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きまぐれな日々

すっかり更新間隔がまばらになってしまった当ブログだが、旧「政権交代ブログ」の興味の的は、日本郵政の社長人事らしい。しかし、この件には私はたいした興味を抱くことはできない。だって、郵政民営化の見直しだの反対だのって、あの平沼赳夫や城内実でさえ言っている、というか彼らは他にはたいしたことを言っていないのだが、彼らにさえ正論が吐ける議題でしかないからだ。もちろん、顔ではニヤけながら腸を煮え返らせている竹中平蔵が吐く捨て台詞などは論外だけれども、この問題は連立与党が公約通り粛々と進めてくれれば良いだけの話だ。

それより問題なのは、わが国の貧困率が15.7%に達し、自殺者が年3万人を超え始めた1998年以降をとっても最悪に達した(2007年)ことであり、それにもかかわらず、財務官僚の意を受けた鳩山内閣が、母子加算を復活するから、高校等就学費や学習支援費を廃止しようなどとしていることだ。

小沢一郎や植草一秀とともに、鳩山由紀夫を「政権交代の三種の神器」として崇め奉っていた人たちの間では、鳩山由紀夫首相への批判はタブーらしく、明らかに小泉純一郎内閣発足当時を思わせるような緊縮財政政策を志向している鳩山内閣に対する批判は弱いし、数少ない批判者も、平野博文官房長官や藤井裕久財務相への批判はしても、鳩山由紀夫首相に対する批判は抑え気味だ。しかし、菅直人の就任が有力視されていた官房長官に平野博文を選んだのも、小沢一郎との緊迫したやりとりのあげく、小沢が極めて強く抵抗していた藤井裕久の財務相就任を強行したのも、いずれも鳩山首相だった。そして、なんといっても8年前の小泉純一郎内閣発足当時、小泉と「改革」の先鋭さを競う方針を打ち出したのは、当時も民主党代表を務めていた鳩山由紀夫なのだ。その時と今で、鳩山首相は何も変わっていないと私は思うし、このざまではマスコミの言うような「民主党発の不況」が本当に深刻化しかねないとも危惧する。

政治家としての力量だけで言うなら、総理大臣は鳩山由紀夫より菅直人の方がよっぽど良かった。だが、もし菅直人が総理大臣であれば、マスコミの政府への集中砲火は現鳩山首相へのそれとは比較にならないほど熾烈なものになっただろうと思われる。それを考えると、どちらが良かったかは一概には言えないのだが、少なくとも鳩山政権の経済政策に大した期待ができないことは間違いなさそうだ。

鳩山内閣以上にどうしようもないのがマスコミで、彼らの頭にあるのは財政再建と消費税増税だけと言っても過言ではない。マスコミの意向を気にするのは昔からの民主党の習性だが、ある意味藤井財務相が今のような方向性をとるのも、マスコミの後押しがあるからだといえる。特に、藤井氏を財務相に起用するかしないかで鳩山由紀夫と小沢一郎がもめていた時、テレビ朝日『サンデープロジェクト』司会者の田原総一朗が、藤井財務相を実現させるために渾身の力を振り絞っていたのを見て、なんだこいつ、と思ってしまった。

ところで、しばらく前に、民主党政権と自民党町村派の政策の類似性を指摘して、今年1月に『日経ビジネス』のコラムに載った神野直彦東大教授(当時。現関西学院大学教授)のインタビュー(下記URL)にリンクを張った非公開コメントを送ってきた読者がいた。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090105/181859/

当ブログの継続的な読者であれば、私がしばしば神野教授の論考をブログで紹介してきたことをご存じのはずで、今さら神野氏の論考をもって私を説得する必要などないことくらい了解していることと思う。なぜこのコメント主はコメントを公開にしなかったのかと訝る次第だが、実はこのコメント主はコメント中で消費税増税を否定しない、というよりブログ主の私に対して、暗に消費税増税肯定の立場に立てと促す立論をしていたのである。つまり、当該コメントが公開されれば、当ブログの読者から批判を浴びることは確実だった。それが嫌でコメントを非公開にしたのだろうと私は推測している。

具体的には、コメント主は

「雇用創出のための公共投資」なんて小さな話ではなく、しかるべき政府の役割を認めて、出すべきところには金を出し、その財源として応分の負担を求めるというのが正しい左派のありかたのはず。それが消費税であるかどうかは、本来小さな話にすぎない。

などと書いていたのだが、実はこれは、神野教授の主張とはかけ離れているのである。

神野教授は、著書『財政のしくみがわかる本』(岩波ジュニア新書、2007年)の中で、次のように書いている。

(前略)国民からとりたてた税金を、国債の借金返しに使えば、一般の国民から税金をとって豊かな人々にお金を配分してしまうという現象になるのです。

 現在日本でおこなわれようとしている、財政再建のために消費税を増税しようという政策は、この典型です。なぜなら、消費税は負担が逆進的で、貧しい人に負担が大きく、豊かな人に負担が小さいからです。税金で貧しい人々に負担を求め、国債を持っている豊かな人々にお金を配分することになるわけです。

 つまり、本来の財政は、国民のお金を右のポケット(豊かな人々)から左のポケット(貧しい人々)に移すのが役割なのですが、財政再建のための消費税増税では、左のポケットからお金をとって、右のポケットに押しこむという逆再分配が行われる危険があるということです。

(神野直彦 『財政のしくみがわかる本』 (岩波ジュニア新書、2007年) 137頁)


