一昨日、臨時のエントリを立ち上げるきっかけを作って下さったわどさんからは、
というコメントをいただいているが、全然そんな認識はしていない。いま起こっている代表選は、いうまでもありませんが民主党の問題にとどまらず、従来の支配層(政官財+マスコミ)と国民を縦に2分した【内戦】だというご認識はございますか?
というより、小沢一郎と菅直人のどこがどう違うのかよくわからないのである。「社会民主主義」対「新自由主義」の対決構造には間違っても見えない。二人とも新自由主義者に見える、というのが、告示日に受けた印象だったが、最近は「二人とも鵺(ぬえ)のように感じる」のが正直なところだ。小沢一郎も菅直人も正体不明、政策より政局の人たちであるように私には感じられる。
私の見るところ、善意に解釈すれば、両者とも自分の真意を伝えるのが下手だ。悪意に解釈すれば、国民を騙そうとしている。たとえば、昨夜(9日)の『報道ステーション』で、小沢一郎が争点に持ち出してきた「一括交付金」について伝えていた。小沢一郎は、日曜日(5日)のテレビ出演で、ひもつき補助金の21兆円を一括交付金化することによって、21兆円のうち3割、4割の削減が可能であるかのような印象を与える言葉を発していた。例に挙げた福井県のスキー場の話は、フジテレビでもNHKでもしていたから、視聴者の心をつかむ、「殺し文句」のつもりだったのだろう。
しかし、そんな宣伝でいつまでも目くらましできる時代ではない。小沢一郎の言葉に虚飾があることは、あっという間に知れ渡る。私は、前回の東京都知事選の頃に読んだ浅野史郎・元宮城県知事の著書によって、小泉・竹中の「三位一体の改革」の弊害が少し頭に残っていたから、「えっ、それって『三位一体の改革』の焼き直しじゃん」とすぐ思った。浅野史郎氏は、ご自身のウェブサイト『夢らいん』で、次のように書いている。
民主党代表選で小沢さんが、一括交付金のことを話している。国から地方自治体への補助金を一括交付金に変えることによって、大きな財源が得られると主張している。全国知事会の麻生会長が反論しているように、小沢さんの言っていることには現実性がない。東国原知事も、ブログの「そのまんま日記」に、昨日、同じような反論を書いている。国から地方への補助金21兆円のうち、17兆円は社会保障、教育など、削りようがないものに宛てられている。残りの補助金を一括交付金化したことによって、削減できる額は、ごくわずかである。しかも、補助金の一括交付金化は、民主党の政策として、すでにマニフェストにも掲げられている。小沢さんの独自の政策ではない。もう少し、緻密な議論をしなければ、的を得た政策論議にはならない。
(浅野史郎『夢らいん』? 2010年9月7日付「ジョギング日記」より)
麻生渡福岡県知事(麻生太郎と血縁関係はない)は浅野氏ともども元官僚だし、東国原英夫は右翼にして新自由主義者じゃないか、そんなやつらが信用できるものか、と「小沢信者」たちは言い出しそうな気がするけれど、問われるのは発話者が誰かということではなく、発言内容が正しいかどうかだ。
『週刊東洋経済』 2010年5月10日号の記事に出ているグラフ(上記リンク先に掲載されている)を見れば、なるほど、21兆円の地方向け補助金・負担金の7割強(14.8兆円)が社会保障費、1割強(2.3兆円)が文教・科学振興費であって、削りようのない用途に充てられている。『週刊東洋経済』に載ったグラフの出所は財務省だから、これらの数字は官僚の捏造だとでも小沢信者は言うのだろうか?
『週刊東洋経済』の記事は、『kojitakenの日記』でも紹介したから、このエントリでは、『しんぶん赤旗』(9月9日付)の記事を紹介する。
削減は福祉と教育切り捨て
地方への国の補助金・負担金は2010年度予算で21兆円。その8割は社会保障・文教関係です。そのうちの約9割が高齢者医療や国民健康保険、介護保険、義務教育など法律で定められた国の負担金です。このなかには民主党政権が始めた子ども手当や高校無償化も含まれています。
これを使途の定めない交付金化するとしても、総額を2?3割も減らせば、福祉や教育をばっさり切り捨てることになります。
小沢氏は、公共事業分野に限っても2、3兆円の財源をねん出できるといいますが、公共事業は3・1兆円しかなく、とても大きな財源はのぞめません。
小沢氏は、6日のTBS系番組などでそのことを問われて反論できず、「補助金とは別に、全体の裁量的経費が約20兆円ある」などと別の話を持ち出しています。しかし、その根拠もあいまいです。
一括交付金化について全国知事会は、小沢、菅両氏に出した公開質問状のなかで、「一括交付金の総額については、一括交付金の対象となる現行の補助金等と同額を確保し、いやしくも国の一方的な財源ねん出の手段とすることがあってはならない」と指摘しています。
麻生渡会長(福岡県知事)は6日、「補助金は大部分は社会保障など削減が難しいもので実態にあわない」と指摘。一括交付金化について「いつのまにか財源ねん出論になっている」とのべました。
一括交付金の創設は、民主党が昨年の総選挙で政権公約(マニフェスト)に掲げたもので、そこでは「義務教育・社会保障の必要額は確保する」としていました。それを大幅削減するなどというのはマニフェストにも反するものです。
(『しんぶん赤旗』 2010年9月9日付記事より)
なんと、「マニフェスト原理主義者」と言われることもある小沢一郎が、マニフェスト違反を共産党の機関紙に問われているではないか。これにはウケた。
『赤旗』にこんなことが書いてあると知ると、小沢信者たちはいきり立って、「共産党は隠れ自公」ならぬ「隠れカンカラカンだ」などと言い出しそうだが、『しんぶん赤旗』は、上記に続く段落で菅直人の消費税増税論を厳しく批判している。
この記事で、小沢一郎が問われて反論できなかったという「6日のTBS系番組」とは、夜のニュース番組のことだろう。私はその番組を見ていないが、翌日ネット上で小沢信者たちが怒り狂ってTBSのキャスター・杉尾秀哉を一斉に非難していたことを思い出した。彼らは一体何を怒っているだろうかと思ったが、何のことはない、「一括交付金」について突っ込まれた小沢一郎が立ち往生しただけの話のようだ。なるほどそういうことかと合点がいった次第である。
蛇足だが、小沢信者の常として、小沢一郎を批判した人間を攻撃する際、批判された人間が何を言ったかについてはまともに言及しない。たとえば、ある小沢信者のブログのコメント欄には、こんな文章があった。
何があろうとも絶対小沢先生は総理大臣になります。そしてこの日本をきっとよくしてくださると確信します。
それにつけても、小沢先生の偉大さを分からずこしゃくないちゃもんをつける様なまねをしている故痔蛇犬とか飽鬼腹爬津忌等々の、本来なれば我々の味方になって一枚岩となって戦うべきブロガーをみていると、なんだか哀れに見えてきます。
小沢先生の功績を見て吠え面かくなと今から言います。
「故痔蛇犬」とは私、「飽鬼腹爬津忌」とは、『Afternoon Cafe』を運営されている秋原葉月さんをそれぞれ指すのだろうと想像するが(『Afternoon Cafe』の最新エントリ「英雄を必要とする国は不幸だ」は、なるほど小沢信者がいきり立ちそうなエントリだ)、彼らは、「こしゃくないちゃもんをつける」としか言えないのである。これが「小沢信者」の姿だ。
