きまぐれな日々

少し前の話だが、参院選が公示された7月4日、東京都心で山東昭子の街宣車に出くわした。「ええっ、山東昭子ってまだ立候補してるのか」と驚いたが、昨日、千葉県在住の同年代の友人も同じ感想を漏らしていた。

山東昭子といえば、私が小学生の頃によくクイズ番組に出演して、高正解率を誇っていた。確か野末陳平だの横山ノックだのが出ていた朝日放送(大阪)の番組に出てたのではなかったかと思うが、記憶違いかもしれない。ネット検索では『クイズ・タイムショック』(NET=現テレビ朝日)で5週連続勝ち抜きを記録したとあるが、これは記憶にない。この番組で覚えているのは、当時の私の地元(兵庫県)出身の俳優・勝呂誉が1対1の勝ち抜きで勝ちまくっていたことだ。

昔話はともかく、山東昭子が田中角栄に請われて参院選に初めて出馬したのは1974年だった。糸山英太郎が当選し、空前の金権選挙としてあまりにも悪名高いこの74年参院選で、山東昭子は5位で当選した。この参院選における上位5人の得票数は下記の通り。

1 宮田輝(自民)    2,595,236
2 市川房枝(二院ク)  1,938,169
3 青島幸男(二院ク)  1,833,618
4 鳩山威一郎(自民)  1,504,561
5 山東昭子(自民)   1,256,724

山東昭子が2度目の当選を果たした1980年参院選の全国区では、最下位当選の和田静夫(社会党)の得票数は642,554票だった。

参院選の全国区が比例区に改められたのは、中曽根政権当時の1983年参院選からだった。当時は「拘束名簿式」であって、比例区は政党名でしか投票できなかった。

それが、政党名または候補者名で投票できるようになったのは、2001年の参院選からである。小沢一郎率いる民主党が安倍晋三率いる自民党に圧勝した2007年の参院選では、のちに「小沢信者」として名を馳せることになるブロガー連中が雪崩を打って「比例区は『天木直人』(9条ネット)に投票しよう」と呼びかけたものである。中には、「比例区は『天木直人』に、選挙区は好きな政党に」と呼びかけるブログまであった。私はこれを批判して、当ブログに「非拘束名簿式比例代表制への疑問」(2007年6月25日)と題した記事を書いた。「戦略的投票行動」をとるなら選挙区は自民党を落とすための候補を、比例区では支持する政党に投票すべきだと主張したのだった。なおこの年の参院選で、香川選挙区の有権者だった私は、選挙区は民主党候補に、比例区は社民党の政党名で投票した。

その後、2010年の参院選前にも、『kojitakenの日記』に「やはり『非拘束名簿式』比例代表制は欠陥制度だった」(2010年5月16日)と題した記事を書いたが、昨年、みんなの党が提唱している衆議院の「『一人一票』比例代表制」を知り、よくできた制度だと感心した。そして、その時に「非拘束名簿式」にも長所があるのだなあと見直したのだった。制度の概要は下記のプレゼンテーション資料をご覧いただければご理解いただけると思う。
http://www.your-party.jp/file/press/111021-01a.pdf

誤解されないように付言しておくが、私はみんなの党が唱える定数削減や一院制には断固反対である。それにもかかわらず、みんなの党の提唱する「『一人一票』比例代表制」を定数480の衆院選に当てはめれば良いと思うのである。

最低なのは小沢一郎の「一票の格差」削減に関する提案である。小沢は、選挙毎に小選挙区の区割りを見直せと主張しているらしいが、日頃あれほど口を酸っぱくして「ムダの削減」を唱える小沢とは思えないほど、税金の無駄遣いを招く上、現在の自民党による一党独裁を確固たるものにする最低の政策といえよう。

ちなみに、さる「小沢信者」のブログを読んて知ったのだが、原発に関する小沢の政策は、「一度全原発を再稼働したのち、2022年までかけて徐々に原発依存度を減らしてゼロに持って行く」ものだそうだ。ブログ主はこれを「現実的」だとして評価していたが、現実に「小沢信者」どもがやっていたことは、東電原発事故発生直後、まだ共産党も社民党も「即時原発ゼロ」を打ち出してなかった頃に、「社共の案は『即時原発ゼロ』でないからダメ」と決めつけることだった。同じ頃、小沢は原発に賛成とも反対とも言っていなかったのだが、そこは「小沢信者」の得意技で、小沢の真意を勝手に「ソンタク」していたのだった。

