きまぐれな日々

ブログに書くタイミングを逸していたのだが、先月21日に投開票が行われた長崎県知事選で、自公が支援した中村法道候補(前副知事)が、民社国三党が支援した橋本剛候補(元農水省官僚)を破って当選した。中村氏の当選後、「諫早湾開門に反対を表明した候補者」と報じられていたので、あれっ、そんなこと争点になってたっけ、と思って調べてみたら、何のことはない、元農水省官僚の橋本候補も、やや曖昧な表現ながら開門に反対の意思表示をしていた。

元農水省官僚で、諫早湾開門にも反対の候補となれば、これは魅力薄だ。しかも、選挙運動で「利益誘導」をしきりに匂わせていたという。これでは自民党候補と何も変わらず、この人と自公候補の事実上の一騎打ちだったら、それは自公候補が勝っても仕方がない。そう思った。

本エントリの記事を書くためにネットで調べてみたところ、民主党長崎県連は「開門調査」に反対しており、昨年夏の総選挙において長崎2区で初当選した福田衣里子議員も「即時開門」には反対の立場をとっていたことを知った。
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1194191152/170

なんだ、自民党と民主党といったって、しょせんは利権の奪い合いをする二大政党であって、政治に関して現在報じられているさまざまな事象のうちには、利権の移転という観点から見た時に腑に落ちるものが多いなと思える。

たとえば、エネルギー政策における原発への傾斜がそうだ。環境大臣の小沢鋭仁は、就任当初から「地球温暖化対策」を口実にした原発推進論者であることを表明していたが、資源エネルギー庁は、原子力発電所の現在の新設計画(14基)がすべて実現しても、2030年以降の20年間にさらに20基の新設が必要という試算をがまとめた(毎日新聞記事=下記URL=による)。
http://mainichi.jp/select/science/news/20100306dde035040022000c.html

「これはひどい」としかいいようのない試算である。『広島瀬戸内新聞ニュース』は、さっそくこれを取り上げて批判している(下記URL)。
http://hiroseto.exblog.jp/12267047

はっきり申し上げて、まず「原発新増設ありき」の作文としか言いようがありません。

例えば、遠くの原発ではなく、地域の発電所から電気を供給するようになれば、送電のロスも削減できます。
地域の雇用も増えます。

「電気の地産地消」などということは、資源エネルギー庁のお役人は全く考えないのでしょうか?

こんなものを、政権のエネルギー政策としてそのまま実施してはいけないと思います。


官僚がこんな馬鹿げた試算を出すから、「地球温暖化陰謀論」なんかが大手を振ってまかり通るのである。温暖化対策の問題と原子力発電の是非を問う問題をリンクさせて論じなければならないと主張する識者も少なからずいるのだが、その声はいっこうに広まらない。環境・エネルギー問題は、当ブログでもたまに取り上げるが、それらのエントリはブログの中でも特にアクセス数の少ない不人気エントリになる。つまり読者の関心も低い。

しかし、鳩山民社国政権が本気で日本の政治・経済・社会を立て直すつもりがあるのであれば、こんな試算を政策に反映させてはならない。

まず第一に、いうまでもなく地震国日本でこれ以上原発を増設することの安全性の問題がある。第二に、原発は高コストのエネルギーだということで、それなのになぜ原発建設が推進されてきたかというと、それが自民党政権の定めた国策だったからだ。そこには、当然ながら政官業の癒着構造がある。具体的に書くと、「官」の中心は経済産業省であり、「業」は電力会社や大手電気会社である。それを、一方で事業仕分けなどをやっている政権が見直さないどころか、さらなる原発増設に踏み切ろうとするとはとんでもない話である。地域ごとの大きな電力会社が発電、送電、配電のすべての事業を独占している現在のシステムは、大昔から問題視されているにも関わらず、今まで手つかずだった。規制緩和、規制緩和と叫び続けた自民党政権は、なぜか電力の自由化には手をつけなかった。そして、今また官僚や電力会社は、民主党の政治家たちに対して、「お前らも利権にありつけよ、おいしいぞ」と誘いをかけている。

