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きまぐれな日々

 統一地方選の投票が終わった。翌日開票の自治体もあるので結果が確定するのは今日(27日)になるが、安倍晋三の自民党は余裕で統一地方選を乗り切ったといえるだろう。

 大阪の吹田市で大阪維新の会の現職が落選したらしい。今回の統一地方選では数少ない「ざまあ」案件だった。勝ったのが自公とあってはめでたさも中くらいだが、全国の大都市でも右傾化が突出している大阪では、維新対自民の対立構造にならざるを得ないのかもしれない。とりあえず維新現職の敗北を伝える朝日新聞記事を引用しておく。
http://www.asahi.com/articles/ASH4V0Q9MH4TPTIL02K.html

大阪維新、府内の3市長選で敗北 自民など推薦候補に

 第18回統一地方選挙の後半戦は26日、142市区町村長選と586市区町村議選で投票、一部を除いて即日開票された。大阪府内の3市長選では、大阪市をなくして五つの特別区を設けるいわゆる「大阪都構想」で対立する大阪維新の会と自民党の推薦候補が激突し、いずれも自民党の推薦候補が勝った。

 吹田市長選は自民、公明両党が推薦する新顔の後藤圭二氏(57)が、維新推薦で現職の井上哲也氏(58)ら3氏を破った。後藤氏は選挙戦で「行政レベルが下がる危険性がある」と都構想批判を展開。当選後には「(反対派の)堺市長、八尾市長とともに都構想の防波堤になる」と語った。前回、公認で維新ブームの象徴となった井上氏は、今回も維新色を前面に出したが、及ばなかった。

 3人の新顔が争った寝屋川市長選でも「都構想と連携した市政を推進する」と訴えた維新推薦候補が敗れ、自民党推薦の元同党府議が初当選。八尾市長選では自民、民主、公明、社民の各党が推薦した現職が、維新と次世代の党推薦の新顔を退けた。こうした結果に、自民党の竹本直一府連会長は「住民投票で反対の後押しになる」と語った。

(朝日新聞デジタル 2015年4月27日01時21分)


 実は吹田は私の出生地ではないのだが、小学校に上がる前まで住んでいた地だったりする。その地で維新の現職候補が負けたことによって、ようやくくそ面白くもなかった統一地方選でほんのちょっぴり溜飲を下げた。

 維新といえば、現在では東京都内某所に住む私の選挙区で、18日土曜日最初に出くわした選挙カーが維新の候補だった。維新のポスターには「身を切る改革」とかなんとか書いてあって、強烈な新自由主義政党であることをアピールしていた。また、生活の党と減税日本が推薦する無所属候補とかいうのも出ていた(山本太郎はその候補を推薦していなかった)。維新ともども、この手の候補には一切投票するまいと思ったことはいうまでもない。政権批判が維新だの生活だのに回収されていって、日本の政権批判の力は本当に弱くなった。

 そういえば昨日、安倍晋三が訪米に出発した。相変わらずオバマに歓待されないらしいとの記事を見かけるが、いかに安倍晋三がオバマと相性が悪くとも、安倍晋三はアメリカでまた余計なことを言いふらしてくれるだろうと思うと、本当に憂鬱になる。

 上昇するのは株価ばかりである。2000年以来15年ぶりの日経平均2万円超え。2000年に日経平均株価が2万円を超えたのは今年と同じ4月。転勤したばかりの頃だったのでよく覚えている。あの時私が、こんな実態を反映していない株価なんか早く下がってしまえ、などと思っていた。実際に株価はこの年のうちに下がったのだが、それはITバブルの破裂によるものであって、私の仕事及び人生を直撃した。

 今回は15年前以上に企業活動の実態とかけ離れた株価といえる。日本企業の力は、15年前と比べて大きく落ちている。ただ、軍需を含む重厚長大産業は、安倍政権の実質的な傾斜配分によって元気を取り戻しているのかもしれないが、そちらの方面とはかかわりを持っていないのでよくわからない。株価についていえば、言うまでもなく年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)などの「クジラ」の買い支えによって人為的に吊り上げられたものである。

 「クジラ」とはダイヤモンド社の一般向け投資雑誌『ZAi ONLINE』の記事を参照すると、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、共済年金、かんぽ生命保険、ゆうちょ銀行」、それに日銀を指す。今年3月31日に藤井英敏という人が書いた同じ記事には、

