きまぐれな日々

前回のエントリ「『脱原発』置き去りで『茶会』が台頭? 民主党代表選の憂鬱」を書いたあと、前回ではなく前々回の記事に対してだが、こんな書き出しのコメントをいただいたのには脱力した。

別に原発問題だけが重要な事でもないと思いますけどね。
他にも財政とか経済の問題とかあるわけで、原発への態度だけが政治家評価の基準にはならないと思います。


当該コメントは、これに続く部分ではまあまあまともなことが書かれているのだが、私が言いたいのは、誰が「原発問題『だけ』が重要な問題だ」なんて書きましたか、ってことだ。前回のタイトルには「茶会」という文字もあるし、以前から当ブログをお読みいただいている方であれば、当ブログが「富の再分配」の問題(税と社会保障の問題)を大きなテーマとして取り上げ、「茶会」的動きに対抗する「鍋パーティー」も主宰していることはご存知だろうし、一見さんであった場合でも、前回のエントリの後半で野田佳彦の「財政再建至上主義」や小沢一郎や河村たかしらの「日本版ティーパーティー」を目指すかのような妄動を批判していることくらいは読み取れるはずだ。コメントの書き出しを見たとき、「俺に喧嘩売ってるんか」と思ってむっとしたことはいうまでもない。その後の部分を読むと、そうでもないかとも思い直したけれども。

なお、「鍋パーティー」のブログには今朝(8/22)最新エントリ「責任を果たそうとするアメリカの富豪とそうしようとしない日本の富豪」が公開されたので、こちらも当ブログ記事と併せてご覧いただければ幸いだ。上記「鍋パーティー」のブログ記事に関して付け加えると、日本の富裕層が欧米のような「ノブレス・オブリージュ」を自覚しないことももちろん問題だけれど、それ以上に問題なのは、「富の再分配」を求める意見に対して、日本に住む人々の大半を占める貧乏人自らが「富裕層に対するひがみだ」、「努力が報われない社会になる」などと「やせ我慢」的な批判をしていきがっていることだ。「カイカクの痛みを耐えるオレってカコイイ」みたいな妙ちきりんな風潮が幅を利かせているから、「富裕層」を自認する「ちきりん」なる人物が書いた「はてなダイアリー」が大人気を集めたりする。バカバカしいことこのうえない。「やせ我慢」ほど日本社会にとって有害なものはない。

話を「脱原発」に戻すと、今月に入って「脱原発」の言論が急速に弱まっていることは強く感じる。今月の初めくらいまでは、小沢信者の一部が「ブログ主や社民・共産両党や飯田哲也氏は『10年を目処に脱原発』なんて言っている。即時原発全廃論者はこれを批判せよ」などと当ブログのコメント欄で煽っていたというのに、月半ばになると、「脱原発」が民主党代表選の争点から外されようとしているとしてこれを批判する当ブログに対して、「別に原発問題だけが重要な事でもない」というコメントをいただくとは、あまりの空気の変化の激しさに頭がクラクラする。

民主党代表選の方は、われもわれもと手を挙げる人間が続出し、現在は反小沢系では前原誠司が立候補するかどうか、親小沢系では海江田万里と鹿野道彦以外の有力候補が出るかどうかが話題になっているらしい。

だが、看板だけは「脱原発」を掲げる馬淵澄夫も含め、どの「ポスト菅」候補も「脱原発」に関しては現首相の菅直人より腰が引けている。菅直人だって十分腰が引けていたと私は思うのだが、その菅と比較してもさらに腰が引けている。

この件に関して昨日、「安倍晋三、統一協会主催合同結婚式に祝電」(2006年)の件以来お世話になっている「カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの虚業日記」から『kojitakenの日記』に「idトラックバック」をいただいた。そのエントリ「菅政権の終わりと原発政策の後退と『呪的闘争』」に、

菅政権にどれだけ不満があろうと、菅政権の次の政権は菅政権より必ず原発政策に関しては後退する、という言説って、私がすぐ思い出せるところではid:kojitakenさんくらいなんだが、どの程度存在しているんだろう。

と書かれていたのだが、えっ、私の意見ってそんなに少数派なのかと驚いた次第だ。実際、民主党代表選の出馬が取りざたされている人たちの発言を見聞きしていたら、ごく自然に得られる結論だと思うのだけれど。