つまり、神野教授は「応分の負担を求めるというのが正しい左派のありかたのはず。それが消費税であるかどうかは、本来小さな話にすぎない」というコメント主の主張とは真逆に、所得の再分配という財政のあるべき姿に反する消費税増税という手段によって財政再建を図ってはならないと主張しているのである。

コメント主は、偉そうに「神野直彦氏の以下の言葉をかみしめるべきであろう。」などと書きながら、前記『日経ビジネス』のコラムから、次のような神野教授の発言を引用している。

―― 国と国民の信頼関係が失われている日本は悪循環に陥っていますね。

 神野 正直なところ、今の国民が言っていることはよく分からない。メディアを含めて、「増税をするなら歳出を削減しろ」と言う。普通、公共サービスは国民の生活を支えるのに必要なものでしょう。そう考えると、多くの人は「必要な公共サービスを減らしてくれれば、負担増に応じる」と言っていることになる。

―― …まあ、そういうことになりますね。

 神野 それからさ、「財政再建のための増税に応じる」と言う人も多い。財政再建なんだから、サービスは増えませんよね。つまり、「サービスが減るか、同じだったら負担増に応じてもいいけど、サービスを増やすのは嫌だ」と言っていることになる。こういう考え方は普通あり得ない(笑)。どうなっているのか分からない。端的に言ってしまえば、民主主義が機能していない。

(『日経ビジネス』 2009年1月8日付 「この国のゆくえ 危機の今こそ考える」掲載 「手厚いセーフティーネットが強い国を作る」より)


この神野教授の言葉をかみしめるべきだ、というコメント主の主張に私は大賛成である。昨今の、歳出を削減しろとばかり民主党政権に迫るマスコミ報道ほど私を苛立たせるものはない。マスコミは、鳩山民主党政権に「小泉改革路線に再帰せよ」と迫っているのであり、それに便乗して「小さな政府」路線を走ろうとしているのが財務官僚、平野官房長官、藤井財務相、そしてほかならぬ鳩山首相その人なのである。これでは、失われた27年(俗に「失われた10年」とか「失われた20年」などといわれるが、私は日本における新自由主義の創始者・中曽根康弘内閣の発足時を起点とすべきだと考えている)をさらに継続せよ、と言っているようなものだ。政府支出を悪、財政再建を善と決めつける神話自体が間違っているのだが、いったいこのことを何度言えば良いのだろうか。財政再建は好況時にこそやるべきものであって、不況時には積極財政が欠かせないのである。応急的な諸施策とともに、長期的には「グリーンニューディール」への注力が絶対に欠かせないが、新自由主義に反対しているはずのネット左翼が、「真正保守(笑)」と共闘して「地球温暖化陰謀論」などを唱えて、グリーンニューディールに水を差す愚行を演じる。そして、「左派は人々に応分の負担を求めよ」などと言いながら、当ブログ管理人に「消費税増税を主張せよ」と迫って、あつかましくもそれとは正反対の主張をしている神野直彦氏の発言を引用して当ブログにコメントしてくる人間もいる。冗談ではない。神野教授も指摘しているように、所得の再分配は財政の大きな任務なのである(前記『財政のしくみがわかる本』の第4章を参照)。まるで、わが国で「政治に関心のある」人々の多くは、寄ってたかって日本を没落させようとしているかのようだ。「応分の負担を求める」べき相手は富裕層である。新政権は「大きな政府」の方針を鮮明にして、現状応分の負担をしているとはとてもいえない富裕層に「応分の負担」をしてもらい、本来得べかりし所得を手にすることができていない貧困層に所得を再分配しなければならない。そうしない限り、日本経済が再び浮上することはない。

まさにこのエントリを書き上げようとしている今、葉隠さんからタイムリーなコメントをいただいたので、これを紹介して今日のエントリの締めにしたいと思う。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1006.html#comment7769

公共事業そのものは悪ではないと思いますよ。
問題は優先順位。
一律に公共事業を削減する大愚策により 地方経済は疲弊しました。

老朽化したインフラが全国で沢山あります。もっと、生活に密着した分野に投資すれば内需拡大を図ることができます。

田中角栄氏を批判する方もいますが、私は『政治の本質は利益誘導』だと考えています。

70年代に求められたことと現代に求められることは違いますが、税金をいかに適正に再配分するかの本質は変わりません。

2009.10.22 23:46 葉隠


そう、再分配こそ財政の肝なのである。それを、「バラマキ」などという言葉を用いて非難するのは、日本を滅ぼしたい国賊の新自由主義者である。


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管理人さん、エントリーで拙いコメントを取り上げて頂きありがとうございます。

国家の再分配機能は強力な分、方向性を間違うと単なる略奪と変わらなくなりますよね…
戦時中の国家総動員法体制下の日本をイメージされるとわかりやすいでしょうか…

私は、過去における新自由主義と新保守主義の台頭の背景には、国家による再配分機能への根強い不信感があったと考えます。

共産主義も自由放任主義も国民を不幸した思想ですね。

国家が信頼されるには、限りなく自らに厳しい規律と透明性、そして公平性を実現されなければいけないと思います。

北欧の諸国はそれらの問題を長い時間をかけてひとつづつクリアしていきました。日本も今からでも 始めなければなりませんね…

2009.10.23 01:24 URL | 葉隠 #CRmGiUQU [ 編集 ]

