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きまぐれな日々

マスコミの虚偽報道がますますひどくなってきた。

何がって、税制改革の議論のことである。

土曜日に、『日テレNEWS24』がこんなことを報じていた。

 1月に財務相に就任した当初は、消費税などの増税について、議論することさえ否定的だったが、2月には税制調査会の専門家委員会で、消費税を含む税制抜本改革の議論をスタートさせた。4月に入ってからは、増税しても環境や医療、介護などの成長分野に投入すれば、新産業が拡大して雇用が増大し、それが経済成長につながるとの持論を展開し、消費税を含めた増税に前向きな姿勢を示し始めた。

(『日テレNEWS24』 2010年6月5日 15:04)


「2月には税制調査会の専門家委員会で、消費税を含む税制抜本改革の議論をスタートさせた」などと日テレは言うが、当ブログの読者ならよくご存知の通り、これは事実に反する虚偽報道である。

政府税調専門家委員会の委員長を務める神野直彦教授らの考え方は、まず所得税や法人税の課税範囲を拡大し、さらには所得税の累進制を強化するなどして税収を増やすべき、というものだ。ひらたく言えば、まず富裕層に対する所得税の増税を行え、ということである。そして、もし日本が「小さな政府」を目指すなら、消費税を含む間接税の増税は抑えるべきだし、そうではなくて社会保障を充実させた「サービスの大きな政府」を目指す場合、直接税による税収では不足が生じるなら、その時初めて消費税増税も検討する必要が生じる。そういう道筋で議論がなされている。

こんなことはもう書き飽きたが、マスコミが懲りもせず虚偽報道を繰り返すものだから、こちらも何度でも書く。「蟷螂の斧」だとはわかっているが、それでも書く。大嘘つきのマスコミを打倒するまで書き続ける。菅直人首相がマスコミの圧力に屈するなら、菅政権も打倒の標的にするだけの話である。

嘘も百回繰り返せば本当になるというのがマスコミのやり方である。昨日(6日)のテレビ報道で、怒りを通り越して爆笑してしまったのがテレビ朝日のサンデーなんとかであって、「消費税を増税して医療、介護、環境などの政府支出を増やすこと」が「菅ノミクス」だ(一瞬菅野美穂かと思った)、などと言っていた。その時に流れていたアニメーションがひどくて、一軒家の絵の上にドルマークのついた銭袋の絵が重ね合わされ、それが政府に流れていって、医療、介護、環境の支出として使われるという動画だった。家計だけから税金を吸い上げるアニメーションを作ったところは悪質というか露骨で恥知らずとしかいいようがない。

テレビ朝日の場合は日テレよりさらにひどく、「消費税を含む増税」とさえ言わずに「消費税」とだけ言うのだ。テレビ朝日のごときは潰れてもらった方が世のため人のためではあるまいか。トラックバックいただいた『ニコブログ』のエントリ「6月6日『サンデー・フロントライン』 菅首相は財政再建・消費税増税路線とミスリード」に、番組での議論が文字に起こされているから、是非ご参照いただきたい(下記URL)。
http://nikonikositaine.blog49.fc2.com/blog-entry-1411.html

『ニコブログ』の記事をお読みいただければわかると思うが、ここで行われていたのは、倒錯したとしか言いようがない議論であり、霞が関政策研究所(官僚出身者が作ったシンクタンクと思われる)の代表を務める石川和男という人が下記のように言っていた。

増税をして経済成長するというのはできません。医療分野、介護分野、福祉分野にお金が行くので、その分は成長しますよね。じゃあ他はどうなりますか?ということになります。消費税だけ上げて、他の税金はそのままということになると、単純増税ですから、それで経済成長というのはできない。もしできるんだったら、どの国だって、わが国だってすでにやっている。


そりゃ、「消費税だけ上げて他の税金はそのまま」だったら、「単純増税だから経済成長はできない」だろう。だが、「消費税だけ上げる」と言っているのはテレビ朝日を代表格とするマスコミであって、菅首相ではない。TBSの『サンデーモーニング』で岸井成格が、「菅さんは消費税増税と言わず税制全体の見直しと言う」と言っていた通りである。岸井成格だって本当のところを知っているのだ。知っていて消費税増税を煽る。これが岸井成格(毎日新聞)や星浩(朝日新聞)の手口である。

先週の金曜日だったか、『報道ステーション』に浜矩子・同志社大学教授が出ていて、消費税を上げるよりも富裕層から増税した方が国民のためには良い、日本の経済は成長していないのではなく、成長しているのに貧しくなっているのが問題なのだ、だから、法人税を減らすという方針はどうなのか、だから経済を成長させるって連呼してる菅首相はわかっていないのではないかと言っていた。税制についての主張はその通りなのだが、事実は税調専門家委員会でなされている議論は、浜矩子の主張に沿ったものであって、民主党員のさとうしゅういち氏が、JanJanブログの記事「菅新総理・代表を先頭に『全員野球』の民主党、そして日本を」に、下記のように書いている通りである。

民主党が直面している課題のひとつは、情報発信力の不足です。

 例えば、政府税制調査会専門家委員会では、神野直彦会長を中心に、きちんとお金持ちへの課税ベースを拡大し、所得税収を増やそうという議論をしていました。それを十分アピールせず、「増収=消費税増税」という観念に閣僚さえとらわれ、議論を混乱させたのは残念