また、第18回統一地方選挙が、4月12日と26日の2回に分けて行われる予定です。現在は、「官製相場」の色彩が強いため、選挙前に相場を崩さないのではないかとの思惑が強まることでしょう。

などと書かれている。実際その通りになったわけだ。

 こうした経済の実態を反映しない株価に代表される、なんとかのミクスの虚栄のあとにはどんな反動が待ち構えているのか、想像するだに恐ろしい予感がする今日この頃なのである。
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 安倍晋三が政権に復帰して2年4か月、昨年の衆院選での自民党圧勝を受けて第3次安倍内閣が発足してからでも4か月が経つ。

 このブログは2006年4月16日に立ち上げた。それから丸9年が経過し、10年目に入った。開設後最初の2か月は試運転をしていたが、ブログ開設の狙いは最初から安倍晋三を倒すことにあった。当初は自民党総裁選で安倍晋三を落とすことを目標としていたが、叶わなかった。当然、安倍政権打倒に目標を切り替えた。第1次安倍内閣は丸1年しか持たなかった。もちろんこのブログの寄与などないに等しい。

 「政権交代」のあった2009年がブログのアクセス数のピークだった。その後は、はてなダイアリーに開設した『kojitakenの日記』の方が使い勝手が良いため、そちらに記事を書くことが多くなった。2011年1月に、初めて『kojitakenの日記』のアクセス数がこちらのブログを上回るようになった。しかし、同年3月、東日本大震災と東電原発事故が起きると、速報は『日記』、まとまった批判記事はこちらに書き分けて、両方同じくらいの力の配分で記事を書いていた。

 そんな時、FC2の「blog63」を含むいくつかのサーバの大トラブルがあった。これはずいぶん長く続き、過去記事にいただいたコメントやトラックバックのかなりの割合が消えたまま復旧されなかった。また、いくつかの文字コードの表示がおかしくなった。その時点で1000件以上の記事を書いていたので、一部、他のブログに引用された記事などは気づいた時点で修正して元に戻しているが、多くは今も化けたままになっている。

 この時、ブログサービスを変えてはどうかとのおすすめもいただいたが、それまである程度のアクセス数を集めてきたブログが、別のブログサービスに移転するとともにアクセス数を激減させた例をいくつも見てきたので、それは避けたいと思い、今もFC2を使い続けている。だが、更新の頻度は週2回、さらに週1回へと減り、それに伴ってアクセス数も低下して現在に至る。

 さて、この9年間、日本の政治をめぐるネット言論、特に安倍政権のような右派(極右)政権に対する批判的言論もずいぶん変わった。2006年の小泉政権末期から06〜07年の第1次安倍内閣の頃は、「反安倍」でそれなりに団結していたが、07年の参院選で民主党が圧勝した当たりから小沢一郎を崇拝する、いわゆる「小沢信者」が他の政治勢力を応援する人たちに対して排他的な言動を取り始めた。一時は「『小沢信者』にあらざれば人に非ず」のような時期さえあった。また、同時期に「『右』も『左』もない」と称して、極右政治家である城内実や平沼赳夫を「反新自由主義の闘士」に勝手に祭り上げる動きもあり、これにも多くの人間が靡いた。彼らの末路については言及を控えておくが、彼らが応援していた政治勢力が2012年の衆院選において壮絶な自爆を遂げた事実だけは書き記しておく。

 その選挙に大勝したのは自民党だった。総選挙の数か月前、安倍晋三が自民党総裁に返り咲いていた。当時は「大阪維新の会」の橋下徹と「たちあがれ日本」の生みの親である石原慎太郎が野合した「日本維新の会」の全盛期でもあった。その後、維新の勢いは衰えたものの、それでも維新は大阪、安倍自民党は日本全体を支配する状況がずっと続いている。

 これはもう、これまでの人生で最悪の政治状況としか言いようがない。橋下と安倍は、ともに言論統制へと激しく傾斜する、稀に見る悪質な指導者である。先日も、NHKとテレビ朝日が自民党に呼びつけられた。NHKなどは、籾井勝人が安倍晋三の抜擢で会長に就任して以来、見るも無惨な「御用放送局」になり果てたのだが、それでも気に食わない番組を槍玉に挙げるのだ。またNHKやテレビ朝日の上層部がのこのこ「糾弾」されに行ったのも最悪だった。自民党は「放送免許取り消し」までちらつかせる増長ぶりを見せている。

