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きまぐれな日々

 週末(7/22.23)に毎日新聞社が行った世論調査で、安倍内閣支持率が26%を記録した。毎日は、内閣支持率の集計が出た時点で速報をネットに流し、その後記事に分析を追加したようだ。昨日の夕方、『kojitakenの日記』に、分析が追記される前の速報記事を引用したので、この記事ではそれに追記された部分を引用する。
https://mainichi.jp/articles/20170723/k00/00e/010/231000c

(前略)安倍晋三首相の自民党総裁任期が来年9月に終わることを踏まえ、「代わった方がよい」との回答は62%(3月調査は41%)で、3期目も「総裁を続けた方がよい」の23%(同45%)を大きく上回った。(中略)

 首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」による国家戦略特区を利用した獣医学部新設計画を巡り、政府のこれまでの説明を「信用できない」は76%に達し、「信用できる」は11%。内閣支持層でも「信用できない」(49%)が「信用できる」(36%)よりも多かった。首相は24、25両日、衆参両院予算委員会の閉会中審査で、加計学園の計画に自身が関与していないことを説明する考えだ。

 調査では「安倍1強」の政治状況についても聞いた。「自民党から安倍首相に代わる人が出てきてほしい」が31%で最も多く、「野党から首相に対抗できる人が出てきてほしい」は25%「新しい政党や政治団体から首相に対抗できる人が出てきてほしい」は23%「安倍首相が強いままでよい」は7%にとどまった。自民支持層では「安倍首相に代わる人」が51%を占め、「ポスト安倍」への期待をうかがわせた。

 支持率は2カ月連続で10ポイント下落し、与党内では憲法改正論議への影響を懸念する声も出始めた。今回の調査で、首相が目指す20年の改正憲法施行について、議論を「急ぐ必要はない」は66%、「急ぐべきだ」は22%。首相が5月に改憲方針を表明した後、慎重論は調査のたびに増えている。憲法9条の1項と2項をそのままにして、自衛隊の存在を明記する首相の改正案に関しては、「反対」が41%(前回比5ポイント増)、「賛成」が25%(同2ポイント減)、「わからない」が27%(同3ポイント減)だった。

 政党支持率は、自民25%▽民進5%▽公明3%▽共産5%▽維新2%--など。「支持政党はない」と答えた無党派は52%だった。【池乗有衣】

調査の方法

 7月22、23日の2日間、コンピューターで無作為に数字を組み合わせて作った電話番号に、調査員が電話をかけるRDS法で調査した。福島第1原発事故で帰還困難区域などに指定されている市町村と、九州北部豪雨で被害を受けた福岡、大分両県の一部市村の電話番号は除いた。18歳以上のいる1627世帯から、1073人の回答を得た。回答率は66%。

毎日新聞 2017年7月23日 16時30分(最終更新 7月24日 02時20分)


 上記引用記事を眺めると、一番多いのが「自民党政権のままで良いけど、安倍は代われ」という意見のようだ。「野党共闘」の支持層と、「国民ファ★ストの会」(仮称)や維新など、より右翼的で新自由主義色の強い政治勢力が安倍自民にとって代わることを期待する層はほぼ拮抗している。コアな安倍晋三支持層は1割にも満たない(7%)といったところだろう。

 昨日は、仙台市長選も行われた。仙台市選管の発表した開票確定速報を見ると、当選した郡和子氏(前民進党衆院議員)の得票率が43.0%、自公が推した菅原裕典氏の得票率が38.7%だった。つまり自公は「野党共闘」の9割の得票を得たわけだ。自治体の合併で馬鹿みたいに広くなったとはいえ、県庁所在地でこの接戦なのだから、過疎地に行けば行くほど自民党が今なお強さを誇っていることは疑う余地がない。とはいえ、仮に近いうちに解散総選挙が行われた場合、各都道府県の1区などでは自民党が「野党共闘」に敗れる選挙区も少なくなさそうだ。

 何が言いたいかというと、一部で噂される早期解散・総選挙の可能性はほとんどないと私は考えているのだ。今衆院選をやれば、いわゆる「改憲政党」の3分の2を守れるかどうかは怪しい。

 それよりも、「国民ファ★ストの会」(仮称)が成立して、民進党右派がこれに合流してから解散総選挙を行う方が、改憲には有利ではないか。私が安倍晋三ならそう考える。よって、早期の解散総選挙はなく、政党交付金を受け取るための期限が年末であることから年内に必ず発足する「国民ファ★ストの会」(仮称)が発足し、渡辺喜美や長島昭久や若狭勝らといったそうそうたる右翼または新自由主義の面々が名を連ねる保守政党(というより右翼・新自由主義政党)の発足を待って解散総選挙が行われると考えるべきだ。