 お久しぶりです。
 さて、発足1ヵ月の鳩山政権を見ていると、おっしゃる通り、藤井財務相を筆頭とした、古くからの「財政健全化路線」に傾いている閣僚が複数いるのは間違いないところ。
 また、マスコミも、マニフェストの内容を織り込んだら93~95兆円にもなるという概算要求に対して、「財政健全化路線」の立場から報じているものが多いように見られます。
 自民党が、コイズミ以降社会保障を削りまくり、社会がガタガタになったことを振り返らず、「税収が足りない」>「赤字国債発行は良くない」>「消費税上げをしろ」という、財界の言い分に沿った行動をし、本質的な財源論や歳出見直しもしないまま、安易な消費税増に動こうとしたことも、政権を失った一つの原因でしょう。

 今のところ、鳩山政権は消費税の話は出していませんが、それ以外の部分では、前政権と似た動きをし始めているように思います。

 歳出が膨らむなら、財源を探すか増税。この考え自体が間違っているとは言いませんが、増税が消費税に限られているのはどうしてでしょうね。
 大本営発表で、イザナギ景気越えの好景気を享受したはずの財界から、出すべきものを出してもらうべきだと思うのですが。
 その間、1年を除いて10年間も、個人所得は下がり続けていたのですから、国民の懐を狙った、逆進性のある消費税の増税は、行うべきでないのは間違いないところです。
 今、特別会計に切り込もうとしているのは良いのですが、結果が見えない。そのうえで財源が足りない時、儲かっている企業のみに絞った企業増税をまずするべきではないでしょうかね。
 社会保障で給付を増やしたのだから、消費税増税してもOKという論は間違っているでしょう。

 あと、以前から感じているのですが、「国家の貸借対照表」を、政府からきちんと示してもらえないでしょうかね。あるのかもしれませんが。
 世の中には借金が多くても健全経営をしている企業はあります。もちろん借金が無いのが理想ですが、そうでなくても、国家の目的=国民の利益の増大、に資するなら、借金もあっても良いと思うのですが。

2009.10.23 08:09 URL | 眠り猫 #2eH89A.o [ 編集 ]

貧困拡大の原因は、デタラメな教育政策です。
受験競争で時代遅れの知識を詰め込まされ、世界最低となった大学に進学すれば、生活に困窮し自殺者が出るのは当然です。
各地の母親グループやPTAが「『おバカ教育』の構造」(阿吽正望 日新報道)を読む活動を始めたのは、教育の危険に気付いたからです。
すべての子供に、不登校、引きこもり、ニートとなり、犯罪や暴力に巻き込まれたりする危険があります。すべての親にとって、子供が低所得者となり、結婚できず、ホームレス、ネットカフェ難民になることが、現実の問題となり始めています。
そのため、子供を守り、家庭を守り、生活を守るために、教育システムを根本改革しなければならないと、多くの人が気付きました。
教育の改革を求める親や若者の行動は、全国に拡大していきます。
なぜなら、質の高い教育を受けることが、生存に必要な時代となったからです。必要が、発明も革命も生み出します。

2009.10.23 08:26 URL | 暇人 #mQop/nM. [ 編集 ]

んー、国が公共事業を差し止めした程度で地方が疲弊してしまう、そのこと自体が本来 異常なことなんだ、と私は思うんですけどね。

実際、国からの補助金を余らせないために、地方の役所が無駄な道路工事や職員の細々した慰労に当てたりする(最近じゃ千葉県が多額のあぶれ金を不正処理してたりする)事例が多数あります。
国に関しては赤字国債などを出していっぱいいっぱい。
然らずんば地方はというと、、、、注目度が低いのか、「政治とは 三軒向こうを 語るもの」みたいな精神が皆さんおありなのか、あまりその予算配分について語られていない感じがします。(全国区であるネットで、ローカルな話題を持ち出す遠慮が皆さんにおありなのかもしれない)

鳩山民主党の方針としては、方向性として地方分権は目指しつつ、とりあえずの拠出金は国が持つ、ということであるように思われます。
現在 問われているのは、その鳩山民主党がとりあえずの財政支出で下支えをしている(していられる)間に、
地方自治体の無駄な予算配分(隠れあぶれ補助金、またその積み重ね分)を如何にして福祉に向けさせえるか、
また予算配分の無駄を削って必要な福祉にそれを当ててなお財源が足りない場合、

『地方として』どのような財源(各々の地方地域独自の税徴収も視野に入れる)を考えるか

という、いよいよ我々の身近に差し迫ってきた問題を語る時期に来ているような気がします。

いずれにせよ、全国一律の消費税というのは地方地域の格差のバラツキを調整できる代物なのかというと、これまでを見てるとどうもそうではない、
かと言って地方税を増やすのか否か、増やすとしてどういう形を取るのか、
これも地方政治をきちんと地方地域の方がチェックする意識を世間の風潮としてしっかり根づかせてからでないと、地方代議士や地方役人がこの機に乗じてめちゃめちゃやる可能性があって怖しくもあるんですが、
全体の話の流れとしては「中央は決断した!今度は地方地域が自分たちの身の振り方をどうするのか、考える番だ!」という流れになりつつあるのかな?と思います。
国民新党あたりはこういう流れをいかにも嫌いそうですが。(印象として親方日の丸、「良い談合」推奨、中央集権持続を望んでる気がする)

2009.10.23 10:04 URL | 朱の盤 #XQYq98OQ [ 編集 ]