 そんな安倍政権や、大阪においては橋下一派を半数の人々がおよそ支持している。彼らは指導者が示す政策には必ずしも賛成とは限らないにもかかわらず。もちろん民主党政権時代の民主党主流派と小沢・鳩山一派双方に対する国民の激しい失望が大きな要因になっているとはいえ、安倍晋三が無抵抗のままやりたい放題をやって増長しているのを日々見続けていると、気分が重くなり、文章を打つ指の動きも鈍る。

 以上、ブログ開設10年目に当たっての冴えないぼやきの弁まで。これからも応援よろしくお願いします、とは私は言いません?(by イチロー)
 統一地方選は全国的には自民党、大阪では維新の強さが目立つという結果になった。

 年初に起きた自称「イスラム国」による日本人人質事件で安倍晋三が強気を貫いて人質2人を見殺しにして以来、それまでわずかながら長期低落の傾向にあった安倍内閣支持率が下げ止まり、一昨年、昨年以上に悲惨な政治の状況になっている。

 それを実質的に援護しているのが、「リベラル」側のふがいなさである。たとえば、朝日新聞のていたらくには目を覆うものがある。

 最近目にした最悪の例は、先週末の土曜日、4月11日付オピニオン面に掲載された「耕論『右傾化』」だった。3人にインタビューしているのだが、その3人とは三浦瑠麗、平沼赳夫、さやわか。言わずと知れた極右政治家である平沼を含み、全員が「右」なのだ。「右」の人間ばかり選んで「右傾化」を論じさせるとは、悪い冗談としか思えない。まるで産経だ。

 下記に、この記事についた「はてなブックマーク」の「人気コメント」からいくつかピックアップする。

sapopopo このタイミングで、この面子の、こんな記事出てるのがまさに右傾化の証左では

kabutomutsu もはや朝日はバランス取るフリすらしないらしい

Fondriest 三バカトリオ以外のどんな感想が可能なの?箸にも棒にも掛からない幼稚な妄言/国際政治学って地政学と並んで馬鹿の吹き溜まりなの?

inumash これから憲法改正やらなにやらが政策として具体化してくる状況を分析させるのに何故このメンツなのかさっぱりわからんが、差し当たり三浦瑠麗は信頼できる論者ではないってことがはっきりわかった。

kanose この記事で三浦瑠麗氏の株がストップ安になってる

wideangle "そもそも保守主義者を名乗る人たちを含め、日本人の多くは誤解しています。尖閣諸島で日中が衝突すれば、日米安全保障条約を結ぶ米国が助けにくると信じていますが、それは錯覚です。" 平沼だなあ……


 三浦瑠麗に対する批判は、今日未明に『kojitakenの日記』の記事「朝日オピニオン面『右傾化』特集に載った三浦瑠麗のインタビューがひど過ぎる」に書いたので繰り返さない。ここでは、上記「はてなブックマーク」の「人気コメント」のうち、最後の平沼赳夫の発言に注目したい。

 確かに平沼は上記のように発言している。そして、その部分だけに関して言えば平沼は正しいと私も思う。しかし、その事実をもって、「だから日本は自主憲法を制定しなければならない」と結論づける平沼の論法には真っ向から反対する。

 しかし、上記平沼の論法に酷似した主張が、最近一部の「リベラル」たちの間で支持を集めているのではないだろうか。そう、矢部宏治の『日本はなぜ「基地」と「原発」を止められないのか』だ。朝日新聞で池澤夏樹が絶賛していた。池澤のコラムを読んで激怒した私は、ついに矢部の本の現物を買った。「はじめに」を読んだだけで「トンデモ本」であることがわかった。読み進むにつれて怒り心頭に発した。

 まだ本の最初の方しか読んでいないが、「4年前までノンポリだった」と自称する矢部宏治は、砂川事件の最高裁判決で示された「統治行為論」を最近まで知らなかったかのように書いている。これが本当なのかどうかは疑う必要があるが、矢部と同年代で同じ地方の出身である私は、砂川事件の最高裁判決や「統治行為論」は高校の政治経済の時間に習った。しかし、それを日本国憲法第9条第2項の否定に結びつける論法は習わなかった。

