きまぐれな日々

前エントリの新年のご挨拶で書いた、「いい世にしたい」という思いとは裏腹に、体調を崩してここ数年の中では、もっとも冴えない正月だったが、ようやく回復したと思ったらもう仕事始めである。

今年は連合会長・古賀伸明が年頭所感で「福祉をきちんとするためには我々も負担をしていく。消費増税は受け入れていかなければならない」と述べ、朝日新聞の元旦付社説「今年こそ改革を―与野党の妥協しかない」では、税制と社会保障の一体改革と環太平洋パートナーシップ(TPP)への参加の2点で、与野党が妥協するしかないと主張する。ここで朝日新聞が言う与野党とは、もちろん民主党と自民党のことであり、自民党は民主党以上に極端な消費税率引き上げを主張しているから、要するに民主・自民両党は消費税増税で歩調を揃えて実現させろと言っているのに等しい。TPPに関しても、朝日は各紙の中でももっとも強硬な推進派である。毎日新聞の元旦付社説「2011 扉を開こう 底力に自信持ち挑戦を」も、格調の低い、というかつまらない上共感できない文章であり、主筆・岸井成格の手になるのではないかと私は疑ったのだが、TPPは持ち出していないものの、「消費税増税を含めた財政再建」を課題として挙げている。毎日は、「与野党は妥協せよ」とは書いていないが、「自民党主体の政権時代から早急な解決が求められていた課題」をいくつか挙げているから、トーンは朝日と同じで、民主と自民が協力して取り組めと言っているようなものだ。

「消費税増ありきは国民騙し、海外比較では個人所得課税増が筋」という記事が、陰謀論系・小沢信者系の投稿が目立つ掲示板に掲載されている。掲示板記事にはリンクを張らないが、下記リンク先を元記事にしていた投稿だ。
http://www002.upp.so-net.ne.jp/HATTORI-n/a220-6.htm

ここには、下記のように記述されている。

▼個人所得課税負担率が米国と同じなら16兆円税収増になる

※個人所得課税負担率をアメリカと同じ12.0%(日本7.6%なので4.4%増)にすれば単純計算で16兆円税収増になる。

2008年の国民所得384兆円なので(384×4.4%=16.8)となる

個人所得課税負担率は11ヶ国で最低の7.6%、他国は全て2桁

▼消費税増より個人所得課税増が筋

直間比率(個人所得課税負担率÷消費課税負担率)は高い順で米国がトップで日本は11ヶ国中5番目
米国 2.03、デンマーク1.66、カナだ1.43、スウェーデン1.19、日本1.10、フィンランド0.97、ーーー

福祉大国スウェーデンやデンマークよりも低い、これからも消費税増よりむしろ個人所得課税増が筋なのです、

※しかるに、政治家もエコノミストもマスコミも財源には消費税増のみだとしている

そもそも個人金融資産が1500兆円(うち現金と貯金は770兆円)もあるのに逆進性が高い消費税増が必要との意見は理屈に合わない


当ブログでは、以前から「(アメリカのように)サービスの小さな政府を目指すのであれば、税は所得税中心にせよ、大きな政府を目指す場合、直接税の税収を拡充したあと、それでも不足する分の財源として消費税を含む税制改革を検討すべきだ」と主張しており、上記リンク先記事は、それを補強するものである。

しかし、連合会長も、どちらかというと与党寄りの大新聞も、すべて経団連と同じように、与党は、経団連と仲が良くて与党どころではない獰猛な新自由主義をむき出しにしている野党第一党や、その傾向をさらに尖鋭化させた野党第三党と手を携えて、消費税増税に邁進せよと叫んでいる。八方美人の総理大臣は、当然のごとくその方向へ向かおうとしている。

翼賛体制とはこのことかもしれない。民主党と自民党、連合と経団連が協力して新自由主義を推進する。与党代表にして総理大臣、かつて党内左派と思われていたし(実際には党内でも中道左派程度だったと思うが)、野党第一党の総裁も、与党時代のように政治思想・経済政策とも右派色の強かった派閥からではなく、かつては保守本流とされていた派閥から出ているが、それにもかかわらず、与党も野党第一党も、ともに党の歴史でこれまでにも見られなかったほど「経済右派」に傾いている。特に野党第一党のそれは異常なくらいで、もっともっと法人税を下げよ、もっともっと消費税を上げよと絶叫している。これを応援しているのが読売新聞や産経新聞である。

