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きまぐれな日々

 先週の政治(国会)に関するニュースで、心ある一部の国民(安倍内閣を支持するような不心得者はもちろん話が別)を呆れさせたのは、なんといっても「黒塗りのTPP交渉資料」の一件だろう。以下、朝日新聞デジタルの記事(下記URL)より引用する。
http://www.asahi.com/articles/ASJ455V3NJ45UTFK016.html

TPP交渉資料、全て黒塗りで公開 内容分からず 自民
2016年4月5日21時44分

 環太平洋経済連携協定(TPP)の承認案と関連法案の衆院特別委員会での審議をめぐり、自民党は5日、民進党が求めていた政府の交渉資料を、特別委の理事懇談会に提出した。ただ、全て黒塗りされ、内容は分からない状態だった。

 民進は、情報開示がないと十分な審議ができないとして、甘利明・前TPP相とフロマン米通商代表部代表の会談記録の提出を要求。自民は5日、首相官邸への報告用に論点をまとめた資料を提出したが、全て黒塗りされ、「TPPブルネイ交渉会合 平成25年9月」などというタイトルだけが上から貼り付けられていた。

 自民の佐藤勉国会対策委員長は記者団に「公開しないという国と国との約束は絶対に逸脱できない。それ(黒塗り)でもという話があった」と説明。民進の近藤洋介・特別委筆頭理事は「ここまで黒いと思っていなかった。政府の説明を徹底的に求める」と述べた。

 資料提出を受け、与野党は、特別委で6日に承認案などの趣旨説明、7、8の両日に安倍晋三首相も出席して質疑を行うことで合意。自民は、首席交渉官だった鶴岡公二氏の参考人招致にも応じた。

(朝日新聞デジタルより)


 ところが、国会に黒塗り資料が提出される一方で、衆院TPP特別委員会委員長の西川公也(自民)が書いたTPP交渉の暴露本を4月20日に発売する予定になっていた。これが国会で取り上げられた。以下ハフィントンポストの記事(下記URL)を引用する。
http://www.huffingtonpost.jp/2016/04/07/nishikawa-koya-book_n_9639480.html

西川公也氏の著書『TPPの真実』巡り国会中断 Amazonからは削除
The Huffington Post | 執筆者: 吉野太一郎
投稿日: 2016年04月08日 12時15分 JST 更新: 2016年04月08日 12時24分 JST

衆院TPP(環太平洋経済連携協定)特別委員会の西川公也委員長(自民)が、TPP交渉について出版予定の著書に、外交上の守秘義務は含まれるのか。この点を巡って、国会が混乱している。

4月8日の同委員会は、西川氏が近く出版予定の『TPPの真実-壮大な協定をまとめあげた男たち』(中央公論新社)を巡って与野党が激しく対立した。

民進党の緒方林太郎氏は、この書籍のゲラ刷りとする資料を示し、政府のTPP対策本部職員が情報提供などをしたのかと質問したが、石原伸晃・TPP担当相は「ゲラ刷りかどうか確認できない」「資料を認識していないので答弁は差し控える」などと繰り返し答弁。反発した民進党の委員が途中退席した。午前10時過ぎに西川委員長が休憩を宣言し、審議は中断している。
7日の委員会では、玉木雄一郎氏(民進)の質問に、西川委員長は「答える立場にない」と応じず、安倍晋三首相も「いま初めて知った」と答弁するなど、与党側に混乱がみられた。

発端は、野党側が求めた政府のTPP交渉資料を、5日に自民党側がすべて黒塗りで国会に提出したこと。自民党側は「公開しないという国と国との約束は絶対に逸脱できない」(佐藤勉・国会対策委員長)と、守秘義務をたてに開示を拒否したが、紀伊國屋書店ウェブストアによると、西川氏の本は「未曾有の多国間交渉での自国の将来をかけた駆け引き。自民党TPP対策委員長として最前線に立った著者が、その熾烈な内幕を明かす!」とされている。野党側は守秘義務違反に当たらないのであれば「同レベルの情報を国会議員にも出して欲しい」と求めていた。