でも確かに、私よりもっと過激な「即時全原発停止」を言っていたはずの小沢信者は、小沢一郎が「脱原発」を争点から外そうとしていることについてなぜか口を噤んでいる。こう書くと小沢信者は「いつ小沢一郎氏がそんなことを言った」と反論してくるかもしれないが、小沢には自らの党員資格停止を解除するかどうかを代表選の争点にさせるほどの影響力がありながら、「脱原発」が争点にならないことについては何も言ったり動いたりしないのだから、これは小沢一郎自身が「脱原発」を争点から外そうとしているという以外の解釈はできない。そして、「脱原発」を争点から外したいのは仙谷由人や岡田克也らいわゆる「執行部」系とて同じだから、いわゆる「反小沢」と「親小沢」の利害が完全に一致する。だから「脱原発」は民主党代表選の争点にはならないのだ。

もっともこんな事態を招いたことに関しては菅政権の責任も重い。前記「カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの虚業日記」から再び引用する。

後のない菅政権は明確に「脱原発」を表明すれば良かったのに、なぜあんなに原発勢力に未練たらたらなんだろうな。どうも日本では原発勢力と結託しないと政権維持も政権就任もできない仕組みになっているみたいだけど、なぜなんだろうな。

菅政権は明確に「脱原発」を表明しなかったから、脱原発な国民の「空気」を利用することもできなかった。

「脱原発な空気の国民」のほとんどは、菅政権が終われば菅政権より脱原発に関して確実に後退することを、想像もしていないだろうな。もちろん想像させないように入念に「情報操作」されているからなんだが。


そう、菅政権の腰が引けていたから国民の支持が得られなかった。あの東電原発事故を起こしていながらなお原発にこだわるなんて私には信じられないのだが、これが現実なのだ。

かつて正力松太郎は、民放テレビ局(日本テレビ)を開設し、その電波に力道山のプロレス中継や読売ジャイアンツのプロ野球中継を乗せて成功したが、その正力が晩年政界に進出した際に力を入れたのが原発だった。私は先々週から先週にかけて、ノンフィクション作家の佐野眞一が1994年にまとめ上げた大著『巨怪伝 正力松太郎と影武者たちの一世紀』(文春文庫、2000年)を読んだが、この長大な物語が4分の3にさしかかったあたりから原発の話が始まる。正力が社主を務めた読売新聞は、原発がもたらす夢を煽りに煽り、原発導入を決めた後あっという間の短期間で日本最初の原子炉を稼働させた。その際正力が駆使したのがマスメディアの影響力のほか、「金の力」だった。

1950年代に読売が煽った「ウランキャンペーン」はそれこそメチャクチャなもので、当時は当の読売新聞自身がスクープした「第五福竜丸事件」が起きた直後だったにもかかわらず、低線量放射線の悪影響などほとんど知られていなかったのをいいことに読売は「原子力発電の夢」をばら撒き、そのあげく「安もののお茶でも放射能をかければ玉露のような味になり、二級酒が特級酒並みになる」という俗説まで一人歩きしたという(佐野眞一著前掲書下巻287頁より)。当時、ウラン鉱山で一儲けをたくらんでいた東善作という人物は、岡山・鳥取県境の人形峠でウラン鉱脈を発見し、1957年にウラン鉱業株式会社を設立したが、人形峠のウラン鉱石はアメリカ産と比較して品質がはるかに劣ったので結局商売にならなかった。東は、「健康にいい」と言ってウラン鉱を風呂に入れ、「野菜がよく育つ」と言って庭に埋めたりしたが、その結果東は10年後に肺ガンで死んだばかりか、彼の妻と養女の一人も同じようにガン死した(同296頁)。朝日新聞のインタビューに答えて「少量の放射線は体にいい」と言った東電元副社長にして自民党元参院議員の加納時男にこの件に関する見解を伺いたいものだ。