 池澤夏樹は、矢部の本に書いてあることを「左折の改憲」だというのだが、それは平沼赳夫の「改憲」もとい「自主憲法制定」の議論と何も変わらないではないか。

 それで思い出すのだが、平沼赳夫は小泉純一郎によって自民党を追い出されて以来、時に「反米右翼」の主張をすることがあって(前述のように今回の朝日のインタビューでもしている)、それを取り上げて評価し、平沼を批判する論陣を張り続けていた私を指して、「平沼赳夫さんを『極右』と決めつける人がいます」と批判した「政権交代ブロガー」がいた。ブログやツイッターでは「喜八」と名乗る人間である。「政権交代論」華やかなりし時代に小沢一郎を熱烈に支持していたブロガーたちの大半は、この議論で「喜八」の肩を持った。この国の「リベラル」がいかにダメな人間の集まりであるかを如実に示している。

 そのダメさは徐々に広がり、最近では池澤夏樹もあっけなく「転向」した。朝日新聞は今年も高橋源一郎の「論壇時評」を続け、小熊英二のコラムを皮切りに、池澤夏樹のコラム、三浦瑠麗、平沼赳夫、さやわかのインタビューで「右傾化なんてなかった」キャンペーンを張るまでに落ちぶれた。

 私には、かつて「喜八」が主張していたことを、今では朝日新聞が記事にしているように見える。朝日新聞は「『右』も『左』ない新聞」と化した。もちろん、「『右』も『左』もない」とは「右翼」の別名である。
 新年度に入り、間もなくブログ開設9周年を迎えるが、昨年度後半、特に今年に入ってから、その中でも先月下旬来、身体的および精神的の両方で冴えない状態がずっと続いている。現在は、孫悟空が悪さをした時輪っかに頭を締めつけられるような状態が続いていて、それが集中力を妨げるのである。

 幸い、先週の記事「安倍政権への抵抗に関する朱の盤さんのコメントより」にいくつかコメントがついたので、今回はそれらを紹介して2回続けてのコメント特集にする。

 その前に少しだけ前口上を書くと、朝日新聞の朝刊を見ると、以前時事通信の世論調査で大差がついていたはずの北海道知事選の情勢が「競り合う」とされていたのに少し驚いた。但し、読売は「与党系候補が先行」、北海道新聞も「高橋氏の優位続く」と報じている。大逆転はやはり難しいかもしれない。

 さて、先週の記事「安倍政権への抵抗に関する朱の盤さんのコメントより」にいただいたコメントを、投稿順に紹介する。私からのコメントはしない。

http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1384.html#comment18655

私の職場、友人、親族などを見ても間違いなく右傾化が進行していると感じています。
なのでこの手の話題は出来るだけ出さないように気を使ってしまいます。
思ったほど進行していないというのは楽観的過ぎると思います。
あと経済敗戦や生活苦に対する人々の鬱憤は
国内では自分より貧乏な人間(生活保護者)や弱者にも向かっていると思います。

2015.03.30 18:00 1985


http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1384.html#comment18656

小熊英二がネット右翼は人口の1%にも満たないから問題ないなどと寝言を抜かしていましたが、それと同類のコメントですね。社会は「大衆レベルで」右傾化していますよ確実に。
じゃなければ、嫌韓・嫌中のヘイト本やら、「日本はこんなに凄い」系のマスターベーション本が売れる理由が説明できないではないですか。テレビも「日本が大好きな親日外国人」系の番組が増えた。きっと視聴率がとれるのでしょう。私は安倍の極右路線よりも、この下の根の排外ナショナリズムの方が長期的には脅威であると思っております。原発事故以来、この傾向が続いてますから。

2015.03.31 14:53 スーベニア


http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1384.html#comment18657

ネット右翼のような極端な「右」は今のところはかなりの少数派だとは思いますが、間違いなく社会は右傾化していると思います。

もしも本当に社会が右傾化していないのであれば、安倍政権のような極右的な傾向が強く、かつ、殆ど何の政治的な結果を出していない【期待されたアベノミクスも、一部の大企業や富裕層の懐を温めただけで、多くの一般庶民は殆ど恩恵を享受していません。また、安倍政権になってから経済的格差もどんどん拡大していっています】政権が約50%もの高い支持率を長期間に渡って維持できるわけがないと思いますよ。

