きまぐれな日々

先週のエントリで触れたアルジェリア人質事件は、当初安否不明と報じられた邦人10人が全員遺体で見つかる痛ましい結果となった。

テロ行為はもちろん断じて許されるものではないが、2003年のイラク戦争で日本がアメリカを支持したことと、今回の事件で日本人が犯人グループのターゲットにされたこととの関係を指摘しないわけにはいかないだろう。しかし、安倍政権はそんなことはおくびにも出さず、逆に自衛隊の海外派遣を推進する口実にしようとしている。ブログ『Afternoon Cafe』の著者、秋原葉月さんに言わせれば、「ショックドクトリンの乱発」だそうだ。確かに、「安全保障版『ショック・ドクトリン』」といえるだろうなと私も思った。

ここで「安全保障版」という但し書きをつけたのは、いうまでもなく「ショック・ドクトリン」という言葉が、カナダのジャーナリスト、ナオミ・クラインが著した、ミルトン・フリードマンの経済政策を厳しく批判した本のタイトルに由来するものだからだ。この本の邦訳が出版されたのは2011年だが、原著が出版されたのは2007年9月であって、ちょうど安倍晋三が第1次内閣を投げ出して辞任した頃だった。

フリードマンの経済理論は70年代以後大流行したが、フリードマンを開祖とするシカゴ学派は、1973年9月11日のクーデターで政権を握ったチリのピノチェト政権下で、文字通り「ショック・ドクトリン」に基づく大実験をやってのけたのだった。

フリードマンの影響は、日本でも小泉内閣に入閣した竹中平蔵はもちろん、竹中を批判していた植草一秀(植草は、好きな経済学者としてケインズとフリードマンを挙げている)、さらには漫画『もし小泉進次郎がフリードマンの「資本主義と自由」を読んだら』の原作を書いたノビー(池田信夫)から、ベーシック・インカムとフラットタックス(定率課税)を組み合わせて「再分配」だとうそぶく橋下徹(フリードマンの場合はBIではなく、負の所得税をフラットタックスと組み合わせているが)に至るまで広範にわたっている。

なんでも、私が聞きかじったところだと、再分配は経済学の研究対象に含まれるかどうかさえ議論があるとの話である。当ブログのコメント欄でも「橋下徹はベーシック・インカムを主張してるぞ、『経済左派』じゃないか」と書いてきた人もいたが、BIで金を配る代わりに行政サービスを「バサーット切る」橋下の政策が再分配などであろうはずはない。日本では「小泉構造改革」が一世を風靡して以来、再分配を重視する主張は全く人気がない。

前世紀末の橋本龍太郎政権が新自由主義改革路線をとっていた1998年に突如3万人台に跳ね上がった年間自殺者数は、昨年、15年ぶりに3万人台を割ったが、それまでずっと高止まりしてきた。中曽根康弘が種を蒔き、橋本龍太郎と小泉純一郎がアクセルを踏み、安倍晋三も第1次内閣でそれに追随した新自由主義政策が格差と貧困の原因だった。

ただ、安倍晋三は第1次内閣時代から「本音は『反小泉』だろう」と指摘されていた(2006年末の朝日新聞・星浩の指摘)。第1次内閣時代から安倍は経済成長志向が強く、2007年には「3%成長」を公約していたが、実現できなかった。もっとも2007年の後半は福田康夫が総理大臣だった。

屈辱の辞任から「再チャレンジ」を果たした安倍晋三は、現在「アベノミクス」と名付けられた経済政策がもてはやされている。これは、金融緩和とインフレターゲットがキモであって、何度も書いているようにそれ自体は私も否定はしない。しかし、適切な再分配抜きでは効果は上がらないだろうと思っている。

ただ、自民党が民主党と比べてしたたかだなと思うのは、野党時代には反対していた所得税の累進制強化と相続税の増税といった「金持ち増税」の政策を打ち出したことだ。これらは、もともと菅政権や野田政権が打ち出していた方針だったが、自民党が「頑張った人が報われない税制だ」とか何とか理由をつけて反対したために、決められなかったものだ。さらには、先々週のエントリで触れた証券優遇税制も今年末で打ち切る方針だという。但し、その代わりに累積の投資額が最大年500万円までの小口投資の配当・譲渡益を非課税とする方針だ。