 実は安倍は都議選についても同じことを考えていただろうと思う。ただ、安倍にとっての誤算は自らの政権への逆風が強すぎて自民党が惨敗を喫してしまったことだが、衆院選の過疎地の選挙区などではそのような心配はない。都市部では「国ファ」(首都圏及び減税日本と合流した名古屋市など)あるいは維新(大阪及び阪神間など)で棲み分けは行われるだろうが、自民党の第一党の座は動かないだろう。そして、自公と国ファ、維新などが、憲法9条への自衛隊明記という、そんなに改憲に血道を上げるまでには至らない人たちにも受け入れられやすい案でまとまって改憲へと突き進む恐れは十分すぎるほどある。

 問題は、それまで安倍政権が持つかどうかということだろう。

 つい最近まで、国会での答弁で「安倍内閣支持率は53%もある。民進党の政党支持率はどのくらいあるのか」などとほざいて、高い支持率をいいことに「僕ちゃんは何をやっても許されるんだ」とばかりにおごり高ぶっていた安倍が、支持率の急落で受けているストレスの強さは相当のものだろう。10年前と同じように、安倍の体が悲鳴を上げて政権運営を続けられなくなる可能性は小さくない。

 一方、現在の野党、特に蓮舫の「国籍」問題などという、ネトウヨや産経くらいしか関心を持たないであろう議論でもめている民進党のていたらくから考えて、現在の野党による政権打倒はほとんど期待できない。また、小選挙区制により総理総裁の権力が極端なまでに肥大し切っているので、自民党内の安倍批判勢力による安倍打倒は、野党による安倍政権打倒よりももっと期待できない。

 ここは主権者である国民の総意が安倍を追い詰めるしかない。また、仮に安倍が政権を退いた場合でも、10年前に愚劣極まりない某ブロガーがやったように、「水に落ちた犬は叩かない」などとほざいて、それまで掲げていた安倍打倒の旗を降ろして、城内実や平沼赳夫などという、小泉純一郎によって自民党から追い出されてはいたものの紛れもない安倍の盟友の応援にかまけるなどという愚挙を行ってはならない。「安倍的なもの」の根絶を目指さなければならない。

 この記事では、陸自日報の隠蔽を稲田朋美が承認していた件のリークと文民統制の関係についても書こうと思ったが、時間が迫ってきたので次回以降に先送りする。私の主張は、一部「リベラル・左派」に見られる、「文民統制の議論はピント外れだ」という意見には強く反対するが、今回のリーク(報道に「複数の政府関係者」とあったことから文官からのリークであると思われるが、武官からの働きかけが影響した可能性は低くない)を2.26事件と重ね合わせる一部の見方にも強く反対する。2.26事件は国粋主義に染まった青年将校たち、つまり武官の暴走が引き起こした事件だが、今回のリークは総理大臣が自衛隊を私物化し、現実に戦闘行為が行われていた南スーダンの実態を隠そうとしたことが引き起こしたものだ。言い換えれば、安倍晋三や稲田朋美を筆頭とする文官(シビル)の暴走が引き起こした問題なのだ。

 だから、「これはクーデターだ」と叫んで問題のすり替えを行うことによって安倍政権を守ろうとするフジテレビの平井文夫らの妄論に乗っかることなく、「文民統制ができない(文民統制をやる気もない)安倍晋三と稲田朋美を打倒せよ」と叫ばなければならないと思う今日この頃なのである。
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 ついに安倍内閣支持率が、報道機関によっては30%を切るようになった。前の週末の調査で時事通信が29.9%を出したあと、この週末にはANNが29.2%を出した。一方、共同通信の調査では35.8%だった。ここでは、リンク切れの早い放送局のサイトであるANNの報道を記録しておく。

安倍内閣支持率がついに20%台に ANN世論調査(2017/07/17 10:30)

 ANNの世論調査で、安倍内閣の支持率が29.2%に下落しました。「危険水域」と言われる3割を切ったのは、2012年の第2次安倍政権発足以来、初めてのことです。

 調査は、15日と16日に行われました。それによりますと、内閣支持率は29.2%で、先月の前回調査から8.7ポイント下落しました。一方で、支持しないとした人は54.5%で、前回より12.9ポイントの大幅上昇です。安倍総理大臣は、来月初めに内閣改造を行う考えですが、これに「期待する」と答えた人は38%だったのに対し、「期待しない」とした人は54%に上りました。加計学園を巡る問題については、先週の参考人招致でも、行政がゆがめられた疑いは解消されたと思わないとした人が74%に上り、さらに76%の人が安倍総理が説明する必要があると答えました。