この議論は、「菅さんは消費税増税と言わず税制全体の見直しと言う」と発言した岸井成格や、浜教授の発言をメモしながら「(消費税は)逆進性(が強い)ね」(括弧内は筆者による補足)と合いの手を入れた星浩らは百も承知なのである。知っていながら、政権を法人税減税と消費税増税に導こうとしているからマスコミは悪質なのだ。かつて1989年の参院選での争点に「政治とカネ」(リクルート事件)とともに消費税を据えて、社会党圧勝の風を吹かせたマスコミとは大違いで、この20年間に進んだマスコミの反動化には目が眩む思いだ。「ブン屋」がエスタブリッシュメントに成り上がってしまったのが日本における諸悪の根源である。実際には、在京キー局や在阪準キー局が下手人になっているが、これらの放送局は、TBSを除いて大新聞社と事実上一体となっている。

税制専門家委員会の委員長に神野直彦を引っ張ってきた菅直人には、まだしも「きちんとお金持ちへの課税ベースを拡大し、所得税収を増やそう」という方向性はあるのだ。口では「次の総選挙まで消費税率を上げない」と言っていた鳩山由紀夫には、その方向性はなかった。なぜそう断言するかというと、財務相に藤井裕久を据えたからだ。最近の政局に関して、ブログの世界では、「親小沢対反小沢」の図式に、皆異様なまでに引きずり込まれていて、それを戒める発言をしていたはずのまっとうなブログまでもが、「菅&非小沢対小沢の仁義なき戦いが始まるのか」などと書く始末だ。私自身一時その傾向に引きずられていながら書くのもなんだが、もういい加減うんざりする。たとえば枝野幸男など新自由主義者の代名詞のように言われているが、当ブログのコメント欄で「竹」さんと仰る方から教えていただいた情報によると、事実は下記の通りである。

今週の「カンブリア宮殿」に河野太郎、渡辺喜美、枝野幸男の御三方が出ていましたが、河野、渡辺の両名は明確に「消費税増税、法人税減税」を唱えており、非常にがっかり。
別撮りの枝野幸男は「法人税減税」には反対、「消費税増税」については濁していました。


枝野幸男だって、税制専門家委員会の議論は知っているのだ。プロだから当然だ。問題は、怒濤のようなマスコミの「消費税増税と法人税減税」の圧力に政権が耐えられるかということだ。最後に、『kojitakenの日記』のエントリ「『小沢一郎中心史観』に引きずられない菅直人政権の評価が必要」に寄せられたGl17さんのコメントを引用しよう。

Gl17 2010/06/05 14:01

昨日WBSをみていました。
民主の副大臣にいろいろと聞くのですが、経済課題の設問が凄まじかった。
「消費増税と法人減税はどうやって実現しますか」

何をやるかは聞かないんですよ、やることは番組が決めてて、どうやってその言うこと聞きますか、って・・・。
これやるんだよね、返事は聞いてない!
回答者の方も、その空気でやらないとは言えない風で、言を左右にしてましたが。

結局のところ、世間の言うこと聞くのが政治家の仕事だからなあ、マスコミが世間なのかはともかく。(まあ大きな一部ではある)
「世間の要請を聞く」という本来に立ち戻る可能性があったのが「生活」のスローガンだったんですが、エスタブリッシュ層の反撃は甘くないです。


そう、今の日本では政策はマスコミが決めるのだ。

菅直人首相にはこう言いたい。「金持ち増税」を打ち出して嘘つきのマスコミと戦え、と。

また、ブロガーの方々にはこう言いたい。ブログのなすべきことは、「反小沢対小沢の民主党内抗争」を面白おかしく書くことではなく、民主党自身がこれまで打ち出してきた政策を実現させるべく、草の根から声を上げて政権に圧力をかけていくことではないのか、と。


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マスコミがうそをついているといいますが、菅直人の任命したマエハラ、オカダ、センゴク、ゲンバ、タルトコ、ノダこの人たちはみんな消費税増税に積極的な人たちですよね。そういう人たちを選んだということは菅直人の意図は明白だと思いますよ。いくら神野教授が消費税増税に反対なんだー!と叫んだところでねー、むなしいだけじゃないですかね。このブログもくそほっこげな小沢信者となんちゃかわらんようになってしもうたんですかいの?

2010.06.07 08:48 URL | 2ちゃんねらー #- [ 編集 ]

讃岐の2ちゃんねらー さん、

あなたの言われることは、民主党自体の限界です。そんなことは私だって百も承知していて、だから参院選では選挙区も比例区も共産党に投票することに決めているわけですが、菅直人にこれまで言ったりやったりしてきたことの遂行を求めているだけの話です。

2010.06.07 08:53 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]

広い意味では環境というものにつながっていますが、バイオマスエネルギーについては、それほど期待できないような気がします
まえに紹介した石井吉徳さんをはじめとしたサイトを通して調べてみたら、ある程度の技術や知識が必要で、EPRなんかの課題もあって、雇用にはつながらないようです(=研修生とかいう名目で摂取されたりはするとは思いますが
石油生産が不能に陥ったときの代替エネルギーという意味でも太陽光発電や燃料電池それから民主党が推進しようとしている原発にしても、結局は原油がないと生産や建設さえできないようです
そうでなくても、どうせまた、工場や職場ができても、なんやかんや理由をつけて雇用環境は改善されないのでは
メタンハイドレートもやはり、EPRや品質から考えても資源としてはダメなようです
天然資源といえば、北海に近いフローニンゲンで天然ガスが発見されたときにオランダ病とかいうのもあったような


民主党自体もどうかとは思いますが、マスコミの背後にはスポンサーや投資家がいて、結局はそういう人々は大金持ちを優遇するような政策をやってもらいたいわけです
それ以上でもそれ以下でもないでしょう
日本政府や経団連企業がやっているのはネオリベでさえないのでは
他人に自己責任やキチガイみたいな競争を強制するわりに、自分たちはちゃっかり保護してもらいたいみたいな
これも何度も書かせてもらいましたが、そういう政策を金持ちでもない人々まで受け入れてしまいそうです
金持ちは自助努力したから優遇されるのは当然であって、自助努力もしない才能もない庶民は消費税を上昇させられても仕方ないみたいな感じで
本当に終わっています