以上は長い長い前振りである。私が念頭に置いているのは、いうまでもなく、参院選比例区で18万票近くを獲得したものの落選した三宅洋平(緑の党)のことである。三宅は、「不正選挙」だの「地震兵器」だのに言及したことから明らかなように、上記の「小沢信者」どもから強い影響を受けている。かつては「ユダヤ陰謀論」になびきかかったこともあると告白している。さすがに、「ユダヤ陰謀論」の迷妄にははまらなかったようだが。

その三宅洋平が、17万票を獲得しながら落選したことを、「比例制度の不条理」と批判しているが、とんでもない認識違いである。三宅を後押しする田中龍作は、その日に油を注いでいるというより、田中龍作自身が「火付け役」であった可能性が濃厚だ。
https://twitter.com/tanakaryusaku/status/359512730278961155

これについて私は、田中龍作も三宅洋平も、ともに議会制民主主義を否定する政治観を持っているのだろうと思っていたのだが、昨日友人が言うには、「田中龍作はそうかもしれないけれども、三宅洋平は単に無知なだけだろう」とのことだった。そして、同席した他の友人も、驚くべきことに「非拘束名簿式比例代表制」の仕組みを知らなかったのだった。私は「うーん」とうなってしまった。自分自身が6年前の参院選の時に、「比例区は『天木直人』に」という周囲のブログの呼びかけに反発して「非拘束名簿式」を批判する記事を書いたことがあるものだから、そんな選挙制度のことはみんなよく知っているだろうとばかり思っていたのだった。だが、そうではなかったようだ。

ここまで長々と書いてしまったので、非拘束名簿式比例代表制の仕組みについては、4年前の衆院選に落選して政界を引退したらしい元自民党衆院議員の早川忠孝が書いた、「サルでもわかる得票率が多い三宅洋平が当選しないことの理由【比例区ドント式】」という記事(7月24日付)にリンクを張ってお茶を濁しておく。
http://senkyo.doorblog.jp/archives/29891278.html

そして強調しておきたいのは、おそらく三宅洋平がイメージしていたであろうかつての参院選の「全国区」では、初めの方にも書いたように、最下位当選者でも65万票を獲得していたという事実である。つまり、比例代表制でなく全国区であれば、三宅は最下位当選者の4分の1しか得票できずに惨敗していた。今回は、「緑の党」が選挙結果の2.5倍くらい得票していれば、三宅洋平は当選できた。三宅洋平や田中龍作の主張はとんでもない間違いなのである。

最後っ屁として、もう一度小沢一郎の悪口を書いておく。小沢は、「信者票」を利用して、山岡賢次を当選させようと企んでいた。山岡にはJR総連の支援を取りつけたといわれているのである。東祥三にもどこかの支援を取り付けたらしいが、三宅雪子やはたともこら他の比例候補にはそんなものはつけなかった。つまり、小沢が比例区で本当に当選させたかったのは、一に山岡賢次、二に東祥三だったのだ。

結果は、生活の党の比例区得票は約94万票。東祥三は得票順位が党内でも5位の惨敗だったが、山岡賢次は予想通り党内でトップの得票数だった。つまり、あやうく山岡賢次の当選を阻止できたのだった。小沢はとんでもないペテン師だというほかない。

今回の参院選で、「生活の党」の候補者が全滅して、本当に良かった。こっぴどい選挙結果だったけれども、山岡賢次と東祥三の復活を阻止できたことは、日本の政治をさらに悪くする原因を、わずかなりとも阻止することにつながる、数少ない「救い」だった。
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カルト信仰は怖いよねw

