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きまぐれな日々

今月行われた地方選挙は、「ミニ統一地方選」と呼ばれるのだそうで、7月に行われる参院選の前哨戦として注目されているとのことだが、概ね自民党の堅調が目立った。但し、地域によっては東京都小平市長選(7日)や香川県丸亀市長選(14日)のように自民党候補(小平市長選の場合は自公のほかにみんなの党と維新の怪が相乗りした)が敗れた選挙も少なくなかった。

強い印象を受けたのは、14日に行われた兵庫県の伊丹市長選と同宝塚市長選で維新の怪公認の候補が惨敗したことで伊丹市長選は自民・民主・公明が推す現職の勝利だったが、宝塚市長選は元社民党衆院議員の現職・中川智子市長を共産党系の団体も推し、いわば「社共共闘」の形で、民主党系の応援なども得て維新の怪公認の侵略者、もとい挑戦者を退治、もとい破ったのだった。

いまやすっかり凋落した「小沢信者」は、昨日(21日)の名古屋市長選で3選を目指した河村たかしの楽勝に溜飲を下げたかもしれない。だが、河村たかしは絶頂期の一昨年の市長選では2位の候補の3倍を超える66万票の大量得票で圧勝したのに対し、昨日の市長選では得票数を一昨年の3分の2にも満たない42万票台に落とした。それでも自民と民主が相乗りした2位の候補の倍以上の得票で圧勝したのだが、河村の勢いは確実に落ちている。橋下の維新の怪が兵庫県侵略に失敗したといってもそれはアウェーの戦いに敗れただけだが、河村の場合はホームでも明らかに勢いを落としているのだ。まるで今年のプロ野球・中日ドラゴンズのようだと言ったらドラゴンズファンの方々からお叱りを受けるかもしれないが。

ところで個人的に注目しているのはこの週末(28日)に投開票の行われる参議院山口補選である。先週、民主党参院議員の室井邦夫(統一協会とズブズブの関係にある元小沢系の極右議員)が離党を表明し、さらに山口補選で自民党公認の江島潔が当選すれば参院の議席数で自民党は民主党と同数の第1党になるとマスコミは囃し立てている。

選挙自体は蓋を開けてみるまでもなく江島潔の圧勝で決まりである。江島が下関市長を務めていた頃、当ブログは江島をこき下ろす記事を何本も書いたし、現在も『kojitakenの日記』で江島をdisっている。江島潔が安倍晋三の腰巾着であるばかりか、下関市長時代や4度戦った市長選で悪行三昧だったトンでもない人間だからだ。

しかし、江島が下関市長の5選断念に追い込まれた人望のない政治家だとはいっても、安倍晋三系と林芳正系の自民党内での対立構図で林芳正系に押されて劣勢になっただけで、国政選挙ではその林芳正系の支援も受けられるわけだから、現在の圧倒的な自民党への支持を背に受ける江島が負けるはずがない。実際、朝日新聞は「自民・江島氏が優勢」と報じている。

朝日の記事には「無所属新顔の平岡秀夫氏らは厳しい」と書かれている。民主党政権で法相を務めた平岡氏は、今回の補選では無所属で、民主党とみどりの風の推薦、社民党の支持をそれぞれ受けている。また、共産党が藤井直子氏を擁立し、他に幸福実現党の候補もいる。選挙が間違いなく江島潔圧勝と思われる情勢を考慮すると、各党の対応はそれぞれの立場からすれば理にかなったものといえるだろう。

今朝(4/22)の朝日新聞には、参院山口補選に関して3面をほぼ丸々とって(他には連載記事の「プロメテウスの罠」が載っているだけ)長い記事を書いているが、そこで一度も党名の言及がないのが生活の党である。この党は全く動いていない。ネット検索をかけてみたが、同党の佐藤公治参院議員(今年改選)が「個人として」平岡候補の応援演説を行ったというのが唯一見出した同党議員の動きだった。小沢一郎が菅直人に近い平岡秀夫を嫌っているほか、旧日本未来の党で小沢と袂を分かった飯田哲也が平岡氏を応援していることなどが、同党が動かなかった理由と思われる。

一方、リベラル・左派系ブログに昔からアクセスしている人にはおなじみであろう戸倉多香子氏(民主党山口県議)やさとうしゅういち(佐藤周一)氏(緑の党)は平岡候補の応援を行っている。戸倉氏に民主党籍があるのが意外だったが、昨年の衆院選直前に一端離党届を出しながら、自ら棚上げしてもらって衆院選後の昨年末に離党届を取り下げたようだ。ずいぶん政治的な動きにも見えるが、その結果平岡候補を心置きなく応援できるのであれば、同県議にとって賢明な選択だったのではないかと思える。こう書くと県議の本意ではないと言われそうだが、変な「忖度」を強いられるような空気に構成員の行動が縛られるような政党は、やはり問題外のダメ政党だと思う。

私自身は政治家になるつもりなど毛頭ないから、われながらずいぶんひどいお気楽な記事を書いているなと思うのだが、勝ち目の全くない戦いでもやらなければならない時がある。そういう時にどういう行動を取ったかということは、政治家の評価を大きく左右するのだ。政治家には持続力と忍耐力が必要である。追い風に乗っている時には偉そうにしていながら、逆風を受けると全く動かなくなってしまう政治家など、全く信用できない。

ブログも同じである。5年前の衆院山口2区の補選の時、最初のマスコミの情勢調査で平岡秀夫と山本繁太郎がほぼ互角と見られ、中には山本繁太郎の名前を先に書いたメディアもあったが、それをブログで紹介したら、今では「小沢信者」と化した有名ブログ主に「あんたはノーパンしゃぶしゃぶ(山本繁太郎)を勝たせたいのか」とずいぶんな剣幕で怒られたものだ。しかし、そのブログは現在では参院山口補選など見向きもしない。そんなブログよりは、今でも参院山口補選で平岡氏に好意的な記事を載せるブログの方がよほど良いと思うのである。私は今回の補選では単に大嫌いな江島潔をネットでdisっているだけの腰抜けなので、偉そうにいえた筋合いはないのだが、それでも個人ブログに何を書こうと勝手なのでこうして書いている(笑)

来週の月曜日には、また産経その他の保守メディアが参院山口補選の江島潔圧勝に沸いているかと思うとむかつくが、それは避けられない事態だからどうしようもない。
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