2010.06.07 09:14 URL | マイケル #- [ 編集 ]

菅さんの、伝えられる内閣の布陣と党の要職人事をみていて、もしかしたらこれはマスコミ対策で菅さんが仕組んだことなのかなと考えを改めました。
鳩山さんも小沢さんももしかしたらグルなのかもしれません。
実際に具体的には菅さんは新自由主義的な物言いは何もしていませんものね。
マスコミの鳩山・小沢攻撃を逆手に取って、小沢さんに引っ込んでて下さいなどとわざとらしく引導を渡している。
それに対して小沢さんもまたわざとらしく田中さんらに声をかけて、田中さんにマスコミのインタビューでその旨を言わせている。
そして極めつけは地元へのメッセージビデオ。
これらはすべてマスコミに民主党劇場を流させる材料になるわけです。
そしてマスコミは小沢退治をした菅さんという報じ方を連日流し、ついに超V字型で内閣支持率が上がり、民主党支持率も回復しました。
これで参議院選挙での大敗は無くなりました。
と同時に自民党は崩壊するのでしょう。
我々はもしかしたら一杯食わされたのかもしれませんね。
参議院選挙が終ればマスコミ(霞が関も)はむしろ民主党に擦り寄っていくのでしょうね。
ブロガーの皆さんは、そこからは今度は民主党への監視が必要になります。

菅さん、お遍路は無駄では無かったですね。

2010.06.07 09:22 URL | 風太 #seTEoywg [ 編集 ]

左巻き菅政権の支持率はいずれ30%以下に。
菅の政策で支持できるのは、タバコ税の上げだけ。
左巻き菅は亀井との間で、郵政改悪を行うことを改めて署名確認した。
参議院選挙で惨敗し、菅は責任を取って辞任する短命政権となることを切望する。
マスコミも左から右まで多様。
朝日新聞は伝統的に自発的に民主党と北朝鮮の機関紙であることを標榜している。

2010.06.07 09:48 URL | 左巻き菅 #- [ 編集 ]

法人税減税のデマ
何かの流行であろうか。
立場の異なる様々な人が法人税減税を叫んでいる。
法人税減税をするといいことがあるらしい。
企業の事業意欲が増して景気が回復するということのようだ。
利益を生む投資先がなければ企業は投資には向かわない。
小泉政権下でリストラによる人件費カットにより生まれた利益が内部留保され、投資には向かわなかったことを想起すべきだ。
竹中はこの時期に景気回復したというが雇用は眼に見えて増えたわけではない。
法人税減税による景気回復は、悪質なデマゴーグだ。
企業利益が回復しても、いわゆる「景気回復の実感のない景気回復」となるだけだろう。

2010.06.07 10:05 URL | ぜんまい侍 #- [ 編集 ]

なんかしゃん小沢と菅が手をくんで小沢が悪者になった芝居をして支持率を回復しょうとしよるんじゃわという声を耳にしたけんども、そういうことを言いよる人は検察が小沢に手をかけようとしよったときは小沢は無罪!辞める必要なんてない!推定無罪!や言うて、(実際にはどうかは別にして)支持率がどうなろうと小沢を擁護しよらなんだかいの?支持率回復のために小沢が切られるんを是とするんじゃったら、最初に支持率ががいに下がった時点で小沢に対して「早く辞めて民主党の支持率の回復を!」と訴えるべきでなかったか?この態度は何なんかいの?小沢がやめなんだら小沢さんはやめる必要はない!小沢がやめたら小沢さんはプロレスもすばらしい!ほっこげに後から後から小沢のすることを肯定するばーでほんまにじょんならんで。

2010.06.07 10:20 URL | 2ちゃんねらー #- [ 編集 ]

付け加えて。
マスコミが盛んに消費税率アップを既成事実化しようと必死なのは、企業減税を推進しスポンサー企業に媚を売りたいからでしょうね。
今のマスコミ、特にピラミッドの頂点に立つ新聞社の経営は、元現場の記者ではなく、営業や広告畑の人間が多く取締役に名を連ね発言力が強いそうです。
彼らは何よりも業績アップ、赤字解消ということで、スポンサー企業のご機嫌を損ねるような記事には圧力をかけて潰しにかかるそうです。
そういうやり方が蔓延しているマスコミでは、法人税を下げさせた分の内の少しでもこちらへ広告としていかがですかと、そういうことでしょう。
そうでなければ、逆累進性が顕著な消費税アップを、ただでさえ疲弊している一般国民に科すような企てに、加担する様な裏切りはしないでしょう。
私には彼らがその高額な報酬維持のために、国民を騙しにかけているとしか思えないのです。
そこにはもはや報道機関としての使命感もプライドもないのでしょう。

2010.06.07 10:20 URL | 風太 #seTEoywg [ 編集 ]

亀井財務相などと言ってた私ですが、考えが甘かったようでやはり野田氏になりました。一方峰崎直樹副大臣については、『ニコブログ』さんで法人税引き下げ競争をやめることを訴えた事を知りました。

http://nikonikositaine.blog49.fc2.com/?mode=m&no=1412

やはり昇格すべきは峰崎氏のように思いますし、彼の引退により党内左派には経済通が他にいないのかと心配です。

2010.06.07 11:07 URL | RASEN #- [ 編集 ]

テレビのニュース番組は、すぐ消費税増税を言い出しますね。批判するのではなく、賛成の方向に促そうとする。
自民党は、参院選の公約に消費税増税を掲げています。
http://www.shikoku-np.co.jp/national/political/article.aspx?id=20100603000396
テレビ局は谷垣さんをスタジオに呼んで、消費税増税について喋らせればいいのにね。マスコミ的には正しい主張をしてるんだから。

