きまぐれな日々

加藤紘一の実家へのテロ以来、マスコミにおける言論の流れが変わったように思う。それまでの、手放しの小泉純一郎及び安倍晋三に対する礼賛から一変し、靖国参拝を強行した小泉や、その後継者にして次期首相確実と見られる安倍に対して、批判的な記事が飛躍的に増えた。「風に吹かれて」さんも書かれているが、まるで、雑誌が「AbEnd」キャンペーンに協賛し始めたようにさえ思える。

たとえば、「週刊現代」9月9日号には、次に示す3本の注目すべき記事がある。

安倍晋三「空虚なプリンス」の血脈 第3回』
『「言論封殺テロ」を徹底追及しないメディアの大罪』
『ジェラルド・カーティスが大放言 安倍晋三は頭も心も体も弱い政治家』

安倍の血脈記事は、さもありなんという内容でしかないし、「頭も心も体も弱い」は、タイトルだけは痛快だけれど、それほどたいした安倍批判記事ではない。
今週号で注目されるのは、なんといっても『「言論封殺テロ」を徹底追及しないメディアの大罪』という記事だ。

記事は、加藤邸放火事件を紹介したあと、こう書いている。

(前略)犯行は言論封殺を狙った政治テロと見られる。
今年に入ってから、この種の言論封殺事件が頻発している。
7月21日には東京・大手町の日経新聞東京本社に火炎瓶が投げ込まれた。犯人はまだ捕まっていないが、日経新聞はその前日、A級戦犯への靖国神社への合祀をめぐる昭和天皇の発言メモをスクープしており、これを快く思わない者による犯行との見方が強い。
また、今年1月には、本誌(kojitaken註:週刊現代)でも細木数子を題材にしたルポ・『魔女の履歴書('06年5月?8月)を連載していたノンフィクション作家・溝口敦氏の長男(33歳)が山口組系関係者によって路上で刺されるという事件が発生した。(後略)
(「週刊現代」2006年9月9日号『「言論封殺テロ」を徹底追及しないメディアの大罪』より)
この記事に挙がっている溝口敦氏には、『パチンコ「30兆円の闇」?もうこれで騙されない』(小学館、2005年)という著書があり、当ブログの最初期の記事でとりあげたことがある。
その溝口氏自身、1990年に暴力団員に襲われたことがあり、刃物で脇腹を刺されて重傷を負ったが、それによって主張は曲げなかったという。溝口氏は、「週刊現代」の取材に答えている。以下引用する。

「(前略)私のような職業には(暴力テロに対する)『被害者の責任』というものがあると考えていて、たとえ自分や肉親が暴力にあっても、降参してはならないんです。降参すれば、相手に対して暴力の効果を認めたことになります」
と(溝口氏は)述べた上で、今回の加藤紘一氏の実家放火事件についてもこう言及する。
「加藤氏が今回の暴挙に対して降参しなかったのも『被害者の責任』を果たしてのことだと思いますが、残念なのは加藤氏をバックアップする言論が少ないことです。
靖国参拝をめぐって意見の相違があろうと、このような暴力には政治家はもっと怒りの声を挙げるべきです。
それがないのは、政治家が自己保身に走っているといわれても仕方がない。このままでは、日本はとんでもない暴力社会になるかもしれません」
実際、加藤氏の実家が放火された直後、山崎拓自民党前副総裁、谷垣禎一財務相ら何人かの政治家が批判声明を出したが、小泉首相をはじめとして、政府・与党の反応は概して鈍かった。
小泉首相に、加藤氏の事件についてコメントを求めたところ、「よくわかりません」(飯島勲首相秘書官)との答えが返ってきた。これは一国の首相としてあまりにお粗末な対応ではないだろうか。(後略)
(「週刊現代」2006年9月9日号『「言論封殺テロ」を徹底追及しないメディアの大罪』より)

記事はこのあと、田原総一朗による言論封殺批判へと続くのだが、これまでさんざん小泉を持ち上げ、安倍晋三寄りの発言を続けてきた田原が、どの面を下げて言論封殺批判ができるのか。言論封殺を招いたのはおまえじゃないかと、私は言いたい。

しかし、その田原にさえ批判される弱腰の政治家や言論人は、もっと情けない。田原はこう語る。

(前略)私がやっている『朝まで生テレビ!』でも、小泉さんの靖国参拝に賛成の出演者は問題ないのですが、反対派の論客がここにきて急に出演を辞退するようになった。番組制作サイドも非常に困っており、スタッフが苦労して出演依頼をしているのが実情です。
(「週刊現代」2006年9月9日号『「言論封殺テロ」を徹底追及しないメディアの大罪』より)

ナナナナナント!小泉に反対するジャーナリストまでもが、小泉批判を「自粛」しているというのだ!これでは、日本における言論の自由は守れないではないか。こうなったら、ブログだけでも必死に声を上げ続けるしかない。

「週刊現代」の記事が書かれたあとの8月28日、テロから2週間近く経過して初めて、小泉と安倍は加藤邸へのテロを批判するコメントを、申し訳程度に出した。しかし、小泉は靖国参拝を批判するマスコミ報道に逆切れして見せたし、安倍に至っては、いかにも嫌々コメントしているのがありありの発言で、とてもでないが心から出たテロ批判の発言とは思えない。

当ブログでは、トラックバック・ピープルのリンクリスト表示からは「AbEnd」の文字を外したものの、プロフィール欄に「AbEnd」の文字を高々と掲げた。そして、ハムニダ薫さんのブログ「薫のハムニダ日記」が提唱されている「安倍晋三、統一協会に祝電」キャンペーンに賛同していることも明記した。

小泉・安倍一派による言論封殺には、絶対に屈さないという意思表示である。
関連記事
スポンサーサイト












管理者にだけ表示

トラックバックURL↓
http://caprice.blog63.fc2.com/tb.php/123-722963cc

共謀罪にサイバー対策法が一体化されている
 サイバー対策法と言われるものが共謀罪と一体化されていることを知った。不勉強で今まで知らなかったのだ

2006.08.30 22:26 | ねじれ川柳惑星