(テレ朝ニュースより)


 マスコミは「危険水域」だと騒ぐのだが、私は「これでやっと勝負になった」程度のとらえ方だ。この先、安倍政権が本当に打倒できるかどうかはなお不透明だと思う。

 特に懸念されるのは野党第一党である民進党の惨状だ。

 党内から「二重国籍問題」とやらを追及されたと伝えられる蓮舫は、今日(18日)行われる記者会見で自らの戸籍謄本を公開するらしいと報じられているが、その報道が流れるとともに、今度は有田芳生ら党内左派や朝日新聞やリベラル層などから国籍の公開に強く反対する意見が続出した。私も『kojitakenの日記』に、「蓮舫は絶対に戸籍謄本を公開するな」(2017年7月13日)と題した記事を書いた。

 このブログ記事を書いている時点では蓮舫はまだ自らの戸籍謄本を公開していないが、今日の記者会見で公開をしないことを強く望む。今ならまだ前言の撤回は許される。

 仮に蓮舫が戸籍謄本を公開してしまえば、民進党はリベラル層からの支持を失い、党勢低下は回復不能になるだろう。

 それでなくても民進党には、党を構成する国会議員と一般の党支持者の思想信条に乖離があり過ぎるという問題点を抱えている。これは民主党時代からの伝統的な体質であって、うっかり民主党の「リベラル」なイメージに乗っかって参議院議員になってしまった大橋巨泉が、党の保守的な体質に驚いて国会議員の座を投げ出してからもう15年になる。巨泉は民主党に半年しか耐えられなかった(2001年7月参院選当選、2002年1月議員辞職)。

 その後政権交代と自民党・安倍政権への政権再交代を経て、民進党は凋落した。政党支持率も、先日「安倍内閣支持率初の3割割れ」で話題を呼んだ時事通信の世論調査を見ると、民進党の政党支持率はわずか3.8%であり、自民党(21.1%)の5分の1にも満たない。他の政党は公明党3.2%、共産党2,1%、日本維新の会1.1%、社民党0.3%、自由党0.0%、日本のこころ0.0%となっており、支持政党なしが実に65.3%を占めている。

 その民進党支持の3.8%で最多を占めるのはいわゆる「リベラル」で、「ノンポリ」がそれに次ぎ、いわゆる「保守層」はほとんどいないと思われる。しかし民進党の国会議員の構成はこれとは全く異なり、「リベラル」はほとんどおらず、大半は新保守主義か新自由主義の信奉者だ。

 だから蓮舫を党内で追及する時にも保守派の声が強い。それは、昨年最初に蓮舫の「国籍」が民進党内で問題になった時に、社民党から民進党に移ってきた阿部知子までもが追及側に加担したことからもうかがわれる。この時には、松原仁や長島昭久らいわゆる「保守派」(実際には極右)と、「小沢一派」の松木謙公や木内孝胤らが手を結んで仕掛けた蓮舫批判に、阿部知子が乗っかった形だった。

 彼らの批判になると延々と書き続けたくなってしまうが、そんなものを読みたいと思う読者はほとんどいないだろうとは自覚している。しかしひどいのは国会議員だけではなく、こうした民進党の現実を直視する勇気を持たない党の支持者たちにも私は強い批判を持っている(具体的はつい「あの人」を思い出してしまうわけで、現に当該人物に対する批判を延々と書きそうになってしまったが思い直してそこは削除した)。

 最大の問題は、「安倍政権の受け皿がない」という厳然たる事実だ。都議選では「都民ファーストの会」を都民が受け皿をみなしたから同会が圧勝し、自民党は民進党ともども惨敗した。

 しかし、国政では相変わらず受け皿はない。だからこそ「都民ファーストの会」の国政進出が噂され、渡辺喜美や長島昭久や若狭勝らがその結成を心待ちにしており、政党交付金を受給するためにも年内には間違いなく結成されるだろうが、「国民ファ★ストの会」とも仮称されるこの政党はかつての新進党の再来の「新・新進党」ともいうべき「保守二大政党」の一角をなす政党だ。かつて小沢一郎が実際にやったように、公明党を仲間に引き入れれば第二党になる可能性は十分あるが(それでも小沢が政権交代を狙った1996年の衆院選で新進党は敗れ、翌年の解党につながった歴史しかない)、間違ってもリベラル層のニーズを満たす政党にはならない。