これ以上家計が苦しくなったら、新聞とるのをやめる家庭も増えるでしょうが、大新聞は既に従来の宅配に頼るのではなく、金持ち相手のビジネスをする準備ができているということなんでしょうか。

2010.06.07 11:19 URL | nessko #aIcUnOeo [ 編集 ]

私が、菅政権を支持するかどうかの最大の焦点は新自由主義に向かうかどうかです。

もし、法人税減税し、消費税を上げ、その他の税制には手をつけなければ、問答無用で菅政権打倒を叫びます。

反小沢vs親小沢という構造はまっぴらです。
ただひたすら、対米従属外交と新自由主義から自主独立外交、社民主義、社会自由主義へと政策を実行させてくれる勢力であれば、親小沢、反小沢は関係ないです。

枝野も実は社民主義者だそうです。
ところが、菅政権の内閣には、新自由主義者がかなり多く(前原、野田、仙石、玄葉、安住・・・)、マスコミの誘導によって、新自由主義へ舵を切る危険性があります。なぜなら彼らはマスコミ受けがいいから。

今のところは、5分5分でしょう。今後、マスコミの誘導に踊らされないことが大事で。常に政権を監視していく必要があります。

2010.06.07 12:00 URL | ルクス #- [ 編集 ]

>ブログのなすべきことは、「反小沢対小沢の民主党内抗争」を面白おかしく書くことではなく、民主党自身がこれまで打ち出してきた政策を実現させるべく、草の根から声を上げて政権に圧力をかけていくことではないのか、と。

大賛成です。
前エントリーのコメント欄はちょっと・・・という感じでした。

>税制専門家委員会の委員長に神野直彦を引っ張ってきた菅直人には、まだしも「きちんとお金持ちへの課税ベースを拡大し、所得税収を増やそう」という方向性はあるのだ。口では「次の総選挙まで消費税率を上げない」と言っていた鳩山由紀夫には、その方向性はなかった。なぜそう断言するかというと、財務相に藤井裕久を据えたからだ。

同意します。
すると、菅直人新首相が税制や財政政策をどう持って生きたいのかは、財務相に誰を指名するのかによって推し量ることができるわけです。
そして今回、菅氏が選ぶのは、野田佳彦・財務副大臣です。

野田氏の過去の発言を拾ってみると、副大臣になってからのものでは、
http://www.nodayoshi.gr.jp/report/k_kaiken/kaiken_005-023.html
問) 関連してもう1点だけ。消費税です。これも世論調査で声を集めたんですけれども、世論調査の結果では、初めて政権が、今回は衆議院選、政権が維持するまでは、4年間という表現がありましたが、増税はしないと。今、鳩山政権の下では増税はしないという話に関して、賛成するは5割を切り、反対という意見がちょうど5割になりました。そういう意味では財源論として消費税について国民の声はそのような今状況にはなっているんですけれども、消費税を含めた税制、財源のあり方についてどのようにお考えなのか、改めてお聞かせ下さい。

答) 消費税についてはあまり個人的な意見を言う前に、政府税調の中で消費税を含めて所得税等々、諸々の税制について検討に入っているということでございますから、その議論の推移を見守っていきたいというふうに思います。あとは、個別の税制は別として、これから我々が何かをやる時、政策実現をする時は、基本的には財源なくして政策なしだというふうに思います。そういう中で歳入の改革をどうするかという議論もしていかなければいけないだろうと思います。
----引用はここまで----

と、一応政府税調の議論の枠をはみでないような発言にとどめていますが、副大臣になったばかりの今年の1月31日には、こんな発言もあったようです。

http://www.zenshoren.or.jp/zeikin/fukouhei/100222-01/100222.html
菅直人財務相は4日、参院決算委員会で「今年、(ムダ削減を)やれるところまでやった上で(略)しっかりとした案を掲げる」と述べ、14日には、3月にも消費税増税の議論を始める必要があることを示しました。
 野田佳彦財務副大臣はNHK「日曜討論」(2010年1月31日放送)で、自公政権時に所得税法に明記した消費税増税に向けた「付則」(注)は「生きている」と発言。仙谷由人行政刷新相は2010年1月6日の講演で、「11年度予算はそこ(消費税を含む税制改革)に依拠しないと予算編成できない可能性がある」とさえ言っています。

 (注)消費税増税に向けた「付則」…昨年3月に改定された所得税法の104条で「消費税を含む税制の抜本的改革を行うため平成23年度までに必要な法制上の措置を講ずる」と明記されています。
----引用はここまで----

これについては、「消費税をなくす全国の会」が翌日に猛抗議をしています。
(参考URL: http://wave.ap.teacup.com/kyodo-desk/3.html

昨年の総選挙前(肩書きは党幹事長代理)はどうかというと、「消費税増税については議論すらすべき段階ではない」といっていた鳩山氏の見解に異を唱えていました。
----以下、引用----
 消費増税を巡っては野田佳彦幹事長代理も同日(5月24日)、都内で記者団に 「タブー視する空気はつくるべきでない」と指摘した。
----引用はここまで----
(リンク切れですが、http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090524AT3S2400G24052009.html

なお、衆院選前の毎日新聞の候補者アンケートで野田氏は、
問12: 4年間の任期中に消費税の税率引き上げを決めることに賛成ですか、反対ですか。
で反対と回答してはいますが、このときの民主党候補者は95%が反対(仙谷氏、前原氏も反対)していますのであまり参考にはならないでしょう。

このような人物、すなわち財務官僚のおぼえのめでたい人物を財務相に据えたのですから、菅政権のめざす方向性は見えたと思わざるを得ません。菅氏自身も、「乗数効果」を知らないことが国会答弁でばれてからなのでしょうか、財務官僚に頼りきりになってしまって、すっかり財務官僚との協調路線に転じているわけですから、野田・副大臣を大臣に選らんでも驚くには値しないのかもしれません。