これ以上書き連ねるのもいやになるほどだが、こんな現状がある以上、与党・民主党の党内抗争、「小沢対反小沢」がどうしたこうした、という記事をブログに書く気になどとうていなれない。そんなことはどうだって良い。

今年の政治でほぼ確実に予想できることが一つあって、それは菅直人首相の退陣である。昨年末に発覚した、たちあがれ日本との連立工作に私は激怒したが、この件で党内反主流派(小沢・鳩山派)から突き上げを食った菅政権は、年明け早々総辞職に追い込まれるかもしれないとも思った。しかしそうはなりそうになく、官房長官の首をすげ替えることで主流派と反主流派(菅直人と小沢一郎)が手打ちして、しばらくは内閣が延命しそうな状況だ。しかし、内閣は持って春までだろう。統一地方選は、主流派の体制が続いていようが、反主流派の体制に代わろうが、いずれにしても民主党の惨敗は間違いないので、菅代表・首相の責任が厳しく問われることは間違いない。反主流派としては、そのあとで現主流派の体制を倒して権力にありつくシナリオを描いているのではないかと想像する。だが、どう転んだところで「国民の生活が第一」をないがしろにした不毛な党内抗争としか言いようがないし、さりとて解散総選挙で自公政権が復活すれば、政治は現在よりさらに苛烈を極めるものになる。

そこを突いて出てこようとしているのが、「減税」で有権者をたぶらかそうとする勢力であるが、主に所得税と住民税を減税する彼らの政策は持続不可能であるから、いずれ消費税増税の話が出てくる。もともと「減税」というのは新自由主義と親和性の高い政策であるから、「民のかまど」どころか、金持ちだけが肥え太る社会になる。彼らの指導者たちは、それをわかっていて運動を推進しているものと私は考えている。

大企業経営者と結託した労働貴族が主導する現政権、大企業経営者と直結した階級政党である野党第一党、「減税」で国民をたぶらかそうとする詐欺師たちのいずれにも与せず、再分配の強化を求めていくのが、「鍋党?再分配を重視する市民の会」である。今年も引き続き参加者募集中なので、お気軽な参加をお待ちしている。もちろ前回エントリの新年のご挨拶にも書いたように、単にSNSの一コミュにとどまらない意見発信を、今年は行っていく予定にしている。
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再分配というのは
どこかからどこかへ
究極的にはなるわけです。
ブログ主は
もらえる方ではなく
出す方だとしても
反対しませんね?
こういうところは 結局 「私」が出てくる問題です。
自分がもらえる側にいない場合
それは計算方式がおかしいやら
なんだかんだ言わない保証はないですね。
そうでないと賛成はできません。

2011.01.04 13:54 URL | むらさめ #ehuBx04E [ 編集 ]

 クラ~イ政治状況ですが、今日の総理会見では‘脱・記者クラブ主義者’の上杉氏が出てたみたいですネ。めでたいことだ。しかし、数年前まであれだけフ〇ンス文庫の主人公のように虐待されてた国民がもう元の御主人サマに鞍替え投票する行動が信じられん

2011.01.04 14:23 URL | ‘愛信’ #- [ 編集 ]

 またいつもの「陰謀論系・小沢信者系」のフレーズがでましたね。管理人さんのその、思考にあらかじめ型をはめるところが、まずいと思います。新春そうそういちゃもんですが。

 政治というのは、科学実験と違って、極めて人間くさい分野です。もちろん、政治家の主張内容を比較検討したり、類型分けすることも大切ですが、人間というのは動物と違って、「化ける」ことも「ふりをすること」も「だます」こともします。
 また、総合的な政治家としての実力が大切です。言ってることがいくら正しくても、人をまとめ、実現する能力が乏しければどうしようもありません。

 ただ今起こっている現実をもっと重視すべきでしょう。「小沢一郎」に実力があり、日本の従来からの支配者層にとって邪魔だから、現在進行形の「小沢騒動」があるのです。彼らにとって邪魔なのは共産党でも、社民党でもなく、小沢一郎なのです。
 その現実を、まともな人は無視できないから、「阿修羅」の人気があり、小沢支援、マスコミ・検察批判デモや集会があるのです。
小沢の主張にもちろん、誤りも欠点も不足あるでしょうし、それを客観的に指摘するのはとても価値があることですが、現実を重視し、怒っている人々を嘲笑するような書き方はよろしくないですね。

2011.01.04 15:42 URL | cube #- [ 編集 ]

いや日本の新聞って読むに値しないとは聞いていたが、

詐欺師の片棒担ぐとは、
立派な犯罪幇助ではないでしょうか?