ちなみに、なぜ上述で「今のところは」と申し上げたのかというと、日本の左派系やリベラル系の政治勢力が経済・労働・福祉の分野で安易な妥協をして、低所得層や下層中産階級の左派系やリベラル系の政治勢力に対する信用を失墜させ、かつ、日本の極右的な政治勢力がフランスの極右並みに戦略的に賢く【フランスの極右勢力は戦略的に、様々な社会層の中で最も右傾化しやすい低所得層や下層中産階級を自分達の政治勢力に取り込んでいて、その戦略は成功しています】なれば、ネット右翼は大幅に増えると思います。

2015.03.31 23:07 向日葵


http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1384.html#comment18658

確かに健康第一。季節の変わり目だし、お互い気をつけましょう。

さて、まずはこちらを。
http://togetter.com/li/802001
「地方議員として活躍されている日本会議の会員の皆さん」リスト。
これは日本会議の会誌『日本の息吹』3・4月号に掲載された地方議員のリスト。
とかく国政ばかりに目が向きがちですが、来る統一地方選。これ大事。
このまとめでも触れられているように、極右地方議員リストとしては不十分ですがそれでもこれだけの資料なかなか手に入らない。ツイート主、まとめ主に感謝です。

なぜ日本会議が重要か未だ知らない方もいらっしゃると思いますのでこちらをご覧ください。
https://twitter.com/beyondaki/status/582073550174982144
3月28日付東京新聞『こちら特報部』の特集”草の根保守の先兵 日本会議地方議連”です。
「右傾化拍車」「統一選地方議会で拡大も」「アイヌ・慰安婦否定、改憲後押し」「次は教科書採択」「地方議連1600人超」と刺激的なコピーが並んでいますが、彼らの主張はそのまま安倍が言ってることとほぼ同じだということです。
彼らこそが現政権の力の源泉だといってもいい。
日本会議のルーツの一つが全学連~日本青年協議会になるわけですが、日青協創立メンバーは日本会議事務総長椛島有三、親学の高橋史郎、 日本政策研究センター代表伊藤哲夫、宮崎正治、そして安倍側近の自民党衛藤晟一と。

昨年の朝日新聞「誤報」騒動で彼ら活気付いて「壊憲決議」「慰安婦決議撤回決議」採択が地方議会でどんどんなされていることからしても深刻な事態ですが、これ発議しているのがほとんど日本会議系地方議員ですよ。
我々の身の回りの人が右傾化していようがしていまいが、気づかぬうちになされているということです。

また、先に挙げた高橋史郎。親学がなぜだめかというのは説明するまでもないことかと思いますが、も一つ最近話題の二分の一成人式。これも高橋のTOSSが仕掛けたイベントでありNHK『おはよう日本』でも肯定的に取り上げられるほど広まっていると。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/ryouchida/20150119-00042352/
10歳(小4)の節目を祝う学校行事。参加した父兄は感動しまくりってやつですが、記事にもあるように、「お母さん,ありがとう」「お父さん,お仕事がんばって」という感謝の手紙がもたらす弊害。虐待された経験のある子供、あるいは一人親に対する配慮は微塵もない「家族の絆」の強要イベントですが、これが非常にウケがよく、かつ、イベント関連企業も笑いが止まらないと。
そういや親学の全国イベント『親守詩全国大会」の共催は毎日新聞でありました。

ともかくこんな調子で、日本会議はじめとする「草の根保守」は長年地道に「道徳の教科化」や親学・優生学重視の教育、男女共同参画反対、性的マイノリティ固定化政策等々を地方の役所・議会、教育現場において実践してきて、しかも財界の支援が手厚い。
ちなみに高橋は「米国を主戦場」と位置づけ、「慰安婦問題」はじめ現政権の「歴史認識」を世界に広めようと、元在特会副会長で現なでしこアクション代表の山本優美子や在特系、幸福の科学系らと活動中であり、現政権は「連動してことにあたる」と言ってます。

なので、まずは統一地方選。一人でも多くの日本会議地方議連所属の候補者を蹴落とす必要があると思うので、皆様よろしくお願いします。

なお、右傾化といえば在特会みたいに路上で「ヘイトスピーチ」かましたり、ネットDE真実になったりする人ら。特に中高年層で彼らみたいになるのはアッという間。
例えばお茶の間で大人気の池上彰。またもやテレビで歴史修正かました模様です。
https://twitter.com/nihon_koutei/status/582524041111547904
”テレビ朝日の池上彰特番。日中関係が悪化したのは天安門事件で危機感を覚えた中国共産党が愛国心を鼓舞する為に反日教育を始めたから…って(呆)。南京大虐殺でも抗日戦争でも、毛沢東の時代から中国はずっと教え続けているだろうが。自分達が変わったのを他人のせいにするのも歴史修正主義の一つだ。”
「あの池上さんが言ってるんだから」てな調子ですよね。