そうであるならば、
>菅直人にこれまで言ったりやったりしてきたことの遂行を求めているだけの話です。

というのは、望むべくもないのでしょう。
誠に残念ではありますが。


また、「玄葉光一郎氏が、党政調会長に」というさらにひどい人事が行われるようですね。

民主党内でも新自由主義色の強い人間ですから、これにはまた驚かされました。

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/166165
民主党の玄葉光一郎衆院財務金融委員長は4月18日のフジテレビ番組で、消費税率の引き上げについて「4年後ぐらいには確実に上がっている姿にしなければならない。10%はひとつの(目安となる)数字だ」との認識を示した。
---

ここまで来るとは。菅直人は、完全に転向したと考えるほかないのでしょう。

2010.06.07 12:27 URL | sweden1901 #SVqLzQOU [ 編集 ]

亀井財務相っつうんなら菅内閣もそれなりに安心できたんですが、野田ではね。

菅内閣の評価は次年度予算案で決まります。
また緊縮財政路線をとるようなら倒閣しなければなりません。
積極財政をうつなら、菅内閣でもOKですが、そうなりますかね?

消費税増税は悪です。現在の局面では法人税・所得税の累進税率強化が善。
消費税増税ならわれわれのとる選択肢は倒閣になります。

そうでなければどうなるのか。
考えるまでもありません。雇用も賃金も伸びず、GDPはさらに縮小し、あなたの街で自殺者が増えます。

新内閣が緊縮財政=国民殺しに走らないように厳しく監視しましょう

2010.06.07 13:13 URL | sonic #- [ 編集 ]

法人税や所得税の改革でどのくらい財源が得られるのかわからないが、1%で2兆円転がり込んでくる消費税の魅力には抗しがたいのかもしれません。

ただ、大前提として子ども手当の満額支給や高速道路無料化が典型だが、「民主党自身がこれまで打ち出してきた政策」すなわちマニフェストのうちどの部分をやり、どれを切り捨てるのかという議論が前提のような気がする。逆説的だが、そうすることによって、財政需要にも余裕ができ、どのように税収を得るかという議論も幅が出てくるのではないでしょうか。

2010.06.07 13:32 URL | こころ #- [ 編集 ]

 マスコミの消費税議論で隠された部分があります。 北欧を除くヨーロッパでも消費税率は日常の必需品は0%か高くても6%程度です。 つまり日本の消費税は決して低くなく高い方だという事実。 さらにヨーロッパと日本の社会福祉レベルの差異も検証すべきでしょう。
 一方企業にかかる税金に関しては様々な優遇税制がある上利益隠しを行う様々な手法があります。 この辺の議論も本来必要なはずですが、議論されているようには見えません。 
 さらに自由業等の利益の捕捉率の低さを考えれば幅広く詳細な議論が必要なはずですが、、この辺の議論を無視し消費税を上げろというのは世論誘導と見られても仕方がないと思います。

2010.06.07 14:18 URL | #EBUSheBA [ 編集 ]

日曜朝のフジテレビの番組に出席していた玄葉は消費税をいつ上げるかについては言葉を濁していたが、上げることを否定しなかった。 あと、来年度の子供手当ての全額給付に触れ、削減の方向であると述べ、配偶者控除の廃止は決まっているため実質的な増税を示唆した。 
もはや自民党と菅民主党の争点は「消費税」増税の賛否を問うものではなく、何%増税するか、いつ実施するかの話に変わってきている。菅総理も消費税増税の方向だが、国民新党の動きを睨んで消費税増税に言葉を濁した。

小沢一郎の証人喚問の動向をふまえ、今後の国会運営の動向が見ものである。 凌雲会はこのチャンスに「小沢一郎」の政治生命を絶つつもりだ。 もしこの状態で選挙に勝てば小沢グループの勢力は拡大するため、菅総理は失脚し凌雲会の勢力はそがれる可能性がある。そのためマスコミを最大限に利用して「小沢一郎」を攻撃してくる。参議院選前に一波乱ありそうだ。

2010.06.07 14:21 URL | 世直し大工 #- [ 編集 ]

子供の頃「テレビを見すぎると馬鹿になる」と言われたが、
今や「テレビを見ると馬鹿になる」になったのではと感じてしまう。
それにしても星浩、他人の補足が必要な発言をするのには、
岡田彰布の『どんでん語』かよと言いたくなる。

2010.06.07 18:25 URL | 観潮楼 #- [ 編集 ]

法人税と消費税をマスコミがセットで声高に叫んでいる動機は、スポンサーにいい顔をしたいからではなく、もっと卑しい理由からではないでしょうか。

新聞社は購読者が減って経営に苦労しているし、テレビ局は経費節減で黒字を出している状態ですから、法人税引き下げはマスコミ企業にとって命がけの主張でしょう。

その意向に沿って高額な年棒を貰っているコメンテーターやアナウンサーは必死で「日本の法人税は高い」などの嘘八百を並べているのです。つい数日前も年棒数億といわれる古館が深刻ぶって「法人税は高い」と述べている。そりゃあ、必死で嘘を言いますよ。このまま行けば、高額年棒の古館はお払い箱になるでしょうから。

2010.06.07 18:28 URL | 負け組みの矜持 #- [ 編集 ]

福田内閣支持率50%超に見る日本人の知性の劣化
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-458.html

菅内閣支持率6割超に見るB層愚民のどうしようもなさ というエントリを書いてほしいね(笑)

それはともかく、結局国民は政策の具体的な内容よりも、強いリーダーシップを発揮することを望んでいるのだな、ということ。今回も、電光石火で反小沢系人事を敷いたことと、支持率の高さは無関係ではありますまい。現実に最大派閥を排除して、どれだけのことができるか、なんとも言えないが。