せっちー
「まったく、俺様が『削る一方じゃ寒々しい。
スクラップアンドビルドが必要』って言ったのをちっともわかってないな。
いいか!要はメリハリなんだよ。
高速にしたってこっそり4車線化の予算カットしたが、いい例だよ。
未だに4車線ばっかりと思っている連中がいるが、今は2車線ばっかりで
国道のバイパス以下の所で金取って走らせてんだよ。
しかも冬に中央分離帯も無いところでスリップしてみろ。
一発で重大事故じゃないか。だから安全のコストは必要なんだ。
こんな机上の空論ばっかりじゃ本当に寒いことになるぞ。
そのためにはどんどん噛み付いていくつもりだ」

2009.10.23 12:41 URL | 観潮楼 #- [ 編集 ]

>老朽化したインフラが全国で沢山あります。もっと、生活に密着した分野に投資すれば内需拡大を図ることができます。

>田中角栄氏を批判する方もいますが、私は『政治の本質は利益誘導』だと考えています。

話が抽象的で意図するところが分らないのですが、「老朽化したインフラ」に利用者が多数いるのであれば、予算の制約、優先順位はあるでしょうが、修理すべきでしょう。公共事業の必要性とはちょっと違う次元の話と思います。
そしてそれが「内需拡大」に結びつくかどうかは一般論では言えません。これまでの公共事業がそうではなかったことが、日本を貧しくした根本原因です。穴を掘ってそれを埋める作業に何百兆円も使っていればどんな豊かな国であっても確実に貧しくなります。

ポイントは「内需拡大」に結びつく公共事業は何かでこれが一番難しい。地方は「道路は産業の基盤」という抽象的な言辞を振りかざして道路を作ってきたが、産業の基盤となった試しはない。立派な道路ができただけだ(もちろん地方には本当に道路が必要な地域もあるだろうが、それは景気対策とは別の話だ)。

管理人さんの言われるグリーンニューディールがどれほど効果があるかは分りませんが、あることを祈ります。今、世界中で投資先が不足しています。食料、資源、エネルギーが投資商品となっているのは最悪です。

それから「政治の本質は利益誘導」と主張される方がいます。その側面は否定しませんが、その通りになると、議員定数が平等になると地方にはお金がいかなくなります。
そして私が田中角栄氏を批判したのは、田中氏の利益誘導は自分に向けられたもので地域に向けられたものではないところです。公共事業を呼び込んでも土建型のそれでは新たな投資に結びつかないので地域発展には役立たないのです。一時的な雇用は生みますが、旧新潟3区はずっと貧しいままでした。

2009.10.23 15:41 URL | TY #- [ 編集 ]

御批判のコメントありがとうございます。

公共事業不要論の前提になっているのは、ハコ物を作り続けていることにあると思います。

これから急がないといけないのは、生活に密着している分野です。公立学校の耐震化補強、バリアフリーの強化、地域における拠点病院を増加させること、一般道におけるロードヒーティング区域の増加など腐るほどあります。

誰も通らない高速道路や赤字の観光施設
などが不要なのは自明のことです。


我々になくなっては困るものを維持したり、充実させるのは 公共事業しかないように考えます。

2009.10.23 21:20 URL | 葉隠 #CRmGiUQU [ 編集 ]

グリーン・ニューディールといったって、そんなに大袈裟なものでなく、今あるソーラー発電や燃料電池への補助金を拡大する、公共施設の屋根に取り付ける、といったことだけでも、相当効果があると思います。
メーカーはもちろん、下請けの取り付け工事にも雇用がありますから、内需拡大に結びつくでしょう。

その他、下水道普及、公立病院の再整備など、巨大ダムや道路の穴掘りよりもはるかに必要なものがいくらでもあります。

やるべきこと、やれることをやらずに、賄賂に釣られた不合理な利益誘導ばかりだった政治を早くストップしてほしいですね。

2009.10.23 21:49 URL | cube #- [ 編集 ]

神の見えざる手という有名な言葉があって、経済は市場の自由な運動に任せておけば需要と供給の関係でおのずから最適な位置に落ち着くのだということのようですが、でも供給と需要は全然別のものじゃないか、おコメを百俵作った人がそれを売りに出したがそのコメを必要とする人には金がなくて、コメは売れ残り人は餓死するでは最適な状態とは言えないのではないか、というと、そういうことではなくて、セーの法則、もしくは販路の法則というのがあって、供給それ自体が需要を生み出す、のだそうです。これは経済学上ではあたかも物理学におけるエネルギー保存の法則といえるものなのだそうで、どういうことかというと…
ある樵が山林地主に一万円をはらって木を切り出し、二万円で材木屋に売った。それを家具職人が三万円で買い、テーブルを作って四万円で売りに出した。各人の収入はそれぞれ一万円で、四人の収入の総計は四万円である。左側には四万円の収入があり、右側には四万円の商品がある。
 もし樵の取り分が五千円であれば三万五千円の総収入に対して三万五千円の商品になり、材木屋が自分の収入を一万五千円にすれば四万五千円の総収入が四万五千円の総商品に対することになる。さらに一人の商人が現れてそのテーブルを買い五万円で売るとしても同じで一方に五万円の総収入があり反対側には五万円の商品がある。総収入の額と総商品の額は常に等しい。この二つは違うことができない。だから収入のすべてが支出されればすべての商品が売り切れる。
 これは非常に優れたシステムで、もし商品が売れ残るとすればそれはその商品が市場にとって不要なものだったからであり、必要な商品である限り必ずそれが売り切れるだけの収入がおのずからもたらされていることになる。
 ただしここで肝腎なのは「収入のすべてが支出される」ということで、
このとき、収入の一部が支出されずに貯蓄に回されるとするとその分の商品が売れ残ることになり、その商品が売れればもたらされるはずの収入が実現しないことになる。そこに発生する貧困の量は貯蓄の量と等しい。使われずに残った貯蓄は世界の反対側に自分と等しい量の「実現しなかった収入」・貧困を生み出す。
一方で、貯蓄するということはもう消費に金は使わない、消費財はいらない、と市場がいっているわけなのだからそれだけ資本財、生産財に資源を振り向ける余裕を手に入れたのだともいえる。
資本主義の初期においてはブルジョワジーという偉大な種族がいて利潤をすべて投資に次ぐ投資に振り向け資本財、生産財を拡充し世界を豊かにしたというふうに昔習った記憶があるのですが、今の日本はカネ余りとか言って投資に振り向けられずに漫然と溜め込まれたままになっているのだそうで、するとその巨大な貯蓄の分だけ消費が不足し、実現されない収入・巨大な貧困が生まれる。