比較的若い世代でもこういう人多そうですね、という例↓
http://www.kanaloco.jp/article/81903/3/
カナコロ(神奈川新聞)『時代の正体<78> 虚偽さえ交え ヘイトスピーチ考<上> 【記者の視点】報道部デスク・石橋学』のP3ですが、川崎市中1少年殺害事件について記事後半に出てくるヘイトデモを見ていた(事件を外国人排斥に結びつけるデモ隊の主張には首をかしげる)夫婦のうち赤ちゃんを抱いた妻「考えたのは加害者、被害者の親は何をしていたのだろうかということ。子どもにとって育つ環境が大事だとあらためて感じました。両親に愛され、大事に育てられていたら、あのような事件を起こすこともなかったのでは」なんて言う人は、二分の一成人式にも感激し、一人親の責任追及に熱心になり、外国人排斥に走る恐れも十分にあるのかなと。

外国人排斥といえば『【外国人入居拒否】 法務局、人権侵犯認めず アパートの「外国人不可」 仲介の大学生協は謝罪』
http://www.47news.jp/47topics/e/263652.php
これね。もちろん法務省京都法務局の「人権侵犯の事実があったとまでは判断できない」と外国人差別を否定していることは論外ですが、このような事例いくらでもあるわけで、人権週間における法務省の毎度おなじみの標語「思いやり」「優しさ」「心」ってやつがいったい何なのかってことですよ。

結局のところ「家族の絆」だの「思いやり」だのってのが、いかに右派を利しているか。気をつけないとダメですね。

2015.04.01 03:13 white noise


http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1384.html#comment18667

確かに、何をするにも体力が第一ですね。
僕が社会人になってからもなるべく気をつけています。
ただ、以前このコメント欄に
『右も左もないという意見が、結局は右派を肥らせる』
とあったけど、そうなると右派に対抗できるのは左派の意見だけ、ということになる気がするんです。
でもそれは比較的偏狭で孤独なものになってしまう気も。
僕自身、
『自分の考えが右とか左とかは考慮に入れずに、単刀直入に意見をぶつけていく』
というスタンスできましたので。

>スーベニアさん

実を言うと僕も
『住んでみたドイツ、8勝2敗で日本の勝ち』
は持っています。
第2外国語としてドイツ語をかじっていて、ドイツに行ったり住んだりしたいという思いがあったので。

最近はやりの日本礼賛本。
ある意味ではいいんじゃないかと思います。(ヘイト本は論外だけど)
日本には『謙譲の美徳』というのがあるけれど、あくまでローカルな文化であって、グローバルな文化においては、
『能ある鷹は爪を見せる』
ですから、その環境になるべく適応したほうがいいと思うんですよね。
確かに人間は隣の芝生が青く見えるから、自分の周りにある環境がどれだけすぐれているかを忘れやすい。
「今の生活は負担を感じないようにできてるから人間が鈍感になる。」
という指摘は正しいと思うんですね。
もちろん、見せる爪は自前のものでないと周りは感心しないですけれど。

2015.04.01 19:45 SPIRIT(スピリット)


http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1384.html#comment18668

以前にも言ったことなんだけど、この手の「右傾化」言説には注意してかからないと俗論と化すとこがあったりして、つい最近の傾向なのか以前から底流してあったのかってことを注意深く見て峻別しないと、下手な「ガス抜き」になってしまう危うさがあるんですよね。

実を言うと、ここ最近青木慧氏の著作 http://amzn.to/1HiNXBV で今から30年以上も前に刊行された「右派」の知識人や財界人・草の根「保守」について取り上げたのを読む機会があったのですけど、そこで指摘されていることと最近の「右傾化」論議で言われていることって(若干の相違はあれど)殆ど違いが無かったりするんですよ。青木氏の著作で名前が挙がっている方の少なからざる部分が今でもメディアに登場したりもするし、組織の実態やその主張・やり方等々30年前も今も実は同じだったりするんですよね。じゃぁ、ネットの影響が全く無いかというとそうでもなくて、寧ろ彼らの言説が可視化し易くなり加えて動員や賛同を集めやすくなった側面もある訳で、しかも嘗てのネット右翼が年齢層を重ねて(社会的にも)中堅どころや場合によっては次世代(!)のリーダーと目されたりしますし、一方で(草の根「保守」で中心的な役割を担っていることもままあった)高齢者層などが以前と比べて格段にネットに触れる機会が増し、それが「右傾化」として映る面もあれば他方ではそうした傾向に影響化されて「右傾化」するなど一種の相互作用みたいなのがあるんじゃないかと思います。