どうしても気になるのが、玄葉政調会長。枝野幹事長などしょせん外向けであって、個人的にはこっちのほうがインパクトがあった。次期衆院選までに超党派で消費増税の合意をするなどと昨日言っていて、与謝野党のみならず、自民党の公約に消費税が出てきたこととも合わせると、やはり大きな方向性は出てきているのではないか。菅がこうした発言をまったく把握していないとも思えない。
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819499E2E4E2E2E58DE2E4E2E4E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2

2010.06.07 18:48 URL | 横田 #- [ 編集 ]

 M下S経で教えられたのか、皆さん同じような髪型に服装センスに喋り方。表情まで似ていて見分けがつきません。J民党が世襲党になって魅力が無くなったように、M下S経ばかりだと魅力に欠けるなあ。
 頭でっかちの畳水練が揃っても、選挙の海を泳げるのでしょうか?
選対A氏など早くも背の立たないところで泳ぐのは嫌と、二人区は一人に絞る縮小均衡で保身狙い。
 30年政治家をやって泳ぎも下手ではないK氏のこと、傀儡に祭り上げられたフリで選挙の様子見か?
 消費税増税&法人税減税なんて、M下S経とJ民党が連立しても無理では?
 神野直彦氏を理論支柱にStop the 消費税増税 & 天木直人氏を柱にStop the 沖縄の基地拡大。これで結構まとまると思います。攻撃は最大の防御です。

2010.06.07 20:40 URL | トホホ #/Amn5WiM [ 編集 ]

内閣府は去年の三月が景気の底だったという認識らしいですが、正直に言って、ずっと変わってない、いや悪化しているように感じてしまいますが
いまは日経が暴落して、ヨーロッパでの経済危機や粉飾決算でまた思わぬ形で影響がきそうです
ただヨーロッパ大陸よりもイギリスや中国のほうが状態はひどいのでは
ほかのサイトではアメリカの雇用指数も改善しているように見えて、実態は一時的に雇用があったりするとかいう書き込みもあったし
国勢調査だったかで雇われた人が大勢いたそうです

2010.06.07 21:11 URL | マイケル #- [ 編集 ]

民主党は所詮新自由主義政党だし、菅直人は経済に強くなくて、亀井静香とも喧嘩してたから、財務相に野田佳彦を持ってくるのは予想してました。前回のエントリで菅政権の経済政策に期待していない、財務相ポストも新自由主義系の人を持ってくるだろうと書いた通りです。

でも、このエントリは、菅政権の意図とは関わりなく、「金持ち増税を打ち出して嘘つきのマスコミと戦え」と書くことに意義があったのです。タイトルのインパクトで多くの読者に読んでもらうことが狙いでした。だって、政治に関する意見を主張するのに、読者が少なければお話になりませんからね。それで、ありったけの怒りを文章に込めました。もちろん、読者の半数から批判を受けるのは覚悟の上です。私の狙いは、ほぼ当たったといえます。

それから、私が社民党を買わなくなった理由の一つも、福島瑞穂党首が、菅直人同様経済に強くないことです。福島氏は、というか社民党は、連立政権を社民主義寄りに動かすことができませんでした。

菅、福島、亀井の三氏では、経済政策に関しては亀井静香がダントツでしょう。本当は、民主党代表選までのつなぎの総理大臣は亀井静香でもよかったくらいだと思っています。

2010.06.07 22:11 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]

亀井静香が、ゲバラを信望する経済左派だと
いうことや、事あるごとに
ネオリベに対し呪詛の言葉を吐く事は
よく知っていますが、
具体的に、法人税を上げる、消費税は悪、
軍事費を削減、等の発言はされてるのでしょうか?
ソースを出してください。
それがないのなら、財務大臣は
共産党の穀田さんとかが適任と思います。
いずれにせよ、今、いや昔から、
経済右派に対向するために
日本に最も必要なのは、共産、社民、
民主の経済左派が一つの党に合併し
まとまる事です。

2010.06.08 03:46 URL | 亀井 #- [ 編集 ]

私は枝野幸男について全く誤解していたようです。以下はウキペディアからの抜粋です。

経済・財政 [編集]
米国依存型経済からの脱却と、対アジア重視・内需拡大路線の推進を図るべきとしている。
福祉が経済の足枷だというのは誤った思い込みであり、介護や保育施設などの供給不足に陥っている分野へ財政出動することでサービス産業としての福祉は活性化するとしている。
社会福祉政策の充実によって将来不安を取り除けば日本の高い貯蓄の切り崩しは可能だとし、内需拡大の限界論に反論している。
格差の是正(所得の再分配)は、倫理的な意味からだけではなく経済成長の面から不可欠だと捉えている。それは、高い技術力を誇る日本の製造業(ものづくり)が中間層の優秀さと厚み(人口割合)によって支えられているという認識と、低所得者の所得上昇分は消費に回る割合が相対的に高いという見通しによる。
税による所得再分配の一環として、高額所得者への累進課税強化を主張している。
主に高齢者などの預金者への消費刺激策として、時期を選んだ上での金利引き上げを提唱している。
自ら財政再建論者と称し、将来的には社会保障政策への財源に充てることを条件に消費税増税は避けられないと公言している。
税制面の問題だけでは日本企業の海外流出は起きないとし、法人税の引き上げを主張している。
格差社会を推し進めたとして経団連を民主党の中で最も強く批判している。個人的な意見とした上で「経団連の社団法人認可は取り消すべきだ」とも発言している。(2008年4月19日・枝野幸男オープンミーティング「経済を観る新しい視点」)

なお、彼は松下政経塾出身ではありません。

2010.06.08 15:11 URL | 負け組みの矜持 #- [ 編集 ]