毎日新聞
ttp://maipon.jp/

産経新聞
ttp://www.groupon.jp/iza/

香具師どもに聞きたいんだが、

消費者庁の存在意義なんてないだろ
ただの組織内天下り先だろ
しかも組織内天下りした後、企業ゆすってその企業へ天下りと

消費者庁は廃止
古くからの消費者センターを拡充
消費者センターには天下りを一切入れない
これが正常な道じゃないの?

2011.01.04 18:01 URL | ごみうり #a2H6GHBU [ 編集 ]

新年早々、了見の狭い意見などが投稿され…。
新たな価値観をつくるような、年の初めの広がりが感じられず…。
なんか、展望が見えませんね…。

2011.01.05 02:26 URL | daimonji #- [ 編集 ]

私は古寺さんの仰ることもわかるのですが、今の日本の状況は明日にでも再び元の国民不在の体制に戻る緊迫した状況ではないかと考えます。
今の菅さんらの動きを見ていると、そうとしか思えないのです。
違うでしょうか?
せっかく小沢さんらがこの変革前夜の状況を作り出したのですから、それはそれで進められるように我々も支援し、それとは別に並行して下からの変革を進めていけばよいのではないでしょうか。
今までも多くの市民運動が誕生してきましたが、結局殆どは国政を抜本的に変革するまでの力を得られませんでした。
市民運動上がりを自称する菅さんの変節ぶりを見ても、この国の体制を変革するのは並大抵のことではないと思います。
富の再分配も、それをやろうとすれば体制を変革しないと私は不可能だと考えています。
政策の変更は、今の体制の下では国民に与えられている余地は殆どないのが現実だと思われるからです。

2011.01.05 10:50 URL | 風太 #seTEoywg [ 編集 ]

ブログ主の発言、大企業や高額所得者、そして有権者に矛先を向けずに、政府・政党にしか矛先を向けていないところが気になるところだ。

自民と民主を合わせた得票率は約7割、自民政権だろうが民主政権だろうが、その原動力は有権者の選挙における候補者支持、政党支持である。有権者の投票行動を変更せねばならないが、そこには矛先が向かないらしい。

大企業も高額所得者も、できれば税を課せられたくない。彼らの政権に対する発言力が強いというならば、大企業や高額所得者自身が「高額負担を厭わない」という姿勢をとるのもブログ主の理想とする税制を実現する方法なのだが、そこにはまったく触れてない。

民主党政権は参議院で過半数を割り込んでいる。他の政党と連携しなければ参院で議決しないので国民新党なり社民党と組んでいるが、国民新党にしろ社民党にしろ、民主党とは異なる政党なのだから、全部が一致しているわけではない。となれば、政策によっては「たちあがれ日本」などと連携することも「選択肢」になるのであって、それに『激怒』するという理性のなさについてブログ主は反省する気もないらしい。

自分自身の覚悟を示さずに無責任に垂れ流す「批判」ほど、「批判のための批判」「負け犬の遠吠え」になるものはないだろう。

kojitaken殿、あなたは、いかなる「覚悟」があるのか、それを示す必要があることを、もっと認識されたし。

2011.01.05 13:18 URL | わくわく44 #- [ 編集 ]

私は管理人さんの意見にすべて賛同しているわけでありません。
小沢氏もその行動は是々非々で見るべきと思いますし、私は所得税はもちろん消費税増税も容認の立場です。地球温暖化論(というかCO2元凶論)に対する反論も、陰謀論ばかりではなく、純粋に科学的見地からされているものも多数あります。
主張などというのは得てしてそんなもので、ある面では賛同できてもある面ではできないということはあります。当然です。

しかしながらこのコメント欄をみていると意図的に悪意に解釈しているとしか思えない投稿も多いですよ。

>ブログ主はもらえる方ではなく出す方だとしても反対しませんね?
税という形で負担する以上、公共サービスとしてのリターンがある。そのリターンが多くの国民にとって益となるであろうから高福祉高負担を主張しているのですよ。高額所得者には確かに税負担>リターンとなる層も出てくるでしょうが、それは当然承知の上です。
欧州の先進国を見れば、国民の大多数が恩恵を受ける制度であるから進言するのです。ほとんど誰も得をしないなら提案なんてしません。自分が得をする損をするなんて次元の話をしているんじゃないですよ。

