求、実際に犯罪者を罰する必要があります。

それには、レベル7事故の認識、健康被害を含むすべての現状被害の認識、今後起こりうる健康被害の想定他、実際の損害賠償請求等です。

これまで同様、犯罪者の責任追及をせず曖昧なまま原発再稼働を許してしまったら、再び過ちが繰り返されるのではないでしょうか?

国民が現在非常に苦境・困難に立たされているのは支配者層のやりたい放題を許し続けて来たからではないかと。
私達大人が、今後、未来を生きる子供達の為に何をするべきか、何が出来るのかをしっかり考えるべきだと思います。

2014.03.26 02:00 URL | 沖縄県民 #- [ 編集 ]

太陽光発電の嘘(長時間ですが、山田征さんのお話を是非)
http://distopiaanochan.blog.fc2.com/

反原発運動に紛れる自然エネルギー利権村の人々
http://togetter.com/li/334645

脱原発基本法(呼びかけ人をご参考下さい)
http://www.datsugenpatsu.org/about/

宇都宮健児氏は、即原発廃止論者ではありません。
現在、即時廃止の政治的動きはあり
ません。

2014.03.26 02:42 URL | 沖縄県民 #- [ 編集 ]

続きです。

ここ数日、小泉熱狂のファション反原発芸能人文化人の醜いTwitterとFacebookをみていると呆れるしかない。バラエティー番組の常連になり高収入。高級店でパーティー三昧。被災地の事など眼中に無い。ファション脱原発のド派手な写真をみていると哀れにさえ思う時がある。TV出演、講演、出版、音楽、ライブ、グッズなど反原発で儲けたお金は個人の収入である。反原発をダシする馬鹿文化人芸能人は芸能事務所に所属している。そのカラクリは被災地を利用した悪徳商法である。こうした悪徳商法を国民は厳しくみていることを忘れてはならない。一番重要な衆参国政選挙、二度の都知事選に反原発で大惨敗している。これが国民の厳しいジャッジだ。被災地が一番苦しい時に脱原発を言い出し政権を放り投げた菅直人。再稼働を言い出した野田、政権を割ってでた破壊王小沢、腹心が離党し崩壊状態の社民党、福島瑞穂らは政治責任をとり引退すべき!が国民の本音といえよう。脱原発を成し遂げるには民衆の正義溢れる大きな力が必要である。動員ありきでは民意はつかめない。TwitterやFacebookで真実を暴かれネット右翼に馬鹿にされて終わる。国民も真剣にみている。小泉熱狂やサユリストに惑わされると思ったら大間違いだ。余談ではあるが沖縄名護市長選も自民党が本気で知名度の高い落下傘候補を立てていたら稲嶺は100%負けていた。公明党票を計算に入れれば答えは簡単である。今の左翼には新しい強い候補者を擁立することすら出来ない。その象徴が小泉熱狂である。反原発や護憲を真剣に考えるなら小泉熱狂など言語道断である。現実に左劣化は深刻であり国民の信用を完全に失っている。

2014.03.27 01:41 URL | トルストイ #- [ 編集 ]

再稼働阻止=原発即ゼロに力を割きすぎて支持を失っている感。政治的に見ると菅内閣末期の責任が大きい気がする。そもそも浜岡は即時停止するのに、その他の原発は従来の安全基準でフル回転して恩恵を受けていたのだから、その隙間はかなり幅が広かった。しかしストレステストを持ちだして、ある時期から再稼働と闘うことで政権浮揚を狙うようになり、それが一部で喝采されて今に至る反原発運動の軸の一つになった。菅自身も今でも変わっていないようだ。

もっとしたたかに、再稼働については柔軟に対応した上で、まさに新規建設の問題や、廃炉時期について、いずれも各原発それぞれの事情に応じてきめ細かに判断し、将来に楔を打つやり方もあったのではないか。

2014.03.27 15:04 URL | 吉見 #z1uogJ6Q [ 編集 ]

原発の再稼働に譲歩的な態度をとる人は、そういう人たちがお得意のハズの現実主義さえ忘れるご都合主義だよね。原発全基停止していても日本社会に深刻な影響は起きていないんだから、原発不可欠論者の拘泥する「原子力発電の経済性」なる珍論デマは、しょせんは暴利の確保を求め続ける一部産業界の利益擁護でしかないんです。少なくとも原発全基停止でもちっとも日常的に困っていない一般生活者サイドには無縁な空論でしかない。
で、結局は、原発擁護論の主流は、例の悪名高い国際競争力論のデマ宣伝に依拠することになる。
エネルギー政策の転換による新しい経済構造の創出に無関心な単なる悪慣れ温存主義。経済構造革命に敵対する反動思想です。既存利権の固執に汲々とする資本の代弁。真の競争力の何たるかも考えてみない思考停止。

ま、こういう幻想的願望が一掃されるのも、9条改憲策動の破綻同様に時間の問題でしょうね。
連中の言う「現実」とは、原発問題でも武力自衛政策でも「現実」などではなく「幻想」に過ぎないカルト教条なんだから、崩壊の必然はサリン犯罪に帰結したオウムの教義と同じですよw

2014.03.31 17:35 URL | バッジ@ネオ・トロツキスト #CrLMSZ1k [ 編集 ]













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