きまぐれな日々

7年前の2006年12月に強行採決された「改正教育基本法」の成立の再現とも思える「特定秘密保護法」の成立劇で、さしもの日本国民の中にも安倍晋三や石破茂の危険性に気づいた人たちが少なからずいたらしく、安倍内閣の支持率は私の予想を超えて大きく下落した。同法成立前と比較しておよそ10ポイントの支持率下落であり、私としては歓迎すべき「誤算」だった。とはいえ安倍内閣支持率はなお5割前後もある。

特定秘密保護法が成立した翌週、今度は北朝鮮で、安倍晋三の強権政治の印象がかすむほどの恐るべき粛清劇が演じられた。金正恩の父・金正日が死んだのも一昨年(2011年)の12月だったが、私が今回の北朝鮮の粛清劇から思い出したのは、1989年12月のルーマニアにおけるチャウシェスクの処刑だった。ナンバー1の処刑とナンバー2の処刑の違いこそあれ、独裁体制末期に矛盾が噴出して、体制が崩壊しようときしむ音が聞こえるようなイメージが両者に共通する。いくらなんでも金正恩の独裁体制が年内に崩壊するとは考えられないが、北朝鮮の「金王朝」の終焉もそう遠い未来のことではなかろうと予感させる粛清劇だった。

この北朝鮮の粛清劇は、何より人の命をいとも簡単に奪ってしまうところにその恐ろしさがある。そして、金正恩が張成沢の生命を奪わせた同じ12月12日、日本でも2人の死刑囚に対して死刑が執行された。

これを報じる読売新聞記事によると、安倍政権の法務大臣を務める谷垣禎一は、死刑が執行された12日に行われた記者会見で、

死刑に批判があることについて「死刑は国民が支持している。現状、死刑制度を維持していくことに変わりはない」と述べ、今後も粛々と執行を続ける姿勢を示した。

とのことである。このニュースに接して、私に言わせれば、谷垣禎一とは「マイルドな金正恩」に過ぎない。

東京都では、都知事の猪瀬直樹が「死に体」に陥った。金銭をめぐる疑惑を追及された猪瀬の答弁はぶざまの一語に尽きるが、こんな人間に400万人以上もの東京都民が都知事として適任と判断して投票したのもまた恐るべきことである。

おそらく来年早々、また都知事選になる。2011年、2012年、2014年と4年間で3度も都知事選が行われる異常事態であるが、それもこれも都民が石原慎太郎、猪瀬直樹と、都知事に選んではならない人間ばかり選んできた結果である。

そして、不適格な人間や政党を選んできたのは、何も東京都民だけではない。日本国民は国政選挙で自民党を、安倍晋三を選んできた。日本国民はかつて戦争を積極的に支持し、戦争に負けると一転してマッカーサーに熱狂した。どこまでも権力に屈従するのが好きな人間が多いようである。

東電原発事故への批判にしても、日本政府のエネルギー政策を「積極的な原発推進」へと舵を切った小泉純一郎の「変節」(転向)に拍手喝采し、「小泉さんなら『脱原発』を進めてくれそう」などとまたぞろ依存心を全開にするていたらくである。つける薬がない。

私としては、いかに徒労に終わろうが、「蟷螂の斧」を振るい続けるだけである。
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東京の猪瀬は今散々叩かれていますが、徳州会からの献金の地盤を石原慎太郎から受け継いだだけなのに、本家本元の石原慎太郎には日本のマスコミは全然と言っていいくらい沈黙していますね。「石原に触れてはいけない」という、なにかマスコミのタブーでもあるんでしょうかね?

2013.12.16 22:23 URL | カバ #- [ 編集 ]

マスコミが石原に遠慮しているのは不甲斐ないとしか言いようがないですね。

猪瀬の問題は、利用価値が無くなったので用済みと言うところでしょう。現在の政権を支える勢力からすれば猪瀬は異端視されているのではないかと思います。
首都東京のトップとしては相応しくないとして、排除されようとしているのではないでしょうか。

2013.12.16 23:35 URL | ミリシヤ #- [ 編集 ]

北朝鮮の問題と日本の死刑執行を同じように扱うのは納得がいきません。
死刑廃止の考えに立っての発言かもしれませんが、被害者の立場を考えてほしいと思います。

2013.12.19 22:01 URL | sei #- [ 編集 ]

死刑に対しては全面的に左派の言い分に乗るわけでもない私だが、「被害者の立場」とか「被害者感情」とかの手垢のついた言葉からはもう卒業するべき。

「被害者感情」はどこの国にでもあるが、大半の先進国で死刑が廃止されてきたのはなぜか?
「被害者の立場」からしたら、指一本折られても「殺してやりたい!」と思うだろうから。
私も自転車盗難失敗(鍵が外せず未遂)の腹いせに自転車壊されたときは「やろう! ぶっ殺してやりたい!」と思いましたよ。でもあとあと冷静になってみると「ちょっと熱くなりすぎた」と思う。「感情」なんてのはそんなもの。法律が「感情」に流されちゃいけないんですよ。

「被害者」「報復感情」を死刑容認の免罪符にするのではなく、「死刑制度」そのものがどのような効果があり、そしてデメリットもあるのか、冷静に論議すべきなのですよ。すぐ「被害者感情」とか「国民感情」とかになるから思考が停止してしまうのです。

2013.12.20 23:15 URL | 飛び入りの凡人 #mQop/nM. [ 編集 ]

飛び入りの凡人さんの考えには納得いきません。
「「被害者の立場」とか「被害者感情」とかの手垢のついた言葉」って何なのですか。
私は殺す方の立場ではなく、殺された方の側に立って考えてみたいと思います。

2013.12.27 23:27 URL | sei #- [ 編集 ]













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