それはともかく、現在60代後半以上の人たちにとっては、あるいは原発に夢を託した時代の思いが残っているのかもしれない。だが、現在の日本人の大半にはそんな記憶などないだろう。かくいう私ももういい年なのだが、原発への夢を読売がかくも大々的に煽っていたとは、上記佐野眞一の本を読んで初めて知って目を白黒させた次第だ。私の子供時代には、家でとっていた朝日も毎日も原発には消極的だったし(まだ朝日が原発に対して "Yes, but" などと言い出して当時同紙科学部記者の大熊由紀子が「核燃料」と題した連載記事を書く前の頃だった)、『少年ジャンプ』に掲載された中沢啓治の漫画『はだしのゲン』で広島に原爆が投下されたシーンを見て強い衝撃を受けたものだった。

だが、読売が煽った夢は早々に消えても利権は残り、「政官産学報労」が形成する「原発推進ヘキサゴン」が惰性で原発を推進した。その推進力となったものの一つが、過疎の地をシャブ漬けにする「電源三法交付金」だった。これによって、原発を止める権限のある原発立地自治体が原発を止めることが事実上できなくなり、菅首相は浜岡原発を止めて玄海原発の再稼働を阻止したが、そこまでで精一杯で、北海道原発の泊原発3号機の営業運転は、北海道知事にして元通産官僚の高橋はるみが再開させてしまった。

次の代表が反小沢系になろうが親小沢系になろうが菅直人内閣と比較して「脱原発」が大幅に後退することだけは絶対に間違いない。どうせそういうことなら、親小沢系の内閣ができた方がまだマシではないかと私は思う。なぜなら、次の政権が「脱原発」を後退させた時に小沢信者が言い訳できなくなるからだ。2009年の民主党マニフェストに掲げられた社民主義的な政策と「減税真理教」(=「日本版ティーパーティー」)が両立できるものなのかどうかの審判も下されよう。現在の、特にブログにおける政治に関する言論においてもっとも「病的」だと私が思うのは、「反新自由主義」だとか「脱原発」の立場をとっているはずの人間の多くが、小沢一郎に根拠のないシンパシーを寄せていることだ。

彼らがいい加減にその馬鹿げた夢から覚めない限り、日本の政治をめぐる言論はどんどん劣化する。ネットだけならまだしも、リアルの有名人でも江川紹子や、少し前には池田香代子あたりも「小沢熱」に冒されていた。これほどまでにも小沢一郎の批判を繰り返している当ブログだが、昨年の民主党代表選の時、「いっそのこと小沢一郎が勝った方が良い」と書いたのも、小沢信者の目を覚まさせるためにはそれしかないと思ったからだ。

次の総選挙で「小沢チルドレン」がほぼ全滅することは間違いないことを考えると、「親小沢・反小沢」の抗争など長くてもあと2年しか続かないのは確かなのだが、その2年の間に民主・自民の保守二大政党がこれ以上国民に不満を与え続けるようだと、次には橋下徹が国政を牛耳る未来しか私には思い浮かばない。冗談じゃない。そんなことになったら私は日本から逃げ出すことにするよ。
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>次の政権が「脱原発」を後退させた時に小沢信者が言い訳できなくなる
いいえ。あの人達は「党内の抵抗勢力が邪魔した」とか「そんなことはたいした問題ではない」などという、「名宰相」の「名ぜりふ」を言い出すのでしょう。3.11以降もまったく変わらない人たちですからね。
 「名宰相」と次の宰相の違いは、実行力が無くてすぐ辞めるところにあるというのも、もう最初から分かり切ったことではありますが。

2011.08.22 10:01 URL | puyonyan #- [ 編集 ]

正直、これだけ脱・反原発への抵抗が揺るがないと、私も気持ちが萎えます。
お盆明けは肉体的にも何かと疲れましたし。
海外の裁判で判決されるであろう放射能被害の賠償支払いは膨大になりましょう。
富の再配分ならぬ残された富の奪い合いが、日本において海外勢によって起こされるでしょう。(それは割と正当な権利だと、私は思います)
地方自治政府が、現在の中央国家体制原発維持政府を「国賊」と割り切って、海外勢と共に中央政府の国庫から富を収奪するつもりで攻勢をかけないと、
また、官産経マスコミ他複合体から脱して、これと我が方とは歴史的に断絶するものであるから、これを打倒する様な姿勢を見せないと、現在の日本の国体と共に、地方は皆 海外と放射能に何もかも奪い取られて殺される運命にあるのではないかと思います。