鳩山政権は、こんな馬鹿げた官僚どもの試算など退けて、民主党のマニフェストにも謳った自然エネルギー(再生可能エネルギー)の開発に注力すべきなのだ。地産地消の自然エネルギーの意義については、『広島瀬戸内新聞ニュース』が指摘する通りである。

普天間基地移設問題に絡んでも、利権の匂いがぷんぷん漂う。1月24日に投開票が行われた名護市長選で、辺野古への移設に反対した稲嶺進氏(民主、共産、社民、国民新、沖縄社会大衆、そうぞう推薦)が当選した時には、これで辺野古沖現行案は消えたと思われたが、選挙の直後から平野博文官房長官が「選挙結果を斟酌(しんしゃく)しなければならないという理由はない」などという不遜な言葉を吐いて雲行きが怪しくなり、先月には国民新党の下地幹雄が「辺野古陸上案」を突然持ち出すなど、予期に反して県内移設への圧力が一気に強まった。これに関しても、下地幹雄が官業側に利権をちらつかされて寝返ったことが容易に推測される。

先週末にブログ『世に倦む日日』が、「普天間移設は、亀井静香がキーパーソンであり、現在は亀井静香が県内移設を容認しているから平野博文を止められずにいるが、亀井静香を説得して県内移設反対に転換させれば県内移設は阻止できる」という趣旨の主張をしていた(同ブログは一定期間が経過すると記事は有料購読読者しか読めなくなるので、現在はリンク先から亀井静香に関する記述を参照することはできない)。

これを読んで、そういえば脱ダム問題でも亀井静香は劇的な方針転換をしたことが、天野礼子氏の著書『ダムと日本』(岩波新書、2001年)に書かれていたのを思い出した。

それで、天野さんはどうやって亀井静香を動かしたのだろうと思って同書をパラパラめくってみると、天野さんは従来の自然保護運動は公害時代からの「アカ攻撃」にやられてきたと考え、名環境庁(現環境省)長官といわれた故鯨岡兵輔氏(1915-2003)と故三木武夫元首相夫人の三木睦子氏に働きかけ、鯨岡氏を中心として自民党から共産党までの超党派で「長良川河口堰問題を語る議員の会」(田英夫=社民連=事務局長)を成立させ、建設省(現国土交通省)と相対していたことを確認した(前掲書88頁)。その活動に、建設大臣時代の亀井静香が目を止めたのだった(同138-139頁)。

つまり、天野さんは周到な活動をしていたわけだが、そこまでせずとも、2008年の「麻生邸リアリティーツアー不当逮捕」の際にも、フリーター労組側の意見を聞いた亀井静香が、これはやりすぎだ、と判断して、当時の警視総監に抗議した例がある事例を、やはり『広島瀬戸内新聞ニュース』が紹介している(下記URL)。
http://hiroseto.exblog.jp/12261890

そういう機動力のある動きができるのは、亀井静香というキャラクターによるところが大きく、天野さんの本を読み返していると、頼りにしていた村山富市元首相(社会党=現社民党)や故野坂浩賢元建設相(1924-2004)らには散々に裏切られたことや、同じ現国民新党の政治家でも、綿貫民輔国民新党前代表(昨年の総選挙で落選して政界引退)が国土庁(現国土交通省)長官時代に天野さんが働きかけた時は、長良川河口堰建設反対の意見に耳を傾けるような反応を示したのに、翌年河口堰の建設が始まったばかりか、綿貫氏自身が建設大臣に就任したという例もある(前掲書139頁)。そうした人たちと対比しながら、天野さんは亀井静香について、「こいつは(失礼)、男だ」と感じたと述べている(前掲書139頁)。