もはや投資に次ぐ投資で事業を拡大した偉大な種族が滅びてしまった現在、国づくりがあらかた終わってしまったといわれる現在では、この巨大な貯蓄を何とかするには、貯蓄している人に何とかものを買ってもらうとか、軽いインフレ状態にして今使わなければ損をするぞと脅かすとか、貯蓄分は税金で没収するぞといって強制的に支出させるとか、それでも使わなければ本当に没収して国が代わりに使ってやるとか、多く貯蓄する富裕層からあまり貯蓄のできない貧困層に所得を移転するとか、または、使わないで貯めこむだけの人がいるなら、貯めないで使う人がいればいいわけだから誰かが巨大な赤字を出して借金経営の事業をするとか、とはいってもそれだけの赤字に耐えられるのは民間にはいないだろうから国が赤字財政で何かをするとか、またはそもそもカネがしまいこまれてしまっているのだからその不足分のカネを印刷するとか、が必要になる。
結局国が赤字を出して何かをすることになるのだが、ではその赤字で何をするかというと、国づくりに意味のある事業があれば一番よいのだけれど、無意味な事業だとしても国民を貧困から救うという重要な使命を果たしていることになるし、考えようによっては意味のある事業たとえばダムを作ると自然破壊が起こる、それなら意味も価値もないことをやったほうが害がないとも言える。そしてその無意味な事業は当然利権と腐敗の温床になる。
だから話は、腐敗の危険をおかして国民を貧困から救おうとするか、巨大な貯蓄をそのままにして金持ちと貧民の国を作るのかどちらを選ぶかということでもある。または、使い切れないほどの貯蓄が問題なのだったら、必要以上の貯蓄をしないですむ社会を作ればよいことになる。

2009.10.23 22:43 URL | shn #- [ 編集 ]

"バラマキは善"であると声を大にして叫びましょう。

国債による資金調達は、死蔵されている国民の過剰貯蓄を流動性のある所得や、将来の資産に変える手段です。

国債を将来の国民の負担だなどと間違ったことを言って、国民経済の循環を止めようとする人は国賊です。

民主党政権はもっとバラマかなければなりません。
バラまく原資が足りないときは増税すれば良いのです。これだけ多くの人が苦しんでいるのに、何故か家計の金融資産総額は1500兆円。いかに極端な富の差が生まれたか想像できます。上場企業の内部留保は300兆円でしたっっけ?
不景気で企業・家計間の貸借が不活発になっているのですから、政府が貸り入れて強引に循環を再発生させるのは善です。

・・・と大きな声で叫びましょう。

その声が鳩山さんに届かなければ、このブログを見ている何人かの人は来年は生きていないかもしれません。私もその危険が有る。

政府の経済政策の失敗で自分や自分の周りの人々が殺されないように、批判的に政府を監視しましょう。

竹中はゴミ箱へ。

2009.10.23 23:43 URL | sonic #GCA3nAmE [ 編集 ]

「消費税の増税」か「赤字国債の発行」かという議論がありますが、どちらも間違いだと思います。

言うまでもないことですが、消費税を増税すれば一般国民、特に貧困層の生活を直撃します。少なくとも、生活必需品にも課税される現在の制度のままで税率をアップするようなことはすべきではありません。

赤字国債を発行すればその場は良いかもしれませんが、問題を先送りにするだけで何の解決にもなりません。国債の利子は国民から大企業・富裕層への所得移転である点にも注意すべきでしょう。

では、どうすれば良いのかといえば、莫大な利益を上げているトヨタやキャノンなどの輸出産業・金融業界・不動産業界・パチンコ業界・宗教団体などに負担させれば良いのです。
大企業優遇税制を改め、輸出関税や「金貸し税」(銀行や貸金業の利子収入に課税)「パチンコ税」の導入、不動産の転売益やキャピタルゲインに対する課税強化をすべきです。
宗教団体に対しても優遇税制を改め、一般の企業なみに課税すべきです。
要は大儲けしているところに負担させれば良いのです。

もちろん、増税の前に無駄をなくすべきです。
無駄とは「八ッ場ダム」に象徴されるような不要・不急な公共事業、天下りや官製談合、軍事予算(米軍関連を含む)、オリンピックなどです。
所得移転の方便としての無駄な公共事業はやめるべきです。
逆に、本当に必要な公共事業はもっと予算を増やしても良いでしょう。

議員の給料も減らすべきでしょう。少なくとも、その月の在職日数が一日だけでも一ヶ月分もらえるという制度は改めるべきであり、議員が給料を返上することも認めるべきです。