それでも、『脱原発、反電源三法』のメッセージバッグを持って、街を歩きたいと思います。
9月には新しく(ダンボールで)バッグを作って、リバーシブル側は『放射能を正しく恐れよう。負けるな日本!』にしたいと考えています。
(正しくも何も、もはや終末期癌患者のよう、今出来ることを悔いなく、金も遣いきって余生を生きるのが良いのでは、との諦観が、私自身にも入ってきていますが)

2011.08.22 12:51 URL | 朱の盤 #XQYq98OQ [ 編集 ]

まあ、僕は消去法で馬淵氏を次期総理にと思っています。(なかなか難しいだろうけど)
脱原発も大事ですけど、リーダーとしては若さや明るさ、日本を元気にする力が大事と思いますし。

脱原発も、財政再建と格差是正の両立も、僕ら国民がじっくり考えるしかないでしょう。
比例代表一本で、長らく分極的多党制だったイタリアも、最近行き詰まっているという話ですし。

2011.08.22 15:41 URL | SPIRIT(スピリット) #Bcjh3QfU [ 編集 ]

当方よりfc2のブログにはトラバが出来ないようですので、下記のように当コメント欄に私のエントリーを示させていただきます。

20110822(月)記 「小選挙区での死票」 これある限り 有権者・国民の願い、声、叫びは絶対に政治に反映されない

対米従属・金権腐敗政治の元凶自民党政治の延命装置として、国会議決に反して、小沢一郎・財界主導のもとに「小選挙区制度」が実施されてから久しい。

案に違わず、総選挙の度に夥しい死票が生まれ、折角の有権者の願い、民意は政治に反映されず、実現されずに来ているのが現状だ。

覇権国家米国の在日軍事基地は拡大強化され、国民が巨大な血税を注いでいる自衛隊は米海外遠征軍・戦争の走狗と化しつつある。大企業は手厚く減税されるが庶民は大増税で喘がされる最悪の政治が横行している。また、嘘の「原発安全神話」で誑かされ、庶民の健康、命は風前の灯にある、・・・

今、誰が総理になり、どの党が政権を担っても、この小選挙区制のもとでは夥しい票が死票として葬られ、有権者・国民の切実な願い、声、叫びが政治に反映されることはない。そして、主権者国民の生存は絶対的に奪われつつあるのである。

現民主党政権の為政は、結局は、自公政権下でそうであったように、国民を下記の惨状に導くこと必然であろう。

●米国主導の戦争に加担させられる。
●格差社会を強め、弱者の人間としての尊厳はスポイルされ、命まで奪われて行く。 肥え太るのは大企業、一部の大金持ちのみ。
●活動期地震の到来、列島原発危機、放射能汚染で日本列島の自然も人も壊滅へ・・・etc.

主権者国民は、主体的に生を選ぶのか? 追い詰められた死を選ぶのか?

今急を要することは、「小選挙区制の廃止」を展望し、主権を有する国民が草の根からの切実な民意が反映出来る真の主権在民の民主政治を洞察し、それへの構築を決意することではないだろうか。 これこそが問題解決への鍵、第一歩であろう。 主権者国民のこの一念こそが、悪政を改革する最も現実的な、最短距離の道のりであると確信する。

如何なる美辞麗句を掲げようとも、小選挙区制を肯定し、民意を削ぐ議員数の削減を主張する政治家・政党は、これまでの私たち国民の経験と検証からいっても、主権在民の民主政治に背を向ける政治家・政党であると断定しても、絶対間違い無いであろう。


2011/08/22 ニュース, 学問・資格, 文化・芸術, 日記・コラム・つぶやき, 書籍・雑誌, 経済・政治・国際 | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (1)


2011.08.22 20:51 URL | hamham #wMyNaENg [ 編集 ]

ちきりんとかいう人の確信犯的な煽り方は本当にひどいと思います。かなり悪質だとですし、非常に巧妙なので多くの人が悪影響を受けていると可能性があります。

2011.08.22 21:35 URL | haze #- [ 編集 ]

<それ以上に問題なのは、「富の再分配」を求める意見に対して、日本にすむ人々の大半を占める貧乏人自らが「富裕層に対するひがみだ」、「努力が報われない社会になる」などと「やせ我慢」的な批判をしていきがっていることだ。