他の事例(亀井静香の死刑制度への反対論やJALキャビンアテンダントの待遇問題)を考え合わせても、普天間基地の県内移設に反対する人々は、単独で意見を発信するだけではなくて、力を合わせて亀井静香国民新党代表に働きかけるのが上策ではないかと思う。『なごなぐ雑記』の宮城康博さん、いかがでしょうか?
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普天間基地移設問題は沖縄返還協定に基づく密約で自由使用が保証された訓練施設の存在と切り離しては解決不可能なのです。
日本では沖縄密約を有事の「核持ち込み」と返還に伴う経費の肩代わりを秘密合意した事で騒がれて来ましたが米国側が返還交渉に際して最大の懸念としたのは米軍基地施設区域の自由使用が従来通りに継続可能かどうかでした。
従って米国側は「核抜き本土並み」の前半部分で日本側の面子を立てて自由使用の部分で米軍の行動を制約しないと言う「名を捨てて実を取る」事に成功したのです。
これが沖縄の米軍基地問題の原点であり米軍基地施設区域の無期限自由使用で沖縄県民の基本的人権を否定して来た日本政府の責任です。
政権交代を成し遂げた民主党政権が真っ先に取り組むべきは戦後65年が経過した米軍基地施設区域の使用期限を米国に対して交渉する事です。
この様な沖縄基地問題の本質を見ずに心情的に普天間基地の県外、国外移設と騒いでも米国との交渉は不可能なのが現実です。
詳しくは私のブログを御参照下さい。
http://isao-pw.mo-blog.jp/isaopw/

2010.03.08 21:16 URL | isao-pw大城 勲 #eyeH7ohU [ 編集 ]

地産地消のエネルギーと言いますが、自然エネルギーとして当面の間現実的なのは太陽光発電しかないでしょう。
しかも、太陽光はエネルギー出力の変動が大きく、それこそ米国が推進するスマートグリッドとの組み合わせが無い限り、大規模化は難しかったと思われます。
他の自然エネルギーに関しても、地熱、バイオ燃料、風力、潮力等々、それぞれ温泉との競合や低周波騒音問題、漁業補償との兼ね合いなど問題山積な上、火力発電と比較してコストパフォーマンスは大幅に劣っているはずです。

太陽光発電は、試算してみれば分かりますが、大規模火力発電所一基と同等のエネルギーを得るのに、最低でも数平方キロの土地と莫大な量のシリコンを必要とします。

まあ、エネルギーの安全保障の観点からは、大幅にコストが高くなったとしても、太陽光発電に税金を投入するのは選択肢の一つではあると思いますけどね。

鳩山さんは原発推進論者のようですが、やはり経済界からの圧力があるのでしょう。

原発推進明記で調整へ=温暖化対策基本法案-政府
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2010030800938

社民党がこれを了承すれば、党の存在意義に関わりますが・・・。

2010.03.09 01:32 URL | 弥生 #pYrWfDco [ 編集 ]

 ど~でもいい話ですが、今日札幌にある専門学校に行く途中、ワゴン車に赤い布地に白抜きで‘革マル派’と書かれた布地を張った壇上で検察の横暴による民主党政権潰しを批判する演説が行われていましたが・・・、
‘革マル派’はマズイんじゃないでしょうか??

2010.03.11 01:17 URL | とうとう、昭和の歴史が終わ、ぁぁった・・・ #- [ 編集 ]

せっちー
「だろ?俺様は単純なように見てる奴が多いのは残念だわな。
同じ警察庁出身でもアメリカのご機嫌伺いしかできない平ナントカとは違うのだよw
辺野古の陸上案?あんなのアドバルーンに決まってんだろ。
マジレスしかできない奴等が多すぎたぞ。
それと野坂浩賢なあ…連立で一緒だったが、
あれは95年の参院選だったなあ。岩手で地元ゼネコンに向かって、
『自社さを支持しないと冷や飯食わすぞ!』って脅迫してたなあ。
いくら社会党で冷や飯食ったからってそりゃのぼせ過ぎだって思ったもんだよ」

2010.03.11 21:08 URL | 観潮楼 #- [ 編集 ]

公務員の労働組合加入者は、生活費のことに真剣に悩まなくても良いでしょうが、少子高齢化や過疎化に悩む地方は大変です。
原子力発電所が唯一の地域活性化の望みの綱なのです。
だから、地元以外の人は原発建設の妨害をしないでください。

どうしても原発反対をするなら、原発を作らせないことにより困る人に経済及び町づくり有効な援助が必要です。

嘘だと思うのなら、原発建設予定地に永住してください。
仕事はありませんが、地域が喜ぶように地域の未来が広がるように、お金を沢山持って、学校の子供が増えるように子供をたくさん連れて移住してください。

2010.11.07 08:56 URL | 被害者の地元救済 #Sq9oM5Os [ 編集 ]













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