きまぐれな日々

 テレビ報道はこのところミサイル試射どころか核実験までやらかした北朝鮮をめぐる報道ばかりだ。もちろん北朝鮮の核実験は「絶対悪」以外の何物でもなく、無条件で厳しく批判されなければならない。下手に日本が撃ち落としたら日本の方が戦争を始めたことになりかねないミサイル試射とは問題の深刻さが全く異なることは指摘しておかなければならない。

 ただ、北朝鮮の蛮行が間接的に安倍政権を助けまくり、早々と通常国会を閉めたにもかかわらずなかなか臨時国会を開こうともしない「ズル休み男」の安倍に、金正恩が「棚からぼた餅」を供給し続けている構図になっていることは腹立たしい限りだ。もちろん金正恩の眼中には日本はなく、金正恩に負けないくらい非理性的な狂気の指導者というべきアメリカのトランプとチキンレースを繰り広げているのが実態ではあるが。

 日本国内にも、金正恩の北朝鮮と同じくらい安倍内閣支持率の「V字回復」に協力している政党がある。いうまでもなく民進党だ。

 滅び行く組織というのは、魅入られたように悪い方の選択肢を選び続ける、というのが近年得た私の経験則だが(そのもっとも極端な例が、先の戦争における日本の指導者たちの選択だ)、昨年の東京都知事選における鳥越俊太郎の惨敗以降の民進党はまさにその典型例だ。

 昨日(10日)に公開された『広島瀬戸内新聞ニュース』の記事「蓮舫前代表の小池ファースト抱きつきが響き、離党が止まらない民進党」の指摘はまさに正鵠を射ている。「民進党前代表の蓮舫が『小池ファーストに抱きつこうとして振り払われた』ことが民進党の『痛恨の敗着』だった」ことは、現在の民進党について論じる時、議論の前提として論者たちに共有されなければならない観点だと私は思う。

 しかし実際には、民進党代表選に当選した前原誠司に批判的な民進党シンパたちの間ですら、こういう認識はなされていないように思われる。たとえば、昨年蓮舫が小池百合子に「協力」を申し出て、それに対して小池が「4島ならぬ4党」、つまり「北方領土」の4つの島に引っかけて、公明党、かがやけ、民進党、共産党(!)を引き合いに出した時に「ワクワク」した市井のブログ主は、その後も蓮舫支持を表明していながら、蓮舫と同じ方向性を目指す前原誠司を批判する記事を書いている。要するに、ブログ主自身がどこか「小池ファースト」に対する未練を引きずっているのだ。もちろんこのブログ主とて最近では「小池百合子となかまたち」批判側に回ってはいるのだが、小池に惹かれる心性はまだ残っているように見受けられる。

 これが民進党の国会議員になるともっと顕著で、この週末に離党への動きが報じられた笠浩史ら5議員のみならず、代表の前原誠司までもが小池に秋波を送るありさまだ。その一方で前原は「野党共闘」継続へのシフトともとれる人事も行い、矛盾と混乱を前原自らが招いている。いかにもこの男らしい。

 民進党を離党した山尾志桜里の件でも、前原はその無能さをさらけ出した。自ら抜擢した「秘蔵っ子」(前記「ワクワク」氏のブログの表現を借りた)を前原はろくに守ろうともせず、それどころか前原が選んだ執行部の中には山尾に対して強圧的な態度を取る者もいたらしい。それに山尾は不信感を抱いたというのだが、前原の子飼いだったことからも明らかなようにもともと民進党右派の議員だった元検事の山尾は、その思想信条から言っても小池ファーストとの親和性は高そうだから、山尾が小池ファーストに移ったとしても私は驚かない。

 その山尾を引きずり下ろした民進党議員たちの心理に共通するのは「嫉妬」だろう。民進党の党勢が傾く中、同党の特に右派議員たちは、自らも小池ファーストに心惹かれる一方で、党内でのし上がろうとしていた山尾志桜里に対しては嫉妬むき出しなのであって、およそ人間の醜いエゴイズムを恥ずかしげもなく世間に晒している人たちの集まりとしか私には思えないのだが、そんな集団が「たかが不倫」が報じられた議員に離党や議員辞職への圧力をかける。およそモラルもへったくれもあるとは思えない醜悪な人たちなのに、人の不倫にはびっくりするほど厳しい。自分には徹底的に甘く、人にはとことん厳しい連中が寄り集まった組織。こんな馬鹿げた政党に嫌悪感を抱かない方が私には不思議だ。

 民進党代表選の論戦で、枝野幸男は民進党を離党した候補者には選挙で刺客を送ると明言していたのに対し、前原は口を濁してかつての同志だった細野豪志(つまり小池ファースト)の「新党」との連携に含みを持たせる発言をしていた。

 しかし、旧細野派である「自誓会」の3人を含む民進党議員たちの離党の意向が報じられると、前原も彼らに刺客を送ると言明せざるを得ない羽目に追い込まれた。明らかに、枝野を代表に選んだ場合と比較して対応が後手に回っている。

 民進党は今回も「魅入られたように悪い選択肢を選んでしまった」といえる。ここまできてしまった以上、この政党はもはや「なるようにしかならない」だろう。何を言っても無駄だ。
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