短期的には政府紙幣の発行も検討すべきでしょう。
政府紙幣で国債を返済すれば、利子の負担を減らすことができます。
政府紙幣を発行するとインフレ傾向になる可能性はありますが、インフレには格差を圧縮する効果があり、マイルドなインフレはむしろプラスであるといえます。

以上のことを実行すれば財政再建しながら福祉国家を実現することも可能でしょう。

2009.10.24 05:03 URL | nekonekoneko #/8nqih4Y [ 編集 ]

>政府紙幣を発行するとインフレ傾向になる可能性はありますが

ないない。
今の日本にはない。
企業の生産力は可変なので、政府通貨の増発による中長期的な需要創出があるなら、企業は生産設備を増強して生産力をあげるので、インフレの危険はない。
(シカゴ学派がいうようなことは特殊な弱小国や非工業国にしかあてはまらない。)

2009.10.24 21:35 URL | sonic #GCA3nAmE [ 編集 ]

>shnさんへ
とても分りやすいお話で興味深かったです。おっしゃることはその通りです。問題は貯蓄に回ったお金がメガバンクを3つ合わせたより大きい郵貯へ回ったことです。リスクがないので郵貯へ回るのは当然ですが、経営にもリスクがないのでリゾート開発を中心とする投資に回り、膨大な赤字を作り、全て無駄になってしまったことです(官から民への重要性はここにあります)。国債発行による借金もコンクリートに回り、無駄になってしまった。そして作り出されたこれらの借金が今の日本を困窮化させているのです。
要は、もう日本には投資先がないのです。有効な事業そのものがないのです。消費する対象がないのです。いきおい、お金は海外に向かいましたが、その結果サブプライムショックではサブプライム投資が少なかった日本が逆に海外の需要減により最も景気が悪くなった。完全に行き詰まりを見せています。

財政赤字は金持ちへの増税と主張する人には、才能があり努力を重ねた人に、これまで以上の多くの負担を課すことは公平か?みんなの納得が得られるかが問題です。
大企業への増税を叫ぶ人もいますが、それは企業の海外移転を促進するだけです。日本は一部の輸出産業の稼ぐ外貨を分け合って生計を立てている国です。食料もエネルギーも資源も輸入に頼っているのです。貧しくて人口が多く、しかも贅沢な生活をしている国です。その日本を支えているのは一部の輸出産業だということを忘れてはいけません。競争に打ち勝って世界最高水準の商品をを作り上げた企業のおかげで我々の生活が成り立っています。

2009.10.25 11:11 URL | TY #- [ 編集 ]

TYさん、

shnさんのコメントは私にも共感できる内容なのですが、それがなぜTYさんの主張の補強になるのかが理解できません。

> もう日本には投資先がないのです。有効な事業そのものがないのです。

その課題を解決するための政策が、たとえばグリーンニューディールであることはご理解いただけると思います。その効果にはTYさんは懐疑的でおられるようですが。

> 財政赤字は金持ちへの増税と主張する人には、才能があり努力を重ねた人に、これまで以上の多くの負担を課すことは公平か?みんなの納得が得られるかが問題です。

これですが、たとえば松下幸之助でしたっけ、税金にとられすぎて私費を投じている分を合わせたらマイナスになってしまうという金持ちが多ければ問題だろうと思います(もっとも、松下政経塾は害の方が多かったと思いますが、それはとりあえずおいときます)。

しかし、もし松下幸之助のような金持ちばかりだとしたら、日本の個人資産が1500兆円にも膨れ上がることはなかったのではないでしょうか。よく、「お国の借金」と言いますが、日本は外国に借金をしているわけではありません。日本政府は、日本国民から借金しているのであり、さらに言うと、主に日本の富裕層から借金しているのです。つまり、金持ちが金を使わずに死蔵しているから日本の経済はいっこうに良くならないのであって、彼らが金を貯め込む最大の動機は、日本政府の新自由主義政策によって、金を貯め込んでおかないと安心できない状態が作り出されていることに原因があります。だから、「才能があり努力を重ねた人に、これまで以上の多くの負担を課すことは公平か?」と聞かれれば、イエスと私は答えます。

要は、富裕層からの課税を強化する代わりに、そこまで個人資産を貯め込まずとも、安心して生活できるような社会にすれば良いわけです。社会主義が否定されたら、いきなり新自由主義に走るというのは極端に過ぎる話であって、80年代までは、資本主義の行き過ぎを抑える修正資本主義と、社会主義の行き過ぎを抑える社会民主主義の流れが強まっており、日本政府もほぼ修正資本主義に基づいた保守本流による政策が実施されていました。そして、日本経済の頂点はまさにこの時期にありました。

> 大企業への増税を叫ぶ人もいますが、それは企業の海外移転を促進するだけです。

というご主張も、まさに大企業の経営陣の口癖であるわけですが、日本の法人税率が本当に高いかどうかについては、下記のような異論もあります。
http://imogayu.blogspot.com/2008/08/blog-post_10.html

日本の大企業の経済への貢献は確かに大きいとは思いますが、1998年以降、9年連続で民間給与所得が減少したり、キヤノンのように偽装請負を行う一方で、役員報酬と内部留保と株主配当ばかりが積み上がっていきました。つまり、かつては大企業が果たしていた所得再分配の機能がみるみる失われてきているのが現状であるわけで、こんな状態になってしまった以上、政府が強力な再分配機能を発揮しなければならないと私は考える次第です。