いつものように、小沢信者への悪口に話がそれてしまったが、小沢一郎の話に戻ると、TBSに出演した時には「補助金とは別に、全体の裁量的経費が約20兆円ある」などと別の話を持ち出したそうだ。そんな話は、日曜日にはしていなかった。21兆円のうち3割、4割を削減するようにしか聞こえなかった。
小沢一郎の応援団長格・植草一秀は、次のように書く。
小沢一郎氏は政府支出の無駄排除によってねん出できる財源として地方政府への補助金削減だけを提示しているわけではない。政府支出210兆円を精査すると、社会保障給付と国債費を除くいわゆる政策支出が約70兆円あり、このなかに地方への補助金21兆円と地方交付税18兆円が含まれる。
これらを差し引いた約30兆円が無駄排除の対象になる。このなかには公共事業関係費や人件費などが含まれるが、それ以外に独立行政法人や公益法人などへの補助金が含まれる。
(植草一秀の『知られざる真実』 2010年9月7日付エントリより)
なんと、植草のこの主張では、「地方への補助金」は一転して「無駄排除の対象」から差し引かれてしまっている。実際問題、政府支出に無駄な部分はいろいろあるのだろうけれど、仮に植草が書くような内容が小沢一郎が本当に主張したいことだったとすると、小沢一郎は国民に上手に説明できていないことになる。日曜日のテレビ番組を見た視聴者は皆、小沢一郎は21兆円のひもつき補助金を「一括交付金」にして、その3割から4割に当たる、6.3兆円から8.4兆円を削減すると言っているようにしか聞こえなかった。浅野史郎氏もそういう意味にとったから、前述のような文章を書かれたのだろうと思う。
ところが、昨夜の『報道ステーション』では、小沢一郎は社会保障費は削減しないとしている、と言っていた。それなら小沢一郎が日曜日に大々的に打ち出した「ひもつき補助金を一括交付金にして財源捻出」という話は何だったのか、ということになる。最大限小沢一郎に好意的に解釈しても、私には小沢一郎が国民をミスリードしたようにしか思えず、そこから消費税増税発言をめぐって発言を二転三転させた菅直人を連想したのだけれど、これは、小沢一郎先生の偉大な思想を理解できない、故痔蛇犬だか依怙地駄犬だか知らないが、無能なブログ書きが恥をさらしているだけの話なのだろうか?
一方の菅直人だが、日曜日にはフジテレビとNHKで小沢一郎と討論したが、テレビ朝日では単独で出演して、くつろいだ気分でしゃべっていた。論争相手がおらず、キャスターが比較的大物ゲストに甘い番組に出演すると、とたんに饒舌になるのが、小沢一郎、菅直人に共通する特徴であって、なんだかなあと思ってしまう。
ここで菅直人は、財務官僚主導だと批判の強い「一律10%カット」について、カットではない、10%分の割り振りをやり直すのだ、民主党政権は社会保障費を増やして公共事業費を減らしたのだ、などと力説していたが、そんなことは小沢一郎との討論で、小沢一郎が「一律10%カット」を批判した時に即座に反論するべきだろう。そうでなければ議論にならない。菅直人もまた、私には全然信用ができない。
代表選の戦況がどうなっているのかは全然わからないが、菅直人は来年度からの法人税減税の検討を指示したと伝えられた。朝日新聞の夕刊(9日付東京本社発行4版)には、
と書かれているが、菅直人は全然この点を強調しない。札幌での演説の映像がニュースで流れたが、企業が逃げていかないように法人税を減税するというアピールしか印象に残らなかった。ただ、税収減を避けるため、首相は企業向け税制優遇措置を廃止・縮小して課税対象を広げる方針。
結局、代表選の論戦をめぐる私の感想は、浅野史郎氏が9月5日付の「ジョギング日記」に書いていることと似たようなものになってしまうのである。以下引用する。
日曜日である。選挙サンデーである。昨日は、東京新宿で民主党代表選挙の街頭演説が猛暑の中で行われていたが、今日は、菅さん、小沢さん、テレビ生出演の掛け持ちで舌戦を繰り広げていた。フジテレビの新報道2001、NHKの日曜討論に二人並んで出演していたが、何度も同じような繰り返しの「政策」披露に飽きてしまったので、早々とチャンネルを変えてしまった。テレビ朝日のSフロントラインには、菅さんが単独出演していたし、他の報道番組には、それぞれの陣営を代表する民主党議員がいろいろ語っていた。
そこで語られる内容だが、現職でない小沢さん側の目玉「政策」は具体性がないか、具体的なものには実現性に乏しい。その他の政策では、言い方の違いだけで、争点となるものではない。なのに、声高に言い合う感じになっているのに、どうも違和感がある。「激突」ぶりが、同じ党の中の代表選びというより、対立する政党間での論戦模様である。政策の違いを無理やり持ち出したてはいるが、本質は単なる権力闘争ということを見誤ると、一体、これなんなのだろうという感じになる。
(浅野史郎『夢らいん』? 2010年9月5日付「ジョギング日記」より)
「一体、これなんなのだろう」とは、まさしく私も感じていたところである。
税制の問題にしても、所得税・住民税を減税して、地方の「土豪」を優遇したい小沢一郎と、法人税を減税して、東京に本社を持つ大企業を優遇したい菅直人の違いにしか見えず、土豪優遇が社会民主主義であるとは私には到底思えない。カマヤンさんから、私が小沢一郎を「労組を票田とする社会民主主義政治家」と評したというご紹介があったが、ニュアンスが少し違っていて、「労組政治家に転向した、表向き社会民主主義の政治家」というのが私の小沢一郎評である。よくsonicさんがコメントされるように、小沢一郎は新自由主義者ですらない。かつて新自由主義者を気取っていた頃は、その実像は利益誘導型の政治家で、労組をバックにするようになってからは、新自由主義から「国民の生活が第一」に180度転向したように見えるが、新自由主義も社民主義も小沢一郎の身につけたものではなくメッキであって、正体不明の「鵺」なのである。
そして、同じような「鵺」的性格は、菅直人にも感じられる。最近私はしばしば、菅直人がここまで小沢一郎に似ているとは、と思うことが多い。小沢一郎同様、正体不明の政治家だ。
あえていえば、ポピュリズム的手法が共通しているだろうか。たとえば、両者がともに主張し、私が批判して止まない「国会議員の比例区定数削減」がある。政治について語るブログの世界では、こんなトンデモ政策は当然のように批判されているが、まだ民主党代表選に小沢一郎が立候補を表明するよりだいぶ前、NHKの世論調査で、菅直人が人気取りのために言い出したこの政策への支持が異様に高く、これに反対する世論はわずか数パーセントしかないことを知って愕然とした。「まず身を切る」と称して少数政党の勢力を削ごうとするこの言語道断の政策に、菅直人も小沢一郎も固執する。
あるいは、小沢一郎が持ち出そうとして今回の代表選の争点には持ち出さなかった所得税・住民税の大幅な減税にしても、レーガノミクスの影響を受けた小沢一郎(というより90年代に小沢一郎を後押ししていた大蔵官僚)が1993年の『日本改造計画』の頃から打ち出している政策なのだが、この政策に小沢一郎がいつまでも固執する理由の一つに、「『減税』を唱えれば『B層』は食いついてくるはず」という有権者蔑視があるように思われてならない。