後者は、実は何も自民党の方針というわけではなく、金融庁の2013年度税制改正要望案として昨年8月末に報じられたものだ。現在しばしば指摘され、問題になっているのは、日本の所得税制が超高所得者に有利な逆進課税になっていることだが、所得1億円超の超富裕層の年間投資額は500万円をはるかに上回るであろうから、件の逆進課税に関しては若干の改善が見られるかもしれない。もっとも税率20%ではまだまだ逆進性は残ると思うが。

もちろん上記の諸施策は、2014年と15年に予定されている2段階の消費税増税に対する、「逆進性による貧乏人いじめ」批判をかわすものだろうが、それでもやらないよりはやったほうが良いだろう。そもそも、日本の財政における最大の問題は、税収が少な過ぎることだからだ。民主党は、前首相の野田佳彦をはじめ、かつて同党に在籍した小沢一郎や河村たかしなど、「民のかまど」のたとえ話が大好きな人たちばかりだった。このことが、自民党の反対を説得して所得税や相続税の増税を決められなかった一因だったのではないか。

もちろん、「政権交代」が行われた2009年は、リーマンショック直後の不況期だったため、「次の総選挙まで消費税率は上げない」とした当時の民主党マニフェストにも理がないわけではなかった。しかし、「次の総選挙」はもう済んだわけだから、消費税を含む税制をどう改革するかはどの政党にとっても避けて通れない課題のはずだ。これを、ティーパーティー張りに「税金は罰金だ。少なければ少ないほど良い」などと言うのは、あまりに無責任な態度だろう。

その意味でいえば、将来の税制をどうするのかというビジョンを一切示さず、「消費税増税は撤廃」としか言わない小沢一郎代表の「生活の党」は「不人気なポピュリズム政党」としか言いようがなく、早晩消えゆく運命の政党だ。共産党や社民党は富裕層増税を主張しているし、自公政権でさえ申し訳程度かもしれないけれども富裕層増税の動きを見せている。神野直彦氏あたりは、今回の増税は減税を伴わない増税という点では評価できるが、分離課税だらけの所得税制を見直して課税ベースを拡大し、所得税の税収を増やすべきだと言っている。

本来、分離課税見直しや証券優遇税制の打ち切りなどを行ったあとで消費税を増税すべきだったと私は思うが、しかしながらいずれは消費税の増税も必ず必要であると考えていることは、前々回に書いた通りだ。

今回は、これに関して読んだばかりの井手英策著『日本財政 転換の指針』(岩波新書, 2013年)に、興味深い考え方が載っていたので、これを紹介したい。

著者の井手氏は東大経済学部で博士課程を修了後、東北学院大、横浜国大を経て、現在慶応大経済学部准教授。神野直彦氏や金子勝氏の指導を受けた人とのこと。神野氏や金子氏は、消費税増税を否定していない。井手氏も同様である。

井手氏は、日本の財政赤字の原因は税収の減少であることは明らかなのに、まるで犯人捜しをするかのように支出の「ムダの削減」が追及され、その結果再分配に使われるはずだった政府支出が削減されたと指摘している。以下引用する。

(前略)社会不信や受益感の乏しさを背景に、支出やムダの削減が人びとに共通する理解となった。だが、それは自らの受益に対しても制約が加わってくる。そうなればいっそうの他者への不寛容を生み出しかねない。まさに負の連鎖である。

 こうして、人びとの利益を満たすために知恵を出し合う政治ではなく、誰がムダ遣いをするかを監視し、告発する政治を、私たちは当たり前と考えるようになった。この分断を志向する民主主義は、不信社会化という社会の危機と分かちがたく結ばれており、それらが財政危機の原因となった。このような政治を一刻も早く脱却しなければ、財政危機はますます深化する。

(井手英策『日本財政 転換の指針』(岩波新書, 2013年)20頁)