最後に、shnさんの、

> だから話は、腐敗の危険をおかして国民を貧困から救おうとするか、巨大な貯蓄をそのままにして金持ちと貧民の国を作るのかどちらを選ぶかということでもある。または、使い切れないほどの貯蓄が問題なのだったら、必要以上の貯蓄をしないですむ社会を作ればよいことになる。

というコメントは、明らかに前者を選べ、つまり、巨大な貯蓄をそのままにして金持ちと貧民の国をつくるくらいなら、腐敗の危険をおかして国民を貧困から救おうとする道を選べ、と主張していると私は読み取りました。

2009.10.25 14:05 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]



日本でも、金持ちが支配権を拡大するために係わる政治と、貧乏人が救済を求めて係わる政治とがせめぎ合っているようです。

しかし、世界の貧民の声はもっと悲惨です。ロックフェラー財団財務委員長および理事、ロックフェラー大学理事を務めたジェームズ・D・ウォルフェンソンが2005年まで総裁をつとめた世界銀行も世界の貧困についてよく研究しています。

******以下引用*****

世界の貧困状況の実態調査(世界銀行)
貧しき人々の声を聴く

・・・
▼「私たちは藁のように縛られ、放置されている」
▼「人生は空しく、私たちは身一つである」
▼「鶏のように地面を引っ掻いて食べ物を探して暮らしている」
▼「友人も食物もない人生は無意味だ」
▼「生きるのが嫌になった」
▼「我々の身体は骨と皮だけだ」
▼「我々は人並みの生活ができず、顔色は悪い」
▼「我々は死んではいないが生きているとはとても言えない」
▼「飢餓がハイエナのように襲ってくる」
▼「貧乏人はますます落ちぶれていき、、金持ちはますますのし上がっていく」
▼「食べていくだけで精一杯の人生」
▼「我々は他人が食べているのを見ているだけだ」
▼「生活が苦しくて頭がおかしくなった」
▼「我々は家財道具を売り払って住む所を探している」
▼「じっとして死ぬのを待っているようなものだ」
▼「親戚たちは私を軽蔑し、つまはじきにする」
▼「人生なんて灰を掃き集めるようなものだ」
▼「その日暮らしの生活。むち打たれ、走らされている」
▼「老け顔になる人生」
▼「酒にはほんの一口しかありつけない」
▼「満腹の人間がいる一方で、飢えている者がいる」
▼「いつまでも生まれたばかりの子牛のように弱々しく、逞しい雄牛に育つことはない」
▼「我々はミツバチの群のように存在感が希薄になった」
▼「生活が不安定で傷つきやすく、悩みごとと不安ばかり」
▼「今では生活不安定も極まった」
・・・・
http://www.jimmin.com/2001a/page_041.htm
*****引用END*****

ロックフェラー関係者ですら世界の貧困については、よく研究している・・・


   

2009.10.25 14:30 URL |    #t/X8qla. [ 編集 ]

無記名さん、いえ、空白記号さん、

ご紹介のページは2001年のもので、

> ノーベル賞経済学者・センの「ここに掲げられた赤裸々な声には、学者や研究者だけでなく、全世界の政府、国際機構、ビジネス社会、労働組織、および市民社会の全員にとって、一読するだけの価値が含まれている」という言葉を、取りあえず信用しようではないか。これは、センらの激しい批判に世銀が答えようとしたものである。今回は貧しき人々からみた「不幸」。

という但し書きがついてますね。このように書けば説得力があるのに、

> ロックフェラー関係者ですら世界の貧困については、よく研究している・・・

なんて書くと、そのひとことだけで、もしかしてロックフェラーを「ユダヤ」呼ばわりしている「ユダヤ陰謀論者」ではないかと勘繰られて、せっかくのコメントを信用してもらえませんよ。少なくとも私はあなたを陰謀論者に違いないと推測しています。

それから、空白記号を用いたふざけた記名は止めて、もっとご自身を他の方と区別できるような名前を名乗って下さい。次回も同じように空白記号を名乗ってこられるようなら、コメントを承認せず削除します。

2009.10.25 19:33 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]

ユダヤ陰謀論というのは、昔からありますね…

キリストを処刑した人間がユダヤ人なので、キリスト教圏では長く差別されてきました。

日本については、(ナチス時代にビザ発給に奔走されて)有名な杉原氏のお陰で親日家の方が多いような気がします。

私はユダヤ陰謀論を証明した人物を知らないので、陰謀論を唱える人は知識人とは認めないようにしています。


あと、金持ち課税論議がありましたが、 私は『金持ちが海外に逃げる時は、国家がそれに見合うサービスを提供しない時に起こる』と考えます。

福祉国家の元では、 高額の税負担だけではなく、企業年金や医療保険においても 補助金が交付されて いる国が多いようですね…

『福祉国家は全体主義』と攻撃する人もいますが、全く違いますね。

私が個人的に好きなノーベル経済学者で新自由主義の理論的支柱であったF.ハイエクすら『共産主義者は都合が悪くなると福祉という言葉を使いたがる』と述べるほど批判的でした。

自由主義でありながら、実質的な選択肢を奪っている致命的な矛盾を抱える新自由主義は過去の遺物となる日も近いでしょう。

2009.10.25 21:49 URL | 葉隠 #CRmGiUQU [ 編集 ]