 小池百合子や野田数の極右的思想信条から推測して、この党には民進党の中間派や左派(生き残っているかどうかは別として)は入れてもらえないことは目に見えており、「国ファ」からあぶれた民進党議員たちは社民・自由両党と「弱者連合」を組んで共産党との「野党共闘」を継続するだろうと予想される。「民進党左派+社民党+自由党」となれば、これは松木謙公(右翼)や木内孝胤(すさまじいまでのエスタブリッシュメント一家の人間)といった思想信条的に問題の大ありの人間が含まれるであろうことを棚に上げるなら「昔の社会党の再来」なのかもしれないが、「労働界の右翼的再編」によって発足した連合の支持など得られるはずもないから、零細政党にとどまるほかないだろう。そうなると共産党との「野党共闘」も政権交代を狙える政治勢力になり得るとは到底思われない。

 そんな展望しか私には思い描けないのだが、それでも良いのか、と問いたいのである。

 「小池都知事と公明党と民進党の連携にちょっとワクワク」した某ブロガー氏は、都議選前日にようやく民進党支持を表明した記事に、「『23名のブレない候補予定者を見て欲しい』という言葉に、共感するものがあった」と書いたが、菅野完がTwitterで指摘したところによると、蓮舫の「国籍問題」を民進党内で焚きつけているのはその松原仁だという。
https://twitter.com/noiehoie/status/884916971103338498

菅野完‏
@noiehoie

いま調べたった。
蓮舫の二重国籍問題とやらを騒いどる民進のメンツってのは
今井雅人 .@imai_masato
原口一博 .@kharaguchi

この2人は、ネットでもかいとるから顕在化しとるが、裏でこの話たきつけとるの、なんと、都議選敗戦の最大の戦犯、松原仁やぞ。

16:27 - 2017年7月11日


 菅野完は煽動者の主犯が松原であることの確証を示してはいない。しかし、私は菅野氏の指摘に「確からしさ」を強く感じる。

 というのは、前記の阿部知子が民進党内極右議員と「小沢一派」(松木・木内ら)に蓮舫「国籍問題」追及に加担した時には、松原は堂々と蓮舫追及の急先鋒に立っていたという事実があるからだ。

 現在、松原仁が今井雅人(いったん民主党から維新の党に移籍した経歴を持つ出戻り)や原口一博(昔から悪名高い極右議員で「小沢一派」とも近い)の影に隠れているのは打算からだろう。

 しかし、この松原仁こそは、「民進党から離党して都民ファーストの会公認で立候補する候補者にも民進党から推薦を出すべきだ」と喚いていた張本人でもある。結局この推薦が本当に出されたのかは知らないし知りたくもないが、この話に民進党公認で立候補した候補者が激怒していたというのは聞いたことがある。なお、民進党離党の都ファ候補者への推薦については、蓮舫も野田佳彦も積極的だったとの報道が以前あった。それは元民進の都ファ当選者の分を民進党公認の当選者に加算して、「都ファの当選者も加えればこれだけの人数になる」と称して責任逃れをできる、との手前勝手な論理に基づくものらしかったが、そんな滅茶苦茶な議論が通用すると思う方がおかしい。

 このことからもわかるように、保身に走る蓮舫や野田佳彦もひどいが、ある時には蓮舫の足を引っ張りながら(現在も引っ張っている模様)、都議選の選挙戦中には「23名のブレない候補予定者を見て欲しい」などとうそぶく松原仁の信じ難い鉄面皮ぶりには怒りを抑えることができない。

 そして、松原仁や蓮舫や野田佳彦を抱える民進党について、「それでも受け皿は民進党しかない」などと言っている人たちにも強い不満を覚える。

 安倍政権に対する右側からの対抗勢力になろうとしている「新・新進党」も、地方への支持の浸透に大きな課題を抱えることは目に見えているから、それに加えて曲がりなりにも今はまだ「野党第一党」である民進党がこの惨状であっては、最悪の場合安倍政権がずるずると続いて「安倍政権下での改憲」も実現してしまうことになりかねない。

 それを阻止するためにも、リベラル・左派の側からの民進党批判の議論をもっと活発に行う必要があると強く思う今日この頃なのである。
 自民党が惨敗した都議選を受けての安倍内閣支持率の世論調査結果が、昨夜(7/9)、朝日新聞、読売新聞、NNN(日本テレビ系)から一斉に発表された。特に朝日はこのところ毎週のように内閣支持率調査をやっている。都議選の前日と当日(7/1,2)にもやっていて、4日付朝刊(ネットでの公開は都議選翌日の3日朝)に報じたばかりなのにまたこの週末(7/8.9)に調査を行った。その結果は前回が支持率38%(6月調査より3ポイント減)、不支持率41%(6月より5ポイント増)、今回が支持率33%(前回より5ポイント減)、不支持率が46%(前回より5ポイント増)だった。今回の支持率33%は、2012年12月の第2次安倍内閣発足後最低の数字である。

