きまぐれな日々

昭和天皇の件に関する7月20日の日経新聞のスクープ以来、日本中が靖国で大騒ぎになっているが、今日は最近の新聞の社説の比較でお茶を濁すことにする。

7月21日付の各紙社説の比較は、「森田実の時代を斬る」(7月24日付)でやっていて、二番煎じなのだが、22日以降の各紙社説も取り上げることで違いを出そうと思うので、それで勘弁して欲しい。

なお、取り上げる社説は、靖国および総裁選に関するものだけに限ることにする。

まず朝日新聞。
7月21日付 「A級戦犯合祀 昭和天皇の重い言葉」
7月22日付 「日経に火炎瓶 言論への暴力を許すな」
7月23日付 「自民総裁選 安倍氏独走でいいのか」
7月25日付 「靖国参拝 総裁候補は考えを語れ」

まあまあまともな社説が続いている。一時の、翼賛紙と化したかと思われた頃よりは、いくぶんましになった。特に日経新聞社への火炎瓶投げ込みを社説で取り上げて批判したのは、全国紙では朝日一紙だけであり、これは高く評価したい。

次に毎日新聞。
7月21日付 「昭和天皇メモ A級戦犯合祀は不適切だった」
7月23日付 「福田氏不出馬 ああ幕開け前に決着ムード」
7月24日付 「首相の靖国参拝 世論も反対が増えている」

この中では、24日付の社説における、下記の部分に注目したい。
『昭和天皇の考えが明らかになったからではない。私たちはかねて終戦記念日に限らず、首相の靖国参拝にさまざまな観点から反対してきた。』
(毎日新聞 2006年7月24日付社説)

これは特筆すべき社説だと思う。
「昭和天皇が不快感を持ったから」首相の靖国参拝に反対、という論理ではダメなのだ。この論理で批判してたら、いつか足元をすくわれると思う。
たぶん、仮に今年8月15日に小泉が靖国参拝を強行した場合でも、(あまり想像したくはないが)安倍が次期総理大臣になったなら、当初は靖国への参拝を見送るなど、羊の皮をかぶるだろうと私は予測している。そうなった時、「昭和天皇が不快感を持ったから」という論理では、安倍への攻め手を失ってしまうのだ。靖国問題の本質はそんなところにはない。毎日の社説にもあるように、A級戦犯合祀の他にも、政教分離の問題もあり、これらについて、今後議論を深めていかなければならないことだと考えている。
そういう意味でも、これは良い社説であると思う。
次に中日新聞(東京新聞)。

7月22日付 「昭和天皇発言 『合祀問題』への一石」

この一本だけである。それも、朝毎読と日経・産経が21日付で取り上げたのに対し、一日遅れている上、論調もいまいち歯切れが良くない。
朝毎読と比較して賞賛されることの多い東京新聞だが、ちょっと変調をきたしているのでなければ良いのだが。

スクープをものした日経はどうか。

7月21日付 「昭和天皇の思いを大事にしたい」
7月23日付 「政策論争が尻すぼみになっては困る」

朝日・毎日同様の首相の公式参拝反対論に立っている。スクープとの整合性を取る上でも当然なのだろうが、日経としては意外な論調ではある。

お待たせ(笑)の産経は、こんな調子。

7月21日 「富田長官メモ 首相参拝は影響されない」
7月23日 「福田氏不出馬 国論を論じてほしかった」

7月21日の社説で、「小泉純一郎首相は富田氏のメモに左右されず、国民を代表して堂々と靖国神社に参拝してほしい」と堂々と主張している強情さには、ある種のほほえましささえ感じる。
それでも、7月23日の社説で、首相の靖国参拝賛成の立場から、反対派の福田氏に議論を求めていたのは、それなりに筋が通っている。

さて、最後に読売新聞である。

7月21日付 「靖国参拝をやめた昭和天皇の『心』」
7月23日付 「『靖国』争点化を避けた重い決断」

7月21日付社説に関しては、森田実氏が書かれているように、「小泉首相の靖国参拝問題には触れず、逃げている」。
それ以上に異彩を放っているのが7月23日付の社説で、読売以外の各紙が、首相の靖国公式参拝賛成派(産経)も、反対派(朝日、毎日、日経)も、いずれも議論を求めているのに、読売だけが、

『無論、靖国参拝問題には、賛否両論がある。だが、実質的に次期首相を決める総裁選で靖国参拝問題をめぐる声高な論争を展開し、自民党内での対立を先鋭化させれば、どうなるか。
中国の様々な牽制(けんせい)や揺さぶりが予想される。結果として、中国が政治カードとして利用することを助長し、次期首相の対中政策も制約する恐れがある。そうなれば日本の国益が損なわれる。
福田氏はこうした事態を招くことを懸念したのだろう。』
(読売新聞 2006年7月23日付社説)

などと書いて、福田の決断を高く評価しているのである。

読売新聞の社論は、今もナベツネこと渡邉恒雄が決めている。

なんだか、すごく匂うではないか。

(おまけの情報)
上記の記事とは何の関係もありませんが、「週刊現代」(8月5日号)が、久々に野口英昭氏怪死事件を取り上げています。記事自体に新材料はありませんが、野口氏の死に暴力団が関与している可能性を指摘しています。
関連記事
スポンサーサイト

TB送ったのですが、反映されないようです。もしかして、英語のスパム攻撃を受けていて、TB禁止モードにしてますか?

2006.07.26 17:44 URL | 美爾依 #- [ 編集 ]

美爾依さん
また弊ブログがTB受けつけずですか。この件、よく言われますが、特に何もしてはいません。
TBはだめでTBSは731部隊ですか。石井部隊の人体実験の件ですよね。記事楽しみにしています。
TBSの画面にはヒューザーの小嶋も映ってたらしくて、もしかしたら安倍へのささやかな抵抗なのかもしれないけど、そんなことより「NEWS23」で堂々と「統一協会に祝電を送る安倍晋三」の映像を流してほしかったと思います。

2006.07.26 20:26 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]













管理者にだけ表示

トラックバックURL↓
http://caprice.blog63.fc2.com/tb.php/102-5e39604a