>キリストを処刑した人間がユダヤ人なので、キリスト教圏では長く差別されてきました。

ユダヤ人に対する憎悪と迫害の歴史はキリスト教とヨーロッパ文明の暗黒面のようなものと言えるほど古いものです。

更に、近代の反ユダヤ主義はそれに加えて資本主義の発展と切り離せない関係があります。
資本主義の発展とともに没落した伝統的な手工業や小商業に従事していた者や農民の間に資本が支配する社会への不満が生まれてくる一方、近代社会が生み出した新聞・出版等のマスメディア、弁護士・金融業などの新しい職業に、それまで伝統的職業から閉め出されていたユダヤ人が殺到し、しかもそれゆえ裕福な生活をする者がでてきたことが没落する小市民・農民の憎悪をかきたてたわけです。

尚、優れた学者・芸術家・科学者にユダヤ人が多いのもユダヤ民族が他の民族に比べて「優秀」などというわけでなく、前述したように彼らが伝統的職業から閉め出されていたことによるものが大きいでしょう。
現在のイスラエルを考えると、皮肉にも社会の異分子として体制から疎外されている状況にあったとき、ユダヤ人は最も輝いていたようにも思えます。

現在の「ユダヤ陰謀論」には当然、パレスチナ問題も絡むでしょう。しかし、ここまでイスラエルを増長させたいちばんの責任が英米をはじめとする大国にあることは、多少でもパレスチナ問題を知ればわかることです。

2009.10.25 23:35 URL | ぽむ #mQop/nM. [ 編集 ]

「反ユダヤ主義」は古くはシェークスピア、19世紀でもドストエフスキーが作品中でユダヤ人差別の言辞を呈するほど蔓延してました。

19世紀というと、大作曲家のワーグナーも反ユダヤ主義者で、20世紀に入ってからヒトラーのナチスドイツが思いっきりワーグナーの音楽を悪用したのはあまりにも有名です。

イスラエルの暴虐をもって、ついついユダヤ陰謀論に親和性を見せてしまうリベラル・左派というのは結構多いのですが、たとえば辺見庸の著作を読むと、辺見氏は反ユダヤ主義とイスラエル(シオニズム)の両者を、ともに厳しく批判しています。私はこれが当たり前であって、反ユダヤ主義(ユダヤ陰謀論を含む)批判とイスラエル(シオニズム)批判は、何の矛盾もなく両立すると思いますし、両者を混同しない知性を持っているかどうかによって、リベラル・左派の人間は鼎の軽重を問われると考えています。つまり、イスラエルの暴虐を批判するあまり、ユダヤ陰謀論なんかを信奉する人間は、はっきり言ってバカだと思っています。でも、そのバカが呆れるほど多いのが現実です。

2009.10.26 00:27 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]

>福祉国家は全体主義

ひどいことを言う奴もいるもんです。侮辱罪ものですな。

疲弊した国家の労働者ポテンシャルを下げないために、国家の第一義が福祉に向かうのは当然のことです。
ただ、全体主義的に上からババーンと畳み掛ける感じにやるか、個別主義(&私の考える“やさしい”新自由主義)的に横からそっと毛布をかける(必要なら湯たんぽも入れてあげる)的な寄り添い型でやるか、方法論の違いは当然あるでしょうけど。(折衷案は当然アリです)


なんやかや言われていて、ユダヤ系の方がなぜ強いかと言うと、彼ら独自の強固な共同体作りがその根底にあるような気がします。
一度、日本も国を滅ぼされて世界各国に放浪せざるを得ない状況にならなきゃ、(国家でない)独自の強固な共同体作りの大切さに目覚めないかわかりませんな。
そういう意味では、日本においては“まつろわぬもの”の歴史にこそ学ぶことが多くあります。

「政治を語る者は歴史を知れ。歴史を能く知る者こそ政治家たれ」
誰が言ったか知りませんが、含蓄ある言葉です。

2009.10.26 07:06 URL | 朱の盤 #XQYq98OQ [ 編集 ]

>「反ユダヤ主義」は古くはシェークスピア、19世紀でもドストエフスキーが作品中でユダヤ人差別の言辞を呈するほど蔓延してました。

文学に著されたユダヤ人への偏見といえばなんと言っても「ヴェニスの商人」が有名ですが、最近(2004年)映画化されたものでは、シャイロックに焦点を当て、彼を残酷な守銭奴ではなく、キリスト教徒によって虐げられてきた被害者、キリスト教徒の定めによって財産も名誉もすべて奪われた哀れな犠牲者として描いています。名優アル・パチーノの熱演もあってシャイロックに感情移入をせざるえない作りとなっています。
しかし、ただユダヤ人への同情をうながすだけではなく、この映画が描いた「キリスト教の横暴」には、当時のブッシュ政権の横暴が重なって見えるように思えます(この映画の監督は、過去にはパブロ・ネルーダを扱った映画も撮っていますし)。
このように反ユダヤ主義批判とイスラエル(シオニズム)批判やアメリカの中東政策批判が、何の矛盾もなく両立するというのは、当たり前のことです。

シェイクスピアの原作自体も、読み方によっては積もり積もったシャイロックの恨みがユダヤ人全体の苦難に根ざしている事を示唆していると解釈できるかもしれません。ただし、シェイクスピアは重大な問題を暗示しつつも、それをシャイロックの個人的問題にしてしまい、最後はお決まりの「正義」が「悪」を裁くという図式で喜劇的に結んでしまっています。
やはり、キリスト教徒がいだいていたユダヤ人への偏見が露骨に現されていると言わざるをえないと思いますが、様々な解釈を可能にさせるところが、シェイクスピアの奥の深さでしょうね。

2009.10.28 14:00 URL | ぽむ #mQop/nM. [ 編集 ]













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