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きまぐれな日々

11月7日、自民党総裁の安倍晋三が「中道」を自称する民主党を批判した。産経新聞記事から引用する。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121107/stt12110711070002-n1.htm

民主の「中道」は「大衆迎合の醜い姿」 自民・安倍総裁

 自民党の安倍晋三総裁は7日午前、都内で講演し、政府・民主党が強調している「中道」路線について「自分の信念も哲学も政策もない人たちを中道の政治家という。堕落した精神、ひたすら大衆に迎合しようとする醜い姿がそこにある。つまり自分たちの考え方がない」と厳しく批判した。

 野田佳彦首相が求める党首討論に関しては「首相にしか質問できず問題を明らかにすることはできない。予算委員会とは決定的に違う。これでお茶を濁そうというのはゆゆしき問題だ」と述べ、予算委開催を優先的に求める考えを示した。

 一方で「政府・与党は何としても予算委をやりたくない。立ち往生する閣僚が出てくるのは間違いなく、予算委をやらずに衆院を解散して逃げ込もうとしているのではないか」とも指摘した。

(MSN産経ニュース 2012.11.7 11:06)


民主党副代表の仙谷由人が、これにかみついた。今度は毎日新聞記事から引用。
http://mainichi.jp/select/news/20121109k0000m010105000c.html

中道批判:民主・仙谷氏が討論要求、安倍自民総裁は拒否

 民主党の仙谷由人副代表は8日、同党が次期衆院選で打ち出そうとしている「中道」路線を批判した自民党の安倍晋三総裁に対し、公開討論を求める申し入れ書を郵送したと明らかにした。仙谷氏は国会内で記者団に「哲学や信念があるのかないのかは、安倍さんが断定する話ではなく、国民だ」と説明した。

 仙谷氏は「我々が98年から掲げている『民主中道』という旗について、何か深いお考えがあるのだろう。安倍さんが言い出した話だ。ぜひお逃げにならないでお願いしたい」と述べ、安倍氏をけん制した。

 これに対し、安倍氏は文書が届いていないとした上で、記者団に「私も忙しい。野田佳彦首相とは討論するが、すべての議員を相手にする時間はない。フェイスブック(の安倍氏のアカウント)にコメントを書き込んでくれたらいい」と討論には応じないとした。

 安倍氏は7日の講演で中道路線について「堕落した精神、大衆に迎合する醜い姿だ」などと発言していた。中道路線は安倍氏の保守色との対立軸を意識したものだけに、論争は今後もヒートアップしそうだ。【木下訓明】

毎日新聞 2012年11月08日 23時35分(最終更新 11月09日 01時03分)


その後安倍晋三のもとに仙谷由人からの申入書が内容証明郵便で届いたらしく、安倍晋三がフェイスブックで吠えた。安倍晋三の下劣な文章は、『kojitakenの日記』の11月10日付記事「フェイスブックで浮かれる安倍晋三は『日本語の不自由な人』らしい(笑)」に全文を引用したので、ここでは再掲しない。ご自身の目が潰れても良いという奇特な方がおられたら、下記リンク先を参照されたい。
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20121110/1352535721

私はフェイスブックの文章は安倍晋三自身が書いたに違いないと確信しているし、こんな文章を平気で書く無教養な人間を総理大臣にしたら、日本はますますダメになるとも断言する。

しかし、それにもかかわらず、安倍晋三の「中道批判」には一理あると思う。それは、右を見て左を見て、その間に多数意見があると判断して自分がそのポジションを占めようとする姿勢を「中道」と称することは、確かに安倍晋三が言うように、「自分の信念も哲学も政策もない人たちを中道の政治家という。堕落した精神、ひたすら大衆に迎合しようとする醜い姿がそこにある。つまり自分たちの考え方がない」としか言いようがないと思うからである。

そういった自称(「僭称」だと私は思うが)「中道」とは全く違う政治家、いや元政治家もいる。河野洋平がそうだ。

1976年に自民党を割って「新自由クラブ」を創設した河野洋平は、保守の左派に属する。当時の政治勢力全体から見ると、「中道右派」に当たる。新自由クラブは、社会党を「右」から割って出た社民連と統一会派を組んだこともある。

その河野洋平は、先々月(9月)のテレビ出演で、「自民党はずいぶん幅の狭い政党になったものだ。総裁選の候補者は全員が改憲派だ」と嘆いた。TBSの『サンデーモーニング』においてである。昨今の「第三極」の政局についても、プレーヤーは皆右翼ばかりだと、これは同番組における他のコメンテーターもよく口にすることだ。

しかし、出演者がこういう発言をする番組は、他にはほとんど思い浮かばない。日本テレビやフジテレビ、それにNHKも最近はほとんど見なくなったので知らないが、TBSでも『NEWS23』ではそんなことは言わないし、テレビ朝日の『報道ステーション』に至っては、キャスターの古舘伊知郎は、脱原発には熱心だけれども、反中国ムードを煽ることにも同程度に熱心だったりする。何より古舘には、2005年の郵政総選挙で小泉純一郎を全面的に応援した過去があり、私はこの男を信用したことは一度たりともない。この男を評価する文章をブログに書いたことも一度もないはずだ。古舘の悪口でついキーボードを打つ指が滑ったようだが、言いたいのは、TBSやテレビ朝日の番組を見渡しても、『サンデーモーニング』で河野洋平が語るような意見は日本のマスメディアにおいては「異端」になっているということだ。