管理人さんはまえは四国にいて、今年から東京に移って、そこではネオリベが強いというような書き込みをしていましたが、自分がいま住んでいる石川県能登半島でも自己責任やネオリベが蔓延しています
財政再建やムダ削減というような感じの理由で、列車は穴水以北は廃止されました(一応はバスは代替で通ったいますが
総合病院もまた、さっき書いたような理由でどういう道に進むのかはまあまあ予想はできます
ただ、ネオリベがなかったとしても、日本が一気に成長していた時期から、都会や工業地帯に買われるような存在だったから、衰退は免れなかったとも
一応は歩いてもすぐの場所に地域振興とか言って、農園やどうとかホームとかいうのが出来ましたが、ほかの場所からやってきた人だけがいて、地元の雇用には全く役立っていないのが実情でしょう
それだけではなくて、農村にとってはほとんど最後に残された財産とも言える農地を奪ったようなものだし

2010.06.08 17:47 URL | マイケル #- [ 編集 ]

渡邊美樹(ワタミ代表)みたいな人間がウヨウヨいるようでは日本に期待は出来ない
ただ、いまは自己責任信者がひどい目にあっても、それこそ自己責任なんだから、助ける必要はないのではないかとさえ思っています
マネーの虎に出ていた勝ち組気取りな連中など相手にしては終わりでしょう
まあ大金持ちやDQNまがいの自称勝ち組にとって自己責任は使い勝手のいい倫理ですが、そういうものを受け入れている多くの日本人もどうしようもないとしか
本当にあれは単純に見えて、なんにでも悪用出来るし
社員が働いているから、上層や投資家がカネがもらえるということさえ理解出来ていないようです


本当は渡邊美樹とか長田百合子って名前聞いただけで(以下自粛

2010.06.09 22:19 URL | マイケル #- [ 編集 ]

朝日のネオリベぶりの酷さは、今日の社説でも全開でした。
勝谷のような連中に「仲間を苛めちゃいけないよ」と言いたいのですが、どこからともなく自分達に都合の良いことを持ち出すから厄介です。

国民投票法自体が憲法擁護尊重義務に違反する野の「話し合えばわかる」と欠陥法の推進を煽るとはどういう了見なのかと思います。

消費税増だって「お前らの広告収入がヤバイからだろうが」と言わざるを得ません。
法人税を下げて消費税増で財政は救えないのに。

「少数政党には振り回されないように」とは「どれだけ上から目線なんだ」と思います。自分達がファシズムに餌をくれてやるとは歴史に学んでいない証左と見なせます。

2010.06.09 23:02 URL | ヒイロ #a4p6rPzQ [ 編集 ]

ヒイロさん、

6月9日付朝日新聞3面は、永久保存ものの紙面かもしれませんね。

財政再建・消費税大増税キャンペーンの記事の横に、消費税増税政策を自民党と張り合え、少数政党に振り回されるなと書く社説。

何か、「朝日新聞がご主人様として振る舞える内閣ができたぞ、菅直人よ俺たちの言うことを聞け」と、朝日が有頂天になっているかのような紙面です。

財政再建・消費税増税特集を書いた記者の名前は伊藤裕香子、高田寛、星野真三雄の3人。朝日新聞政治部の記者なんでしょうか。覚えておくと良いかもしれません。

社説は、おおかた主筆の船橋洋一が書いたのでしょう。

勝谷は、船橋洋一の高校の後輩です。勝谷が『WILL』に連載している、朝日新聞の悪口を書いたコラムには、いまだに朝日の論説主幹が若宮啓文だなんて書いてありますが、若宮なんてとっくに論説主幹やめてるって。勝谷は、表向き朝日をけなしているだけでしょう。

2010.06.09 23:57 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]

政治と金の何の説明も無く、責任を取らないで逃げまくる民主党。菅総理大臣は福総理のとき、何もしないで寝ていた無責任な人である。子供手当ての満額支給断念民主党、無理ならばなぜ、外国人に金をバラマクのか。

2010.06.10 09:04 URL | 自民党の方がまし #JalddpaA [ 編集 ]

あの社説はひどいものでしたね。
船橋洋一は、まだ当分の間は主筆で居座っているのでしょう。

ところで、
私は以前、あるブログのコメ欄で、
日本の財政赤字の原因について、
ある人が、

>財政赤字は低い税金に比べて
>高い福祉予算と低成長のせいです

とのたもうていらしたので、

私は、以下のように反論しました。

『この点ですけどね、
まず、ここに1956年から2008年までの
日本の経済成長率の推移のグラフがあります。

http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/4400.html

次に
ここに、
1970年から2003年までの
日本の長期債務残高の対GDP比の推移の表があります。

http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/siryou/sy1503n.pdf

次に、
ここに、1970年から2008年までの
日本の国民負担率(税金+社会保険料の国民所得に占める
割合)の推移の表があります。

http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/siryou/sy1801n.htm

次に、
ここに社会保障給付費
(社会保障制度を通じて、
 1年間に国民に給付される金銭または
 サービスの合計額)
の国際比較(2003年度のOECD諸国比較)
のグラフがありますが、

http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2798.html

日本はOECD加盟国30か国中23位となっていまして、
社会保障給付レベルは下位に属していまして、
決して、高福祉高負担でも高福祉低負担でも無いことが
分かります。

以上紹介したグラフ、表を並べてよーく観察してみて
ください。

決して、
財政赤字の増加と国民負担率の増加が反比例している
ものではないし、
(つまり、国民負担が増えれば財政赤字が減るという相関関係は
 見られない)