でkojitaken様は、「人々の暮らしが良くならないか、さもなくば悪化していることに起因する閉塞感」を「右傾化」の背景として挙げていますけど、それは必要条件ではあっても十分条件ではないと思います。仮に「人々の暮らしが良くならないか、さもなくば悪化していることに起因する閉塞感」があるなら右翼で無くても左翼へ支持が集まっても何の不思議もありませんから。それ以上に自分は、同じ「閉塞感」でも国際的な地位の低下のファクターが大きいと考えますね。以前に故・森嶋通夫氏が『日本はなぜ没落するか』 http://amzn.to/1HiOT9i を著わした1990年代だと対米従属のオルタナティブとしてアジア共同体ってのはリアリティーがあった・というより"国益"に適っていたとこがある訳です(かの小泉純一郎でさえ"国家戦略"として挙げていたくらいですから)。確かに韓国・台湾に香港・シンガポールなどが新興国として発展していたけど、それでも日本はアジアの中でもリーダー格として存在感が持てるという自信が国民にも政治の側にもありましたし、歴史認識問題などの軋轢はあれど深刻とも言える様な対立も無く、中国は改革・解放の真っ最中でもまだまだ韓国や台湾を追う立場だったりしたのですから、良く言えば「余裕」悪く言えば「傲慢」がアジアに対してあったんじゃないかと思うんですよね。

でも、(先ほどメディアで話題になったアジアインフラ投資銀行の問題が典型ですけど)今のアジアはそれこそ日本抜きでも十分やっていける・欧米と伍してやっていけるくらいまで発展してしまっているんですよね。(湾岸戦争の頃からその兆しはあったとしても)外交面では対米追従になるか或いは対米自立ってなると中国や韓国など近隣諸国と無用な摩擦を起こすか、どちらにしても厄介な存在としてしか見られていなかったりするんですよね。しかも日本の頭越しにアジア諸国間ばかりか欧米諸国とも自由貿易協定を結んでいたりして、政治経済の面で日本を当てにする必然性が無くなっているという現実があるんですよ。

こうして見ると、安倍晋三の様なのも危うさがあるんですけど、いわゆる「政権批判」で持て囃されている内田樹や孫崎享・矢部宏治や安冨歩にも自分は同様ないしそれ以上の危機感を覚えるんです。確かに「政権批判」なことは言っているんでしょう。しかし、その言動の中身を吟味すると"リベラル"や"ソーシャル"は欠片も無くて「右翼」や「保守反動」のそれと同じ様にしか思えないんですよ。孫崎・矢部は憲法を一旦無効にして自分で指揮できる軍隊を持って"自主路線"を口にしてますし、内田や安冨は再分配や社会福祉を官僚機構の肥大化として端から否定し、一部の富裕層によるパトロンの"ノブレス=オブリージュ"や弱者同士の「共助」(も含めた連帯責任)を賞賛しているのですから。

長々となりましたけど、今の政権の様にネオリベバリバリで対米追従を巧く(?)利用しながらタカ派路線を歩むってのも危機的ですけど、その「オルタナティブ」が政権に輪をかけた"ファシズム"だったり或いは閉鎖的な階級社会や鎖国みたいなのを賞賛する"保守反動"だったりするということこそ、真に危機的な状況じゃないかと自分は考えます如何でしょうか?