これを体現している政治家が河村たかしで、森昌子の「せんせい」の替え歌で、「減税、減税、それは減税」と河村がカラオケで歌っている映像を見てぞっとした。河村は、民主党は「減税政党」、つまり新自由主義政党であるべきだと主張するが、その河村による名古屋市議会リコール運動に小沢一郎系の民主党議員秘書たちが支援していると毎日新聞が報じた件を、私は重視している。小沢一郎にはいつまで経っても『日本改造計画』の構想に固執しているふしがある。現に最近も、『日本改造計画』の頃と考えは変わっていないと公言したようだ。
なぜ「国民の生活が第一」というスローガンを掲げながら、小沢一郎がそれと矛盾する、金持ち優遇のこんな政策に固執するかだが、かつて小沢一郎を担いだ財務官僚たちが、今財務省では主流ではないけれど、財務省内に「小沢派」が脈々と息づいている影響があるのではないかと私は邪推している。「小沢さんなら官僚と戦える」というのは都市伝説に過ぎない。かつての『日本改造計画』は官僚が代筆したといわれているのである。自ら掲げた新自由主義政策が一因となって地元のゼネコンが破綻し、やむなく2003年、岩教組を支持基盤に乗り換えたとされる今でも、当時の小沢派官僚と小沢一郎がつながっているのではないかと推測しても、何の不自然もないのではなかろうか。
一方の菅直人だが、本来の菅直人の出自からすると、税制の問題は、直接税の税収増から始めるのが自然であるが、こちらも経団連と御用労組、あるいは松下政経塾と旧民社の意向には逆らえない政治家になっていて、法人税減税とその穴埋めないしは財政再建のための消費税増税を打ち出す政治家に成り下がっている。
おそらく両者のこの体質は、自民党政権を打倒するための野党政治家として、ポピュリズム的手法を用いる必要があったところからきているのだろうと推測する。90年代から20年近く続いてきた政界バトルにあって、小沢一郎や菅直人のような人たちでなければサバイバルできなかったのかもしれない。だが、私にはもはや2人とも時代遅れの感が強い。一括交付金をめぐる小沢一郎のパフォーマンスの失敗は、それを象徴しているように思う。
民主党代表選がどうなるかだが、菅直人では先が見えている、小沢一郎だとさらにボロボロになるかもしれないが、何かが変わるかもしれないという意見は、何人もの新自由主義側の論者も言い出している。過激な新自由主義者である池田信夫(ノビー)までもがそんなことを書いているのを見て驚いた。何度も書くけれども、私も、ノビーとは全然違う意味合いから、小沢一郎に総理大臣になってもらうしかないと考えている。小沢一郎にまつわる伝説、神話、幻想、信仰、崇拝の類を破壊しなければならず、その意味で小沢一郎に総理大臣になってもらうしかない、それが私の意見だ。
小沢一郎政権により、日本は焦土と化すと思うが、菅直人政権の継続だと日本は徐々に滅びていくだけであり、それくらいなら小沢政権で一気に焦土と化した方が、長期的にはまだましかもしれず、そこからでなければ日本の再建はできないのではないかとの思いを強める今日この頃なのである。
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読み応えありました。
結論に同意します。
2010.09.10 11:24 URL | 太郎の嫁 #czwcMj9s [ 編集 ]
どうやら菅総理の続投が決まりそうですね。
小沢さんは、ついに彼に科せられた仕事(役割かな)を果たす機会を得られないままに終わりそうです。
小沢さんも菅さんも、政治家としての資質にはさして違いはなかったのかもしれません。
ただ、ふたりには政治家としての役割というか使命感と、その為にしてきたことに大きな違いがあると私は思っています。
その一つ目は小沢さんは自力で手兵を育て・集めて一派を築き上げて戦っているという点です。
これにより二人には政治行動力に大きな違いが出てきます。
菅さんは周りに担がれてその地位を保っているために、担いでいる連中の意向に基づいた政策を主張しています。
だからついには明確に法人税の減税を主張し始めました。
ただでさえ200兆円を超える内部留保をもつ輸出大企業が恩恵を受ける法人税減税です。
その目的が国民の利益にならなければ何も意味などなくなってしまう。
菅さんはその目的として、法人税を引き下げれば日本から海外へ移転する企業流出を防げるはずと主張している(雇用喪失を防ぐ)。
しかし企業が日本から出ていくのは、菅さんの言うような法人税負担が大きいからなどではなく、市場が縮小しているからですよ。
にもかかわらず雇用確保の為の法人税減税だの、まさに大企業やそれの代弁人の御用コメンテーターの言いなりになっている証拠です。
かたや小沢さんは200兆円の内部留保を持つ大企業は、従業員の給与などとして溜めたものを排出すべきと主張しています。
それによりお金が市場に流れ、内需を刺激することになるというわけだからでしょう。
また小沢さんは普天間の海兵隊は不要とまで踏み切った発言をし、岡田大臣が必死に火消しをしています。
小沢さんがこういう重要な点で比較的自由に思ったことが言えるのも、自分で作った一派で戦いができているからです。
そしてこの違いは非常に大きいと私は思っています。
それはこれからの新政権が何をするにしても、ひも付きだと自分の考えよりも周囲の思惑で半端な仕事しかできませんからね。
菅さんでは周囲の言いなりになり、八方美人で何も変えられないままでしょう(もしくは一般国民には厳しいだけ政策の推進)。
二つ目の違いは、菅さんが既存の制度の枠内での改革をしようとしているのに対して、小沢さんは制度そのものを作り変えようとしている点です。
だから菅さんには既得権益者であるマスコミも好意的で、小沢さんには親の敵(苦笑)のような対応ぶりです。
小沢さんの場合はある種の革命ですから反発はとても大きいのでしょう。
しかし革命なくしては日本が生き残れないのは明白だと私は思うのですがね。
菅さんたちが評価し自慢するあの事業仕訳、あれはあれでしていることは正しいのでしょう。
しかし今の制度の枠内でしているうちは、やっていることは正しくてもそれを別の観点から見たら意味が違ってくることもあるはずです。
私はあれはガス抜きの役割が大きいと思っていますし、あれで一応予算の使い道の吟味はしたんだという国民向けのアリバイ作りにもなると思っています。
また財務省にとっては小さな国家に日本を移行させていくためのひそかな試みの一つだとも思っています。
仕分けをやっている連中は何も情報をもたない連中です。
だから制度上すべての情報を掌握する霞が関、特に財務省の協力なくしては何もできない。
だから結局財務省の仕切りで手取り足取りで支えてもらってやるしかない。
だから財務省の都合で行い、一応国民向けのパフォーマンスとして成立できる範囲内での仕事で満足するしかないのです。
そして結果見事に菅さん自身も財務省の言いなりになっている。
これでは自民党時代と何も変わらないのではないですか!