この考えに強く共感します。ふつうの多くの人たちが、理不尽な現実を格好のよい理由をつけて認めてしまうことにこそ問題があるように感じます。

原発の問題についてですが、報道ステーションで石田衣良さんという作家が、「原発は好きではないけど、手放すことはできないと感じる」ということを言っているのを見て、今のふつうの人たちの感覚とシンクロしているようで、嫌な感じを受けました。

私は石田衣良さんというのは、最近何かで注目された作家なのだろうというくらいに思っていたので、カンヌで賞をとった『誰も知らない』の脚本を書いた人かなと思って調べてみました。全く見当ちがいでした。
普段まったく映画を見ないので、『誰も知らない』がどんなストーリーか知らなかったのですが、wikipediaのあらすじを見ただけで少しショックを受けるストーリーでした。
たまたまこの映画のことを少し知ることになったのですが、こういう映画こそ、もっとふつうの人たちに見られるべきなのかもしれないと感じました。
現代の『火垂るの墓』なのかなと感じました。
私も一度見てみたいと思っていますが、実は『火垂の墓』もつらくて最後まで見ることができないので、やはり見たくないとも思っています。

2011.08.23 00:50 URL | suterakuso #- [ 編集 ]

いまの日本の体制の仕組みならば、誰が総理になっても国民の希求するような政治は絶対に出来ないと私は確信しています。
なぜならば霞が関がそれを絶対に許さないからです。
霞が関はいわば現国家体制の守り神的な位置にいるのですよ。
勿論一見すると彼らはただただ省のなかで省益を追い求めているだけにみえるでしょう。
それが彼らの省内で生き抜いていく為に求められている事だからです。
そしてその為に彼らはじつに多くの法律を作るのです。
省益の為に作られたこれら多くの法律は、結果的にこの体制を盤石にすることに貢献します。
霞が関=国家体制の守護神なのですからね、省益の為の法律は体制の城壁のようになっていくわけです。
したがってこの国の体制を変革していこうとすれば、その者は必ず法によっても排除されることになるのです。
そしてこの国は霞が関という組織の為に常に都合のよいものでなくてはならないわけです。

またそんなわけで霞が関の個々の国家官僚は常に内部の掟だけにしばられています。
決して外からの批判には耳を貸しません。
彼らの論理は常に内にあり、たとえそれが間違っている事でも彼らは国家と一心同体なのですから許されるわけです。
そしてそれを変えようとする者は、また何が何でも潰さなければならない存在になるというわけです。
小沢一郎がまさにその排除すべき存在であり、だから彼は自民党という霞が関の為の国家政党から飛び出すしかなかったわけです。
そして実際に彼は長い年月をかけてこの体制を壊そうとしている。
だから壊し屋なのでしょう。

色んな人たちが小沢を語っているようですが、そのほとんどは視点が同じです。
それらの著作で語られる小沢像では常に小沢は権力闘争の人物であり、小沢の元からは次々と人が離れて行くのです。
そこには小沢の人格的側面や小沢の独善的な行動に問題があるように描かれているのでしょうね。
でも私は離れて当たり前と思っています。
なぜならば小沢についていたら霞が関という国家体制の守護神を敵にまわす事につながるのですからね。それがわかった人からつぎつぎに彼の元を去っていきます。
そして去った人たちは、まさか霞が関が怖いからとも言えないので自身に都合のよい言いわけをするのです。
それらを聞いた小沢に会った事もないような人がまた本を書く。
世間のイメージに適合するような代わり映えしない小沢論でも、出せば一定の売り上げが望めるので出すのでしょう。
でもそれがますます小沢と言う人物をわからなくしている。

私は小沢一郎は霞が関の支配する国家体制を破壊したらそれで使命を終えて引退すると思っています。
また彼に私が期待するのはその体制変革だけです。
私も昔は小沢一郎にはあまり良い印象をもっていませんでした。
世間で流される情報によって小沢が政権に付いたら大変とばかりに考えてもいました。
でも今は彼にしか国家体制の変革はできないだろう、それだけはやってもらいたいと考えています。
長年活動していたジャーナリストの人たちが小沢一郎に期待するのはまさにそれだと思います。
そしてそうは言わないジャーナリストは逆に信用できないとすら思います。
彼らのように小沢に近い場所にいて、小沢の果たそうとする役割がわかっているはずなのに小沢を世間一般と同じ視線で攻撃する人たちは、つまりは現体制にぶら下がって、そのうま味のおこぼれを頂戴したいと考えている様な連中ばかりでしょう。
大マスコミの記者連中は殆どそんな連中ばかりと思っています。
あの放射能は体に無害と喧伝している御用学者と同じ性質の人間達ですね。