この本は、amazonからはリンクが削除された。紀伊國屋書店ウェブストアやhontoには残っているが、どちらも予約受付は終了している。ハフポスト日本版は中央公論新社に事実関係を確認しており、回答を待っている。

西川氏は第2次安倍政権で自民党のTPP対策委員長、2014年9月からは農水相を務めた。TPP交渉の内幕を知る立場にあったが、自身の政党支部が国の補助金を受けた企業などから献金を受けていたことが発覚し、2015年2月に辞任していた。

(ハフィントンポストより)


 この西川公也が書いた暴露本について、「第一サティアン」や「最後は金目でしょ」など数多くの暴言で知られるTPP担当大臣の石原伸晃は、木で鼻を括ったような口調で知らぬ存ぜぬを決め込む答弁をしていたが、この石原のふざけた答弁に怒った民進党議員が退席したあとの国会で、なんと西川自身が当該の本を書いたことを認める雑談をしており、それを国会のマイクが拾っていた。以下日本テレビのニュースサイトより(下記URL)。
http://www.news24.jp/articles/2016/04/09/04326897.html

 TPP(=環太平洋経済連携協定)の承認案をめぐる国会審議は、野党側が衆議院TPP特別委員会・西川公也委員長の審議の進め方などに反発し、6時間あまり中断される事態となった。こうした中、西川委員長のある発言をカメラが捉えていた。

 「『TPPの真実』といわれるこの本のゲラとされるものでありますが」-民進党の緒方林太郎議員が手にしているのは、西川委員長が出版を予定していた著書の原稿。政府が守秘義務に関わるとしている交渉の経緯が書かれていると指摘した上で、西川委員長に対し、自らが書いたものなのかただした。

 西川委員長「委員長は答弁する立場ではありません」

 民進党は、こうした答弁が不誠実だとして委員会室を退席。この後、マイクが西川委員長のある会話を拾っていた。

 西川委員長「あれは全部文書からはね、今の新しいやつは消えてるんですよ。自分できれいに整理をしたやつじゃなくて、一番古いのが出てるんですよ。書き殴ったやつが。だけど認めないんでしょ。深掘りしてくるから」

 自らが書いた原稿であることを認めるような発言。民進党は週明け以降、委員長の解任決議案提出も視野に攻勢を強める方針。

(日テレニュース24より)


 なんとも国民を馬鹿に仕切った話で、私など怒り心頭に発するのだが、驚くべきことにこれほどまでにも狂犬的な、もとい強権的な政権を国民の半数近くが「支持」している。

 「NEWS23」のアンカーが岸井成格(毎日新聞)から星浩(元朝日新聞)に代わり、「報道ステーション」のコメンテーターが従来の日代わりから月〜木曜日が後藤謙次(元共同通信)の固定になった(後者は今日4月11日がその初回)ことによって、両番組が骨抜きになった(なるであろう)現在、ネトウヨの憎しみはTBS日曜朝の「サンデーモーニング」に集中することになるのだろうが、その「サンデーモーニング」で昨日(10日)、私から見ると括弧付きの「リベラル」としか思えない姜尚中がこのTPP資料問題についてコメントしていた。

 「TVでた蔵!」というウェブページを参照しながら姜のコメントを下記に示す。

 姜氏は明治維新、終戦につぐ第3の開国である(TPPという)事態で、明治開国の時は公議輿論(という)国民も皆議論する意味の言葉があり、その反対である有司専制といわれる批判語があったと説明。国民の生活が大きく変わる事態に、一切知らせないのはGHQ占領下のようだ、有司専制の歴史が150年つづいてきたのではないかと批判した。(「TVでた蔵!」より。括弧内は引用者による補足)


 「有司専制」とは、「コトバンク」によると、

官僚が独断的に事を取り計らうこと。明治初期、自由民権派が藩閥政府による専制的政治を非難したときに用いた語。(『デジタル大辞泉』より)

