きまぐれな日々

前回のエントリ「小沢一郎はトンデモ、菅直人は規制緩和屋。救いのない民主党」のコメント数が60件近くになっている。小沢一郎が小泉政権時代の2005年3月に「夕刊フジ」に書いた「剛腕コラム」の内容が議論になっているのだが、もう20年も前から小沢一郎の「小さな政府」や「規制緩和」への志向に辟易し続けてきた私としては、小沢一郎なら言いそうなことだとしか思えず、『kojitakenの日記』にも書いたように、なぜ小沢一郎のような「自己責任厨の保守オヤジ」がなぜここまで神格化されるのかさっぱり理解できない。

特に、新自由主義の権化ともいえる河村たかしの「減税日本」(=「強者への逆再分配日本」)を小沢信者が持ち上げるさまは異様の一語に尽きる。『kojitakenの日記』には、kemouさんが下記のようにコメントされている。

こんな発言でも肯定できる人達だからこそ、社民主義やリベラリズムとは対極にある河村さえも肯定できるのだろうな、なんて思います。ちなみに私はかつて小沢氏のメールマガジンを取っていたことがありますが、この発言が届いたその日に解約したのをおぼえています。社民主義やリベラルを強く志向する人間として、全く許容できるものではありませんでした。


しかし、小沢信者の感性はkemouさんとは全く異なる。当ブログにも、小沢支持者と小沢信者のボーダーのようなコメント常連客が複数名おられるが、さすがに河村たかしを手放しで持ち上げる態度はとらないけれども、自公や菅直人と比較して河村たかしを「よりマシ」と判定される。その基準は私には理解不能だ。時々訪れてたまに書き込みもする「平成海援隊Discussion BBS政治議論室」になると、河村たかしを賛美する小沢信者は少なくないし、その傾向がさらに尖鋭化した「阿修羅」に至っては、河村たかしへの熱狂的支持がデフォルトになっている。

最近は小沢信者の言説がリアルの媒体にも影響を与えている。小沢信者御用達の週刊誌として悪名高い『週刊ポスト』を昨夜少し立ち読みしたが、「小沢・河村・橋下『嫌われ者の盟約』」なる記事が出ていて、「政官業報のピラミッド」などという、どこかのミラーマンを思わせるようなフレーズが出てくる上、小沢・河村・橋下の「減税勢力」対菅・谷垣・大新聞の「増税勢力」などというありもしない対立構図を勝手に描いていた。ちなみに、自民党の「上げ潮派」は「増税勢力」側に描かれていたので大爆笑! だって、中川秀直一派の思想と小沢・河村・橋下の思想なんて寸分違わないじゃない(笑)。「減税」によって金持ちが市中に回す金が増えて経済が活性化して税収が増えるって、「トリクルダウン論」そのものじゃん(爆)。

かつての「上げ潮派」の支持者にせよ、今の河村・小沢信者にせよ、金持ちは金をポケットに入れて回さないから経済が沈滞化するんだよ、だから貧乏人に金を回して経済を活性化させる必要があるんだよ、と何度書いても理解できないらしい。ちなみに、河村たかしの「減税」が「金持ち減税」であることについては、「Nabe Party ? 再分配を重視する市民の会」のブログに月曜日に公開されたエントリ「河村市長の減税をもう一度考えてみましょう」に詳しい。

上記リンク先の記事からさらにリンクされている熊谷俊人・千葉市長のブログが指摘するように、

もし、庶民向けの減税ということであれば、均等割・所得割ともに10%減税するのではなく、所得割はそのままで均等割を3,000円から一気に半額以下にまで引き下げれば良い

のである。これなら、人頭税に相当する分の減税だから、「庶民減税」の看板に偽りなしになる。ところが、実際に名古屋市議会でそのような議論がなされたにもかかわらず、河村は、

そこまで安くすると低所得者は徴収コストの方が高くなり、税を取る意味が無くなる

などと反論した、というかほざいた。それどころか、「減税日本」(=「強者への逆再分配日本」)のホームページに至っては、

確かに累進課税に対して一律減税を行うと高額所得者に効果が厚くなりますが、これは元々の納税率が高かったためであり、「納税者への敬意」を掲げる減税日本としてはある程度は妥当と考えています。

などと開き直っている。この経緯から、熊谷・千葉市長は河村の減税を「高所得者向けの減税が目的」だと認定している。こんなものは「庶民減税」ではないし、河村たかしが起こそうとしているのは「庶民革命」などでは毛頭ないのである。金持ちが貧乏人を騙そうとしている図式。その指導者が愛知の土豪である河村たかしで、河村を支援するのが岩手の土豪・小沢一郎である。

その河村?小沢ラインに乗って東京都知事選の座を伺っていたのが、宮崎の土豪と結託していた東国原英夫だったが、ここにきて石原慎太郎が引退の意向を撤回すると報じられた。以下時事通信の記事から引用する。