私は小沢がせっかくやろうとした事を止めてしまった現民主党執行部に強い怒りを感じています。
菅も前原も仙谷も野田も、みんな結局は霞が関の前に屈服した連中です。
しかし殆どの政治家はたぶんいまのままではこの体制とそれを支える霞が関には歯がたたないでしょう。
あの小沢が40年もかかって作り上げてきたものをもってしても、権力を行使できる霞が関は最後は違法な手段に訴えても小沢を排除したのです。
他の普通の政治家には、ましては前原のような姑息な政治家ならば、そんな体制を壊そうとするのではなく自分自身が体制に担がれようとするでしょう。
それは彼らの目的が総理の座にしかないからです。
彼らは民主的ではない体制を変革して民主的な体制に作り変える事を目的としているのではなく、この体制の中でより上のポジションを目指しているだけなのです。
(これはじつは霞が関の国家官僚や、強いては民間の日本企業の従業員にも当てはまる考え方であり、欧米の人たちの考え方との大きな違いです。)
つまり小沢の様なある種奇特な政治家など、たぶん日本には二度と現れないということです。
みんな結局は長い者には巻かれろなのですよ。
でもそれではこの国にはいつまでたっても民主主義は成立しません。
言葉を換えれば民主主義でないからこそ国民が望まない政策が堅持されていくのです。
それがたとえば原発エネルギー政策です。
そしてこのままではこの国は確実に滅んでいくでしょう。

国民はいまのこの政治システムの矛盾というか、この体制そのものが世界からみて実に変なことに早く気がつかないといけません。
でも気がつかないように巧妙な仕掛けがまた幾重にもなされてもいるのです。
たとえば日本人は英語力が皆無です。
たぶんアジアでは最低のレベルでしょう。
これでこれだけのネット社会になっても多くの日本人は世界から見た日本を知る事が出来ないのです。
でももうそんな言い訳は通用出来ないくらい日本はせっぱつまった状況に追いつめられてきています。
企業の内部留保が200兆円以上、アメリカ国債が民間と合わせたら200兆円以上。
少なくともこれだけの巨額な富が有効に国内で使われないでいるのです。
これでは日本はいつまでもデフレの縮小経済から抜け出せるはずがありません。
しかし現国家体制下の国策ではこのような結果になるということです。
これこそが日本が個人を疎外して組織を優先する非民主体制である証明です。

いまは体制変革の最後のチャンスかもしれません。
私は今度の民主党代表選挙では少なくとも小沢一郎(これは体制変革の考え方と言い換える事も出来ますが)を排除しない人物が代表に選ばれて欲しいと思っています。
そして次期内閣には体制に媚びるような政治家ばかりではなく、たとえば田中康夫のような人物を入閣させて欲しい。
今の段階ではそれが変革の灯を消さない為の最低限の望みです。

2011.08.23 06:08 URL | 風太 #seTEoywg [ 編集 ]

そんなに小沢氏が体制の変革者だというなら、なぜに山岡氏あたりといつまでもつるんでるんですかね?
そして彼はなぜに脱原発を明確に打ち出さないのでしょうか?
ご推薦の7/28自由報道協会主催公開記者会見とやらも見させていただきましたが、相変わらず原子力は過渡的エネルギーだとしながらも、ドイツは石炭が豊富、日本はそうではないから急に舵を切れない、とそこらの原発維持派と変わらない主張。
(かつては?)小沢シンパとして知られる岩上安身氏の会見後のコメントがすべてを物語っておりました。
http://bit.ly/qAAd6c
エネルギーシフトするということは、それこそ「地域主権」「国民の生活が第一」であり、体制の変革に直結する話のはずなんですが。