河野洋平自身は、70年代当時と今で、政治的立場はほとんどぶれていない。変わったのは日本の言論だ。いうまでもなく大きく右に触れた。だから、海外のメディア、それも何も韓国や中国に限らず、アメリカやヨーロッパからも「日本の右傾化」が懸念されている。これが現実だ。

そんな日本国内で、「右を見て左を見てその平均を自分の立場にする(=平均あたりにポジショニングしておけば選挙における得票が多くなると算盤を弾く)」姿勢をとっても、それは70年代以降現在に至る右傾化の流れに流されてずるずる右寄りの政治を行う結果にしかならず、現に民主党政権がやったことはそうしたことばかりだった。そんなものは「中道」でもなんでもない。安倍晋三に「自分の信念も哲学も政策もない人たちを中道の政治家という。堕落した精神、ひたすら大衆に迎合しようとする醜い姿がそこにある。つまり自分たちの考え方がない」と批判されて当然だと私は思う。

私は、上記の批判に関する限り、安倍晋三に違和感は持たない。しかし、繰り返すが全くいただけなかったのは安倍がフェイスブックに書いた文章に表れた品性下劣さだった。

『kojitakenの日記』の記事で私は、安倍晋三の文章における敬語の誤り(相手が行った行動に対して謙譲語を用いる「尊大語」と呼ばれる表現を安倍は用いている)などをあげつらったが、それを見て、麻生太郎の漢字の誤読を連想された読者もおられたようだ。

だが、私は麻生太郎の漢字の誤読は批判しない。あれは、麻生が中途半端な教養を持った人間であることは表していても、麻生太郎が品性下劣だと思わせるものではないからだ。一方、安倍晋三の文章には、はっきり品性下劣な安倍の人格が反映されている。だから私はそれを唾棄したのである。一般に人間は、話し言葉においてよりも書き言葉において、その人格がはっきり表れると私は考えている。そも最悪の例として今も忘れられないのは、4年前に現自民党衆院議員の城内実が、当時議論された「国籍法改正」について自らのブログに書いた下記リンク先の文章である。これはこれまでも何度となく当ブログや『kojitakenの日記』で紹介してきた。
http://www.m-kiuchi.com/2008/11/11/bakawashinanakyanaoranai/

上記のように、安倍晋三を拒否することにかけては誰にも引けをとらないと思う私だが、その安倍に批判されて当然と思えるほど、今の民主党中枢の政治家たちはひどい。

マスメディア報道を見ていると、何か野田佳彦や前原誠司は、TPPを争点にする形で11月22日解散、12月16日投票という衆院選の日程を考えているらしく、この場合東京都知事選とのダブル選挙になる。そのせいか、東京都知事選出馬の意向を表明しているのは、現時点では松沢成文と宇都宮健児だけであり、東国原英夫はもちろん、立候補すれば圧勝すると予想されているらしい猪瀬直樹も態度を明らかにしていない。当ブログは宇都宮健児を支持するが、いろんな政治勢力の動きをああだこうだと言うことはここでは控えておく。

総選挙についていえば、当たり前のことだが争点を決定するのは時の総理大臣ではない。そのことは、2007年参院選における時の総理大臣にして自民党総裁だった安倍晋三が、自身は憲法改定を争点にするつもりだったにもかかわらず、全く不本意な「消えた年金」問題が争点になった選挙で惨敗したことを思い出せば容易に理解されるだろう。

野田佳彦が思い描いているのは、2005年の小泉純一郎の「郵政解散・総選挙」に違いないが、あの時の小泉純一郎のような狂気じみた信念は野田佳彦には全くない。あるのは打算だけだ。だから野田佳彦は必ず失敗する。TPPなど全く争点にならず、TPP参加反対の石原慎太郎はTPP賛成の橋下徹や渡辺喜美と平気で組んで総選挙を戦うだろうし、選挙を前に民主党から離党者が続出するだろう。そして総選挙は石原と同じくTPPに消極的な安倍晋三が率いる自民党が圧勝し、第2次安倍内閣が発足する。

だが私はもう、その事態を受け入れざるを得ないのではないかと思っている。石原慎太郎や橋下徹のような、マッチョ的なカリスマ性を持った独裁者に日本をボロボロにされるくらいなら、勇ましい主張とは裏腹に石原や橋下のようなカリスマ性を欠き、現に一度政権を投げ出した実績もある弱々しい安倍晋三に返り咲いてもらった方が、まだ再度安倍を倒して日本の政治を立て直す可能性がかけらほどには残るのではないかと一縷の希望が残せるからだ。12月末の新政権発足であれば、来年7月の参院選の頃には再び安倍政権への批判が高まっている可能性もある。

野田政権にはもうお腹いっぱいだ。選挙の定数が違憲状態だろうが何だろうが、そもそも小選挙区制自体が間違っていると考えている私にとっては、はっきりいって些事もいいところだ。早く解散して民主党は下野してくれ。そう思うようになってしまった。
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