事実も論理もどうでもよく、ただ妄信あるのみ。

そして何遍も同じ手口に欺される。
宗派を変え教祖を変えても、いつまでたってもカルト信仰の習性を繰り返す。

こういうのが科学的なんたら主義の政党の一部にも散見されるのが日本という社会。残念。

そう、なんたら党内でも、シンパからの批判に聞く耳持たず既存の教義を絶対化したり、某区議会議員やブログ主みたいにM教の信仰告白までやったり・・・・

あ~、天皇教カルトやスターリンカルトの教訓、今いずこwwww

2013.07.29 10:36 URL | バッジ@ネオ・トロツキスト #CrLMSZ1k [ 編集 ]

すでにご存知の方も多いと思いますが。

(党公式サイトには無いです。

http://greens.gr.jp/



緑の党・木村雄一候補、やっと「謝罪」見解ですが・・・・

http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/d1ac4a9329721ac7c6fc3676777f7fae



2013.07.29 18:05 URL | k #L52t0waA [ 編集 ]

三宅洋平自身120万票必要って言ってましたよ。

2013.07.29 19:20 URL | #- [ 編集 ]

田中龍作から呆れた反論が出ました。
これって単に議論をすり替えてるだけではないでしょうか。
http://tanakaryusaku.jp/2013/07/0007625

2013.07.29 19:42 URL | 1979 #- [ 編集 ]

>みんなの党の提唱する「『一人一票』比例代表制」を定数480の衆院選に当てはめれば良いと思うのである。

これをやると地方からほとんど議員を出すことが難しくなる(=政治家の地方冷遇化)に繋がる可能性が高いですね

投票率約50%とすると鳥取で5割の支持を受けた個人(約15万)と東京で3%の支持を受けた個人(約15万)が等価になってしまう

政党で多くの議席をとろうとすればとにかく都会よりの発言
(地方交付税を削減して都市民に回す、農業漁業冷遇商業優遇)
をする政治家が増えると
ますます地方の荒廃化と都市一曲集中が進みそうで地方在住の身からすれば手放しで賛成できる案ではないことが言いたいのです

2013.07.29 22:30 URL | #- [ 編集 ]

全然脈絡ありませんが
「麻生副総理は29日、都内で開かれた講演会で・・・ワイマール憲法下でヒトラー政権が誕生したことを挙げ、『ワイマール憲法もいつの間にかナチス憲法に変わっていた。あの手口を学んだらどうか・・・』と語った。」(讀賣)
まさか「現行憲法は表現の自由を守るからこの発言も自由」って人はいないだろうね。事態はノー天気左翼の手ではどうにもならないところまで来てるんだけど。

2013.07.30 18:04 URL | 野次馬 #mQop/nM. [ 編集 ]

「日記」の方のプロ野球監督評価については若干異論もあるけど、このブログの批判精神は健全だよねw
ちょっと前に「新しい公共」概念への批判なんかもサラッとしていたし、嗅覚が鋭い。

あと期待するのは、共産党や日本の左翼運動への批判かな。事実や道理に基づいた批判。事実判断と価値判断両面からの批判。
そこを「自粛」して欲しくないなぁ。せっかくの嗅覚がもったいないw

2013.08.02 08:41 URL | バッジ@ネオ・トロツキスト #CrLMSZ1k [ 編集 ]

そうだそうだ!「日記」の方で「宿題」にしていた今田真人批判はどうしたの?
ヤツはユニクロもショップ99も、スウェットショップワーク(国際価値論観点)も無視してマルクス経済学を珍説化していたけど、ああいうニセサヨやニセリベへの批判もこのブログの売り物だよね。「余人をもって替え難い」。

それから、原水禁運動・反原発運動や領土問題、党内選挙のような問題での共産党批判も良いけれど、そういうのはオレたち党員でも出来るんだから、もっと一般目線の問題、それも出来れば理論・政策問題での共産党批判を期待したいですね。オレたちのような古典芸能派サヨやジジババ左翼の盲点になっているような共産党の欠陥、弱点ですよ。
kojitaken氏って、嗅覚鋭いからそういうの上手そうじゃんw

2013.08.02 09:57 URL | バッジ@ネオ・トロツキスト #CrLMSZ1k [ 編集 ]