このように説き起こす井手氏だが、氏の理念の核心を表す言葉が「ユニバーサリズム」だ。

井手氏は、所得の少ない人や生存が困難な人びとを発見し、そこにしぼって救済を行おうとする原理を「ターゲッティズム」(選別主義)、所得の多寡、性別、年齢とはかかわりなく人間に共通するニーズを引き取って満たす「ユニバーサリズム」(普遍主義)とそれぞれ定義する。たとえば生活保護はターゲッティズム、初等教育の無償提供はユニバーサリズムの典型例である。あるいは課税においては所得税の累進制がターゲッティズム、消費税がユニバーサリズムに相当する。

井手氏の論によると、ターゲッティズムには(たとえば生活保護の対象であるなどといった)「恥ずべき暴露」が伴う。尊厳を重視する財政においては、ターゲッティズムの領域を狭め、人間の必要に関わる領域をユニバーサリズムで満たしていくべきだとする。私たちは正義を二つの基準で判断しており、一つは「何をどの程度得ることができたか」ということだが、いま一つは「社会や政府からどのようにあつかわれたか」ということだという。

課税でいえば、前者は累進課税、後者は定率課税に相当するが、課税が定率であっても給付が一人あたり同額であれば再分配になる(これは、前々回のエントリで私も書いたように、人頭税の逆の話だから当然である)。

井手氏の師である神野直彦氏の「再分配のパラドックス」を想起させる論であるし、所得税の累進度合いが緩く、消費税への依存度の高い北欧を範にとれば上記のような主張になるのかもしれない。

もちろん、井手氏は「税収は主に消費税に頼れ」と言っているわけではない。アメリカとスウェーデンという、福祉国家の軸をとれば両極ともいえる2つの国が財政再建した際、ともに富裕層への増税を行って成功した事例を述べたり、今般の「税と社会保障の一体改革」に関しても、下記のような記述がある。

 社会保障・税一体改革を経て、二〇一二年八月、消費税の一〇%への引き上げを行う法案が国会を通過した。受益と負担のバランスを重視する本書の見かたからすれば、税と社会保障を一体的に議論する方向性は評価できるし、一九八一年の法人税増税以来の基幹税の純増税を実現したのも、意義のあることである。

 しかし、大きな問題も残した。それは消費税のみに議論が集中し、税制改革案が偏ったものとなってしまった点である。

 当初の民主党案では、所得税の最高税率の引き上げ、相続税の課税強化、資本所得課税の軽減廃止が議論され、これとの関係で消費税の増税も位置づけられていた。つまり、逆進性の強い消費税に対して、富裕層への課税を強化することで、そのバランスが図られようとしていたのである。

 これは日本では珍しいが、諸外国の経験に学べば、オーソドックスな増税のやり方だったと言えよう。しかしながら、民主・自民・公明の三党合意を経て、最終的に消費税の増税以外の項目は先送りされることになった。

(井手英策『日本財政 転換の指針』(岩波新書, 2013年)139頁)


ところが自民党は民主党政権時代には反対していた所得税その他の増税を、政権を奪回したらいきなりやることに決定してしまったのである。野党なら好き勝手言って、与党になると豹変する自民党がしたたかだと言うべきか、自民党の脅しに易々と屈してしまった野田政権がふがいなかったと言うべきか。おそらくその両方だろう。なお繰り返すが、私は消費税と所得税・相続税・資本所得化税の軽減廃止は、後者を先行させるべきだったと考えている。

最後に、今年の春闘についてだが、経団連や大企業は、安倍政権に協力するつもりなら、賃上げを奮発すべきだろう。普通は賃金は物価よりも遅れて上がるが、インフレターゲットによって仮に物価が上がっても、賃金が上がらなければ国民の生活は楽にならない。そもそも定期昇給を見送ったりすればインフレになるどころかデフレが強まってしまう。だから先駆けて賃金を上げておけと言いたいのである。物価が上がったのに給料が下がれば、暮らしの苦しくなった国民は安倍内閣の支持率を下げ、政府の税収も増えない。財界にとっても良いことなど全くないはずだ。