 朝日が毎週のように世論調査を打つのは、安倍政権から明確に「敵」と名指しされている(たとえばトランプと安倍が「ニューヨークタイムズに勝った」「朝日新聞に勝った」と言い合った件など)ことや、2014年に慰安婦問題で安倍にすり寄ったところそれを「飛んで日にいる夏の虫」とばかりに政権に利用された失敗に懲りて、政権との対決姿勢を明確に打ち出したことと関係があるのだろう。

 それよりも安倍晋三にとって打撃になったのは、政権と一体になっているはずの読売新聞の世論調査で、内閣支持率が2か月で25ポイントも暴落してしまったことかもしれない。最新の読売の調査による安倍内閣の支持率は36%で、前回(6月17〜18日)から13ポイント、前々回(5月)と比較すると実に25ポイントの下落となった。不支持率は52%で、朝日の調査と同様に、支持率と不支持率は第2次安倍内閣発足後最低と最高をそれぞれ記録した。

 支持率の数字の低さでいえば、NNNの調査結果(下記URL)がもっとも低い。以下、NNNのサイトより引用する。
http://www.news24.jp/articles/2017/07/09/04366547.html

内閣支持率急落…政府・与党に危機感広がる
2017年7月9日 20:02

 NNNが週末に行った世論調査によると、安倍内閣の支持率は前月比7.9ポイント下落して31.9%となり、2012年12月の第2次安倍政権発足以来、最低を更新した。首相官邸前から青山和弘記者が伝える。

 安倍政権で入閣経験もある自民党のベテラン議員は、この支持率に「えー」と驚きの声を上げた。政府・与党内には危機感が広がっている。

 政府・与党内には都議選の結果からも、ある程度、厳しい数字を予想する声はあった。しかし、第2次安倍政権発足以来最低だった2015年8月を6ポイント近く下回る支持率には衝撃が広がっている。

 自民党のベテラン議員は「おととしは安全保障関連法をめぐる政策論だったが、今回は政権への不信感だ。早く対応しないとまずい」と語っている。与党・公明党の幹部は「自民党全体で危機感が足りない」と嘆いているが、政権幹部は「内閣改造をすれば、がらっと雰囲気が変わる」と来月上旬にも行われる内閣改造の効果に期待を寄せる。

 しかし、交代は避けられないとみられている稲田防衛相など閣僚の顔の入れ替えが、どこまで政権浮揚につながるかは不透明。政府・与党内には「小手先の内閣改造では乗り切れない」との声も相次いでいる。加計学園の問題などに対する安倍首相の説明責任をどのように果たすのかなど、信頼回復に向けた政権の対応が問われることになる。

 一方、野党・民進党の幹部は「国民が総理の言葉を信じられなくなっている」などと攻勢を強めている。ただ、今回、民進党の支持率も9.2%にとどまっていて、政権批判の受け皿になっていないというジレンマを抱えている。民進党幹部は「正直ショックだった」と語っている。

 民進党・野田幹事長「野党第一党として、一つ一つ信頼を勝ち得ていくように、がんばっていきたいと思う」

 民進党内には蓮舫代表など執行部に対する不満がくすぶっている。

 一方、世論調査では「都民ファーストの会」が次期衆院選で全国に候補者を立てることに「期待する」が26.6%だったのに対し、「期待しない」が55.2%に上った。今の政権批判がこれからどこに流れるのか、今後の政治の行方を左右することになる。

(『日テレNEWS24』より)


 安倍内閣の支持率低下の傾向には、歯止めがかからなかった。今回のNNN調査の31.9%という数字は、安保法案が批判を浴びた2015年7月に毎日新聞の世論調査が出した32%という「底値」に並ぶものだ。ついに「危険水域」といわれる内閣支持率30%をめぐる攻防の局面になった。

 都議選での自民党の惨敗をめぐって、「THIS IS 敗因」などという馬鹿げた言説が流布している。自民党が負けたのはT(豊田真由子)、H(萩生田光一)、I(稲田朋美)、S(下村博文)のせいだというのだ。

 冗談じゃない、「A級戦犯」が抜けてるじゃないかと思うのは私だけじゃないだろう。世論調査でも「首相の人柄が信用できない」ことを不支持の理由として挙げる人たちが増えている。安倍晋三こそ自民党の敗因に挙げられなければならない。