小沢さんは日本を制度からすべて変えようと狙っている。
つまり制度を変えれば財務省とて政治家の土俵で仕事をするしかなくなり、いずれ無力化していくのです。
彼らの力の源泉は明治時代に作り上げられた官が民間を支配して国を治めていく為の諸制度です。
この制度により地位を保ち情報を独占する霞が関の官僚から、情報をすべて吐き出させて、それを政治家が改めて吟味して政策を決めていく。
もちろんリスクは伴いますが、先進国ではそれでやっているのです。
それをしてこないでいた日本が異様なのです。
だから革命的でリスクは伴うかもしれませんが大きな制度変革は必要であり、それをしないでいるリスクは逆にとてつもなく大きいのです。
このままでは昭和20年の過ちを再び繰り返すことになります。
それにしても体制に立ち向かいチェックする役割を担ってきたはずの菅さんがいまではその体制の守護者の役割を演じている。
対して小沢さんは、その菅さんが守ろうとしている制度を変革するという役割分担を背負った政治家ということになりますか。
あとは国民が小沢さんを利用できるかどうかにかかってきます。
無理そうですが・・・?
2010.09.10 19:24 URL | 風太 #seTEoywg [ 編集 ]
風太さん
小沢氏が普天間などで放言できるのは、責任のない地位にいるからにすぎません。一定数の手ごまを持つのは小沢氏の強さであり、それを背景に政局をひっかきまわしたり、そうする可能性をブラフにするのが小沢氏の発言力の源泉なのは確かですが(今回なら「巻けたら離党」みたいな)、それってほめられるようなことでもないでしょう。
で、一番大切なこと。革命だの日本をすべて変えるだの、言葉が踊りますが、小沢氏にそんなことをしようなどという大それた意図など何もありません。断言してもよい。彼がこれまで何をやってきたか、こなかったか、振り返ればわかることです。
2010.09.10 20:44 URL | 赤塚男 #- [ 編集 ]
菅は、今、日本国の総理だ、その男が、日本国民の前で鳩山の帰る車に頭を下げた、宜しくお願いしますと言って、目を疑った、これは何もかも良しなにの意味しか考えられない。
しかし翌日、小沢と会見し、マスコミの前で、談合は、私の心情に合わないとぬかした、ましてや、鳩山と一緒にマスコミの前に出ず、一人でだ。
マスコミの前で鳩山とトロイカ体制でやりますと約束をした事を、言っておいて、それを反故にする場合、鳩山と一緒にマスコミの前で会見し、私の言ったトロイカ体制は間違いで取り消します。
鳩山様、昨日のことを反故にして申し訳ありません。
と言うのが、日本国の総理の態度でないのか、取り消すぐらいな、らへらへら喋るな、しかも鳩山に悪いから小沢と2人で合った、自分を悪く見せたくないために体裁を作っただけの汚い男だ。
自民党政権時の中川の酔っぱらった発言と同じではないか、しかもマスコミはこの件に知らん顔をしている、こんな薄汚い男に、日本国をまかせて良いのか?
菅はクリーンだとか言うが、小沢の秘書は政治資金規正法違反 ( 内容は、帳簿の付替え、殆どの会社がやっておる事、銀行からお金を借りている場合大抵、利益を上げないと取立てが来るから、
帳簿上、在庫等の付替えをして利益を上げる事と同じではないか。) で送検された、言いかえれば、不正献金が何も出なかったのだ。
秘書を逮捕して何も無かったら、検察の汚点になる、その為罪と言えない罪で送検したのだ、スマップの草薙より普通は軽いと思われる罪でだ。
こんな罪で起訴されたなら、会社経営の日本のお父さんのほとんどが、送検されなければならない、何をしてる日本の検察、国税局。
マスコミ、君らは献金を匂わす、領収証が有ると言ったのだよ、検察は1年も掛けて、何もなかったとは、しかもマスコミは謝りもしない。
小沢は、日中、日米の親睦会を主催している、当然お金がいる、同じような事をしている他の政治家をマスコミが言ったことが無い、小沢が100の議員を連れて中国に行けたのも、アメリカから
同じように要請が有ったのも、親睦会が有るからだと思える、中国通、アメリカ通も当然の様に思える、この話題は1度マスコミで流れただけだった。
如何しても、私は、菅のように、鳩山の好意を踏みにじり、さも我は正しい、我は正義を行う、我に不正は無い、不正を行ったのは小沢だと言う、さもしい嘘つき人間より、
鳩山を立てている姿の小沢が、筋を通す数少ない日本国の政治家であると思えてならない。
私は、この男に、政治献金をしたくなるのは、何故なのか??