そのくらいのことも解さない財界であるのなら、「経営陣(財界)がアホやから仕事がでけへん」との誹りは免れまい。
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先駆けて賃金上げるのはどうかと思います。インフレで利益が出たことをみて組合または雇用者があげるのがふつうだと思うのと両者の会話の足場や根拠がハッキリして対話がスムーズにいくので。
戦略的な雇用者なら既に利益があがったら賃金または賞与の約束をして労働者の働く誘因、経済学的にいうインセンティブを使ってるかもしれません。また利益量による調整が効く。そしてだからこそ急激な通貨供給による急激なインフレを懸念しています。

でなぜこの話からしたかというと、小泉政権またはアメリカ一辺倒や軍拡外交を訴える人は戦略も足場もあるのか疑問に思うからです。
主さんが書いているように小泉政権のイラク派兵は、戦略的に考えてればこうなる口実をテロリストに与えるのは予想できました。皮肉を言いましょう、だってショウザフラッグしたんだもん全世界に向けて。

で本題は日本の国際収支の増益の戦略にも関わるという事です。現在の日本の足場根拠として12年度の国際収支が先月の新聞ダイジェストにのっており、貿易収支は弐兆の赤字、ソース違いますが地震による液化ガスを中東から前年の二割りましてと対中国輸出の悪化。黒字が出たのはは海外子会社からの配当や海外証券の利子に拠る七兆のお陰です。
もしかしたら今はアメリカからの配当金の割合が多いかもしれないが、要検証、日揮みたいな会社や三菱商事のような会社で今後国際利益を出していく可能性が高いということです。そして日本の国際社会に置けるイメージはそれに重要に関わる戦略的意味が増えてくるでしょう。
英米はシリアなどのように軍事力やアルカイダなどを軍事援助して市場を開拓しようとしていますが…。
混乱を求めている意味でテロリストコイツら本当に利害一致しているからたちが悪い。そしてイラクでは英米の大企業ばかりが復興資金を獲得しているんだから胸糞悪い。おっと失礼。

で再分配の話を絡めると、労働者に金が回る効果が怪しく成ってきている輸出産業の為に円安するよりも、円高で輸入材料を安く買って国内で消費財作っている産業や上の海外子会社の資金を増やす意味でもって円高を推進し、日本の労働者に金が回りずらいだろう事を考慮し、再分配政策を行うというのもあるんではないでしょうか。

2013.01.28 23:49 URL | 基礎固め 戦略と足場 #sK7dvhWA [ 編集 ]

新自由主義者に過ぎない松下政経塾出身の野田に再配分を求める事自体が間違ってる。
まあ参院選後に分裂解党するであろう民主を論じるのも馬鹿馬鹿しいが、あれは松下政経塾出身者ら新自由主義者と、新自由主義を求めるグローバル企業の御用組合とが結び付いた最悪の政党で、富裕層やグローバル企業の社員を除く国民共通の敵だった。
また維新の会も、国のやる事は信用できない、何でも反対という戦後ポピュリズムの到達点で、左のポピュリズムの極北が民主党なら、右のポピュリズムの極北が維新の会であり、両者は一つ穴の貉。主張が出鱈目だとばれた時、賞味期限が切れた時が終わりで、大政党でいられる期間は短いだろう。
結局、安倍政権の再配分政策が象徴するように、自民が欧州社民の猿真似をして必要な政策をやり、存在価値を失った野党は非現実的な新自由主義政策や政府規模の縮小を訴えて国民の支持を得らず、自民党が安定的な政権党として君臨し、国民の支持を得られないトンデモ野党が少しだけ議席を得るお馴染みの景色になるんだろう。

2013.01.28 23:58 URL | #- [ 編集 ]

安倍の経済政策は全体としてバランスがとれているように見えます。拡大的な財政金融政策をとりつつ、所得税増税+特例廃止で分配に配慮しながら増収を図る。景気がある程度回復すれば財政赤字についてもそれなりに道筋が見えるでしょう。もちろん春闘ではそれなりに労働への分配が図られる。結局小泉の時代の原理主義が日本の保守党・経済官僚には異例だったということでしょうか。