 なお、この件に関して、「『THIS IS 敗因』ではなく『THIS IS A 敗因』かも」と題された記事をネット検索で見つけたので下記にURLを示しておく。「A」はもちろん安倍晋三を指すが、Iは稲田以外に今村雅弘や石原伸晃もいるよ、Sは菅義偉や佐川宣寿もいるよ、などと書いており、責任を分散させるような書き方にはぬるさを感じさせる。
http://note365.net/?p=6741

 ただ、来月(8月)に行われるという内閣改造は、内閣支持率を押し上げる一定の効果を持つだろうとは確実に予測できる。それは、10年前の8月にも起きた現象だ。結局内閣が持たなかったのは体調を崩した安倍晋三が政権を投げ出したためだったが、あの第1次安倍改造内閣で防衛大臣に就任したのが小池百合子だった。当時、小池は "Please call me Madam Sushi." なる妄言を吐いて失笑を買った。

 その小池百合子が都議選前と選挙中にだけ党代表を務め、極右の野田数を代表に再起用した「都民ファーストの会」の国政進出について、NNNの世論調査で「期待しない」が過半数55.2%を占めたことも注目される。しかし、それなら民進党が受け皿として期待されているかといえば全くそんなことはなく、前記日テレニュースが伝えるところでも、民進党の政党支持率9.2%という低い数字に、同党幹部が「正直ショックだった」と語っている。

 おそらく、辞意を漏らしたという野田佳彦が幹事長を辞任するだけで、現在の蓮舫体制が続くのだろうが、昨年の民進党代表交代以降の民進党低迷の原因として、野田佳彦幹事長任命のほかに、もっと大きな原因がある。それは昨年晩秋に蓮舫がいち早く小池百合子にすり寄って小池に「協力を申し出た」ことだ。しかも、小池はそれにつけこんで、民進党からの協力要請は断りながら、都議選では都ファが民進党から大量の現職・前職(いずれも当時)を引き抜いた(もちろん自民党からも引き抜いたが)。都ファが民進党から引き抜いた現職・前職たちは、ある者は右翼だったり、別の者はもともとは「みんなの党」に属していた新自由主義者だったりした者が多く、民進党内でも政治思想か経済政策かのいずれかが「右寄り」の者が多かった。

 民進党代表に就任した直後に、自らのその一員である民進党右派にいい顔をしようとした蓮舫は、逆に右派に逃げられた形となった、海江田万里に代わって民主党(当時)の代表に返り咲いた岡田克也が、おそらく自らの思想信条とは齟齬があるかもしれない「野党共闘」路線にしか活路を見出せないと判断してこれに徹し、昨年の参院選で激戦となった1人区で成果を出すところまでこぎつけたのと好対照といえる。しかし岡田克也には、2005年の郵政総選挙で小泉自民党に惨敗したことからもうかがえる「ポピュリズム政治の攻勢に対する弱さ」があって、それが昨年の東京都知事選での鳥越俊太郎の惨敗(これは「タマが悪かった」側面も否定できないが)につながった。そのあとに蓮舫という「党首にしてはいけなかった」人間を党首(党代表)に据えてしまった民進党の体質を具現しているのが蓮舫なのであって、もはや蓮舫の首をすげ替えたところで蓮舫と同じような人間しか出てこないのではないかと私は思っている。

 現在は国政進出を懐疑的な目で見られている「都ファの国政政党版」、これは「新・新進党」とも「国民ファ★ストの会」とも仮称できるが、間違いなく立ち上がるこの政党は、まず民進党からの政治思想右派または経済右派の連中を引き抜き、さらにかつての新進党に倣って公明党を自民党との連立から引き離そうとするだろう。人間は歳をとっても同じことを考えるものだ。小池百合子はかつて新進党を作った小沢一郎のやり方を真似るに違いない。仮に政党名が「国民ファ★ストの会」にでもなれば、それはかつての小沢一郎の「国民の生活が第一」とそっくりの党名になる。これは決して偶然ではない。

 民進党右派を取り込み、公明党との連携に成功すれば(その際には自民党内の安倍晋三に対する批判勢力、たとえば石破茂らも動く可能性がある)、都ファの国政政党版への期待が今よりも高まる可能性がある。これに対する警戒を怠ってはならない。しかし、安倍政権をこれ以上長引かせてはならないとも強く思う。当面はろくでもない政治勢力同士のせめぎ合いが続くことになりそうだ。

 今後のブログ運営に関して、当面は、「安倍晋三批判」と「小池百合子批判」の二正面作戦で行くしかないと強く思う今日この頃だ。
 昨日(2日)投開票された東京都議選は、都民ファーストの会(以下都ファ)が50人の公認候補中49人が当選する圧勝で、開票後追加公認した無所属の6人と合わせて55議席と圧勝した。