まぁ確かに先日のフジテレビ嫌韓デモとやらに5~6千人も集まったと聞くと、私も脱力してしまいますが、その一方で本当に悩み苦しんでいる人たちもいるんでね。
そういう人たちもどんどん声を上げ始めているんで、小沢復権が最大の争点である代表選は政局大好きマスコミさんたちにお任せしておいて、当面直接行動にできるだけ参加することにします。
東京では週末(27日)にはTwit No Nukes主催のデモもある。
http://bit.ly/pUkXyP
9月19日には9月脱原発アクションウィークの一環として「原発にさよなら集会」もある。
http://bit.ly/ij8r0R
少しでも既存政党に影響を与えられることを願っております。

2011.08.23 19:11 URL | meditation2011 #- [ 編集 ]

私はTPP反対の立場を取っている鹿野氏を応援します。
それこそ前原や野田が首相になろうものなら脱原発は後退する上にTPP参加という二重苦になりかねませんし、個人的にはTPP反対を脱原発より重んじているためTPP参加と引き換えの脱原発ならば今日いますぐ全ての原発が停止し廃炉になるという確約があろうと反対です。

2011.08.23 19:19 URL | A #AtAD9fD6 [ 編集 ]

『誰も知らない』についてさらに調べて、『火垂るの墓』と重ね合わせる人がやはりたくさんいることが分かりました。

この映画を作った是枝裕和さんについても調べ、是枝さんの他の作品にも良い印象を持ちました。(まだ、実際に触れてはいないのですが…)

その中で、こちらに訪問するみなさんに特に関心をもってもらえるのではないかと感じたのは、
『しかし…-ある高級福祉官僚 死への軌跡』
という本です。私も読んでみようと思います。

2011.08.23 21:01 URL | suterakuso #- [ 編集 ]

さまざまな寄り合い所帯の民主党。
中には、反原発の人、市民運動化、社民主義者といった良心的な政治家もいるのですが、代表戦に立候補している人をみるとよりによって保守反動派、原発肯定派、新自由主義者といった非民主的な政治家ばかりが立候補、また、こういった政治家が党内で主導権を握っているのですから救いようがありません。
ご指摘のとおり誰が総理大臣になっても菅政権より「脱原発」は後退するのは間違いないでしょう。

2011.08.23 22:15 URL | zinpei #- [ 編集 ]

私も小沢直系の候補が民主党新代表になれば良いと思っていました。
民主党の支持率はさらに低下するでしょうが、小沢一郎に対して、根拠のない期待感を今後抱かせないためには、それが一番と思いました。
しかし、それでは、小沢支持の人々は次の「小沢一郎」を探すだけなのかなあ、とも思います。政治の意志決定に情緒的な判断を持ち込む人は、不況期、閉塞状況になると、理屈を超えた、様々なサインに反応して、行動してしまうのではないでしょうか。
小沢一郎は東北の出身です。口下手です。理屈より人間関係を重視します。政策論議を好みませんが、大派閥を作り政治を左右してきました。小沢派は結束力が強く、派に属する議員と一種の親分子分のような関係を作り、子分は忠誠を誓います。
こういう人が、国民の生活第一と唱えると、この人は伝統的な親分肌の人で、人情に厚い庶民派というイメージを生んでしまい、理屈より実力で事態を打開し、官僚政治を打破して国民を助けてくれるのではないかという幻想を作り出すのだと思います。
彼の経歴を考えればそんなことはありえないのですが、そのような合理的思考よりも、彼の持つ雰囲気、イメージが決定的な役割を果たし、人々の情緒に訴えかけるのです。リベラル派の小沢支持者に女性が多いことは偶然ではないと思います(私は情緒的反応を否定しているではありません)。
小沢一郎は、日本人のファシズム耐性を試す存在なのかもしれません。

最近、以下の文章を読みました。
http://blog.livedoor.jp/goredsox/archives/1632389.html
私は、財政再建を重視しますし、皆さんの大半とは経済政策の立場は違いますが、富の再分配は喫緊の課題と考えます(経済成長のためにも)。
私は、70年代、日本人の90%以上が中流と考えた時代が理想と思いますが、300兆を超える純債務と少子高齢化社会では再現できません。貧しさを分担するような社会を目指すことになるのでしょうが、早く手を打つ必要があります。なぜ、この問題が原発・復興と共に優先政策課題にならないのか不思議です。
Kojitakenさんが指摘されている通り、日本人は我慢強い。権力がある者、力のある者からどんなに虐げられても我慢する。逆に、パワーに反抗しようとする人の足を引っ張り、いじめようとする。
そんな国民性のために日本人は体裁ばかりを気にするようになり、勇気と冒険心を失ったと思います。再分配は弱者少数者の主張と考え正面から主張することができません。