また、
経済成長率が上がれば、財政赤字が減るという相関関係も
見られません。

例えば、
1973年のオイルショックで経済成長率がた落ちし、
1974年にはマイナス成長率を
記録してしまいましたが、
早くも1975年には+4.0%まで急回復しています。
以降1979年まで順調に経済成長していますが、
しかし同時に、
政府の長期債務残高の対GDP比は、21.1から43.7%まで急拡大。
この原因を、あなたは福祉予算のせいだとおっしゃるかもしれません。
しかし、そうだとすると、
1980年代に入り、財政再建路線に方向転換し、
老人医療費の有料化、健康保険の本人負担の引き上げ、
基礎年金の給付水準の引き下げが行われ、
国民負担率も、1980年から1989年にかけて
31.3%から38.4%にまで引き上げられ
(つまり、低福祉高負担へとシフトされた)、
なおかつ経済成長率も2.6%から6.4%まで伸びているにも関わらず、
長期債務残高対GDP比が80年代を通して右肩上がりで増え続け、
47.4%から60.8パーセントにまで膨張させたことの
説明がつきません。
小泉改革以降も増え続けています。
経済成長率は2001年のマイナス0.8%から2005年には
2.3%まで回復し、国民負担率も38%前後で推移し、
また、健康保険本人負担の引き上げ、障害者自立支援法、
後期高齢者医療制度など本人の負担を重くする一連の政策が
なされてきたにも関わらず、一向に累積債務は減りません。

よって、
ANDOROさんがおっしゃるような


>財政赤字は低い税金に比べて
>高い福祉予算と低成長のせいです

このような極めて単純化した相関関係は、
データを見ていくと、
的外れであることがわかります。』


『日本の経済が比較的好調だった1980年からの
10年間を見ても、
経済成長率は、2.6%からバブルの終わりには、
6%を超える伸びを示しています。
一方、この年代は、政府与党によって
財政再建路線へとシフトされた年で、
老人医療費の有料化、健康保険の本人負担の引き上げ、
基礎年金の給付水準の引き下げが行われ、
国民負担率も、1980年から1989年にかけて
31.3%から38.4%にまで引き上げられ、
社会保障給付率の伸び率も、80年には30%台の半ばだったのが、
終わりには20%前後まで低下しています。
にもかかわらず、長期債務対GDP比は、
80年には47.4%だったのが、80年代後半には
60%台の半ばに至ってしまっています。
つまり、
この年代は、国民負担率が増加し、社会保障給付が
抑制され、なおかつ経済成長は比較的好調だったにも
関わらず、財政赤字の拡大傾向はそのままでした。
ANDOROさんのおっしゃった1と2が原因であるのならば、
80年代は財政赤字が抑制されていなければなりませんが、
そうはなっていません。

少なくとも、データをどう見ても、

“1、低い税金に比べて福祉予算が高いこと”

これが財政赤字の原因であるという論拠は見出せません。
そもそも、
今さら私が説明するまでも無いことなんですが、
問題点は、企業にたとえれば、
採算の取れない部門に借金で得た金を
じゃぶじゃぶつぎ込んで、赤字が毎年拡大しているのに、
誰も責任を取らず、また責任が問われない
ヌエのような構造が出来上がっていて、
借金経営体質が染み付いていたことによります。
しかもやっかいなことに、
箱物だろうが道路だろうが、極めて甘い見通しで
予算がつけられた公共事業には、
そこに巨額の利権が幾重にも絡んでいたことです。
政治家が口利きし、予算をつけ、
天下り官僚が甘い汁を
吸っている中間組織が仕事と金を差配し、
談合業者、ファミリー企業が利益を貪り、
政治家に票と金を還元させる。
つまり、税金を食い物にしてきた階層がいるわけです。
そういう構造的な病巣がこの国を蝕んでいて、
それが結果的に、
好況期にも財政赤字を膨らませた要因なんです。
そして、その尻拭いは、
国民に更なる増税で支払わせる
という理不尽な末路になっています。
もし一国民としてここに憤慨を感じなかったら、
相当な馬鹿ですよ。』

2010.06.10 12:55 URL | フリスキー #iMBi6aSc [ 編集 ]

管理人様並びにフリスキー様、お返事を頂き感謝をします。
今後のためにも朝日の記者は覚えておきます。

「税収増の方法が消費税増一択になるのは、ふざけるな」というのはずっと変わっていません。
「企業が金を持っていないから法人税軽減と消費税増は当たり前」などとムキになって言う頓珍漢もいるので世話がないです。

2010.06.10 22:20 URL | ヒイロ #Ib5UFj1M [ 編集 ]

共産党の志位委員長へのインタビュー記事です。
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20100609-02-1201.html
現実的というか、自民や民主の新自由主義者たちより遥かに共感できますねえ。

2010.06.11 00:18 URL | 風太 #seTEoywg [ 編集 ]

管理人様、いつもご苦労様です。

私は最近、こんなブログ記事を書きました。

1990年から2009年までの法人税率・法人税収・一般会計税収・有効求人倍率(年平均)を掲載
http://kinki.air-nifty.com/kinki/2010/06/post-fc55.html

「消費税増税反対」を主張する日本共産党は財界・大企業の敵?ではなく企業への消費を応援する政党だと思う
http://kinki.air-nifty.com/kinki/2010/06/post-c67a.html

2010.06.11 23:10 URL | いくた@ブログ記事リンクを2つ #mQop/nM. [ 編集 ]

正直、
朝ナマで、田原さんが消費税増税が必要ですよねって、
しつこく設問している所、目あたりにして、
田原さんまで、マスコミに毒されていたのかと?
驚愕致しました。

(その設問の過程が、とても強引で、消費税増税以外に道が無い
という様な、本当に強引な手口でした。)

あの田原も、仕事が欲しいんだなって、
一般人なんだって思った瞬間でした。

管さんには、圧力に屈せず頑張って欲しいです。

2010.06.12 21:25 URL | かまぼこ #XmHeyEnw [ 編集 ]













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