>原水禁運動・反原発運動や領土問題、党内選挙のような問題での共産党批判も良いけれど、そういうのはオレたち党員でも出来るんだから

…どうだか。
村野瀬さんとこでも「小沢・生活賛美やってる右派」なんかを出しにして話を逸らそうとしていましたよね。

あのコメント欄で適当な言葉を知ったのですが、私が問題にしたかったようなことを「民主運動・民主団体の引き回し」と言うのですね。
っで、「オレたち党員」じゃ無理じゃない?って思わされる記事へのリンクをもう一度貼っておきますね。

http://blog.livedoor.jp/karoku1991/tag/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%85%B1%E7%94%A3%E5%85%9A

2013.08.04 22:23 URL | suterakuso #- [ 編集 ]

suterakusoさん、具体性のない意味不明な当てこすりを、それも他所のブログに時間が経ってから書き込むのは止めてくれませんか。

反論があるなら、当該ブログでお願いします(それにしても、事実関係や問題経過が不明な思い込みは第三者にはサッパリ判りませんよ)。

なお、「原水禁運動・反原発運動や領土問題、党内選挙のような問題での共産党批判も良いけれど、そういうのはオレたち党員でも出来るんだから」とは書きましたけど、そういう問題についても外部からの共産党批判は事実と道理に基づくかぎり一切「自粛」する必要ないとオレは思いますからどんどんやって欲しい(ただ、党内異論のコピペみたいな二番煎じがツマランと思うだけです)。

ところで、先日のkojitaken氏の共産党批判=「開かれた党」への注文に対して、党内外両方から「内部干渉」は止めろ、みたいな反論がありましたのでこの際補足的反批判を。

政党のような私的にして公的な結社の内部問題を外部から批判することを憲法に保障された結社の自由の侵害であるかのような議論が一部にあるようですが、これは、現代民主主義論としても憲法解釈としても全く間違った議論だと思います。
こういう議論は、20世紀左翼の民族自決権絶対主義、内政不干渉原則絶対化とも通底する謬論であり今日の国際化した人類社会では有害なだけでしょう。問題になっているのは、国家権力や帝国主義・覇権主義などによる党内問題や他国内問題への権力的干渉などではない言論活動だからです。

我々は、アメリカや中国の「内政問題」に対しても当然批判をすべきであり、党外人士が自民党の内部問題にも共産党の内部問題にも等しく批判すべきだと考えます。それが日本国憲法で保障されている言論の自由というものでしょうし現代の常識です。

このような外部(からの)批判は、今日のように社会の国際化が進み、いったい何が「内政問題」であるのか厳密な境界線が引きにくくなっている人類社会ではいっそう重要です。原発問題をみても地球環境問題でも経済・雇用問題でも税制や法制問題でも人権や民主主義の問題でも、およそあらゆる問題領域で、今日の人類社会は一国完結性を失っているのですから、他国や他国の(政権)政党に向かって、それらの「外部」から批判を加えていくことは、当然の権利であり地球市民的義務になってさえいることはもはや論をまたないはずです。

この点で日本共産党には重大な問題があります。
真のマルクス主義左翼政党とは、他国の政権党との親善や友好関係ではなく、その国の人民との連帯・団結を一義的課題とすべきだからです。本当の国際主義左翼勢力とは、他国の政権党に「苦言」を呈するだけでなく、他国の政権党の悪政に反対する勢力との団結を優先し、場合によっては政党として他国の政権党と関係断絶する(北朝鮮のようなケース)ことも吝かではないはずです。
政権党との関係を一義とするような態度は、その政権がいかなる民主主義的手続きによって成立しているかを不問にすることとも結びついており、多数派民意と政権の間の「ねじれ」を指摘するような立場とも整合しないダブルスタンダードのブルジョア議会主義の一種でしょう。

国際化が進んだ今日のネット時代こそ、真面目な共産党批判は重要です。
ある意味では、ラジカルな共産党批判の方こそ、凡百の体制批判などよりも真に建設的な体制批判に結実すると考えられます。

2013.08.05 19:55 URL | バッジ@ネオ・トロツキスト #CrLMSZ1k [ 編集 ]













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