 自民党は23議席で、最後に当確が出た候補が落選していたら、公明党の議席(23議席)をも下回る第3党に転落するところだった。同党は前回(2013年)の都議選で59議席を獲得したが、半分以下に激減した。

 公明党は前回と同じ23人の候補者全員を当選させた。

 共産党は苦戦を予想されていたが、予想を上回る自民党への逆風が幸いし、都ファの候補がトップ当選した選挙区で下位当選を自民党候補と競り合って勝つ選挙区が多くあったため、前回の17議席を2議席上回る19議席を獲得した。

 共産党と対照的に惨敗したのが、昨年いち早く党代表の蓮舫が小池百合子にすり寄りながら小池に「振られた」民進党と、都ファと選挙協力した生活者ネットだった。民進は選挙前の7議席からは2議席減だが、前回の15議席の実に3分の1に過ぎない5議席だった。また生活者ネットも同じく前回(3議席)の3分の1の1議席だった。

 こうなるだろうとは思っていた。それを確信したのは、リテラが投票日前日(7月1日)になって「小池知事と都民ファーストでいいのか? 仕切っているのは国民主権否定を公言する極右、安倍政権に全面協力の密約も」という長いタイトルの記事(下記URL)を公開したのを知った時だ。
http://lite-ra.com/2017/07/post-3286.html

 リテラのライターは素人の市井のブロガーと違って、マスコミ各社の記者たちとも接触があるから、期日前投票の出口調査の結果も漏れ伝わっていたに違いない。そして、それは予想を超える都ファへのバンドワゴン現象を示すものだったであろうことは、選挙結果から間違いない。

 自民党にはすさまじい逆風が吹いているのに、それが「野党共闘」4党(うち自由党は都議選で公認候補を出さなかった)の支持につながっていないことを知ったリテラは、慌てて投票日前日に都ファの右翼性をアピールする記事を公開した。しかし、そのタイミングはあまりにも遅く、完全に「焼け石に水」だった。

 伝え聞くところでは、共産党も「赤旗」も都ファや小池百合子への批判は手ぬるかったとのことだが、それでも選挙戦後半には都ファ批判を強めていた。しかし民進党は、選挙戦終盤戦になってようやく蓮舫が都ファ批判をくりだしたものの遅すぎた。

 最初から小池百合子と手を結んだ生活者ネットは論外だ。この政治団体の主義主張は右派議員の多い民進よりむしろ社民に近いが、小池百合子は生活者ネットなら有権者の忌避感はほとんどあるまいと計算して、ともにすり寄ってきた民進と生活者ネットに対して違う対応をした。私が小池の立場であっても同じ対応をしたに違いないと思う。しかし、自己と民進党を過大評価していた蓮舫は無謀にも小池にすり寄り、予想通り拒絶された。

 選挙結果は民進と生活者ネットに有権者が鉄槌を降す結果となったといえる。たとえば定員6の杉並区では、当選者は得票数順に都ファ、都ファ、共産、公明、自民、自民で、落選者の上位3人がネット、民進、民進だった。

 いわゆる「リベラル」のうち、新自由主義志向の強い者は都ファに流れ、新自由主義を嫌う向きは共産党に流れた。当然の結果であり、私の選挙区は杉並区ではないが、前回(2013年)に続いて共産党候補に投票した。杉並区民であってもそうしたに違いない。小池と手を結んだ政治勢力や、党首が小池にすり寄った政党の候補になんか間違っても投票する気にはならない。

 なお、今回の都議選で民進党に投票した人たちには、新自由主義には容認的であるものの都ファ及び小池百合子の右翼性を敬遠した人たちと、新自由主義も右翼性も嫌いだけれど共産党も嫌いという人たちがいたように思う。前者の代表が私が日頃からウォッチしている某ブログであって、リテラに都ファ批判の記事が公開された同じ日に、民進党支持を表明したブログ記事を公開したが、それ以前には都議選をメインにした記事を公開していなかった。そして選挙後には、予想通り自民の大敗を手放しで喜ぶ記事を公開した。