だ。この言葉から連想されるのは、「論語」に由来する「由らしむべし知らしむべからず」という言葉であり、こちらは、やはり「コトバンク」によると、

《「論語」泰伯から》人民を為政者の施政に従わせることはできるが、その道理を理解させることはむずかしい。転じて、為政者は人民を施政に従わせればよいのであり、その道理を人民にわからせる必要はない。 (『デジタル大辞泉』より)

という意味だ。

 安倍晋三が「日本を、取り戻す(トリモロス)」という時の日本とは、明治維新以前には遡れないとよく言われるし、私もこれまでずっとそう書いていたが、実はこれは間違い、というか安倍らを買い被り過ぎていたのではないかと最近思うようになっている。なぜなら、明治の元勲であり安倍晋三と同じ長州閥の伊藤博文は、樋口陽一の指摘する通り立憲主義をよく理解していた人間で、「そもそも憲法を創設するの精神は、第一、君権を制限し、第二、臣民の権利を保護するにあり」と言っていたのだが(実際には伊藤博文は、エスタブリッシュメント層には天皇機関説を教え、下々には天皇を現人神として信仰させるという「顕教と密教」の二枚舌の使い分けによる寡頭政治をもくろんだ悪知恵に長けた人間だったと思うが)、安倍晋三や自民党の政治家にはそれすら我慢ならず、「立憲主義とは耳慣れない言葉だ」とすっとぼけて、明治よりもっと昔の社会に回帰しようとしているとしか思われないからだ。安倍らの理想は2500年前の中国であり、今で言うなら北朝鮮であるとしか私には思えない。いや、みだりに北朝鮮など持ち出さず、戦前の日本と書くべきなのかもしれないが、戦前の日本において、密教が顕教に呑み込まれた、つまり天皇機関説が「統帥権干犯」として右翼や軍部の攻撃を受けたあげくに排除された(政党政治家でありながら軍部とグルになったのが政友会の政治家たちだった。中でも特に声高に「統帥権干犯」を叫んだのが鳩山由紀夫の敬愛する祖父・鳩山一郎だった)ことを考えると、戦時中の日本の失敗を繰り返さず、長期に安定して専制政治を行いたいという野望が安倍を筆頭とする自民党の政治家には明らかにうかがわれる。だから「顕教と密教」の使い分けによって専制政治を行おうとしたもののその60年後の破綻を呼び込んだ伊藤博文及びその延長線上にある戦前の日本には学ばず、伊藤が依拠しようとした七面倒くさい立憲主義など止めてしまえ、と彼らは考えていると想像される。してみれば、彼らが戦時中の日本を目指していると考えるのはやはり不適当であり、金王朝がその独裁制を長きにわたって維持している北朝鮮にしかたとえようがないように思われる。もっとも金王朝の独裁も遠くない将来打倒されるのではないかとの予感が日に日に強まってはいるが。

 いずれにせよ、安倍政権が戦後もっとも危険な政権であり、一刻も早く打倒しなければならない政権であることが日に日にあからさまになってきているのが今の日本だと思う。しかしこのように書いても同感の人は少ないようだ。最近はこのブログには反対意見を持つ方々からの反論がほとんどこなくなっている。強権ならぬ狂犬はほったらかしにしておけ、とでも思われているのではないかと想像する。なにせせこのブログは、安倍政権に対立する側に対しても、民進党の野合に悪態をついたり、共産党の民主集中制を批判したりして、「野党共闘」を呼びかけたりも全然しないどころかそれに懐疑の目を向けたりしているのだから、自ら敵を作りまくっているようなものだ。だから賛成意見が少ないのはわかる。だが批判のコメントまでもがいたって少ないのだ。だから狂犬扱いされてるんだろうなと思う。もっともブログのアクセス数も全盛期(2009年)と比較すると数分の一しかない。

 だが、ブログ開設から今週末ではや10年。書きたいことを好きなように書くというのが最終的に行き着いた私のブログのあり方だ。ウェブログとはもともとそういうものだと思う。
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