民主党は、なぜ国民の生活第一が国民の関心を呼んだかをもう一度考えるべきです。マニフェスト回帰というのはその意味でとらえるべきです。ここには大きな鉱脈があります。我慢強い日本人も実は不満と不安を抱えているのです。
バラマキではなく、財政再建を通じて富の再分配を達成する方法はあるはずです。マニフェストの見直しもそのような形で実現すれば支持率も上がるでしょう。

2011.08.23 22:31 URL | greenstone #- [ 編集 ]

脱原発やら反原発と「反・福島県」の区別もできない連中がいる現状なら、
当然実現しないだろうし、実現して欲しくない。
昨日の毎日新聞の世論調査で「原発は時間をかけて減らすべきが74%」という結果が出たが、
さらに「どのくらいの時間で減らすか」まで聞かないのは不誠実だ。
それこそ即時廃止~100年かけてまで幅は大きいだろう。
まして、原発への依存率だって0%~50%と幅が。
こういった二つの指標をマトリックス化するなどして、
数字込みでスタンスを明確にしないと議論が進まない。

2011.08.23 22:32 URL | 観潮楼 #- [ 編集 ]

>suterakusoさん

是枝裕和監督の作品では「花よりもなほ」(2006年)もおすすめです。時代劇ですが、安倍政権の頃に公開されたこの作品には、戦争の出来る国家を再建しようとする近年のネオコン路線を暗に批判する意図が感じられます。

2011.08.24 00:12 URL | ぽむ #mQop/nM. [ 編集 ]

>ぽむさん

私のコメントにコメントをいただき、ありがとうございます。
「花よりもなほ」は不条理な結末も待ってなさそうで、楽しく見れそうですね。

男子一事を成すという言葉がありますが、最近の教育で、この価値観が目立ち出したように思います。是枝監督はそういうことにも目を向けているのですかね。

2011.08.24 22:17 URL | suterakuso #- [ 編集 ]

kojitakenの前原信者っぷりがすごいですね。前原が首相になることに喜びを感じているのが手に取るようにわかります。

っていうか創価の信者だから仕方ないかな。

2011.08.25 23:19 URL | aqws #- [ 編集 ]

もういいかげんに小沢信者に
偏執的に執着して批判するのはやめた方がいいぞ!
もっと視野を広く持てよ!
世間一般の人が小沢信者のブログの動向などなんの興味もないし、そもそも認知もしてない。
不毛な事はよせ!
そんな政治ブログ村のバケツの中のせせこましい争いなどどうでもいいんだよ!
もっと危惧すべき事、優先して批判することがあるはずだ!
あなたのブログを数年来信頼して読んできたが、いつからか小沢信者批判がしつこすぎる。別に俺は小沢信者てわけではない。選挙ではいつも消去方で社共に入れてる。もっと大衆に訴えることを書けよ!小沢信者の動向なんて
政治ブログオタクの間でしか通用しねえの!つまり不毛な事をやめろ!
あなたの鋭い感覚に期待してるから言ってんだ!

2011.08.26 04:13 URL | シンキロウ #- [ 編集 ]

なぜ皆さん、気づいていながらはっきりと言わないのですか??
ずっと見守って来ましたが、菅さんは「脱原発」を訴えていたから辞めさせられたとしか思えません。
原発利権は恐ろしく根強いです。
菅さんは何十年も前から自然エネルギー応援派であったのを知っていたので、
応援していました。
例え人気取りでも何であったとしても、脱原発を主張し進めてくれたであろう人は、菅さんしか居ません。
東電やマスコミが脱原発派の菅さんのあら探し。国民はそれを鵜呑みにする。
そして、次の候補の有力者はほぼ皆、原発推進派です。日本に明るい未来は来るのでしょうか。枝野さんがいつか総理になり、菅さんの意向を受け継ぎ、脱原発を必ず実現化させてくれる日を信じています。

2011.08.28 21:27 URL | 原発のある場所では暮らせない #- [ 編集 ]













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