 一方、後者の人たちの行動はどうしても私には解せないところだ。彼らの多くは、本心では小池百合子や都ファを快く思っていないことは明らかなのに、他の反自民野党の支持者や私のような反自民の支持政党なしの人間による蓮舫批判を激しく忌み嫌って、強烈な蓮舫擁護の論陣を張るのである。本当は彼らこそ率先して蓮舫を批判しなければならないはずだし、小沢一郎が代表になって党内の締めつけを強めて(たとえば2008年の民主党代表選には、小沢一郎が対立候補の立候補潰し工作を執拗に行って=同じ行動を安倍晋三も2015年の自民党総裁選でとった)、党内に「執行部独裁」体質を定着させる以前には、党内で活発な意見交換が行われる党風を持った政党だった。当時の民主党の主義主張はよく言われるように新自由主義的だったが、百家争鳴とか多事争論などの言葉で表されるような気風は確かにあったのだ。

 しかし、今では自由党に分かれた小沢一郎の支持者、いわゆる「小沢信者」だけではなく、「反小沢」側に立っていた者も、自分たちへの批判を許さない「民進党信者」と化している。そんな支持者が目立つような政党から民進ならぬ民心が離反していくのは当然のことだ。

 今回の都議選の結果は、直ちに政界再編に結びつくだろう。既に若狭勝、長島昭久、渡辺喜美といった暑苦しい面々が騒ぎ始めている一方、都議選で都ファと結んだ公明党は、国政では安倍政権との緊密な連携を表明している。しかしそうは問屋が卸さない。

 ほんの少し前まで「安倍一強」と言われていたのが、突如として民意のすさまじい鉄槌を受け、内閣支持率はJNNの調査(下記URL)で2か月連続の暴落を記録した。
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3094937.html

 都議選のあった週に世論調査をしていたとは意表を突かれたが、この調査によると安倍内閣の支持率は2か月で実に20ポイント落ちた。ついこの間まで、安倍晋三は国会答弁で「民進党の政党支持率は何パーセントなんだ。安倍内閣の支持率は50%ある」と豪語していたが、あっという間の急落だ。「レギュラー8本をなめんなよ」と豪語した長谷川豊があっという間にレギュラー番組を全て失ったことを思い出させる。安倍晋三は昨夜は記者会見もせずに逃亡した。

 こんな情勢下では、小池百合子も当然これまでの戦略を変更するほかない。仮に今回の都議選で都ファと自民が拮抗する結果だったら、小池は安倍からの政権禅譲を狙って駆け引きを行っただろうが、ここまで安倍政権の人気が暴落すると、安倍と手を組むことは小池百合子自身の人気の暴落に直結する。都議選の戦略において民進党を忌避したのと同じ理由が安倍政権に対しても適用される。なぜなら、今回都ファの得票を押し上げたのは、安倍政権に対する批判票だから、安倍と組むことは次期総理を狙う小池には絶対にできない選択肢になってしまったのだ。

 それならどうするか。いうまでもなく「新・新進党」の立ち上げだ。既に若狭だの長島だの渡辺だのの魑魅魍魎が蠢いているのは前述の通りだが、都議選後直ちに読売系のスポーツ報知は

民進党の国会議員5人以上が小池氏支持のため離党する方針を固めたことも判明。今後、都民Fの国政進出も現実味を帯びてきた。

と書いた(下記URL)。
http://www.hochi.co.jp/topics/20170703-OHT1T50083.html

 こうなっては、野党の右翼的再編はもはや避けがたいだろう。簡単に言えば、民進党から出るであろう大量の離党者は、次の選挙では「新・新進党」(おそらく党名は「国民ファーストの会」にでもなるに違いない)から出馬する。維新から少し距離を置いている名古屋の「減税日本」もこれに合流する。仮に小沢一郎が政界引退を決意するのであれば、自由党も加わる可能性がある(但し自由党には、社民党及び民進党リベラル派と合流する選択肢もある。小沢が政界を引退しない場合はこちらになるだろう)。

 何しろ若狭だの長島だの渡辺だの民進党離党者だのには新党結成を求める理由がある。それは、東京都議選の結果から明らかなように、安倍政権は人心を失っているのに、民進党や共産党では政権の受け皿にはなれないため、「死に体」の安倍政権が続くのだ、だから人心を失った安倍政権に代わる政権の受け皿が必要だ、というロジックだ。

 TBS以外の内閣支持率の世論調査がどうなるかにもよるが、「政界の右翼的再編」はもはや不可避だろう。安倍晋三に冷や飯を食わされ続けた石破茂あたりも、かつての盟友・小池百合子一派との合流に走る可能性がある。

 ようやく安倍晋三の邪悪極まりない政権の終わりが見えてきたが、その代わりにもう一人の極右にして新自由主義者、しかも1年前の都知事選前に「身体検査の結果は真っ黒」と週刊誌に書かれたモンスター・小池百合子の脅威がますます強まった。

 一難去ってまた一難。「崩壊の時代」は崩壊の度合いを強めながらまだまだ続く。