むしろ原理主義に魅力を感じているのは大衆の方かもしれません。徹底したシカゴ学派的言動は橋下の人気の理由の一つでしょう。この点だけをとれば維新(とみんな)が民主党に代わって伸長するのはむしろ自然と言うことになる。

翻って「左」は経済政策で訴えるものも、いや経済を分析する能力もないまま手を拱いている。「公平なくして成長なし」と大きく出るのはいいですが、再分配が持続的に成長率に影響を与えるメカニズムを供給サイドで説明するのは困難でしょう。

2013.01.29 00:47 URL | 野次馬 #195Lvy4Y [ 編集 ]

色々書きたいけど、まず、アルジェリア人質事件の件。

アルジェリア人質事件、「やっぱり」と思ったが、安倍晋三さん自身の対応が遅すぎた。
東南アジアへ慰安旅行(不手際を重く見て「慰安旅行」と記載)に逝ったきり、3日後にようやく日本へ棄国(不手際を重く見て「棄国」と記載)。

「安倍晋三さん自身の対応が遅すぎた」と言うが、与党の対応が速かった点は評価。
石破茂幹事長らは直ぐに対策本部を開き、与党主催の事件対策本部を開く。
石破茂幹事長&高市早苗政調会長の2人、慰安旅行中の安倍晋三さんの代わりに、終末(安倍晋三さんの不手際を重く見て「終末」と記載)予定をキャンセルして、2人が主催して指揮を執った様です。

参考:石破茂幹事長と高市早苗政調会長で、何かできるのか??? (宇宙無限力と奇蹟)
http://blog.livedoor.jp/specialbounce/archives/22717852.html

もう総理だけ石破茂さんに交代しませんか。

2013.01.31 20:48 URL | 牧野弘幸 #v/Q4ADBU [ 編集 ]

 次に、所得再配分の件。

 1月30日の党首討論(日本維新の会 vs 自民党)を見て、平沼赳夫さんは脱原発こそ言わなかったが、生活保護の件は、平沼赳夫さんは外国人への不正受給を削減し、日本人への生活保護に充てる予算を捻出する様に主張したが、安倍晋三さんは日本人・外国人を問わず、不正受給を取り締まる様に反論。
 党全体の主張はとにかく、少なくても党代表クラス同士では、日本維新の会が経済左派、自民党が経済右派である点、はっきりした。

 最後、アベノミクスの件。

 kojitakenさんの仰る通り、物価が上昇しても賃金が上昇しなければ意味がありません。
 こう言う状態は「インフレーション」じゃなく「スタグフレーション」ですが、「スタグフレーション」に付いて認識が甘い奴が多すぎる。
 物価&賃金共に上昇しても「物価上昇率>賃金上昇率」の状態は「スタグフレーション」と考えろ。

 以上。

2013.01.31 20:53 URL | 牧野弘幸 #v/Q4ADBU [ 編集 ]

>日本の財政赤字の原因は税収の減少であることは明らかなのに、まるで犯人捜しをするかのように支出の「ムダの削減」が追及され、その結果再分配に使われるはずだった政府支出が削減されたと指摘している。

日本の財政赤字の原因は税収の減少というが、税収の減少は税率を増やさない限り、今の日本社会では避けられない。その中で税収を増やす方法を探すのが課題なのだから、そのような発言は何も言っていないに等しい。無意味な言説だ。
さらにいえば、「日本の財政赤字の原因は」、「公共事業」のための赤字国債乱発であって、この点を正面から論じないと、この日本でフリードマンを論ずる意義を見失うし、ケインジアンの功罪も語ることはできない。野田首相ではないがこの20年間で200兆円かけられた「公共事業」をまずもって語るべきだろう。
税率をいかに高めようとも少子高齢化社会では税金は希少財であることは変わりない。理想を言えば税金は一円の無駄も許されないのである。その考えを持たないで高福祉高負担の実現は不可能である。今は7高度成長期ではないことはもちろん、70年代の安定成長の時代でもない。
新自由主義者をこれ以上増やすのはもうやめにしてほしい。無駄の削減を放置して人は税金を払うだろうか。普通の人の当たり前な心を持って、心からお願いする。人々の心を小さな政府に向かわせないでほしい。「リベラル」の諸賢の皆様へ。