2010.09.10 21:12 URL | NAGOYA #- [ 編集 ]
小沢一郎氏に熱狂する方が仰る事は、名詞を入れ替えればネトウヨと瓜二つと感じられます。
ネトウヨ「特亜による日本破壊が問題だ!それを防ぐ事が可能なのは小泉純一郎が率いる自民党だけだ!それが叶わなければ日本は滅ぶ!」
↓
小沢教信者「官僚による日本破壊が問題だ!それを防ぐ事が可能なのは小沢一郎が率いる民主党だけだ!それが叶わなければ日本は滅ぶ!」(小沢教ほどではないが菅直人を過大評価する人間も…)
熱狂すればするほど、普通の有権者はドン退きします。実は深い考えがあるとか、言動を好意的に理解すればとか、もう飽き飽きです。繰り返します。もう、飽き飽きです。
ブログ主様の苦労、お察しします。狂信者たちを相手にするのは大変でしょう。しかし、こちらのブログを拝読する事はとても勉強になりますので、これからも頑張って下さい。
2010.09.10 21:53 URL | loopy #- [ 編集 ]
こんばんわ。力作ご苦労様です。
大筋賛同します。
序盤は小沢氏の攻勢にありましたが「一括交付金」で尻すぼみ。
財源論では民主党は、消費税増税か社会保障切捨てかしか出てこない。管か小沢かどっちに転んでもこの閉塞を打破する術を持ち合わせていないようです。
「鵺」は、衆目のもとにその姿を現し正体をを検証されるべきでしょう。
管氏はもう見えていますから、小沢氏に求めるものです。その意味において、
>小沢一郎にまつわる伝説、神話、幻想、信仰、崇拝の類を破壊しなければならず、その意味で小沢一郎に総理大臣になってもらうしかない、それが私の意見だ。
結論には、賛成です。
それにしても・・・、選択肢が鵺だけとは、日本の政治の貧困、不幸ではあります。
以上、失礼しました。
2010.09.10 23:31 URL | 友さん。 #- [ 編集 ]
鎖国民意識からの脱却
小沢さんに対しては支持する側も否定する側も、どちらも殆どの人が盲目的にそれを主張しているのがいかにも日本人だなあと思います。
小沢さんが総理になればすべて解決するかのように主張している人たち。
たしかに制度変革をすることに政治生命をかけるようなことまでいう政治家は彼しかいないでしょう。
他の政治家に誰一人としてそれを積極的にいう人間はいない。
だから例の55年体制とやらもずーと続いていたわけです。
ただ小沢さんはただの政治家です。
その主張にはいろんな問題点もあるわけで、それはそれとして冷静にみないといけない。
だから私は彼に仕事をさせよう、彼を使わないといけないと思うわけです。
彼はスーパーマンでも人格者でもないただの一政治家なのですよ。
小沢さんは公僕です、つまり国民が利用するための存在なのですよ。
そんな彼に依存してどうするのです。
それだから盲目的賛同者は信者と揶揄されるのです。
そして小沢さんを頭から否定する人たちも問題です。
彼らの悪いところは、例えば今回の一連の政治とカネの問題などのキャンペーンをさほど異常なものとしてとらえていないところです。
普通ではないですよあれは、それを異様なものととらえられないのは鈍感すぎます。
海外のメディアでは日本の報道の仕方を見て、日本にはジャーナリズムは成立していないと断定しているところもあるぐらいです。
もうねえ、いい加減に小沢さんがいかに今の体制派にとり目障りな存在なのかを認めましょうよ。
小沢を排除しようと主張するだけの人のほとんどは、マスコミに洗脳されているとしか私には思えない。
そして日本の現体制が小沢さんが主張する制度変革をいかに忌み嫌い避けようとしているのかも認めましょう。
だいたい議会制民主主義の国なのに戦後ほとんど政権交代が無いままにきたという信じられない異様さに目を向けましょうよ。
そこから始めないと話にも何にもならない。
私はこの中央集権官僚国家体制を変えないと、日本はまともな国にはならないと思っています。
すでに方々にほころびが出てきていて、それを繕い繕いしながらやっと動いているのがこの国の現状です。
小沢さんには問題点多々ですが、しかし使える駒が国民の側には彼しか見当たらないのですから利用するしかないのです。
彼が独裁を敷く?彼は70近い心臓に問題を抱えた老政治家にすぎませんよ。
だから制度を壊してもらったらわれわれが新たな国家制度を作っていけばいいだけです。
何を怖がっているのか私にはさっぱりわかりません。
小沢さんという、一人の人間よりも怖いのは明治以来続く組織です。
村木さんの裁判でも明らかですが、彼らは目的のためなら違法なこともなんでもするのですよ。
ややこしいのは彼らは組織の駒にすぎないことです。
つまり彼らもまたその拠るところの組織なくしては一人で生きられない存在なのです。
組織に依拠しているからこそ、組織を壊そうとする小沢さんのような存在に対しては何が何でも潰そうとしてくるのです。
しかし国民が幸せになるためには血の通わない組織を常に変えていくしかないのです。
組織は単なる道具でしかなく、我々はその道具に使われる駒であってはならない。
戦前の日本の国家主義全体主義体制を考えてもらいたいと思います。
もう一日も早くこの変革の作業を終えないと、本当に日本は沈没します。
それが理解できないのは、英語も使えないで世界からどういう風にみられているかもわからない鎖国民だからでしょう。
変えましょう自己意識を。
2010.09.11 10:33 URL | 風太 #seTEoywg [ 編集 ]
あー信者うぜぇ!
菅ないし小沢両氏や民主党と自己を同一化するしかできない人は残念だ。
『是々非々』なんて最初から頭に無いんだろうが。
2010.09.11 12:07 URL | 観潮楼 #- [ 編集 ]
民主党が悪いと言う人たちには、自民党時代よりはましでしょうと言いたい
オザワンが首相になっても、貧民は貧民のままだと思うよ。
ウエクソも遠吠えのままだろうし
結局、一度官僚全員辞めさせて、一から国を作り直す以外にがんだらけの国が再生する方法はないだろうね。
幸い、就職できていない大学生や、
高学歴ワーキングプア
http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20100909
とか言ってる人がたくさんいるみたいだから、官僚総入替は彼らへの失対事業とすればいいでしょう
そうすればウエクソも政府要員の一員になれるかもね
でもいくらオザワンでもそこまで目に見えた成果は出せないと思うよ
kojiさんの言うように、地方の土豪の方ばかり見て我々の方なんて向いてくれなくなるよ、いったん権力を握ったら。その権力を手放したくなくなったら。
政治家なんてそんなもの
期待が裏切られた時のショックが大きくて、自民党が懐かしいとか言い出さないようにしないとね
2010.09.11 13:31 URL | 振興銀行がオフショアに逃したカてを差し押さえろ #a2H6GHBU [ 編集 ]
選挙だから、どちらの支持者であれ、自派の候補者や政策にネガティブなことは言わないでしょう。内心は?が多くても、両者を比較してどちらを選ぶかの二択だもん。
どちらが勝っても盛り上がったから、来春の統一地方選挙には良い影響でしょう。それまで民主党政権が保てばですが。
菅氏が勝つと、彼の次の総理は、前原氏ではなく石原氏になりそうですな。村山氏→橋本氏の二の舞です。で、菅氏は武村氏の轍を踏んで排除されるかも知れない。菅贔屓の私としては、今回は一回休みの避難を願いたい。
2010.09.11 16:46 URL | トホホ #/Amn5WiM [ 編集 ]
今回の代表戦は、民主党版40日抗争だと思います。
政権党が大衆課税を選挙前に訴えると、必ず党内抗争が生じるようですね。
自民党は派閥単位での争いでしたが、民主党は支持基盤にしたがって陣営が分かれたことが違います(無党派層と組織団体票)。