2015.04.01 22:46 杉山真大


http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1384.html#comment18670

>SPIRITさん

>『右も左もないという意見が、結局は右派を肥らせる』
とあったけど、そうなると右派に対抗できるのは左派の意見だけ、ということになる気がするんです。
でもそれは比較的偏狭で孤独なものになってしまう気も。

いや、私が批判したのはまさに「右も左も無いシングルイシューの運動体」「偏狭な運動体」なのですが。
具体的に言えば反原連~旧しばき隊~C.R.A.C.K.です。
「日の丸はいいけど労働旗はダメ」に始まり、「官邸前金曜日1回空けてくれない?脱被曝訴えたいから→あんたらよそでやってくれ」「警察と仲良くしよう。捕まるやつは革マルじゃねぇの」「在日に対するヘイトスピーチだけでなく朝鮮学校に対する補助金問題取り上げないのはなぜ?なんで東京大行進の賛同人に差別主義者の(民主党)金子洋一が名を連ねているの?→うるせーよ、ヘサヨ。ガタガタ言ってるの××大学の○○だろ。晒しちまおうぜ」「おれらにガタガタ言う在日いるけど、そういうやつにミンジョク、テッテ的と言ってもそれは差別ではない、罵倒だ」「中韓も(歴史認識)うるさく言いすぎ。未来志向で行こうぜ」「レインボーフラッグの意味おれら書き換えてやる」「三里塚や沖縄の古い運動をブルドーザーで轢き潰す」

こういった言説なり暴力によって異論は封じ込められてきたわけですが、これらを無批判で受け入れていたのがリベラル系「右も左もない」論壇なり「のりこえネット」だったり政党(共産党)だったわけですが。
これらを批判すると「偏狭で孤独なものになってしまう」のなら、一体何のための運動なんですか?
言っておきますが、この運動体に参加している人すべてが上述したような連中ばかりではもちろんありませんし、(今は)一部の右側からの批判もありますよ。
しかし、「ヘサヨ」と言われた側が、ずっと危惧していたような現状があるのも事実でしょ。

私が「右も左もない運動」を批判したとき、先日の3.22マルチイシューの反安倍デモをある程度評価したのは、各々の価値観なり思想を大事にしてやっていこうという意思が見えたからです。
しかし同時に思うことは、過去の言動の反省も総括もなく、かつ、異論も大事にしてその上で運動体としての方針を打ち出していくことを忘れるならば、そういう運動体はダメでしょ、ということです。

で、もちろんこういった相対主義的な運動なり言説というのは、3.11以降に始まったわけではなく、90年代からの流れがあるわけですよね。
「新しい歴史を作る教科書の会」「小林よしのり」を批判してきたのは誰か?例えば批評家の佐々木敦が「あずまんの一人勝ち」と評した東浩紀はどうでしたかね?
「南京事件」について右派に理解を示したりしてませんかね。
すでに他の方が批判されていますが、小熊英二の朝日に掲載された”(あすを探る 思想・歴史)「ネット右翼」への対処法”。
http://www.asahi.com/articles/DA3S11670003.html
安倍が旧在特会、現教育再生・地方議員百人と市民の会事務局長の増木重夫とツーショットの写真を撮り、閣僚らがネオナチ団体と仲良しなのは、欧米主要メディアも報じているわけですが、何をいまさら眠たいこと言ってんの?というレベルのネトウヨ対処法を語っているわけですよ。
もっと笑止なのは朝日ね。「頑張れ日本」初め対朝日集団訴訟原告人数3万人超えているのに、こんな小熊の論掲載して危機感無いのかね?というレベル。
もっとも、朝日は「極右」のルペンを「右翼」と紹介して、彼女の言い分を思う存分紙面で語らせていますから、驚くことでもないかもしれませんが。

「歴史認識」に対する未来志向ってやつも、中韓を刺激するばかりではないでしょ。
先日来日したメルケル。彼女はもちろん保守政治家ですが、彼女に「中韓にも問題ある」と主張して納得されますかね?そんなわけないでしょ。
http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20150317/1426658313
アジア女性基金の大沼保昭が秦郁彦らとともに米マグロウヒル社に対して、慰安婦強制連行という記述は誤りだと主張していると。
秦はかつて日本兵総数を250~300万人としていたのに、今回100万人と主張して自説を補強していると。
その秦を外務省は「慰安婦問題のエキスパート」として海外メディア記者に紹介していると。
もともと大沼は挺体協に対する恨み節が目に余っていたわけですが、とうとうこんな歴史改ざん主義者と手を組んだということですね。

結局相対主義がこういった言説や現状を招いているわけで、私が批判しているのはそこです。
ですので、
>『自分の考えが右とか左とかは考慮に入れずに、単刀直入に意見をぶつけていく』
というスタンス
には大いに賛成しますが、原則を大事にしないとアッという間に持ってかれてしまいますよ、ということを言いたいわけです。
ちなみに私の場合の原則とは「人権」です。

2015.04.03 00:28 white noise