2013.02.02 08:06 URL | greenstone #- [ 編集 ]

greenstoneさんの主張は、公共事業を悪玉視する新自由主義者の主張と瓜二つなんだけど。
無駄の削減と称し、政府規模の縮小を志向しても、その結果は経済の縮小にしか繋がらないし規制緩和で民にし放題させれば、また悲劇が生まれるだけ。
小沢氏も河村氏も減税して、政府の役割を最小化して、国は経済に口を挟むな、社会保障だけやってろって発想だけど、その路線はイギリスで破綻したブレア労働党の第三の道路線を更に劣化させたろくでもない代物で、失敗する事が初めからわかりきってるものに過ぎないですよ。
まあ、河村氏は悪人ではないし、悪気があって減税を唱えてる人じゃないのであまり批判はしたくないけど、資本主義と市場経済をやる限りは、大きな政府になるのは当然で、景気刺激策に公共事業が必要不可欠というごく当たり前の認識だけは持たないと駄目ですよ(もちろん再配分もセットで)。

あと牧野さんに一つ突っ込んでおくと、維新の会は解雇規制の緩和を唱えてるトンデモ政党で、経済左派なんかじゃないですよ。
今でさえ中小企業のオーナーの中は独裁者のように振る舞って、労働法度外視で会社員を召使か使用人のように扱い、サービス残業やパワハラ、女性社員に対するセクハラが横行してるのに、解雇規制の緩和なんかやったら、そのカードで悪徳オーナー達が社員を完全奴隷化する事は目に見えてる。
企業の労働法違反があまりに酷いので、法の遵守を徹底させるべきだなんて声すら上がってる情けない状態なのに、その最中に最低賃金廃止やら解雇規制緩和なんて言い出した維新の会は、たとえ最低賃金の方だけ撤回したとはいえ、中小企業の悪徳オーナーの回し者としか思えない。

2013.02.02 23:28 URL | 疑問に思う #- [ 編集 ]

主さんや他の人は知りませんが私は所謂左翼がネオリベに走らないよう、経済政策の少しでも助けになるよう発言しています。補完です、批判では有りません。
緑石さん
税金の無駄は、経済左派的な私も必要だと思っていますが。戦略としては直で訴えるより、政府の情報や資金の透明性を訴える間接的なやり方がいいと思います。
情報や資金や官僚がやっている政策の透明性が確保されれば必然的に税金の無駄の議論をする足場ができるからです。
そして官僚を時の政党の為だけの頭脳にするのではなく、透明性によって国や国民の為の頭脳、所謂シンクタンクにする誘因が働くからです。
また更に重要なのが透明性によって政策実施後の評価や改善を検証しやすくなることです。

所謂左翼も右翼も透明性には反対出来ない筈です。国際関係でも市民に知らせなくても議員は知ることができるようにして守秘義務をつければいいだけです。

取り締まりの可視化もそうですが反対するのは既得権益があるからです。因みに日本のマスコミ右翼やネトウヨは本当低俗保守が多い、直ぐに警察や検察の側になびくので嘆かわしい限りですね。

2013.02.03 09:31 URL | 基礎固め 補完 #sK7dvhWA [ 編集 ]

警察や検察万歳。社会の安定化に役立っている。ここで議論している人たちは何かの役に立っているの。

2013.02.13 23:50 URL | #- [ 編集 ]

>警察や検察万歳。社会の安定化に役立っている。ここで議論している人たちは何かの役に立っているの。

生産活動をしていない警察や検察が存在していられるのは誰のおかげだ?

2013.03.09 13:25 URL | Executor #- [ 編集 ]

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2014.01.13 08:56  | # [ 編集 ]













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