自民党の40日抗争は、党員選挙があった訳ではないので、政策論争が皆無でした。
民主党は、政策論争はありましたが、kojitakenさんのご指摘どおり、政策にはほとんど違いがなく、やはり、ただの権力闘争になってしまったと言わざるを得ません。
両陣営とも選挙後のノーサイドを約束していますので、民主党全体の支持基盤を意識しなければならず、しかも世論の制約があるので、以前から温めてきた政策がない限り、一つの方向へ収斂してしまうのです。
一番大きな違いだったマニフェストの完全実施についても、世論の支持がないので小沢氏はニュアンスを変えてきています。
赤字国債を発行する、と言っている点が今でも違いますが、これは政策とはいえません。消費税増税により、取り返すのですから、一層の負担増が約束されたようなものです。
長期金利が上昇しますので金利が付く上、法人税減税が加わるので、重い重い利息をつけて取り返しにきます。小沢好きの方々は当然覚悟できていることでしょう。
小沢氏の政策は、時間が経てば経つほど菅氏と似通ってしまうのは、結局、その場しのぎの思いつきだからです。
小沢さんは、長く与党にいましたが、その間、いったい何をしてこられたのでしょうか。
40日抗争の原因となったのは。大平元首相の消費税発言でした。
しかし、大平氏は大蔵省主計局の出身です。
財政に決して強くない菅氏が発言するのとは、意味が全く違います。
この突然の消費税増税発言こそが菅氏の問題点だと思います。
勢いと素質だけでここまでやって来た菅氏の弱点だと思います。
民主党は、批判はとても上手でしたが、政策の貧しさは目をおおうばかりです。
与党経験がなかったから仕方のない面はあったでしょう。
しかし、これで、政治主導とは、悪い冗談です。
結局、あのマニフェストが誤りの根源だったように思います。
昨年の衆院選で政権をとれなければ二度と取れないという思いで、耳当たりのいいことを並べ過ぎた。
もう一度、ゼロ発進で、優秀なスタッフを集めて、政策を練り直して欲しい。
どうか本当の政治主導を。
2010.09.11 18:17 URL | greenstone #- [ 編集 ]
管理人様
>来週の火曜日には結果の出る民主党代表選だが、ネットの熱気はやや低下してきたように感じられる。
>「小沢信者」という言葉を使って揶揄し続けるのもマンネリ化してきた。
>もっとも、それはネット全般の話であって、こと「小沢信者」に限れば、彼らのボルテージは上がる一方である。
小沢信者は小泉信者と同じ穴のムジナのような機がします。
小沢自由党信者 → 小泉自民党信者 → 小沢民主党信者
も多いような機がします。
>というより、小沢一郎と菅直人のどこがどう違うのかよくわからないのである。
>「社会民主主義」対「新自由主義」の対決構造には間違っても見えない。
>二人とも新自由主義者に見える、というのが、告示日に受けた印象だったが、最近は「二人とも鵺(ぬえ)のように感じる」のが正直なところだ。
>小沢一郎も菅直人も正体不明、政策より政局の人たちであるように私には感じられる。
小沢一郎の正体は不明ですが、自民党の小泉元首相がそれに近いような機がします。
菅首相の正体も不明ですが、既卒3年以内の若者を正規雇用した企業へ奨励金を支給するなど、もう少し社会民主主義に近いような機がします。
2010.09.11 19:10 URL | 牧野弘幸 #v/Q4ADBU [ 編集 ]
kojitakenさん、お邪魔します。今朝は東から差し込むまぶしい光線に驚かされました。ビルの間から、オレンジの塊が窮屈そうに覗いているのです。一日が始まろうとする日本を焼き尽くそうとしているかのようでした。おれ個人の今日明日なんて、もうどうでもいい。朝から、ちょっと投げやりな気分にもなりました。
kojitakenさんのことが、自分にはちょっと不思議でした。だけど、ようやくわかりかけてきました。
kojitakenさんは、ご自分なりの政治的な理想をしっかり持っていらっしゃる方だからです。しっかりと理想をお持ちの方は、おそらく右でも左でも民主党を支持できません。民主党は、明白な党綱領がない、PCならOSがウインドーズでもマックでもないような政党ですから。なので、ウインドーズでもマックでもありえます。ヌエだと思われるご理由は、ご自分がお持ちになる理想のメガネを通しては、クリアーな像が結べないことも意味しているはずです。
また同時に、代表選に一種の傍観者的な態度をお取りになるのも理解できました。理想のお立場からは、民主党も管氏も小沢氏も、いや民主党員と(低脳で下品な)支持者の全体が批判されるべき対象になります。こうして、いま起こっている出来事が「内戦」だと思われない理由も納得できました。理想メガネからは、ささいな揉め事にしか見えないはずなのです。管氏が当選すれば民主党政権が衰退し、ふたたび自民・公明か、みんなの党、および官僚に支配権が戻るだろうことも、理想からばささやかな変化にしか見えません。いくつもある「理想」とは、どれをとっても現実の解釈にとって便利な道具です。また理想はいつまでも実現しないから、現実の苦しみは永遠につづくのであり、したがって論理的に納得できた苦しみは、納得できた分だけは救われるのです。
こうしてやっとkojitakenさんが小沢氏の失言や欠点を指摘し、それが未来永劫、固定されて、どこにも動こうとしないと断定する不思議な理由に納得できました。また、そうしたご自分のお立場を信頼できるものと信じている言説の構造的な理由も理解できました。それは、理想も夢もないこちらの日常とはかけ離れたお立場です。同時に、テレビなどマスコミに精通しているらしいお姿の意味すら理解できた気がします。取り急ぎ。ありがとうございました。
2010.09.11 19:36 URL | わど #Fs6oSVEI [ 編集 ]
自民党の石原ジュニアからも大歓迎、恥も外聞もなくアメリカや財界へリップサービスをつづける菅と、それなり従来の既得権者と戦う姿勢を見せて、官僚とマスコミ連合から総攻撃を受けている小沢を一緒くたにして「ダメだ」などと論じても、もはや、現実乖離の理想論でしかないでしょう。
ある部分ではたしかに筋が通っていても、全体としてみると実にアンバランスな、現実に即さない文章になっている。
論全体の4分の3を、菅政権への批判、4分の1を小沢や支持者への注文にしてくれれば、まあ希有な政治評論だと思いますが、このブログ主さんの場合はそれがまったく逆になっしまっている。いつものことですが。
2010.09.11 21:44 URL | cube #- [ 編集 ]
トラバをありがとうございました。
私は何故民主主義を守っていこうとするリベラルな人々がこのように真逆の方向に先鋭化してしまうのか、そのことに対して社会学的、社会心理学的興味があります。
こういう先鋭化の現象って歴史上も見られるのではないでしょうか
安保闘争でも、もともと日本の再軍備化に反対し9条を守る目的のはずが、9条とはおよそ正反対の過激派がうまれてしまいましたし。
2010.09.12 00:00 URL | 飽鬼腹爬津忌(笑) #449pMq2M [ 編集 ]
菅が勝とうが小沢が勝とうが、民主党政権はまず速攻で「可視化」を「実現させる」べきですよね。
特に小沢信者は今それを絶叫すべき。
だって小沢は官僚やマスコミ連合から総攻撃を受けているわけでしょ、
だったらこれって最重要政策だと思うし、
大急務!な問題なんだよね。
大昔から続く官僚支配を打破するためにも、例え菅が勝ったとしても、民主党はまず第一に「速攻」で取り組むべき・・・いやいやただちに全面可視化を実現させなきゃウソですよねえ。
・・・そのわりに意外と可視化の件になると、声小さいんだよな・・・信者の皆さん。
そんなことじゃ小沢は守れないぜ!