>ブログ主の発言、大企業や高額所得者、そして有権者に矛先を向けずに、政府・政党にしか矛先を向けていない
いやもうひとつ、マスコミにも向いていますよ。
これも意図的に書いているとしか思えないですね。こうしたブログで大企業や高額所得者に「お前らはもっと世の中に貢献しろ」などと説教垂れて意味があるとお思いか?
政府・政党・マスコミを批判するのは彼らが「再分配」という制度を正しく伝えないからです。「税金は上がるが国民の窓口負担が減ることによりこれだけの効果がある」ということを彼らは説明するべきなのに「増税」を唱えることは人気取りにならないから逃げている、だから批判するのです。

2011.01.05 23:17 URL | 飛び入りの凡人 #mQop/nM. [ 編集 ]

 オメエらが‘尊師’として崇めていたすっから官だの千獄だのフランケンだのといった連中はろくでもないシロモノだってのが明るみになった・・・、この落とし前、どうつけてくれるんじゃ・・・エエエッッ!!

2011.01.06 00:19 URL | 日本は・・・・、オワタ・・・・。 #- [ 編集 ]

昨日の日記「『政治主導』とポピュリズム」へのコメントです。

長谷部恭男・東大法学部教授と杉田敦・法政大法学部教授は、「世界」昨年10月号に掲載された「国家と規制──何が問われているか」という討論でも他の出席者と同様に官僚バッシング・政治主導至上主義について疑念を述べています。この討論は両氏を含む6人の識者が参加していましたが、その一人常木淳大阪大学社会経済研究所教授の発言から一部紹介。
────────
「日本において官僚が「エリートたる『他者』であったことは一度もなかったと思います。ヨーロッパみたいな確固とした階級社会であるとか、あるいはアメリカみたいに、一部の特権階級、パワーエリートが力を握る社会には、それは明らかに「エリートたる『他者』というのは存在すると思うけれども、日本でそんなにすごい「エリートたる『他者』と言われる官僚がいた例はないだろうと思います。」
────────
主席者のほとんどが、民主党が唱える「政治主導」とは、単なるイメージにすぎない「官僚支配」をバッシングすることで、自分たち(政治家)がいい子になろうという典型的なポピュリズムの戦略と結論づけていました。
実は「政治主導と官僚批判」に関する発言は、この討論の一部分にすぎないのですが、かなり印象深いものでした。5日付け朝日の対談を読んですぐに思い出しました。

Kojitakenさんが引用されていた朝日の杉田教授の発言から
────────
>官僚や議会、メディアといった中間的な勢力はこれまで、多様な利害や価値を何とか折り合わせる役割を担ってきました。それを外しても大丈夫だとする人々は、「もうすでに答えは出ている」と思っている。答えはある、調整や審議の必要はない、あとは実行するだけなのに中間勢力が邪魔している、というわけです。本当にそうでしょうか。
────────
憲法解釈に対する内閣法制局長官の答弁禁止などもまさにそうでしょう。湾岸戦争時自衛隊派兵を阻止されて以来、小沢一郎が執着してきたことですが、この点に関しては、宿敵・仙谷官房長官も、鳩山内閣の方針を踏襲し内閣法制局長官の答弁を禁止する考えを表明しています。
そして、遂に民主党は集団的自衛権の行使容認に向けた検討を始めるに至ってしまいました。

2011.01.06 02:15 URL | ぽむ #mQop/nM. [ 編集 ]

ブログ主ではないが・・・。

「負け犬の遠吠え」は、文学表現の出発点。
漱石の「猫」が、痛快なのは、「負け犬の遠吠え」で横溢しているから。

有名な落語の師匠か誰かがエッセーの中で、「このころは、小気味よく負け惜しみをいえる奴が居なくなったねぇ」と書いていた記憶が有る。皆が、変に物分かりよくスポーツマンシップぶってるのが、現代の閉塞感の一因かとも思う。

2011.01.06 23:10 URL | あ #YRzrIVdk [ 編集 ]

今日の読売朝刊「日本の改新」が噴飯物だったことについて。

根拠もなく「法人税と所得税の課税は無理」としていることと「消費税増しかない」と居直っていることは、無知な人間にとって毒にしかならない。
「消費税増」一辺倒で大多数の国民を奈落の底に落とす手口は、「どこかのジャーナリスト様とかエコノミスト様と同じ」なことは言うまでもない。

2011.01.07 22:43 URL | 不肖の弟子 #IsFbO0XM [ 編集 ]













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