石原氏、都知事選4選出馬へ=不出馬意向から一転

 今期限りで退任の意向を固めていた石原慎太郎東京都知事(78)は10日、4月10日投開票の都知事選に無所属で4選出馬する意向に転じた。11日の都議会本会議で正式表明する。既に出馬表明した外食チェーン「ワタミ」の渡辺美樹前会長(51)や出馬意向を固めた東国原英夫前宮崎県知事(53)らについて政策面などから分析した結果、場合によっては石原都政の継承が困難になるとの懸念を強めたとみられる。
 都知事選では、渡辺氏のほか松沢成文神奈川県知事(52)、共産党の小池晃前参院議員(50)らが既に無所属での出馬を表明。民主党は独自候補擁立を断念する方針を固めている。自民、公明両党は石原氏を支援する方針で、同氏出馬は選挙戦に大きな影響を与えることになる。
 石原氏は、高齢や多選批判を招きかねないことを考慮し、いったん4選不出馬の意向を固めた。ただ、その後も自民党などは出馬するよう懸命の説得を続けていた。
 石原氏は10日夜、松沢氏や長男の石原伸晃自民党幹事長、森喜朗元首相と会談した。石原、松沢両氏は親密な関係で、石原氏不出馬を想定していた松沢氏に対し、石原氏が出馬の意向を伝え理解を求めたとみられる。会談後、松沢氏は記者団に「お話しすることはない」と硬い表情で語った。 
 石原氏は、自民党衆院議員として運輸相などを歴任した後、1999年4月の都知事選で初当選。「東京から日本を変える」とのスローガンを掲げ、大手銀行への外形標準課税の導入やディーゼル車排ガス規制などに取り組んだ。
 一方、石原氏が旗振り役となって設立した新銀行東京は一時経営危機に陥り、都が400億円を追加出資。都民の批判を招いた。3期目の公約に掲げた2016年の夏季五輪招致は失敗した。(2011/03/11-01:05)


やれやれ。これで流れは見えた。石原が立てば、「石原が怖い」チキンの東国原英夫は絶対に立候補しない。「減税日本」(=「強者への逆再分配日本」)から衆院選に立候補するだろう。松沢成文も石原の対抗馬としては立候補しないだろう。渡辺美樹はそのまま立候補するだろうし、小池晃氏はもちろん立候補する。だが結果は見えていて、石原が敵なしの大差で四選を果たす。名古屋市民よりも大阪府民よりもポピュリズムに弱い東京都民がそれ以外の選択をするはずがない。都民の一人としてはまことに遺憾ながら、東京都民の民度は全国一低い。

要するに、石原は小沢?河村?東国原のラインが嫌いなのだ。東国原に都政を渡すくらいなら、俺がもう一期やる。そう考えたに決まっている。そう、東国原が「松沢になら勝てる」と思ったのと同じように、石原もまた「松沢では東国原に勝てない」と思ったに違いない。石原は、こんな時に盟友とされた松沢に対する気遣いなど頭に浮かぶ人間ではない。なにせ石原は、罪なきベトナム人を殺そうとしたとも言われている人間だ。その冷酷非情さは、常人には想像もつかない。

だが、そんな石原を東京都民は熱狂的に支持するのである。エントリの前半で、なぜ小沢信者があんな「自己責任厨の保守オヤジ」を神格化するのかわからないと書いたが、石原の場合は特殊な信者ではなく一般的な都民が熱狂的に支持するのだ。その点で大阪の橋下徹や名古屋の河村たかしと酷似しているのだが、石原は、河村や橋下といった次世代にとって代わられるのがいやで、死ぬまで自分がナンバーワンでありたい人間であるのに違いない。

いずれにせよ、自身にとって最後の都知事選になるであろう今回も、1999年の最初の都知事選と同様に「後出しじゃんけん」をしようとは、石原とはどこまで卑劣な人間なのだろうか。

こんな人間の四選を決して許してはならない、と声を大にして叫びたいところだが、「負け犬の遠吠え」にしかならないことは覚悟している。
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2011.03.11 08:21 | 石原慎太郎 | トラックバック(-) | コメント(8) | このエントリーを含むはてなブックマーク

asahi.comに掲載された写真が「おや?」となるほど老け込んで写っていたので、もう出ないかと思ってたんですが、老いて方向転換ができなくなるというのもあるのかもしれないですね。
三期目の選挙のときも、テレビのニュースで観て衰えを感じましたし、長男があれなら、次男が止めるとかできないのかと。無理したら逝くよ。

2011.03.11 08:48 URL | nessko #aIcUnOeo [ 編集 ]

石原慎太郎氏は昨日亡くなった坂上ニ郎氏よりも年上ですね。
いい人ほど先に死ぬ、憎まれっ子世にはばかるとはまさにそれぞれ坂上氏と石原氏のためにある言葉といって差し支えないでしょう。