みんなで小沢に今「約束」させときましょうよ。総理になったら「即実行します」と。
いやだってさ、当のご本人の口から可視化について聞かないから・・・。
大きな「陰謀」と闘ってるわりに、なんだかその気ないんだよな以前から。
そういや鳩山政権で実現させる絶好のチャンスがあったのにな・・・なぜかヤンナカッタし。
全面可視化が実現すると、
「やましい事は何もない人」にとってはとても心強い制度なわけだけども、
「そうでもない人」にとってとか、
「実はあまり知られたくない中身がある人」にとっては結構都合の悪い制度なんだよねアレ・・・。
とにかく急げ!
小沢&信者(&菅も)、
官僚打破のために、可視化を叫べ!
民主党はまず可視化をやれ!
でも・・・ヤラナイ予感がするのはなぜなんだろう。なんか出来ない理由でも・・・。
2010.09.12 00:57 URL | siroto #sbtHYKS2 [ 編集 ]
みんなの党も一応、脱官僚を掲げてて、根本的な官僚機構構造の改革を訴えてるんですけどね。ネット界隈じゃ人気薄ですが。
(中の人間が新自由主義者だとか偽装チェンジだとかの枠を外して見れば、一応の筋は通ってる政策なんじゃないかと思うんですけどね。予算と人事を政府直轄で握って官僚のコントロールをより出来るようすべきという政策案は。
他政策に問題ありという指摘はごもっとも)
まあ民主党の代表選挙がどっちに転ぼうが、民主党政権が結果倒れてしまおうが、この日本を変えたい、より良くしたいという国民が絶望して政治から目を離さない限りは、この国を変えることは可能です。
少なくとも、民主主義という幻想を一様に信じてそういう社会で生きていきたいと思うならば、その可能性を見捨てちゃいけません。たとえ幻想だとしても。
偽善が突き通せば善となるように、よりよき幻想を突き通して現実にする。
それが人間ってもんなんじゃないかと思います。
小沢一郎を信じている人達が思っているように、小沢一郎によって日本が少しでも良くなれば良し、そうでなければ妥協することなく打倒すればいいんです。
そしてまた、より良い選択肢を模索すればいい。
膨大な選択肢の中で、自分が真に守るべきは何なのか、それさえ見失わなければ、未来は我々の物です。
そういう幻想が見れる民主主義社会というものを、一国民の立場から守っていきたいもんです。私は。
2010.09.12 01:14 URL | 朱の盤 #XQYq98OQ [ 編集 ]
>秋原葉月さん
>安保闘争でも、(略)正反対の過激派がうまれてしまいました
私見ですが、「実社会からの疎外」ということが大きく関係しているように思います。
ご存じの通り、安保闘争運動をしていた人間はやや過激的であれば、公安による尾け回しなどによって実社会からますます疎外され、疎外された中で理想の精鋭化・窮極化をさせていってしまった。
理想を成すか、然らずんば死か。そこまでいってしまった。
そこにはもはや庶民の生活臭などは皆無で、理想を成すための生活苦など、理想に捧げるべき正当な対価だというところにまで至ってしまった。
でも、それじゃあ駄目だったんだと思います。
それぞれの生活を実社会の中で確立させ、その中で理想との格差に悩み、自分の実生活の隣にいる人逹に政治的な悩みを打ち明け、そこでもまた自己と他者との間の壁に悩み、けれど同じ思想を持った者同士で孤立集団化せず、自分の実生活の圏内で壁はあるんだけど愚痴を聞いてくれる「友達」を増やしていく。
そうした運動を展開させ、実社会との協同歩調を取るべきだった。
そうしたら、彼らの運動ももっと違った結果を現在にもたらしたはずです。
もっとも、体制側も「分断し、統治せよ」を心得て周到な対策を取っていたと思いますし、私なんかも「えらそうなこと言って、じゃあおまえはどうなんだ」と言われたら情けない限りではあるのですけれど。
まあそれはそれとして、現在は昔よりも個人が孤立化し、他者とのコミュニケーションがとりにくくなり、結果として実社会で(集団の話題から)あぶれている人間がネットで溢れかえっている状態なのではないかと愚考します。
体制側にとって見れば「分断し、統治せよ」し放題だと思います。
ネットの中での集団行動というのもあるにはあるんですが、それが実社会との歩調をどれだけ取っているのかということには、甚だ疑問です。
ネットの運動を実社会の変革の原動力にしようというのは「分断し、統治せよ」の結果としてある今のネット社会では、安保闘争よりも未来に根をはれない、芽が出れば摘むのも容易(実際には根本の問題をグッチャグチャにして曖昧にしてしまう)な運動なのではないかと思います。
もしかしたら今回のネットでの小沢一郎信奉者のフィーバーも、上記したようなことがあるいは関係あるのかもしれません。
以上、いかにも陰謀論臭い偏見含みます私見ですけれど、参考になれば幸いです。
2010.09.12 02:52 URL | 朱の盤 #XQYq98OQ [ 編集 ]
ひとつ感じたことがあります。
それは○○信者という言い方です。
これはつまり昔の共産党支持者に対しての「アカ」という言い方に等しいのではと思いはじめています。
アカという言い方で、一般国民から反体制思想を唱える人たちを切り離してしまう当時のやり方は、徳川時代の封建制度を彷彿させます。
特定の宗教の信者でもないのに「信者」とさげすんで区別してしまう。
それこそがこの国を硬直化させて奈落へと追い込んでいる制度依存勢力に好都合な流れです。
自戒をこめてそれを付しておきます。
2010.09.12 09:04 URL | 風太 #seTEoywg [ 編集 ]
小沢さんは政党助成金という権力の源を断たれて、あげくはその蓄財&子分作り手法が暴かれそうだから、追い込まれて出ざるを得なくなっただけなのに、信者は滑稽だなあ。
河村市長の署名応援にまわってるのは、議員時代の元秘書の某ガールズ議員関係でしょうね。だから小沢さんとは直接には結びつかないかも。
しかしその議員も含め、小沢側近、支持議員には本当にろくなのがいません。万が一首相になった場合、どんな内閣になるのやら・・
2010.09.12 09:24 URL | じぇいほーく #- [ 編集 ]
>それは○○信者という言い方です。
マァ、私を小沢信者と言う人がいるようではねぇ・・・
官僚だってののしった人もいましたなぁ・・・
ははは。笑える。
私に言わせれば、「小沢嫌い病」の方が深刻じゃないかと思いますけどね。
まぁ大マスコミはつぶれますから、そりゃ小沢つぶしに躍起になるでしょうけど、私は大マスコミにつぶれてほしいので、小沢で良いと思ってますよ。
2010.09.12 10:02 URL | そにく #- [ 編集 ]
他人様に「○○信者」とレッテルを貼るのは、自らが「『○○信者』信者」と成っているわけで、「△△△の陰謀」論者と同じ轍を踏んでいるわけです。
古寺多見様のように、鋭角的な攻撃が文章芸になっている稀有な才能の持主は別として、凡百は慎むべきですな。
「真性呆衆」なる語を過去に使用した私自身の自戒もこめて。
2010.09.12 10:18 URL | トホホ #/Amn5WiM [ 編集 ]
小沢『支持者』が「信者って言うな!キイキイ」って言う不思議
2010.09.12 12:26 URL | 観潮楼 #- [ 編集 ]
いま日本テレビの番記者という番組をみていました。
例によって民主党党首選の内幕特集でしたが、とてもいやな光景を目にしました。
一年生議員がどちらへ投票しようかと迷っている光景が映し出されていたのですが、結局自分自身の考え(政策比較などからは小沢さんに入れたい)を封じ込め、支持者の多数が推す菅さんを支持することを支持者へ告げていました。
支持者の人たちは普通の人たちで、彼らの選択の決め手はマスコミによる「政治とカネの問題」です。
日本人はカネに汚いというレッテルを貼られると、貼られた人間を白眼視する傾向があります。
今回はそれがマスコミあげてのキャンペーンですからなおさらです
それでも、それがわかっていても選挙基盤の弱い一年生議員は支持者の意向に逆らえずに、結果的にマスコミの操作どおりに動かされてしまう。
こんなでいいのでしょうか?
今日本は世界中のメディアが注目し、各国は民主党党首選挙の分析をしています。
その結果、日本の民意はマスコミの操作でいくらでも左右できる程度のものと、世界中に喧伝しまくることになるわけです。
これはもう先進国とは言えず、世界の日本を見る目はより厳しくなるでしょう。
マスコミ報道が異様なのにも気がつかずに、その意図的な報道を自分の選択の価値基準にしてしまう。
結局日本人の多くは自分自身の物差しを持ち合わせていないのですね。
いくら難しいことを言っても、結局最後はテレビなどで排出される情報に感化された多数派に乗るだけです。
人に合わせていれば集団で孤立することもなくなる。
そうやってみんなでモタレアイの構造というわけです。
独立した意思をもつ個人の集合体には、いったいいつになったら日本人はなれるのでしょうか。
これはもう小沢さんとか菅さんとかの問題レベルではない、根本的な致命的な問題です。
ちなみに番組内で菅さんの支持議員は、盛んに国民世論と乖離することのない民主党の党首選結果にならないといけないというような発言を連発していました。
わかっていてこんな発言をしてテレビを見ている一年生議員に圧力を加えているのでしょう。
なさけない連中です。
2010.09.12 19:14 URL | 風太 #seTEoywg [ 編集 ]
最近、帝国データバンクの調査結果が出ていました。
TDB景気動向調査(特別企画):法人課税の実効税率等に対する企業の意識調査
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/keiki_w1007.html
実効税率引き下げ分の使い道、4割超が積極的な投資に充当
--
法人課税の実効税率が引き下げられたとき、引き下げ分をどのようなことに充当するか、現段階で最も可能性が高い項目を尋ねたところ、1万1,446社中2,925社、構成比25.6%が「内部留保」と回答した。4社に1社は実効税率の引き下げ分を社内にとどめておくという結果となった。次いで、「借入金の返済」(同16.8%、1,921社)が2番目に多かった。さらに、人的な投資に対しては、「社員に還元(給与や賞与の増額など)」(同15.5%、1,774社)や「人員の増強」(同8.4%、959社)となり、合わせて23.9%(2,733社)と2割超になった。一方、「設備投資の増強」(同12.7%、1,458社)と「研究開発投資の拡大」(同5.5%、630社)を合わせると18.2%(2,088社)が資本投資に充当するとした。人的投資と資本投資を合計すると42.1%(4,821社)が積極的な投資に充当すると考えている。
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これを読むと、実効税率を引き下げても「内部留保」にまわすという回答が25.6%で、「社員に還元」「人員の増強」があわせて23.9%です。「社員に還元」と答えた企業は、ぼくは評価しますが、「内部留保」と答えた企業は評価しません。こういうところで企業の本音(内部留保25.6%))が出てしまっているのでしょう。やっとリーマンショックから企業が業績回復しても、労働者に還元されなくては、個人消費が回復しません。この企業の意識調査結果から「法人税減税」をしたところでどの程度効果があるかは議論するべきでしょう。また、法人税減税の埋め合わせとして、消費税増税はセットで考えられます。そちらもあわせて考える必要があります。
2010.09.12 21:34 URL | Vitamin-C #lqZcrvkk [ 編集 ]
江田五月はじめ、岡山の民主党議員は例の「ぶって姫」以外そろいもそろって菅一派。わが選挙区の柚木道義も、参院の江田も、もう積極的には、入れたくないですね。
江田には昔、岡大近くで手を振られて以来、彼のファンで、筋金入りの左派リベラルかと思っていたのに、こいつもただの、2代目プロ政治屋に過ぎなかったか、とがっかり幻滅です。
ブログ主さん、小沢への悪口、幻滅予想ばかりでなく、こういった社民連人脈、「リベラルの会」人脈も辛辣に評論してくださいな。
2010.09.12 22:16 URL | cube #- [ 編集 ]
Vitamin-C さん同様、党首選以外の話題だか、
あの日経テレビのテレビ東京でさえ、大企業の資金が総額144兆円だと言っている。
大企業よりのメディアだからかなり割引いているはずだが、それでこの金額。
ここまで潤っている大企業に
減税して、
日銀資金供給といってさらに金を与える
他方疲弊しきった中小企業や低所得者には、カネはやらんと。
(融資はするけど、職業訓練生活補助はするけど)
本当にお寒い政治、政策。
2010.09.12 22:52 URL | 辺見首相待望論 #kmb98D8k [ 編集 ]
追加ですみませんがコメントさせてください。
TDB景気動向調査(特別企画):法人課税の実効税率等に対する企業の意識調査
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/keiki_w1007.html
の最初のほうに書いてあることを読むと
実効税率の引き下げにより、64.6%の企業が「企業利益の押し上げ」に期待
「多くの企業が企業利益の押し上げを期待しているものの、法人税の申告事績で黒字申告割合が3割を下回っている(国税庁)なかでは、実効税率の引き下げを有効なものとするためにも、一刻も早い黒字企業の拡大が必須である。」
結局、「法人税減税」してもこの黒字申告している3割(弱)にしか効果がないんです。
そして、たった3割の企業しか税金を納めていなければ、国の財政が苦しいのは当たり前と思うのです。もちろん企業の中には、いろいろなものを経費で抑えて利益が出ないようにして節税しているところもあるでしょう。しかし、いくらなんでも3割とはいかがなものかと思うのです。
次の首相が菅さんか小沢さんか知りませんけど、たった三割の黒字申請している企業を救うのではなく、いかに多くの企業に税金を払ってもらえるかにFocus してもらわなくては困るのです。
政府の役目とは、消費税を上げて個人消費を冷え込ませることではないはずです。
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