石原氏を支持し信任する東京都の有権者は自分で自分の首を絞めていることに8年たっても気が付かない、4選がなれば12年たっても気が付かない、まさに天下にその名をとどろかせる大ばか者の集団としか言いようがないです。

2011.03.11 10:09 URL | 谷本篤史 #gKumvUXs [ 編集 ]

まあ都知事戦は是非とも白熱した舌戦を繰り広げてもらいたいですね。
候補者が力を振り絞って血管切れるくらいに全精力を傾ける、なんてのはもちろんどんな選挙でも当たり前のことですけど。

候補者同士の公開討論を屋外で、それぞれの選挙カーの上で立ったまま燦々と輝く昼の太陽の下に延々とやる、なんてのは非常に盛り上がりそうで素敵ですね。
まさに太陽の季節。
本投票までに10数回それで白熱の舌戦を石原慎太郎含めて繰り返せば、都民も実に納得のいく投票が出来るんじゃないでしょうか。
石原他の候補者は、都民のために是非結託して、そういう場を多数回 設けて共に選挙戦を戦うといいですよ。
そうなれば、まさに都知事戦は鋼鉄の熱きジャングルの死闘。
最後まで信念の下に立っていられた人間が勝者です。
(まあ選挙だから勝者は投票で決まるに決まってますが)

激動の時代の都知事には体力は不可欠。
まさかマチズモでならした石原慎太郎が体力不足で断る、なんてことも出来ないでしょう。
候補者全員で熱砂の地獄に石原を引きずり込んで戦えば、勝ちはわかりません。
くれぐれも他の候補者は、石原の体力を温存させるような選挙戦をしない(あるいは体力温存すること自体がマイナスであるかのように見える選挙戦を展開する)ことですな。
そのためには、候補者自身が振り絞れるだけの体力使って、選挙戦を消耗戦に誘導しなけりゃなりませんが。

2011.03.11 12:12 URL | 朱の盤 #XQYq98OQ [ 編集 ]

 はじめてコメントさせていただきます。
 …とはいっても、こういう形ではしたくなかったです。

 今回の地震で、私の故郷・大船渡や陸前高田が壊滅してしまいました。本当に悔しくてなりません。

 拙稿でも書きましたが、自分たちでがんばるにしても今は何もかもが足りません。Kojitakenさんはじめ、皆様のご協力よろしくお願いします。

 後ほどあらためて挨拶に来ます。

2011.03.13 14:27 URL | 伊東勉 #- [ 編集 ]

kojitaken様

>石原は、罪なきベトナム人を殺そうとしたとも言われている人間だ。その冷酷非情さは、常人には想像もつかない。
>石原とはどこまで卑劣な人間なのだろうか。


極右ナショナリズムの石原都知事ですが、石原都知事にもひとつだけ良いところがあり、小沢一郎さんに対し、
「私は彼を評価しません。あの人ほどアメリカの言いなりになった人はいない。」
と評価した点です。
(これ理解してる人が殆ど皆無のため)

2011.03.13 19:53 URL | 牧野弘幸 #v/Q4ADBU [ 編集 ]

このコメントは管理者の承認待ちです

2011.03.14 19:17  | # [ 編集 ]

口をひらけば暴言の石原さんはまたしても暴言。「津波は天罰」と。
日本を代表するリーダーのこの言葉には世界もあきれるでしょうね。チリでもハイチでもスマトラでも同じことを言えるのでしょうかこの御仁。
石原氏はこの際「積年たまった日本人の心のあかを」洗い落とす機会といっているわけですが、都民の皆様におかれましては、そろそろ長年にわたりこびりついた『渡世の黒ずみ』を落としてはいかがかと思う。

2011.03.14 22:46 URL | 東松山千春 #fZQrJU3g [ 編集 ]

石原は論外ですが、城内実も酷いものです。
http://www.m-kiuchi.com/2011/03/11/doukahigaigasukunaiyounioinorimoushiagemas/
以下引用
菅直人総理はつくづく運が良いなと思った。これで「外国人からの献金問題」がトップニュースから消えたのだ。天上界の神々が菅直人総理にもう一度チャンスを与えたのか、それとも地底の神々がなんとか菅直人総理をやめさせないように策動したのか。

 私はいかなる宗教団体にも所属していないが(多くの国会議員は便宜上複数の宗教団体の信者になっている)、唯物論者ではなく神々の存在を信じているのでふとそう感じたのである。

 菅直人総理大臣の外国人からの献金問題発覚直後の大地震、そして地震の発生源は菅直人総理と敵対している小沢一郎氏のおひざもとの岩手県である。何か偶然とは思えないではないか。
引用終了
石原ほど大物ではないので問題になっていませんが、石原の発言と何がどう違うのかわかりません。

2011.03.16 21:54 URL | kodebuya #- [ 編集 ]













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